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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と聴き紛れ

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−650002(T2008−650002/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「WAVEJET」の欧文字を横書きしてなり、第9類「Oscilloscopes.」を指定商品として、2005年(平成17年)9月21日にUnited States of Americaにおいてした商標録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2006年(平成18年)3月15日を国際登録の日とするものである。

2 引用商標

原査定において本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4165512号商標(以下「引用商標」という。)は、「Webjet」の欧文字を横書きしてなり、平成8年9月12日に出願され、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,レコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,現金自動支払機,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同10年7月10日に設定登録され、その後、同20年6月10日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、「WAVEJET」の文字からなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔で外観上まとまりよく一体に表されていて、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものであるから、本願商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものであって、その構成文字に相応し「ウエイブジェット」又は「ウエーブジェット」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。

一方、引用商標は、「Webjet」の文字からなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ及び同じ間隔で外観上まとまりよく一体に表されていて、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものであるから、引用商標は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものであって、その構成文字に相応し「ウエブジェット」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。

そこで、本願商標から生ずる「ウエイブジェット」及び「ウエーブジェット」の称呼と引用商標から生ずる「ウエブジェット」の称呼を比較すると、両称呼は、「ウ」「エ」「ブ」「ジェ」「ッ」「ト」の促音を伴う6音を共通にし、異なるところは、2音目の「エ」に続く「イ」又は長音の有無のみにある。

そして、その差異音にしても、比較的聴別し難い中間に位置すること、さらに、これに続く「ジェ」の音が促音を伴うことにより強く発音されることから、その差異音が称呼全体に及ぼす影響はより少ないものとなり、両商標をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が極めて近似したものとなり、十分に聴き紛れるおそれがあるものといわなければならない。

また、両商標は、語頭の「W」以外の文字に大文字と小文字との相違はあるとしても、共に欧文字の綴りからなるものであり、外観上比較的近似した印象を与えるものといえる。

さらに、両商標は、共に一連の造語を表したものといえるから、類否判断において観念上の差異を考慮することはできない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において相紛れるものであり、かつ、外観、観念の点を併せ考慮しても、なお、その出所について混同を生ずるおそれのある類似する商標といわなければならない。

また、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品中の「電気磁気測定器」に含まれるものである。

したがって、本願商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、引用商標に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

なお、請求人は、本願の指定商品と同一又は類似する商品について、「JET」及び「ジェット」の文字を含む商標が多数登録されていることから、「JET」及び「ジェット」の文字自体の自他商品識別力の程度は強いものとはいえず、本願商標と引用商標は、その構成中の「WAVE」及び「Web」が自他商品識別標識として重要な機能を果たしているから、その両文字から喚起される観念、連想の相違が、称呼の識別に及ぼす影響が大きく、相紛れるおそれはない旨主張する。

しかしながら、「JET」及び「ジェット」の文字が本願の指定商品との関係において、商品の具体的な品質等を表しているものとは言い難く、また、請求人の提出した登録例は、何れも結合する語が、本件の「WAVE」又は「web」と異なるものであり、さらに、「JET」、「Jet」及び「ジェット」の文字の単独での登録例も含まれていることから、これらの登録例をもって、「JET」及び「ジェット」の文字を自他商品識別力の程度の強くない部分とみることはできない。

したがって、本願商標と引用商標は、「WAVE」又は「Web」の文字と「JET」又は「jet」の文字とが軽重の差なく一体不可分に結合した造語を表したものとみるのが相当であり、この点に関する請求人の主張は採用することができない。

また、請求人は、本願の指定商品である「オシロスコープ」は、日用品に比して相当程度高額であり、専門的知識を有する者が商品の性能、機能、価格、メーカーの信用等について慎重な検討を行って購入するものであるから、本願の指定商品の通常の取引者及び需要者の注意力は相当程度高いものであり、称呼のみに頼った購入は通常の取引形態として考え難い旨主張する。

しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであつて、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものでなく(最高裁昭和47年(行ツ)第33号)、また、登録商標権者に対する保護の範囲は、当該指定商品のみならず、これと類似の商品にも及ぶものといわなければならない(最高裁昭和37年(オ)第955号)と解すべきところ、これを本願についてみると、本願の指定商品は、「Oscilloscopes(オシロスコープ)」であり、これは、引用商標に係る指定商品中の「電気磁気測定器」に含まれる商品であって、電圧計、電流計、周波数計等の商品と類似する商品であるから、本件の類否判断に当たっては、「電気磁気測定器」に含まれる商品全般についての一般的・恒常的な取引の実情をも考慮すべきである。

そして、請求人が主張するように「Oscilloscopes(オシロスコープ)」自体は、比較的高価な商品であるといえるが、これに類似する商品である電流計、電圧計等の商品の中には、一般の電気店でも購入することができる比較的安価な商品が含まれていることから、それらの商品の購買者が必ずしも高度な専門的知識を有する者ということはできず、一般的な消費者の注意力をもって取引にあたる場合が決して少なくないということができる。

そうすると、本願商標と引用商標の需要者(購買者)が、特に、時と所を異にしてその商品に接した場合には、上記のとおり、両商標の称呼が極めて近似しており、また、観念上の差異を比較する余地もないことから、視覚的な情報よりも、称呼による音感を頼りに商品を識別する場合が少なくないであろうと推認することができ、両商標について混同をきたすおそれがあることを否定することはできない。

したがって、この点に関する請求人の主張も採用することはできない。

以上のとおり、引用商標をもって本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原審の判断は妥当であるから、原査定を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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