Trademark Appeal Case
称呼・観念類似と商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900608(T2007−900608/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5084569号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成16年8月20日に登録出願、第44類「エステティック美容その他の美容,理容」を指定役務として、同19年8月17日に登録審決、同年10月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録第4410960号商標(以下「引用商標」という。)は、「Ange」の欧文字及び「アンジュ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成11年7月8日に登録出願、第42類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩,マッサージ及び指圧」を指定役務として、平成12年8月25日に設定登録されたものであり、当該商標権は現に有効に存続するものである。
3 登録異議申立ての理由の要旨
本件商標は、別掲のとおり、図形と「ANGE」の欧文字を表した構成からなるところ、「ANGE」の欧文字より「アンジュ」の称呼を生ずるものである。他方、引用商標は、「Ange」の欧文字と「アンジュ」の片仮名文字を二段に併記した構成からなるから、「アンジュ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「アンジュ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
4 取消理由
当審において、平成20年10月7日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、次のとおりである。
本件商標は、別掲のとおり、柱状の建造物の図の上部に、左右対称で羽根を付けた人物をシルエット風に描き配した図形と、その下に「ANGE」の欧文字を表した構成からなるものであるところ、図形部分と文字部分とは、これを分離して観察することが社会通念上不自然であるといえる程に融合して表されているものではないから、それぞれが独立して自他役務の識別機能を果たし得るものというべきである。
ところで、美容等にあっては、役務の提供に際して用いられる化粧品等と同様にファッション性が重視され、その主要な需要者が女性であることもあって、化粧品や被服等と同様に、仏語をもって商標等が採択されている傾向にあるといえるから、本件商標の構成文字「ANGE」については、天使の意を表す平易な仏語「ange(アンジュ)」に即した発音をもって、「アンジュ」と称呼される場合も決して少なくないというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字から「アンジュ」の称呼を生じるものというべきである。
他方、引用商標は、「Ange」と「アンジュ」の文字を二段に表した構成からなるものであるから、その構成文字に相応して「アンジュ」の称呼を生ずること明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「アンジュ」の称呼を共通にするものである。
また、本件商標中の構成文字「ANGE」の欧文字と引用商標中の構成文字「Ange」の欧文字とは、その構成する文字の書体に多少の差異はあるものの「A」の大文字を共通にし、他の欧文字は大文字と小文字の差にすぎないから、顕著な差異を有するとはいえないものである。
さらに、観念においても、前記のとおり、美容等にあっては、役務の提供に際して用いられる化粧品等と同様にファッション性が重視され、また、その主要な需要者が女性であることもあって、化粧品や被服等と同様に、仏語をもって商標等が採択されている傾向にあるといえるから、本件商標中の「ANGE」の欧文字と引用商標の「Ange」の欧文字は、平易な仏語「ange(アンジュ)」に即した「天使」の観念を有するものとみるのが相当である。
上記認定を総合すると、本件商標と引用商標とは、「アンジュ」の称呼を共通にすること、外観上の違いを有するとしても顕著な差異を有するとはいえないこと、「天使」の観念を共通にするものとみるのが相当であることから、これらを「美容」等の役務に使用したときは、役務の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標というべきである。
また、前記認定を覆す特殊な取引の実情が存するという理由及び証拠は見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務の中に包含されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
5 商標権者の意見
商標権者は、上記4の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べるところがない。
6 当審の判断
本件商標についてした上記4の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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