Trademark Appeal Case
ネクオス・ネクサス称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900279(T2008−900279/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5126651号商標(以下「本件商標」という。)は、「ネクオス」の片仮名文字と「NEQUOS」の欧文字を二段に横書きしてなり、平成19年3月16日に登録出願、第9類、第18類、第25類、第28類、第35類、第38類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同20年4月11日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2449495号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成元年3月8日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年8月31日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同14年9月4日に、指定商品を第9類及び第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(2)登録第2317361号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成元年2月7日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同3年6月28日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同13年7月25日に、指定商品を第18類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(3)登録第4581756号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年10月11日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年6月28日に設定登録されたものである。
(4)登録第4589572号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年10月11日に登録出願、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月26日に設定登録されたものである。
(5)登録第4983490号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年3月14日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月1日に設定登録されたものである。
(6)登録第2597111号商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和63年12月28日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年11月30日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同15年11月12日に、指定商品を第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(7)登録第4583913号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成13年10月11日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月5日に設定登録されたものである。
(上記(1)ないし(7)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成文字より、「ネクオス」の称呼を生ずる。
これに対し、引用商標は、その構成文字に相応して、「ネクサス」の称呼を生ずる。そして、本件商標より生ずる「ネクオス」の称呼と引用商標より生ずる「ネクサス」の称呼は、いずれも4音よりなり、称呼の識別において重要な要素を占める語頭音を含めた「ネク」の音を共通にし、異なるところは第3音の「オ」と「サ」の音のみである。差異音「オ」と「サ」は、母音が近似するものであり、また、聴取され難い中間に位置するものであるから、それぞれを一連に称呼するときは、互いに紛らわしいものである。
また、両商標は、外観上顕著な差異を有するものではないから、いずれも造語で観念上比較することができないとしても、実際の取引の実際においては、商品の出所の混同を生ずるおそれがある類似の商標である。
さらに、本件商標の指定商品中、第9類「眼鏡」、第18類「かばん類,袋物」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」及び第28類「釣り具」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の業務に係る釣り用被服・帽子・バッグ・靴・手袋・サングラス等について使用され、本件商標の登録出願前よりその需要者の間に広く認識されている商標である。
したがって、本件商標をその指定商品中、第9類「眼鏡」、第18類「かばん類,袋物」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物」及び第28類「釣り具」並びに指定役務中の第41類「釣り用具の貸与」に使用すれば、その商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ネクオス」の文字と「NEQUOS」の文字を二段に横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「ネクオス」の称呼を生ずる。
これに対して、引用商標は、別掲(1)及び(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成文字、又はその構成中顕著に表された文字部分は、「NE」と「US」の間の部分がやや図案化されているが、欧文字の「X」を表したと理解されるものであり、全体として「連鎖、結び」などを意味する英語「NEXUS」の文字を横書きしたものと無理なく理解されるものであるから、これより「ネクサス」の称呼が生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「ネクオス」の称呼と引用商標より生ずる「ネクサス」の称呼を比較すると、両称呼は、いずれも4音よりなり、第3音において「オ」と「サ」の音の差異を有するものである。
そして、差異音中の「オ」の音は、唇の両端を少し中央に寄せ、舌を少し後方にひき、後舌面を軟口蓋に向かって高め、声帯の振動によって発する音であるのに対し、「サ」の音は、無声摩擦子音「s」と母音「a」との結合した音節であり、舌先を上歯茎の裏の部分に近づけ、その狭い隙間から呼気を通して発する音であるから、両者は、発音の方法等おいて著しく相違し、したがって、音感、音質が異なるものとして聴取されるものである。
加えて、本件商標を全体として称呼するときは、第1音「ネ」にストレスが置かれ、第2音「ク」は、その反動でストレスが弱まる関係上、第3音「オ」は、比較的明瞭に響く音であるといえるのに対し、引用商標を全体として称呼するときは、後半部の「サス」の音は、摩擦音が続く関係上、語頭部の「ネク」の音に比べ、やや不明瞭に響く音といえる。
そうすると、差異音「オ」と「サ」が4音という比較的短い音構成よりなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものではなく、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。
また、本件商標は、片仮名文字と欧文字を二段に横書きしてなるものであるのに対し、引用商標は、顕著に表された「NEXUS」の文字において、その構成中の「X」の文字部分が図案化されているものであり、これを特徴とするものである。
そうすると、両商標は、外観上全く異なるものであるから、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに紛れるおそれはないものといわなければならない。
さらに、本件商標は、特定の観念を有しない造語よりなるものであるのに対し、引用商標又は引用商標中の「NEXUS」の文字は、「連鎖、結び」などを意味する英語であるから、両者は、観念上比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第8号証の1ないし甲第18号証の4を総合すれば、引用商標は、本件商標の登録出願前からその査定後に至るまで、請求人の業務に係る商品「釣り用被服・帽子・バッグ・靴・手袋・サングラス」等について使用され、かつ、宣伝・広告をした結果、釣り具の分野の取引者、需要者の間においては周知なものとなっていたことが推認される。
しかしながら、前記(1)認定のとおり、本件商標と引用商標は、商標において全く類似するところがない非類似のものである。
そうすると、本件商標に接する需要者は、これより引用商標を想起又は連想するものとみることができないから、本件商標は、これをその指定商品のいずれについて使用しても、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
(3)むすび
以上によれば、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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