Trademark Appeal Case
称呼と外観の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−18455(T2008−18455/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「IPEA」の欧文字と「イペア」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,化粧品,歯磨き,香料類」を指定商品として、平成19年2月22日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4443443号商標(以下、「引用商標」という。)は、「IPIA」の欧文字と、これよりやや小さな文字で「イピア」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなり、平成12年1月21日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として同13年1月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、「IPEA」の欧文字と「イペア」の片仮名文字とを上下2段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「イペア」の称呼を生ずるものであり、全体として特定の熟語的意味合いを看取させることのない一種の造語を表したものと認められる。
他方、引用商標は、「IPIA」の欧文字とこれよりやや小さな文字で「イピア」の片仮名文字を上下2段に横書きしてなるところから、その構成文字に相応して「イピア」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を生じない造語よりなるものと認められる。
そこで、本願商標より生ずる「イペア」の称呼と、引用商標より生ずる「イピア」の称呼を比べてみるに、両商標の称呼は、共に3音からなり、語頭音の「イ」及び末尾の「ア」の各音を共通にし、第2音目における「ぺ」と「ピ」の音の差異を有するものである。
そして、相違する「ぺ」と「ピ」の音は、共に50音図の同行に属し、いずれも両唇を合せて破裂させる無声子音(p)を共通にするもので、かつ、それぞれの母音(e)と(i)は、音声学でいう「母音三角形」の隣同士に位置する母音であって、音の中でも調音方法が近い音であり、口の開き方も近いものであるから、これら両者は音質が近似する音として聴取されるものである。
そうすると、両商標の称呼における第2音の差異は、両称呼の全体に及ぼす影響が大きいものとはいい難く、また、これらの音が、共に比較的弱く聴覚されることが多い中間に位置していることや、両差異音に続く第3音「ア」が短母音で比較的強く発音されることを併せて考慮すれば、両称呼をそれぞれ一連に称呼したときは、全体の語調、語感が相似たものとなり、互いに聴き誤るおそれがある称呼であるといわざるを得ない。
次に、本願商標と引用商標の外観上の差異についてみると、本願商標と引用商標は、いずれも欧文字4文字を上段に横書きし、片仮名文字3文字を下段に横書きした構成からなり、上段の3文字目の「E」と「I」及び下段の2文字目の「ペ」と「ピ」の文字が相違するものの、これらを除く各文字の配列を共通にしているものであり、さらに、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念を想起しない造語商標であることもあいまって、需要者がそれぞれを時と所を異にして隔離的に接した場合には、視覚上少なからず近似した印象を受けるとみるのが相当である。
また、本願商標及び引用商標の観念上の差異についてみると、両商標は、上記のとおり、共に造語からなるものであり、観念上で明確な違いを有するものでないから、その違いにより両者が別異のものとして明確に区別されるとはいえない。
さらに、取引の実情について検討するに、本願商標と引用商標が、指定商品全般について商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれは生じないという特別な取引の実情が存するという理由及び証拠は見出せない。
以上の認定を総合すると、本願商標と引用商標とは、観念において明確な違いを有するものではなく、外観において近似し、称呼において相紛らわしく、当該指定商品について商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情も存在しないから、これらを同一又は類似の商品に使用したときは、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標といわざるを得ない。
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似するものであり、両者の指定商品も同一のものを含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
なお、請求人は、過去の審決例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の審決の判断に拘束されることなく、個々の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、それらの事例は、相違する音が語頭部又は語尾部に位置する音である等、いずれも本願商標とは商標の構成及び指定商品等を異にする事案であって、該事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではないから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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