Trademark Appeal Case
著名人名の認識と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900203(T2008−900203/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5111084号商標(以下「本件商標」という。)は、「SENNAくん」の文字を標準文字で書してなり、平成18年1月31日に登録出願、第18類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年2月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
ア 登録第2474525号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、昭和63年4月20日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、その後、同16年5月26日に指定商品を第8類、第9類、第15類、第20類、第22類、第24類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
イ 登録第2657727号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、西暦1990年12月17日ブラジル連邦共和国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条の規定による優先権を主張して、平成3年6月17日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年5月31日に設定登録され、その後、同17年11月2日に指定商品を第14類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
ウ 登録第2685320号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、西暦1990年12月17日ブラジル連邦共和国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条の規定による優先権を主張して、平成3年6月17日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年7月29日に設定登録され、その後、同17年11月9日に指定商品を第8類、第9類、第22類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)申立の理由の要点
ア 本件商標は、引用商標1ないし引用商標3と称呼及び観念上類似し、しかも、その指定商品は引用商標1ないし引用商標3のそれと同一又は類似するものである。
イ 本件商標は、ブラジルの偉人、英雄である「Ayrton Senna」の著名な略称である「SENNA」を要部とするものであるところ、本件商標は、「Ayrton Senna」と何らの関連性も有しない者の出願に係るものであるから、本件商標の登録を許すことは、国際信義に反し、公序良俗を害するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり、「SENNA」の欧文字と敬称の一つを意味する「くん」の平仮名文字とを「SENNAくん」と一連に書してなるところ、その構成各文字は、同じ大きさ、同じ間隔で表されており、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、これより生ずると認められる「センナクン」又は「セナクン」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。
また、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張する如く、その構成中「SENNA」の文字がブラジルの著名なF1レーシングドライバーであった「Ayrton Senna」の略称を表す場合があるとしても、我が国におけるモータースポーツの認知度よりすれば、特定の人物の名称又はその略称を表すものとして、広く一般によく知られ理解されているものとは認められないものであるから、「SENNA」の文字が「Ayrton Senna」の著名な略称であるとして、直ちに想起、認識されるとはいい難いものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「センナクン」又は「セナクン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生ずるものとは認められないものである。
してみれば、本件商標より「セナ」の称呼が生じ、ブラジルのF1レーシングドライバーであった「Ayrton Senna」の観念を生じさせるとしたうえで、本件商標と引用商標1ないし引用商標3が称呼及び観念において類似する商標であるとする申立人の主張は、認めることができない。
他に、本件商標と引用商標1ないし引用商標3が類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標3は、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても十分に区別し得る非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、上記(1)のとおり、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識されるものであって、特定の人物の名称又はその略称を表すものとして、一般に理解されているものとは認められないのであるから、ブラジルのF1レーシングドライバーであった「Ayrton Senna」の略称であるとして、直ちに想起、認識されるとはいえないものである。
してみれば、本件商標をその指定商品について使用することが、国際信義に反し、社会公共の利益に反するものではなく、また、他に公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものともいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第11号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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