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Trademark Appeal Case

著名商標と称呼の混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第90603号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4226198号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4226198号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成7年6月27日に登録出願され、別記のとおりの構成よりなり、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年1月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)本件商標中の古城は、世界文化遺産に登録されているものであり、一般人が商標として採択することは、世界遺産条約の権威を損ね、国際信義に背反するものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

(2)本件商標は、いずれも出願日を昭和42年4月12日とし、商標を「DEL MONTE」の文字からなる構成とする、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年1月27日に設定登録されている登録第805890号商標、同じく、第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年2月24日に設定登録されている登録第808579号商標及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年5月2日に設定登録されている登録第815692号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)引用商標は、申立人の業務に係る商品「果実の缶詰、野菜の缶詰」等を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されている商標である。そして、引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第10号、同第15号に該当する。

(4)本件商標は、あたかもイタリア国産の商品であるかの如く、商品の品質を誤認させるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由の要旨

本件商標構成中の「DEL MONTE」の文字部分は、本件商標出願前より、食品メーカーとして世界的に著名な申立人により商品「果実の缶詰・野菜の缶詰」等に永年使用され、取引者・需要者の間に広く認識されているものであり、その指定商品も申立人の取り扱いに係る商品を含む食品類であるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が恰も申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の製造・販売に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見の要旨

(1)本件商標構成中の城は、イタリアの都市アンドリアに現存するものであって、「CASTEL DEL MONTE」は、その城の固有名詞であり、種々の観光ガイドにも紹介され、我国においても一般に知られているものであるから、本件商標は、城の図形を含めた商標全体から、あるいは商標中の「CASTEL DEL MONTE」の文字から、固有名詞としての「カステルデルモンテ」という一連の称呼が生ずることは明らかである。

そして、当該称呼は、たとえ9音構成からなるものであるとしても、全体的に語呂が良く、滑らかに一気に称呼し得るものであるから、常に「カステルデルモンテ」と一連にのみ称呼されるものであり、全体が一体不可分のものと認識される本件商標において、取引者・需要者が、城の図形を無視し、かつ、「CASTEL」の文字を無視して、単に「DEL MONTE」の文字のみに着目するようなことは到底有り得ないものというべきである。

(2)「CASTEL DEL MONTE」の標章は、古くよりイタリアのプーリア地方にある古城の名称として用いられていたばかりでなく、13世紀頃よりこの地方において生産されたワイン、オリーブ、オリーブオイル等の標章として使用されているものであり、さらに、1950年代以降はこの地方に所在する法人「CANTINA COOPERATIVA DELLA RIFORMA FONDIARIA Soc.Coop.ar.l. RUVO DI PUGLIA(プーリア州産業振興食品販売業者共同組合)」(この地方における農業協同組合的な存在)が、前記商品の標章として用いているものである。

そして、本件商標権者は上記法人より本件商標登録を受けるにつき承諾を受けている(乙第1号証)。

ところで、本件商標権者である株式会社メモスは、その代表取締役であるカンタトーレ・ドメニコがイタリア・プーリア地方にあるバリの出身であり、昭和40年代初頭に大阪において上記株式会社を設立し、それ以降、ワインなどの酒類、オリーブ、オリーブオイルを含む食品全般をイタリアより輸入し、また、大阪、福岡においてイタリアレストラン「コロッセオ」を経営し、そこにおいて、イタリアより輸入したワイン、オリーブ、オリーブオイル等を顧客の食に供してきたものである。(ちなみに、大阪におけるレストラン「コロッセオ」はイタリア政府が海外における「正当なイタリアレストラン」として公式に承認する第1号のレストランとなった。)上記商品のうち、ワイン、オリーブ、オリーブオイル等には本件商標が付されている。

したがって、本件商標は単に日本の営利法人がイタリアの地名を発見したことを奇貨としてこれを採用したものとは事情を異にするものである。

(3)以上のことを総合して考えれば、「CASTEL DEL MONTE」の商標は、イタリアのプーリア地方で生産されるオリーブ、オリーブオイルなどを示す特定の商標として機能し、イタリアのみならず日本国内においても「DEL MONTE」商品とは截然区別をして使用されているものであるから、取消理由は、根拠を欠くものである。

5 当審の判断

(1)本件商標は、下記に示すとおり城の図形と「CASTEL DEL MONTE」の文字の組み合わせよりなるものであるところ、下段の「CASTEL DEL MONTE」の文字は、上段の図形がイタリアの都市アンドリアに所在する「CASTEL DEL MONTE」であることを説明している語であるとみるのが相当である。そして、該「CASTEL DEL MONTE」は、わが国において、「デルモンテ城」として知られているところから、これよりは「カステルデルモンテ」の一連の称呼と「デルモンテ城」の観念を生ずるものとみるのが相当である。

そうとすれば、「カステルデルモンテ」の称呼と「デルモンテ城」の観念を生ずる本件商標と、単に「デルモンテ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じさせない造語と認められる引用商標とは、称呼・観念上相紛れるおそれはないというのが相当である。

更に、本件商標と引用商標とは、外観上相違すること明らかである。

したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。

(2)上述の如く、本件商標と引用商標とは商標において別異なものと認められるばかりでなく、商標権者が提出した乙第1号証(プーリア州産業振興食品販売業者共同組合からの証明書)によれば、「CASTEL DEL MONTE」の商標は、イタリア プーリア地方において13世紀頃よりワイン、オリーブ、オリーブオイル及びその他の類似の商品の商標として使用されてきたものであり、1950年代以降は、該組合が上記商品の商標として用いてきたものである。そして、該組合は、本件商標権者に対して、日本において、該商標を上記商品について登録することを許諾したものであることを認めることができるものであるから、引用商標が本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る商品「果実の缶詰、野菜の缶詰」等の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものといえる。

(3)更に、本件商標は、国際信義に背反するものとはいえず、本件商標をその指定商品について使用した場合、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものとも認め難い。

(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号、同第15号、同第7号及び同第16号に違反して登録されたものではない。

よって、結論のとおり決定する。

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