Trademark Appeal Case
公益標語の商標登録可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−21053(T2007−21053/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「フオルッアジヤパン」及び「がんばれ日本」の文字を上下二段に横書きした構成よりなり、第13類「鉄砲,鉄砲弾,火薬,爆薬,火工品及びその補助器具,戦車」を指定商品として、平成18年3月31日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、当審における同20年7月29日受付けの手続補正書により、第13類「鉄砲、鉄砲弾、火薬、爆薬、火工品及びその補助器具」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下の1及び2のとおり認定、判断し、本願を拒絶した。
1 本願商標は、財団法人日本オリンピック委員会が事業の一環として使用している「がんばれ!ニッポン!」の文字に類似する「がんばれ日本」の文字を有してなるものであるから、「財団法人日本オリンピック委員会」と関係のない出願人が、これを自己の商標として採択、使用することは、社会の一般的道徳観念に反し、穏当ではないと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 本願商標は、登録第4470504号商標(以下、「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第3 当審において通知した証拠調べ通知(要旨)
当審において、平成20年9月11日付で、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するものとして請求人に通知した証拠調べの結果は、下記のとおり。
記
(1)財団法人日本体育協会「体協時報1979−4」(1979年(昭和54年)4月20日発行)の表紙には、「がんばれ!ニッポン!」の文字が記載されている。
(2)1992年2月12日付け「朝日新聞 東京夕刊 」の3頁には、「一瞬の躍動感 “アマ効果”予想以上 五輪CM快進撃」の見出しのもと、「・・・オリンピック選手強化キャンペーン『がんばれ!ニッポン!』の協賛CMは、一般のタレントでは得られないイメージが重宝がられ、スポンサーに好評で早くも目標額達成の勢い。長期低落傾向にある日本スポーツ界だが、CMオリンピックでは快進撃が続く。(名古屋写真部・大友良行)『がんばれ!ニッポン!』は1980年のモスクワ・オリンピックから採用され、日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化資金集めの柱。協賛企業に候補選手のCM出演を許可、キャンペーンマークや選手の写真、サインなどの商品化も認め、その代わり協賛金を出してもらう仕組み。今度で4回目で、目標額は26億円。・・・」の記載がある。
(3)1992年6月22日付け「日本経済新聞 大阪夕刊(関西トレンディ)」の30頁には、「関西トレンディ――がんばれ!ニッポン!、協賛企業もPR競う。」の見出しのもと、「・・・『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンの場合、協賛金額は一分野につき四千万円。スポンサーになると、赤い丸のなかに白い五輪が入ったマークと日本選手の肖像権を獲得、国内でのCMなどに使用できる。スポンサー企業五十社から集まった資金は、日本オリンピック委員会(JOC)を通じて選手強化のために使われる。・・・」の記載がある。
(4)1993年7月10日付け「日刊スポーツ」の4頁には、「JOC『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンに新キャラクターが登場」の見出しの記載がある。
(5)1993年12月1日付け「日刊スポーツ」の8頁には、「JOC『がんばれ!ニッポン!』キャンペーン、タカノフーズが協賛」の見出しの記載がある。
