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Trademark Appeal Case

標語の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−11860(T2008−11860/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「強く、優しく。」の文字を標準文字として書してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,図書の貸与」を指定役務として、平成19年4月20日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『強く、優しく。』の文字を標準文字で書してなるものであるから、これよりは『強くて、かつ優しい』等の意味合いを容易に看取させるものであり、こうした文言は、学校等の教育機関が教育理念に採択し、学校の指針・方針を示す標語の一種と認められる。そうとすると、これを商標として本願指定役務に使用しても、何ら自他役務の識別標識としての機能を果たすものではなく、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べの通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に通知した。

1 「強く、優しく。」の文字(これに酷似する態様で表示されたものを含む。)が、「校訓、教育目標」等に使用されている事実

(1)「豊岡東小学校PTAが創立50周年記念で校訓刻んだ石碑を寄贈」(1996.09.25 静岡新聞朝刊 19頁)の見出しの下に、「豊岡村立豊岡東小PTAが創立五十周年を記念して、校訓を刻んだ石碑を同校に寄贈した。二十四日、同校の運動会に合わせ式典を行い、『正しく 強く 優しく 永く』と刻まれた石碑を除幕した。」との記載がある。

(2)「<この人>文武とも飛躍さらに*坂田直通校長」(1993.10.07 北海道新聞朝刊地方 27頁 札B)の見出しの下に、「今年、開校十周年を迎えた札幌稲雲高校の坂田直通校長(59)は「校訓の『真心、賢く、強く、優しく』は、これまでの十年で教師、生徒に十分浸透した自負があります。」との記載がある。

(3)「創立85周年記念し最後の単独同窓会 旧制桑名高等女学校」(1993.05.28 中日新聞朝刊 19頁 三重総合版)の見出しの下に、「また、八十五周年を記念して、同校跡地の桑名市吉之丸に『明るく、強く、優しく』の校訓などを記した高さ一メートル、幅二メートル、奥行き約二十センチの碑を建立、同市に寄贈した。」との記載がある。

(4)「東広島市立西条小学校」の「発行日 平成20年5月7日 学校便り 高台DO」(http://www2.city.higashihiroshima.hiroshima.jp/~saijo-sho/h20saijo-home/h20saijo-tayori/tayori_5.pdf)において、「正しく 強く 優しく 永く」の見出しの下に、「さて,今年度も保護者・地域の皆様のご支援・ご協力を得ながら,校訓『正しく 強く 優しく 永く』を大切にしながら,地域を生かした教育活動の取組みを進めてまいりたいと考えています。」との記載がある。

(5)「松山市立味生第二小学校 教務部」の「平成19年度 児童アンケート平均値」(http://www.matsuyama-edu.ed.jp/~s.mibu_2/mibu2hp/ghyoka/kanketo.pdf)の見出しの下に、「校訓(強く優しく根気よく)を覚えている。」との記載がある。

(6)「札幌稲雲高等学校」の「学校長挨拶」(http://www.s-touun-h.ed.jp/gakkousyoukai.html)の見出しの下に、「賢く、強く、優しくの校訓が真心となって結実する意をあらわした校章を胸に840名の本校生が毎朝稲雲坂を登っています。」との記載がある。

(7)「釧路市」のウェブサイトの「阿寒小学校」(http://www.city.kushiro.hokkaido.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1177996701523&SiteID=0)の見出しの下に、「校訓 正しく 強く 優しく 清く」との記載がある。

(8)「陸前高田市立小友中学校」のウェブサイトの「小友中学校の紹介」(http://www.city.rikuzentakata.iwate.jp/school/otomojhs/gaiyo/index.htm)の見出しの下に、「本校は『理想を求め、伸びよ、すばらしき君・強く、優しく、賢く』という校訓のもと、三つの目標を掲げてすすんでいます。」との記載がある。

(9)「高輪中学校・高等学校」のウェブサイトの「教育方針」の項目において、「生活指導」(http://www.takanawa.ed.jp/3_education/6_seito-shido.html)の見出しの下に、「中学校 ...。3 生徒の健全育成をはかり、困難に耐え、強く優しく生きる力を養う。」との記載がある。

(10)「稲沢市立大里東小学校」のウェブサイトの「校内散歩」(http://www.inazawa-aic.ed.jp/eoses/kounai/sanpo.htm)の見出しの下に、「正門の近くには、校訓『強く・優しく・進んで学ぶ』の石碑があります。」との記載がある。

(11)「倉敷市立第四福田小学校」のウェブサイトの「学校長の思い」(http://www.kurashiki-oky.ed.jp/school/shihuku-e/gakkoshokai/gakkocho/gakkocho.htm)の見出しの下に、「校訓は創立当初のまま今も健在です。《強く 優しく 仲よく 美しく》」との記載がある。

(12)「八幡浜市立江戸岡小学校」のウェブサイトの「学校紹介」(http://idomov3.netfarm.ne.jp/~bg014633/1/i/shoukai.htm)の見出しの下に、「校訓:正しく・強く・優しく」との記載がある。

(13)「東広島市立西条中学校 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%BA%83%E5%B3%B6%E5%B8%82%E7%AB%8B%E8%A5%BF%E6%9D%A1%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1)の見出しの下に、「校訓 正しく 強く 優しく 明るく」との記載がある。

(14)「幼児教室.com」のウェブサイトの「『強く・優しく・美しい』教育を目指して帝京大学小学校」の項目において、「教育目標」(http://www.youkyou.com/htmls/topics/page_teikyou_001.html)の見出しの下に、「『強く・優しく・美しく』○強く 最後までやりぬく心と体の強さ ○優しく 他人を思い遣る心の優しさ ○美しく 正しいことを行い、正しいことに感動できる心の美しさ」との記載がある。

