Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900417(T2007−900417/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5050912号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピウ・フォルテ」の片仮名文字と「PIUFORTE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成18年12月6日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同19年4月23日に登録査定、同年6月1日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4071076号商標(以下「引用商標」という。)は、「ピゥ」及び「piu」の文字(「u」の文字の上部にはフランス語のアクサン記号アクサンテギュが付されている。以下同じ。)を横書きしてなり、平成8年7月9日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録され、その後、同19年6月12日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、当該商標権は現に有効に存続するものである。
3 登録異議申立ての理由の要旨
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、先願に係る他人の引用商標と同一の商標を要部とし、全体として引用商標と類似するものであって、引用商標と同一の指定商品に使用するものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、「せっけん類及び化粧品」に使用されて需要者の間に広く認識されている引用商標と同一の商標を要部とするから、引用商標と類似するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、株式会社イー・エス・エスの業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標をその商標の要部に含んでいるから、本件商標が「せっけん類及び化粧品」に使用された場合、その使用に係る商品の出所が株式会社イー・エス・エスてあると需要者が商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、株式会社イー・エス・エスが永年に亘って使用し多大な業務上の信用が化体した商標をその商標の要部とし、全体として類似しているから、株式会社イー・エス・エスの商標に対するフリーライドや顧客吸引力の希釈化を伴う等、不正の目的を持っていることは明らかであって、需要者の利益を損なうものである。
(5)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、株式会社イー・エス・エスの業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標をその商標の要部に含んでいるから、係る商標をその指定商品に使用した場合、株式会社イー・エス・エスが提供してきた商品の品質について、需要者に誤認を生じさせるおそれがある。
(6)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、株式会社イー・エス・エスの業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に、広く認識されている商標をその商標の要部に含んでいるから、株式会社イー・エス・エスの使用している商標が持つ信用のフリーライドや株式会社イー・エス・エスが使用している商標が備える顧客吸引力の希釈化を惹起するから、係る商標登録は公正な取引秩序を乱し、公序良俗に反する等、商標保護の精神(商標法第1条)に反するものである。
以上の理由から、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」について、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
4 取消理由
当審において、平成20年9月24日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
引用商標は、前記2のとおりの構成からなるところ、その構成中の「piu」の欧文字は、「もっと多く」の意味を有するイタリア語と解されることもあるが、我が国におけるイタリア語の普及度からすれば、むしろ特定の観念を有しない一種の造語とみるのが相当である。また、「ピゥ」の片仮名文字は、その表音として認識されるとみるのが自然である。
また、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人の引用商標は、申立人が展開するブランドの一つとして、10代の女性を対象としたせっけん類、化粧品、メイク小物等について使用する商標として本件商標の登録査定時には既に取引者、需要者間に広く認識されていたものと認められるものである。
他方、本件商標は、前記1のとおりの構成からなるところ、上段の片仮名文字部分は、「ピウ」と「フォルテ」の文字の間に中黒(・)があることから、視覚上分離して看取され、「ピウ」と「フォルテ」との間に称呼上の段落が生じ得ること、「ピウ」及び「PIU」の文字が辞書等には見られない語であるのに対し、「フォルテ」及び「FORTE」の文字は「強く」の意味を有する音楽の強弱標語の一つとして知られた語であるばかりでなく、「ピウ」と「フォルテ」及び「PIU」と「FORTE」のそれぞれの文字が一体となって特定の観念を有するものとして一般に親しまれているものとも認められないことから、本件商標は、「ピウ」及び「PIU」と「フォルテ」及び「FORTE」の2語からなるものとして認識し把握されるものといえるものである。
さらに、「ピウ」及び「PIU」の文字部分は、本件商標の構成中の見やすい語頭部に位置し、しかも、前記のとおり、取引者・需要者間に広く認識されている引用商標とほぼ同一の綴りからなり同一の称呼を生ずるものであるから、本件商標をその指定商品中の「せっけん類,化粧品」に使用したときは、本件商標に接する取引者、需要者は、「ピウ」及び「PIU」の文字部分が強く印象付けられることとなり、申立人の広く認識されている引用商標を連想、想起するものというべきである。
そして、上記、「ピウ」及び「PIU」の文字部分と引用商標とは、前記のとおり、ほぼ同一の綴りからなり、同一の称呼を生ずるものであるから、本件商標と引用商標とは、称呼及び外観において相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
また、本件商標の指定商品中「せっけん類,化粧品」は、引用商標の指定商品と同一のものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」については、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
5 商標権者の意見
商標権者は、上記4の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べるところがない。
6 当審の判断
本件商標についてした上記4の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中、「せっけん類,化粧品」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものというべきであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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