(6)1993年12月4日付け「日刊スポーツ」の6頁には、「JOC推進『がんばれ!ニッポン!』キャンペーン 地域限定の1号に山下氏ら」の見出しのもと、「・・・1980年のモスクワ五輪前から始まった『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンは、これまで全国展開で協賛企業を募っていた。選手強化を主目的に協賛金(現在は4000万円)を支払い、選手の肖像を使った広告、CMが可能になるが、今年から地域限定スポンサーを募集。半額の協賛金(2000万円)で、当該地域の電波放送領域内に限り、選手の肖像を使ったテレビCMを流すことができる。このローカルスポンサーとして初めて、静岡銀行が決まった。JOCが地域に根差したスポンサーを募り始めたきっかけは、地域企業からのニーズが高まってきたため。五輪選手の活躍で最も盛り上がるのは選手の郷土であり、企業にとって郷土の英雄を使ったイメージアップはメリットが大きい。・・・」の記載がある。
(7)1994年11月10日付け「産経新聞 東京朝刊」の21頁には、「JOCがプロダクション業に進出 出演料など強化資金に」の見出しのもと、「・・・JOCは既に選手を広告に出演させて強化資金を獲得する『がんばれ!ニッポン!』選手強化キャンペーンを展開している。新たにスタートさせる『プロダクション業』は、同キャンペーンの中に『講演会・イベント等への選手・OB・OG参加システム』として設けられる。JOCは、五輪運動の普及のために有効と認めた出演をあっせん、仲介し、出演料の一部を強化資金としてJOC、競技団体に還元する。」の記載がある。
(8)1995年1月31日付け「毎日新聞 東京朝刊」の20頁には、「JOC 選手強化キャンペーン 福原愛ちゃんを起用」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)が選手の強化費ねん出のため、『がんばれ!ニッポン!』選手強化キャンペーン事業に卓球少女の福原愛ちゃん(6つ)=仙台白百合幼稚園=を起用することが三十日、決まった。・・・」の記載がある。
(9)1995年5月10日付け「日本食料新聞」には、「キリンビール、長野オリンピックにゴールドスポンサーで協賛」の見出しのもと、「・・・同社は平成4年のバルセロナオリンピックで第四次『がんばれ!ニッポン!』オリンピックキャンペーンに協賛して以来、続く平成6年のリレハンメルオリンピック、第五次『がんばれ!ニッポン!』選手強化キャンペーンの協賛など、一貫して日本におけるオリンピック活動を盛り上げ、応援してきた。・・・」の記載がある。
(10)1995年9月27日付け「読売新聞 東京朝刊」の22頁には、「[話題の周辺]『がんばれ!ニッポン!』『選手CM』本格化 タレント共演も」の見出しのもと、「・・・〈がんばれニッポンキャンペーン〉JOCに加盟する48の競技団体に登録された選手、役員、コーチなどの肖像(映像、氏名、記録、サイン、手、足形など)の使用権をJOCが管理、企業に提供することでスポーツマン自身の手で海外遠征、合宿などの強化の財源を創出するシステム。一九八〇年のモスクワ五輪を契機にスタート、四年ごとに更新している。スポンサー企業は、数千万円の協賛金で権利を取得、選手をCMなどに起用する場合は別に一件約三百万円を所属競技団体(出演の選手に支払うかどうかは競技団体に任されている)に支払う。スポンサーは『オリンピックを支援』する企業として、社会的なステータス、選手を起用したCMで販売促進が見込めるなどのメリットがある。」の記載がある。
(11)1996年2月3日付け「朝日新聞 東京夕刊」の12頁には、「五輪の星が出演 規制緩んだ『がんばれ!ニッポン!』キャンペーン」の見出しのもと、「・・・JOCの選手強化資金集めの柱『がんばれ!ニッポン!』は一九八〇年のモスクワ五輪から始めて今回が第五次。協賛企業に候補選手のCM出演を許可し、キャンペーンマークや選手の写真、サインなどの商品化も認める代わりに、協賛金(申込金)として一社あたり四千万円をJOCに支払ってもらう。ただし、地域限定スポンサーと、社員の候補選手を登場させるパートナースポンサーは各二千万円を支払う。それをJOCが各競技団体の事業計画にそって配分する。さらに協賛企業は、出演した選手一人につき三百万円をJOCに支払わなければならない。その金は出演した選手の所属競技団体の判断で強化合宿費用や遠征費などに充てる。目標額は三十億円で、現在の協賛企業は二十二社(一月末現在)。・・・」の記載がある。