(15)「金城学院大学」のウェブサイトに、「教育スローガン『強く、優しく。』の実践 ホスピタル・クラウンをめざして/学生紹介」(http://www.kinjo-u.ac.jp/news/193.html)の見出しの下に、「強く、優しく。」との記載がある。

2 「強く」及び「優しく」の両文字が、「校訓」に使用されている事実

(1)「福岡・九州女子高100周年祝う 式典に1500人=福岡」(2007.06.03 読売新聞西部朝刊 34頁)の見出しの下に、「同高は1907年(明治40年)創立。ソフトボールや創作ダンスで全国有数の実力校として知られており、『強く、正しく、優しく』を校訓に、これまで約4万6000人の卒業生を輩出している。」との記載がある。

(2)「がっこうキラリ 神辺小学校 亀山市太岡寺町 専用ルームで全校給食」(2007.04.17 中日新聞朝刊 20頁 中勢版)の見出しの下に、「校訓は『柳に学べ、優しく、強く』。」との記載がある。

(3)「新城の鳳来寺高 創立70周年祝う 生徒ら記念式典」(2005.11.11 中日新聞朝刊 20頁 東三河版)の見出しの下に、「生徒代表の小柳津健君(三年)が『伝統を受け継ぎ『強く、正しく、優しく』の校訓のもと、日々精進していきます』と誓いの言葉を述べた。」との記載がある。

(4)「『明るく正しく、社会担います』62高校で卒業式 /大分」(2005.03.02 朝日新聞西部地方版/大分 31頁 大分1)の見出しの下に、「3月に入り、卒業シーズンになった。県内のほとんどの高校で1日、卒業式があり、大分市新春日町2丁目の大分西高校では、大分女子高校時代に入学した最後の生徒たち266人が卒業した。...。卒業生を代表して田中萌さんが『校訓の『明るく、優しく、正しく、強く』という人間になって、社会を担っていく決意です』と答辞。」との記載がある。

(5)「<人>JOCで史上3人目の女性理事に就任した/平松純子(ひらまつ・じゅんこ)さん」(2003.04.27 神戸新聞朝刊 3頁 朝三)の見出しの下に、「母校、兵庫・甲南女高の校訓『清く、正しく、優しく、強く』がモットー。」との記載がある。

(6)「<読者の声 誇り>思い出多い故郷 函館に感謝の念」(2002.04.21 北海道新聞朝刊全道 5頁 こえ)の見出しの下に、「私は校訓の『清く、優しく、強く』を胸に生きています。」との記載がある。

(7)「創立50周年祝い記念式典 清洲中」(1998.11.01 中日新聞朝刊 20頁 尾張版)の見出しの下に、「三輪校長が『節目の五十年を機に伝統ある清洲中を発展させよう』と生徒に呼び掛け、生徒を代表して前期生徒会長の秋田栄里さん(三年)が『強く正しく優しく明るく至誠の人となれ、という校訓に従って伝統を引き継ぎたい』とこたえた。」との記載がある。

(8)「【この学校】千葉県立安房南高校 県文化財指定の校舎が自慢」(1996.02.01 産経新聞東京夕刊 7頁 塾1面 写有)の見出しの下に、「『教育方針は、校訓にもある『誠の心で優しく強く』。」との記載がある。

(9)「[こちら社会部]三笠国民学校の級友捜し一歩前進」(1993.04.04 読売新聞西部朝刊 25頁)の見出しの下に、「校訓が『強く、正しく、優しく』、同学年に『里岡マサコさん』『高津康雄君』らがおり、近くに天津鉄道病院、校庭にはアカシアの木があったことなども。」との記載がある。

(10)「福岡県筑後市」のウェブサイトの「筑後市立小中学校紹介 筑後中学校」(http://www.city.chikugo.fukuoka.jp/gakkou/chuugaku/chuugaku_4.htm)の見出しの下に、「校訓 ○明るく ○強く ○優しく」との記載がある。

(11)「甲南女子大学」のウェブサイトの「歩み・歴史」(http://www.konan-wu.ac.jp/guide1/history.html)の見出しの下に、「校訓『清く、正しく、優しく、強く』は、この人間教育の理念をわかりやすく表現したもので、まことの心を養い、人のために尽くし、世界の平和と人類の福祉に貢献するような女性に育ってほしいという願いが込められています。」との記載がある。

(12)「大分県立大分西高等学校 出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%88%86%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%88%86%E8%A5%BF%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1)の見出しの下に、「校訓」の項目中、「明るく 優しく 正しく 強く」との記載がある。

第4 請求人は、当審が示した前記第3の証拠調べ通知に対して、何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断

本願商標は、前記第1のとおり、「強く、優しく。」の文字を標準文字として書してなるところ、前記第3の証拠調べ通知によって示したとおり、「強く、優しく。」の文字(これに酷似する態様で表示されたものを含む。)、あるいは、「強く」及び「優しく」の両文字が、「校訓、教育目標」等に使用されている事実が認められる。

そうすると、本願商標「強く、優しく。」を、その指定役務中の「技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用したときには、これに接する需要者は、単に「校訓、教育目標」等の標語の一種を表示したものと理解するに止まり、何ら自他役務の識別標識としての機能を果たすものではなく、何人かの業務にかかる役務であるかを認識することができないものである。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきものである旨主張しているところ、請求人が主張する過去の登録例にかかる商標は、本願商標とその構成態様及び指定商品又は指定役務を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであるから、請求人のその主張を採用することはできない。

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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