Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−18422(T2008−18422/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「本家伊勢たまご物語」の文字を表してなり、第29類「卵,加工卵」を指定商品とし、平成19年10月15日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4162396号商標(以下、「引用商標」という。)は、「たまご物語」の文字を横書きしてなり、平成8年9月6日に登録出願、第29類「卵,加工卵」を指定商品として同10年7月3日に設定登録、その後、同20年7月8日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「本家伊勢」の文字と、これよりやや大きい書体で「たまご物語」の文字とを伏せた凸面鏡状に配してなるところ、該構成文字全体よりは「ホンケイセタマゴモノガタリ」の称呼が生ずるものである。
ところで、本願商標については、該構成中「たまご物語」の文字部分が、「本家伊勢」の文字部分に比べてやや大きな書体で表してなること、該構成中「勢」の文字と「た」の文字との間隔が、他の文字同士の間隔に比べて若干広い間隔を有すること、並びに、構成全体の中間部に位置する「たまご」の文字が平仮名文字で表されていることからすれば、「本家伊勢」の文字部分と「たまご物語」の文字部分とが、視覚上分離して看取されるものであり、かつ、該構成中「本家伊勢」の文字部分と「たまご物語」の文字部分とを、常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情は見いだし得ないものである。
さらに、該構成中、「本家」の文字は「おおもとになる家筋。いえもと。」等を意味する語として、並びに、「伊勢」の文字は「旧国名。今の三重県の大半。」又は「三重県の市。旧称、宇治山田市。」(いずれも株式会社岩波書店発行「広辞苑第6版」)を意味する語でとして知られているものであり、指定商品との関係からすると、「本家」の文字部分は、その商品の出所が「おおもとの家筋」の生産、製造に係るものであること、並びに、「伊勢」の文字部分は、その商品の産地、販売地が「伊勢」であること、をそれぞれ理解させるにとどまるもので、いずれの文字も自他商品の識別標識としての機能がないか、弱いものといわざるを得ない。
そうとすれば、本願商標に接する取引者・需要者は、本願商標の構成後半部分に、やや大きい書体で表してなる「たまご物語」の文字部分を自他商品の識別標識として捉え、これより生ずる「タマゴモノガタリ」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。
してみると、本願商標は、構成文字全体に相応して「ホンケイセタマゴモノガタリ」の称呼を生ずるほか、「たまご物語」の文字部分に相応した「タマゴモノガタリ」の称呼をも生ずるものであり、該「たまご物語」の文字部分からは「たまごについて語り伝えられた話」の観念が生じるというべきである。
他方、引用商標は、「たまご物語」の文字を横書きしてなるところ、これよりは「タマゴモノガタリ」の称呼及び「たまごについて語り伝えられた話」の観念が生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「タマゴモノガタリ」の称呼及び「たまごについて語り伝えられた話」の観念を同じくするものであり、また、「たまご物語」の文字を共通にする外観においてもある程度近似した印象を与えることから、両者は全体として相紛れるおそれのある類似の商標であると判断するが相当である。
また、本願商標と引用商標の指定商品は、同一のものと認められる。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の登録例に拘束されることなく、個々の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、いずれの登録商標も地名と認められる文字と「物語」の文字とを商標中に含むものであるとしても、本願商標とは商標の構成及び指定商品等を異にする事案であって、該事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではないから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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