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Trademark Appeal Case

称呼の要部抽出と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−20790(T2008−20790/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「SBMグルメソリューションズ」の文字を横書きにしてなり、第9類、第38類、第41類、第42類及び第43類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年4月18日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成20年4月2日付け手続補正書により、第38類「移動体電話を用いた通信・その他の電気通信(放送を除く。)、チャット形式による電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供、放送、報道をする者に対するニュースの供給、電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与、放送番組の番組表に関する情報の提供」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供、電子出版物の提供、移動体電話によるゲームの提供、移動体電話による通信を用いて行うゲーム大会の企画・運営・開催、移動体電話による通信を用いて行うゲームの提供に関する情報の提供、写真の撮影に関する情報の提供、インターネットを利用した画像・映像・音楽の提供、移動体電話による通信を用いた音楽の提供、移動体電話機による通信を用いて行う映画の提供」、第42類「気象情報の提供、電子計算機の貸与に関する情報の提供、インターネット用のサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与、電子計算機用プログラムの提供、移動体電話による通信におけるサーバーの記憶領域の貸与、移動体電話を用いた通信によるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸、電子計算機端末にダウンロードされたデジタル映像を携帯電話へ配信するためのサーバーの貸与」及び第43類「宿泊施設の提供に関する情報の提供、宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎに関する情報の提供、飲食物の提供に関する情報の提供、会議室の貸与に関する情報の提供」に補正され、第9類の指定商品については全て削除されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第4009148号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第4566344号商標(以下「引用商標2」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

そして、引用商標1は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月29日に登録出願された商標登録願平成4年第231080号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同7年11月10日に登録出願、第42類「自動券売機器用電子計算機のソフトウェアの作成」を指定役務として、同9年6月6日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

また、引用商標2は、「SBN」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年3月15日に登録出願、第38類「移動体電話による通信、テレックスによる通信、電子計算機端末による通信、電報による通信、電話による通信、ファクシミリによる通信、無線呼出し」を指定役務として、同14年5月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1との類否について

本願商標は、前記1のとおり、「SBMグルメソリューションズ」の文字を書してなるところ、構成前半の「SBM」の文字部分は欧文字で、構成後半の「グルメソリューションズ」の文字部分は片仮名文字で書されており、その構成文字の種類が異なるため、視覚上分離して観察されるとみるのが相当である。

また、本願商標の構成文字全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められず、さらに、構成文字全体より生ずる「エスビーエムグルメソリューションズ」の称呼も冗長であることから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、構成前半の「SBM」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

そして、「SBM」の文字は、特定の意味合いを看取されるものとは認められないことから、かかる文字部分が、独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生ずる「エスビーエムグルメソリューションズ」の称呼のほか、「SBM」の文字部分に相応した「エスビーエム」の称呼をも生じるものであり、かつ、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。

他方、引用商標1は、前記2のとおり、右回りに渦を巻くように描かれた図形(以下「図形」という。)と、その図形の下に「SBM」の文字を配してなるものである。

しかして、図形部分と「SBM」の文字部分が、全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められず、引用商標1の構成態様においては、図形と「SBM」の文字部分は、分離して看取されるとみるのが自然である。

そして、引用商標1の構成中の「SBM」の文字部分は、特定の意味合いを看取されるものとは認められないことから、かかる文字部分が、独立して、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標1に接する取引者、需要者は、「SBM」の文字部分に印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

してみれば、引用商標1は、「SBM」の文字部分に相応した「エスビーエム」の称呼を生じるというのが相当である。

そこで、本願商標と引用商標1を比較するに、本願商標中の「SBM」と引用商標1中の「SBM」は、その構成文字を同じくするものであるから、外観上類似するものとみるのが自然である。

また、本願商標より生ずる「エスビーエム」の称呼と引用商標1から生ずる「エスビーエム」の称呼は、同一であり、称呼を共通にするものである。

してみれば、本願商標と引用商標1は、共に特定の意味合いを生ずるものではないため、観念において比較できないとしても、「SBM」の外観において相紛らわしく、「エスビーエム」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。

そして、本願商標の指定役務中第42類「移動体電話を用いた通信によるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」(以下「アクセスタイムの賃貸」という。)と引用商標1の指定役務「自動券売機器用電子計算機のソフトウェアの作成」(以下「ソフトウェアの作成」という。)の類否について判断するに、両役務は、共にコンピュータに関する専門的知識を有する者または事業者によって提供される役務である。

また、「アクセスタイムの賃貸」については、コンピュータデータベースへアクセスすることを可能とするためのコンピュータソフトウェアの開発・作成を伴う役務であることから、「アクセスタイムの賃貸」及び「ソフトウェアの作成」は、共に「コンピュータソフトウェアの開発・作成」において共通する役務とみるのが相当である。

そして、「アクセスタイムの賃貸」は、誰もが需要者となり得る役務であり、「ソフトウェアの作成」の需要者と必ずしも異なるとはいえない。

さらに、両役務共に「コンピュータ」に関連する役務であり、役務の提供に関連する物品も一致するものである。

してみれば、本願商標の指定役務中の「アクセスタイムの賃貸」と引用商標1の指定役務中の「ソフトウェアの作成」は、提供者が一致し、提供の目的を共通にし、需要者の範囲を異なるものではなく、さらに、提供に関連する物品も一致する類似の役務というべきである。

そうとすれば、本願商標をその指定役務中「アクセスタイムの賃貸」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められることから、本願商標と引用商標1とは類似の商標といわざるを得ない。