(12)1996年5月27日付け「日経産業新聞」の22頁には、「<図表>『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンのスポンサー企業。」の見出しのもと、「『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンのスポンサー企業 スポンサー名 商品カテゴリー 日本コカ・コーラ スポーツドリンク、松下電器産業 一般家電製品、キリンビール ビール、丸大食品 畜産肉加工品、住友スリーエム スコッチブランド製品、タカノフーズ 納 豆、ミズノ スポーツ用品、ダイハツ工業 軽自動車、デサント スポーツ用品、八十二銀行 銀行業、アシックス スポーツ用品、三越 百貨店業、静岡銀行 銀行業、日本テレビ放送網 放送業(番組への選手出演)、東京放送 同 上、フジテレビジョン 同 上、全国朝日放送 同 上、テレビ東京 同 上、セミック コンピュータゲーム専用機対応ビデオソフトゲーム、ゴールドウイン スポーツウエア・用品、フンドーキン醤油 みそ・しょうゆ、ハウス食品 香辛料・調味料類、ベネッセコーポレ 教育・サービスーション、VISAジャパン クレジットカード、日本アムウェイ ホームケア・ハウスウェア用品」の記載がある。
(13)1996年6月6日付け「北海道新聞夕刊全道」の5頁には、「<スポーツすぺしゃるアラカルト>KDDが五輪応援FAX」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)の『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンの協賛企業であるKDD(国際電信電話)が、アトランタ五輪に出場の日本代表を激励するファクスサービスを行うことが四日、分かった。・・・」の記載がある。
(14)1997年5月9日付け「日本食料新聞」には、「丸大食品、長野五輪支援 オフィシャルサプライヤーに決定」の見出しのもと、「・・・丸大食品は『きみを大きくするチカラ』という企業メッセージのもと、ソウルオリンピックにむけて日本選手を応援した第三次『がんばれ!ニッポン!キャンペーン』を一九八六年から現在にいたるまでオフィシャルスポンサーとして協賛し、選手をはじめ、スポーツにかかわる人を応援してきた。・・・」の記載がある。
(15)1997年5月18日付け「中日新聞 朝刊」の5頁には、「時のことば 『がんばれ!ニッポン!』キャンペーン」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)が選手強化費ねん出のため一九八〇年から始めたキャンペーン事業。選手の肖像権を一括管理して協賛企業を募り、協賛金を加盟競技団体に配布する。当初は強化費調達の画期的手法といわれたが、純粋なアマチュア選手が減少する中、肖像権の一括管理に問題が生じている。・・・」の記載がある。
(16)1998年3月13日付け「中日新聞 朝刊」の29頁には、「キャンペーン収入“K点超え”『がんばれ!ニッポン!』 長野五輪 日本活躍追い風、目標を2億円超す」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)の上田宗良『がんばれ!ニッポン!』選手強化キャンペーン委員長は十二日、一九九七年からことし年末までの第六次キャンペーンの収入が、目標の五億円を大幅に上回り、七億円近くになる見通しを示した。長野冬季五輪での日本選手の活躍が追い風となり、新たな協賛企業が現れたことなどが理由という。・・・」の記載がある。
(17)1998年9月19日付け「日本経済新聞 夕刊」の3頁には、「JOCのマーケティング活動。」の見出しのもと、「JOCは七九年に『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンをスタート。独自の事業で強化費集めに乗り出した。その後ロサンゼルス大会(八四年)で五輪の商業化が加速。五輪選手の肖像権を使った同キャンペーンは第四次事業(八九―九二年)で約二十四億円を集めるなど大きな成果を上げた。・・・」の記載がある。
