Trademark Appeal Case
図形商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900221(T2008−900221/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5114785号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成19年8月3日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として平成20年2月29日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第831590号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和41年9月21日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、美爪エナメル、美爪エナメル除去液、頭髪用化粧品、その他の化粧品、香料類」を指定商品として昭和44年9月12日に設定登録され、その後、昭和54年12月27日、平成1年8月23日及び平成11年10月5日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。同じく登録第831592号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、昭和41年9月21日に登録出願、第4類「せつけん類、歯みがき、美爪エナメル、美爪エナメル除去液、頭髪用化粧品、その他の化粧品、香料類」を指定商品として昭和44年9月12日に設定登録され、その後、昭和54年12月27日、平成1年8月23日及び平成11年10月5日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、引用商標1及び2と外観及び観念において類似する商標であり、その指定商品も引用商標1及び2の指定商品と抵触するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)引用商標1及び2の図形と同一の構成からなる図形標章(以下「デイジーマーク」という。)は、「デイジー」又は「デイジーマーク」と呼ばれ、申立人の業務に係る商品の商標として我が国において周知著名となっている。本件商標は、デイジーマークと外観及び観念において極めて酷似する類似商標であり、その指定商品に使用された場合、需要者、取引者は、該商品がマリークワント、申立人又はその関連会社によって製造販売されているものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
(ア)本件商標は、別掲(1)のとおり、大小2個の花形図形を、大きい方を左上に小さい方を右下にずらして横に並べた構成からなるところ、各花形図形は、花心及び五つの花弁を有する一個の花形を表したものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
この点に関し、申立人は、それぞれの花形図形の中央部分のみに注目し、この部分が独立した出所識別機能を有するとし、本件商標と引用商標1及び2とは外観上類似するものである旨主張している。
しかしながら、上記花形の中央部分は、上記花形の花心を表したものと見るのが自然であり、上記花形を構成する要素の一つにすぎず、全体に埋没しているというべきであって、他にこの部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は見出し難い。
そうすると、上記花形図形の中央部分のみを分離抽出した上で、本件商標と引用商標1及び2とを対比し、本件商標が引用商標1及び2と外観上類似するものであるとする申立人の主張は、前提を欠くものであって採用することができない。
(イ)他方、別掲(2)及び(3)のとおり、引用商標1の図形部分と引用商標2の図形(デイジーマーク)とは同一といえるものであるところ、両者は、いずれも黒塗りの五弁の紋章「梅持ち」の中央に白抜きの円を描いた如き図形からなるものである。
(ウ)申立人の主張は上記のとおり理由のないものであるが、念のため、本件商標と引用商標1及び2とを対比するに、本件商標の花形とデイジーマークとは、前者が線書き図形であるのに対し後者が黒塗り図形という顕著な差異を有するばかりでなく、前者は花心を有し五つの花弁のそれぞれが明確であるのに対し、後者は「梅持ち」紋章を連想させ、花弁そのものは必ずしも具象化されていない、など全体構成が明らかに異なるものであって、看者に全く別異の印象を与えるものである。さらに、引用商標1はデイジーマークに加えて「MARY QUANT」の文字を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、時と処を別にして観察しても彼此相紛れるおそれはなく、外観上判然と区別し得るものである。
また、本件商標は、親しまれた既成の観念及び称呼を生ずるものとはいえないから、観念上及び称呼上、引用商標1及び2と比較すべくもない。
(エ)したがって、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、「デイジーマーク」は、英国の女性デザイナーであるマリークワント又は申立人の業務に係る商品「化粧品」等を表示する商標として取引者、需要者間に広く認識されているものと認められる。
しかしながら、「デイジーマーク」と引用商標1及び2の図形とは同一のものであり、かつ、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標1及び2とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって、全く別異のものであるから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は「デイジーマーク」を連想、想起するようなことはなく、該商品がマリークワント、申立人又はこれらと経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれもないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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