(2)本願商標と引用商標2との類否について

本願商標は、前記3(1)の認定のとおりであり、本願商標は、「エスビーエム」の称呼をも生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。

他方、引用商標2は、前記2のとおり「SBN」の文字よりなり、その構成文字より、「エスビーエヌ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。

そこで、本願商標と引用商標2を比較するに、本願商標構成中の「SBM」と引用商標2「SBN」は、共に欧文字3字で構成され、構成中の「SB」の文字を共通にし、その差異は、語尾の「M」と「N」の文字部分にあるにすぎない。

そして、「M」と「N」とは字体が近似していることから、本願商標と引用商標2を時と処を異にして接した場合には、きわめて近似した印象を与えるものである。

次に、本願商標から生ずる「エスビーエム」と引用商標2から生ずる「エスビーエヌ」を比較するに、両称呼は、共に5音構成よりなり、そのうち「エ」「ス」「ビー」「エ」の音を共通にし、その差異は語尾に位置する「ム」と「ヌ」の音にあると認められる。

しかして、該差異音の「ム」と「ヌ」の音は、共に母音「u」を共通にする鼻音であり、比較的弱い音として発音される極めて近似する音であって、かつ、該差異音は称呼の識別において比較的聴取し難い語尾に位置するものであるから、該差異音の両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいとはいえない。

さらに、両者は、特定の意味合いをもって、一般に親しまれているといった事情も認められず、観念上の差異をもって両称呼を明確に聴別することもできないから、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、彼此聴き誤るおそれがあるものというのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標2は、観念上比較できないとしても、外観において近似した印象を与えるものであり、かつ、その称呼において類似するものである。

そして、本願商標の指定役務は、引用商標2の指定役務と同一または類似する役務を含むものである。

そうとすれば、本願商標をその指定役務中第38類「移動体電話を用いた通信・その他の電気通信(放送を除く。)、チャット形式による電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供の役務」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められることから、本願商標と引用商標2とは類似の商標といわざるを得ない。

4 請求人(出願人)の主張

(1)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)は、「本願商標は文字種の異なる欧文字と片仮名文字との結合であるとはいえ、『SBM』の文字部分と『グルメソリューションズ』の文字部分との間に間隔はなく、同じ大きさ、同じ書体でまとまりよく一体的に表され、片仮名文字はもともと外来語を表記するための文字であるから欧文字との相性は良く、文字種が異なることをもって『視覚的に分離する』というべきでない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標が、構成中の「SBM」の文字部分のみを捉えて取引される場合があることは、前記3(1)の認定のとおりであり、請求人のこの主張は、採用できない。

(2)請求人は、「本願商標の指定役務『移動体電話を用いた通信によるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸』と引用商標1の指定役務『自動券売機用電子計算機のソフトウエアの作成』とは非類似の役務であり、本願商標と引用商標1の商標が類似するとしても、指定役務が非類似であり、商標法第4条1項11号には該当しない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標と引用商標1とが、類似する商標であり、かつ、本願商標の指定役務「移動体電話を用いた通信によるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」と引用商標1の指定役務「自動券売機用電子計算機のソフトウエアの作成」が類似する役務であることは、前記3(1)の認定のとおりである。

よって、請求人のこの主張も採用できない。

(3)請求人は、「本願商標の構成文字『SBM』は単なる欧文字3文字であることを越えて、需要者に出願人を意味する語として認識されている」旨主張し、その証拠資料として資料1及び資料3ないし7を提出している。

そこで、請求人の提出した資料を徴するに、資料1は、インターネット百科事典「Wikipedia」における「SBM」の項目であり、「SBM」の語は、「スーパービットマッピング (SuperBitMapping)の略。」「ソーシャルブックマーク (Social Bookmark)の略。」「ソフトバンクモバイル (SoftBank Mobile)の略。」と記載されている。

しかしながら、、インターネット百科事典「Wikipedia」は、何人も自由に書き込めるものであるから、掲載された内容の信憑性が高いものとは必ずしもいえず、さらに、その掲載記事からすれば、「SBM」の文字が出願人の略称のみを認識するものとはいい難い。

また、資料3ないし7は、「ソフトバンクモバイル(SBM)」の記載が認められる新聞記事であるが、その内容をみるに、「ソフトバンクモバイル」の文字と共に「SBM」の欧文字が使用されている。

そうとすれば、「SBM」の欧文字のみをもって、直ちに、請求人の法人名称の略称を指称するものとは認められず、また、「SBM」の欧文字が直ちに請求人の法人名称の略称と認識されることを立証する証拠を、請求人は提出していない。

してみれば、請求人の提出した資料によっては、「SBM」の文字が、需要者に請求人を意味する語として認識されているとは認め難い。

よって、請求人のこの主張も採用できない。

(4)請求人は、「本願商標の指定役務『移動体電話を用いた通信によるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸』と引用商標1の指定役務『自動券売機用電子計算機のソフトウエアの作成』とは非類似の役務であり、本願商標と引用商標1の商標が類似するとしても、指定役務が非類似であり、商標法第4条1項11号には該当しない。」旨主張する。

しかしながら、本願商標と引用商標1とが、類似する商標であり、かつ、本願商標の指定役務「移動体電話を用いた通信によるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸」と引用商標1の指定役務「自動券売機用電子計算機のソフトウエアの作成」が類似する役務であることは、前記3(1)の認定のとおりである。

よって、請求人のこの主張も採用できない。

(5)その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

5 結論

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

よって、結論のとおり審決する。

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