(18)1998年10月1日付け「日刊スポーツ」の11頁には、「JOC マーケティング委員会 公式スポンサー、選手の肖像権を優先使用」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)が来年から展開するスポーツビジネスの具体案を検討するマーケティング委員会が9月30日開かれ、JOCの公式スポンサーとなった協賛企業が優先的に選手の肖像権を利用できる方式にする方向でまとまった。7日に細部を詰め、12日に各競技団体に説明する。肖像権を利用して強化費を獲得する『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンの方針は変えないが、各競技団体の独自使用を認めるなど制限を緩和する。同キャンペーンに参入する協賛企業は、JOCの公式スポンサーとなる『JOC日本選手団プログラム』に入ることが条件付けられる見込み。」の記載がある。
(19)1999年9月13日付け「共同通信」には、「9社目は日本アムウェイ JOCの協賛スポンサー」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)は十三日、九社目のオフィシャルスポンサーに日本アムウェイ(本社・東京都渋谷区)が決まったと発表した。オフィシャルスポンサーは一社一億円の協賛金で、二○○○年末までJOCのロゴやJOC加盟競技団体登録選手、役員の肖像などを使用できる。一社一業種が原則だが、同社の独占分野は栄養補助食品、化粧品、台所用・洗濯用洗剤、浄水器、ヘルスケア製品と広範囲になった。日本アムウェイは一九九六年アトランタ五輪へ向けたJOCの第五次『がんばれ!ニッポン!』選手強化キャンペーンに協賛し、九八年長野冬季五輪では大会最高位のゴールドスポンサーだった。」の記載がある。
(20)1999年11月1日付け「日本食料新聞」には、「キリンビールがJOCプログラムに協賛」の見出しのもと、「キリンビール(株)(東京都中央区、03・5540・3499)は、『JOCオフィシャルスポンサーシッププログラム』に協賛する。このプログラムは、(財)日本オリンピック委員会(略称=JOC)が九九年から新設したもの。同社は二〇〇〇年のシドニーオリンピックに向けて、日本代表選手団への支援活動などを行う。(中略)九二年の第四次『がんばれ!ニッポン!オリンピックキャンペーン』に協賛以来、約一〇年間にわたって日本のオリンピック活動を支援してきた。今後もスポーツ、文化支援活動を積極的に展開していく姿勢だ。」の記載がある。
(21)1999年11月18日付け「共同通信」には、「トヨタがJOCスポンサー」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)は十八日、十社目のオフィシャルスポンサーとしてトヨタ自動車と合意したと発表した。カテゴリーは二輪車、大型トラックなどを除く乗用車。トヨタはJOCの以前のスポンサー制度である『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンからの協賛社で、昨年の長野五輪でも最高位のゴールドスポンサーとなっていた。」の記載がある。
(22)2000年3月4日付け「日刊スポーツ」の6頁には、「Jリーグ J2 浦和 小野伸二 JOCがシドニー五輪の『顔』に指名」の見出しのもと、「浦和のMF小野伸二(20)が、JOC(日本オリンピック委員会)からシドニー五輪の『顔』に指名された。4月から『がんばれ!ニッポン!』をキーワードに広告展開を実施するJOCの巨大看板広告に、柔道篠原信一(26)、女子マラソン市橋有里(22)らとともに、小野が登場することが3日、明らかになった。サッカーは1968年(昭43)メキシコ五輪以来、メダルから遠ざかっているが、JOCの期待を物語るような、小野とメダル有力候補者との『初競演』となる。(中略)JOCは『がんばれ!ニッポン!』をキーワードに、五輪代表選手への応援の呼びかけを狙い、4月上旬から五輪終了まで約半年間、巨大看板によるPR作戦を展開する。(中略)◆『がんばれ!ニッポン!』キャンペーン 選手強化資金調達事業の1つ。協賛金を企業から強化費として集め、代わりに企業が選手の肖像権を獲得する。協賛金はJOC加盟団体すべてに分配。1980年(昭55)のモスクワ五輪前に始まり、協賛金を払った企業は選手をCMやポスターに起用できる。アマチュア選手は権利が厳しく保護され、協賛社以外は選手を広告に使えない。」の記載がある。
