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Trademark Appeal Case

著名商標との誤認混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成7年審判第6829号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1.本願商標

本願商標は、別紙に示したとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣類,運動用特殊靴,乗馬靴」を指定商品として、平成4年11月10日に登録出願されたものである。

2.原査定

原査定は、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当すると認定して、本願を拒絶したものである。

3.請求人の主張

(1)本願商標は、「DORUN POLO」の文字と「ポロ球戯中の競技者と疾駆する馬」の図形を配してなるため、「DO RUN POLO/ドゥ ラン ポロ」すなわち「疾駆するポ口競技」なる観念が生ずるものであり、「ポロ(Polo)」ブランドなる称呼は生ずることなく、「ドゥランポロ」の自然な一連の称呼のみ生ずるものである。

また、「ザ ポロ/ローレン コンパニー」は、「ポロ(Polo)」ブランドを単独で使用していないこと、及び「ポロ(Polo)」ブランドは、自他商品の識別力が希薄であることから、本願商標は「ポロ(Polo)」ブランドの称呼、観念は生じないものである。

(2)したがって、本願商標は、「ザ ポロ/ローレン コンパニー」及び米国の著名なデザイナー「ラルフ・ローレン」の業務に係る商品とその出所について誤認混同を生じさせるおそれは全くないものであり、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。

4.当審の判断

(1)(株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

(2)そして、(株)洋品界 昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項、ボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

(3)また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社 1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社 昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー 昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6万発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。

(4)以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、「POLO」、「Polo」及び「ポロ」の各文字は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

他に、これを覆すに足りる証拠はない。

(5)そして、本願商標は、前記したとおり、「DORUN POLO」の欧文字と「ポロ競技中の競技者と疾駆する馬」の図形よりなり、その構成中「DORUN POLO」文字は、「N」と「P」の文字の間隔が他の文字の間隔より広く表されていることから、容易に「DORUN」と「POLO」の二語からなるものと認識されるものであり、また、その文字部分が全体として不可分一体の既成の観念を示すものとして一般に広く認識されているものともいい難いものである。

請求人は、本願商標を「DO」、「RUN」及び「POLO」の三語に分離したうえで、「疾駆するポロ競技」なる観念が生ずる旨主張するが、その観念自体が明瞭なものとは言い難く、加えて、英文字は文字の間隔の大小により各単語を識別するものであることからすれば、「N」と「P」の文字との間隔を広くあけて「DORUN POLO」と表した構成においては、等間隔で表された「DORUN」の文字部分を、さらに「DO」と「RUN」に分離することは不自然なものと言わざるを得ないから、この主張は採用することができない。

(6)そうとすると、本願商標は、その構成中に「POLO」の文字を有するものと容易に認識されるものであり、本願商標を「被服」を含む本願指定商品について使用した場合には、前記の事情からして、これに接する取引者、需要者が、「DORUN」の文字部分が特定の意味を有さないものであることと相俟って、その構成中の「POLO」の文字部分に着目し、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る「POLO」標章を想起し、その商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

(7)なお、請求人は、「ザ ポロ/ローレン コンパニー」は「ポロ(Polo)」ブランドを単独で使用していないし、「ポロ(Polo)」ブランドは自他商品の識別力が希薄であるから、本願商標は出所の混同のおそれはない旨主張するが、かかる主張は、前記認定判断に照らし、失当であり、採用することはできない。

また、請求人は当庁における審査例を挙げて種々主張するところがあるも、それらは本件とは事案を異にするものであるから、この主張も採用できない。

(8)したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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