(23)2000年4月4日付け「毎日新聞 東京朝刊」の21頁には、「シドニー五輪 日本代表の『応援団員』を募集、会費は選手強化に−−JOC」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)は3日、五輪の日本代表選手団を応援する個人サポーター組織『チーム がんばれ!ニッポン!』を発足させる、と発表した。会員から集めた会費の一部は選手の強化資金にも充てられる。JOCは『日本代表を物心両面からサポート、応援する組織として、全国的に発展できれば』と話している。・・・」の記載がある。
(24)2000年7月14日付け「日本工業新聞」の7頁には、「コナミ JOC公認の五輪ゲーム発売 陸上、水泳がんばれ!!」の見出しのもと、「コナミは、オリンピックを題材としたゲームで、JOC(日本オリンピック委員会)公式ライセンス商品の『がんばれ!ニッポン!オリンピック2000』=写真=を十三日に発売した。プレイステーション(PS)、NINTENDO64(N64)、ゲームボーイカラー(GB)に対応した三種類を同時リリース。九月に迫ったシドニーオリンピックの盛り上げと、日本選手団の応援に一役買う。・・・」の記載がある。
(25)2000年7月17日付け「中国新聞 中国夕刊」には、「空から『がんばれ!ニッポン!』 JAL国内線に新塗装機 記念の食事も企画」の見出しの記載がある。
(26)2000年9月29日付け「北海道新聞 朝刊全道」の12頁には、「<けいざいNEWS 東西南北>山形*五輪ロゴ入りの『はえぬき』販売」の見出しのもと、「山形県酒田市の庄内パールライスは、日本オリンピック委員会(JOC)の公式ロゴなどを包装に使ったコメ『はえぬきJAPAN』の販売を始めた。『新米を味わってもらいながら、シドニー五輪の盛り上げに一役買いたい』と、JOCの公式ライセンスを取得した取引先の販売会社に協力を依頼。『TEAM JAPAN』『がんばれ!ニッポン!』の文字や五輪マークを印刷した袋で販売している。・・・」の記載がある。
(27)2001年8月10日付け「日本証券新聞」の4面には、「丸大食品 JOCとオフィシャルパートナーシップ契約」の見出しのもと、「・・・同社は一九八六年にソウル五輪に向けて展開した『がんばれ!ニッポン!キャンペーン』を皮切りに、九六年のアトランタ五輪のジャパンスポンサー、九八年の長野冬季五輪ではオフィシャルサプライヤー、昨年のシドニー五輪ではJOCオフィシャルスポンサーと、食を通じたさまざまな活動を通してJOC並びに日本代表選手団を応援するとともに、広くスポーツ文化の普及、振興に努めている。・・・」の記載がある。
(28)2002年2月19日付け「産経新聞 東京朝刊」の29頁には、「ソルトレーク五輪 景気低迷も...スポンサーに続々名乗り 『ブランド』健在」の見出しのもと、「・・・◆JOCパートナー企業に10社 各社、広告効果に期待 日本オリンピック委員会(JOC)が、ソルトレーク五輪に向けて募った国内スポンサーのうち、協賛金二億円を出す最高ランクの『オフィシャルパートナー』には十社が名乗りをあげた。パートナー企業にとってのメリットは、国内に限るものの、広告に五輪マークを使ったり、選手を登場させたりできること。『社のイメージアップに、五輪ブランドの影響力は絶大』と各社とも投資効果に期待する。(中略)今回、最高ランクに参入した丸大食品は『以前の『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンでも協賛していたが、広告効果は絶大。健康食品としてのイメージアップにつながっている。』・・・」の記載がある。
(29)2003年10月30日付け「朝日新聞 東京朝刊」の1頁には、「JOC、肖像権を選手に返還 アテネ五輪終了後、強化資金の削減も」の見出しのもと、「・・・肖像権ビジネスは79年に『がんばれ!ニッポン!』のキャッチフレーズで誕生、現在は『オフィシャルパートナーシップ』となっている。独自のスタイルとして海外からも注目されてきた。JOCが加盟団体から誓約書を取るなどして、競技団体に登録した選手らの肖像権を管理。協賛企業に選手らを使ったCMを認めて収入を得てきた。01年からの4年間では約45億円を集めた。収入はJOC独自の財源となり、その8〜9割が競技団体に強化資金として分配された。サッカーや陸上といった一部を除くと、強化資金をこの分配金に頼っている競技団体は少なくない。(中略)<オフィシャルパートナーシップ> JOCが強化資金などを集めるマーケティング方式。(1)『オフィシャルパートナー』の呼称使用権利(2)JOCのエンブレムや『がんばれ!ニッポン!』のスローガン使用権利(3)加盟団体登録の選手、役員の肖像権利用権利など、をセットにして、五輪が開催される4年ごとに協賛企業(カテゴリー別)を募る。現在の協賛金は1社2億円で、01〜04年のスポンサーは15社。79年からこれまでに約150億円を集めた。」の記載がある。
(30)2004年6月5日付け「スポーツニッポン新聞」の9頁には、「アテネ五輪 ニッポン応援イベント『JOCがんばれ!...』開催−−テレビ朝日」の見出しのもと、「アテネ五輪の日本選手を応援するイベント『JOCがんばれ!ニッポン!コロシアム』が4日、六本木・テレビ朝日イベントスペースで開催された。オリンピック歴史展示コーナーや選手への応援メッセージ募集などを設置。トークショーには、重量挙げで東京、メキシコ五輪を連覇した金メダリスト・三宅義信氏と新体操のロス五輪代表・山崎浩子さんが駆けつけ、日本選手にエールを送った。きょう5日は同スペースで11時からの開催。」の記載がある。
(31)2004年7月14日付け「FujiSankei Business i.」の1頁には、「JOC、東京ドームシティに五輪日本代表応援パークをオープン」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会 JOC)などは十三日、東京ドームシティ(東京都文京区)内にアテネ五輪日本代表向け応援の場『JOCがんばれ!ニッポン!パークin東京ドームシティ』をオープンした。九月十二日までの二カ月間、ファンと選手の交流の場とする。・・・」の記載がある。
(32)2004年8月1日付け「産経新聞 大阪朝刊」の5頁には、「『がんばれ!ニッポン!』展 五輪効果で集客期待 松坂屋高槻店」の見出しのもと、「松坂屋高槻店(大阪府高槻市)で日本オリンピック委員会(JOC)主催のアテネ五輪日本代表応援イベント『がんばれ!ニッポン!』が八月三日まで開催されている。会場内にはアテネ五輪出場の日本代表選手が着用するミズノ、アシックス、デサントの各公式ユニホームのほか、東京五輪の金・銀・銅の各メダルに聖火トーチ、さらに百八年前の第一回アテネ五輪優勝メダルレプリカなどを展示。アテネで活躍が期待される日本代表選手らへメッセージを届けてくれる企画もある。JOC公認・アテネ五輪の五輪関連グッズ約五十種千点の販売もしている=写真。・・・」の記載がある。
(33)2004年8月4日付け「FujiSankei Business i.」の1頁には、「【期待の輪 アテネへ】トヨタ 企業もアスリート」の見出しのもと、「■技術の限界に挑戦 トヨタ自動車は三日、都内にある同社の大型ショールーム『アムラックス東京』(豊島区)と『メガウェブ』(江東区)にアテネ五輪日本代表選手を応援するためのコーナーを新設した。『がんばれ!ニッポン!オリンピック日本代表応援ステーション』という名称で、日本オリンピック委員会(JOC)の協力を得ている。・・・」の記載がある。
(34)2005年11月24日付け「FujiSankei Business i.」の13頁には、「松下電器産業がトリノオリンピックへ向けて『がんばれ!ニッポン!』イベント」の見出しの記載がある。
(35)2005年12月12日付け「日本食糧新聞」には、「キリンビール、トリノ五輪日本代表応援がんばれニッポンキャンペーン実施」の見出しのもと、「キリンビール(株)(東京都中央区、03・5540・3499)は、『第20回オリンピック冬季競技大会』に出場する日本代表の応援をテーマに、キリン主要商品を対象とした、『KIRIN トリノオリンピック日本代表応援 がんばれ!ニッポン!キャンペーン』を06年1月18日から2月28日まで全国で実施する。・・・」の記載がある。
(36)2006年1月11日付け「日本食糧新聞」には、「日清食品、トリノオリンピック公式カップ麺3品を新発売」の見出しのもと、「・・・この新製品はJOC公式ライセンス商品。06年2月のイタリア・トリノオリンピック開催に伴い、『がんばれ!ニッポン!』というメッセージを込めて新発売することになったもの。・・・」の記載がある。
(37)2006年2月27日付け「繊研新聞」の5面には、「五輪商戦も閉幕 冬季初の開幕前販売好調」の見出しのもと、「・・・デサントとアシックスが百貨店やスポーツ専門店各店で作ったトリノ五輪コーナーでは、JOC(日本オリンピック協会)のオフィシャルウエアを中心に公式グッズが順調に売れた。デサントでは大会開催までにジャケットやマフラー、手袋、耳当てなど雑貨を含めて計6万点を販売、売上高(小売り)は5億円規模となった。今大会のオフィシャルウエアは、デサントが『デサント』ブランドとして初めて開会式用から表彰式用までを担当。小田急百貨店新宿店ハルクスポーツでは、店外ディスプレーなどで大きく五輪開催を打ち出し、『開幕前後から2万円台の開会式用アウターや雑貨が好調』(永田慶一マーチャンダイザー)に売れ、早期に品薄状態となった。同社では、キリンとタイアップした『がんばれ!ニッポン!』キャンペーンにもジャケット約5万点を提供、これを合わせると、04年アテネ五輪時に販売したオフィシャルウエア(2万点・2億円規模)を大きく上回った模様だ。・・・」の記載がある。
(38)2007年8月7日付け「共同通信」には、「選手団応援マークを発表 JOCが作成」の見出しのもと、「日本オリンピック委員会(JOC)は7日、東京都内で北京五輪に向けた『日本選手団公式応援マーク』を発表した。日の丸の赤と白を基調とし、ステッカーや関連グッズに使用、応援ムードを盛り上げたいという。図案は下部を英文の『ジャパン・オリンピックチーム・2008』で統一。上部は選手の写真や『がんばれ!ニッポン!』と声援を送るサポーターの図案化をあしらうなど、数種類を作成した。・・・」の記載がある。
(39)2007年8月9日付け「共同通信」には、「JOCが新サポーター組織 北京五輪に絞り会員増狙う」の見出しのもと、「・・・会員組織『チームがんばれ!ニッポン!』は、五輪の国民的な盛り上がりを狙い2000年に発足。一部を強化費に充てるため、年会費は3000円だった。通年制だったが、五輪開催年以外は会員数が伸び悩んだ。その反省から、今回は北京五輪の日本代表選手を応援する組織と目的を絞った。元プロテニス選手の松岡修造(まつおか・しゅうぞう)さんを応援団長に任命し、分かりやすくした。会費も一般会員1000円と手軽に払える金額にした。・・・」の記載がある。
(40)2008年3月24日付け「日本食料新聞」には、「トーヨーライス、北京五輪公式応援マーク付き『がんばれ!ニッポン!金芽米』発売」の見出しの記載がある。
(41)2008年5月13日付け「報知新聞 スポーツ報知」の11頁には、「JALがの北京五輪仕様の『がんばれ!ニッポン!』特別塗装機体を披露」の見出しの記載がある。
(42)2008年7月3日付け「保険毎日新聞」には、「AIU、CMにバドミントン日本代表起用[2008年6月2日]」の見出しのもと、「・・・AIUは、JOCオフィシャルパートナーとして『がんばれ!ニッポン!』プロジェクトを推進し、北京オリンピック日本代表選手団を応援している。・・・」の記載がある。
第4 当審における証拠調べ通知に対する請求人の意見
上記第3の「証拠調べ通知」に対して、請求人からは、何らの意見、応答は無かった。
第5 当審の判断
1 商標法第4条第1項第7号について
(1)本願商標は、前記第1のとおり、「フオルッアジヤパン」及び「がんばれ日本」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の「がんばれ日本」の文字に関して、職権による調査及び前記第3の証拠調べ通知に示した各証拠により以下の事実が認められる。
ア 財団法人日本オリンピック委員会(以下「JOC」という。)は、1991年(平成3年)に、財団法人日本体育協会から独立した、日本におけるオリンピック運動を推進する組織であり、国際競技力の向上、オリンピック、アジア競技大会などの国際総合大会への選手団の派遣、オリンピック運動の普及、啓発を事業の柱にし、オリンピックのメダリストに報奨金を出すなど、オリンピック選手の育成強化に努めてきた団体である。
イ JOCの前身である財団法人日本体育協会の特別委員会が、オリンピック選手の育成強化事業として、1979年から「がんばれ!ニッポン!オリンピック・キャンペーン」事業を開始し、該事業におけるキャッチフレーズとして、「がんばれ!ニッポン!」を採択したこと、その後、1991年に財団法人日本体育協会から独立したJOCが、当該事業を引き継いだこと。
ウ 上記オリンピック選手の育成強化事業は、JOCに加盟する競技団体に登録された選手、役員、コーチなどの肖像(映像、氏名、記録、サイン、手、足形など)の使用権をJOCが管理し、協賛企業には選手等のCM出演の許可、「がんばれ!ニッポン!」の文字等からなるキャンペーンマークや選手の写真、サインなどの商品化を認め、その代わりに協賛企業には、協賛金を出してもらう仕組みで、その協賛金については、JOCから、JOC加盟競技団体に配分して、選手の育成強化に使用する事業であること。
エ 上記オリンピック選手の育成強化事業は、1979年から現在に至るまで約30年の長きにわたり継続しており、これに協賛する企業も様々な分野から参加していること、そして、同様に「がんばれ!ニッポン!」が、該事業のキャッチフレーズとしてJOC及び協賛企業により継続して使用されていること。
したがって、前記認定の事実によれば、「がんばれ!ニッポン!」は、JOCが行うオリンピック選手の育成強化事業である「がんばれ!ニッポン!オリンピック・キャンペーン」事業を表すものとして、少なくとも、本願商標の登録出願時以前から、国民の間に広く知られた周知著名なものとなっていたものであり、その周知著名性は現在においても継続しているものと認めるのが相当である。
(2)本願商標は、前記第1のとおり、「フオルッアジヤパン」及び「がんばれ日本」の文字を上下二段に横書きした構成よりなるものであるが、その構成中「がんばれ日本」の文字と、「がんばれ!ニッポン!」とを比較すれば、感嘆符「!」の有無及び漢字の「日本」と片仮名文字の「ニッポン」との差異はあるとしても、いずれも「ガンバレニッポン」の称呼及び「がんばれ日本」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標に接する取引者・需要者は、これをJOCが行うオリンピック選手の育成強化事業である「がんばれ!ニッポン!オリンピック・キャンペーン」事業を表すものとして周知著名な「がんばれ!ニッポン!」であると容易に理解・認識するものといわざるを得ない。
そして、前記(1)に照らせば、本願商標中「がんばれ日本」の文字が、該「がんばれ!ニッポン!」と偶然に一致したものとは認め難く、JOC及びその協賛企業が「がんばれ!ニッポン!」を使用していることを承知の上、これを採択し登録出願したものと優に推認できるものである。
(3)そうすると、請求人が本願商標を登録出願した行為は、恰も、請求人をJOC又はJOCの展開しているオリンピック選手育成強化事業のキャンペーンの協賛企業であると誤信させ、オリンピック又は国際スポーツ事業への援助及び参加選手の育成等JOCの事業に参加して、社会的に貢献していることのイメージを得ようとする意図をもってされたものといわざるを得ないものであるから、本願商標は、社会通念上商道徳に反するものであり、公正な商取引秩序を乱すおそれがあるばかりでなく、ひいては、公の秩序を害するおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、その指定商品について、前記第1のとおり補正された結果、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品については、すべて削除され、本願商標と引用商標とは、商標の類否について論ずるまでもなく、指定商品について互いに抵触しないものとなった。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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