Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900299(T2008−900299/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5132679号商標(以下「本件商標」という。)は、「TRANGO」の文字を標準文字で書してなり、平成19年9月3日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年5月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4843327号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成16年5月18日に登録出願、第18類、第20類及び第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年3月4日に設定登録されたものである。
(2)国際登録第633735号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TRANGOWORLD」の文字を横書きしてなり、1995年3月3日を国際登録の日とし、2002年5月20日に我が国を事後指定し、第25類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年3月7日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標1及び2の類否
ア 本件商標と引用商標1
引用商標1は、中間部に位置する丸図形がアルファベットの「O」を図案化したものであるから、前半の「trang」と結合し「trango」を形成するところ、「trango」と「world」は、外観上分離して看取されるものである。そして、「trango」は造語と理解されるのに対し、「world」はありふれた語であるから、「trango」に強い自他商品の識別力を有する。
そうすると、本件商標と引用商標1は、「トランゴ」の称呼を共通にするものである。また、本件商標の「TRANGO」と引用商標1中の「trango」は、大文字と小文字の差異にすぎないから、外観上類似するものである。そして、本件商標の指定商品中の「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は、引用商標1の指定商品中の「乗馬用具,スリーピングバッグ,靴用ろう引き縫糸,ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」と類似する商品である。
イ 本件商標と引用商標2
引用商標2は、その構成中の「TRANGO」に強い自他商品の識別力を有するものであることは、引用商標1と同じである。
したがって、本件商標と引用商標2は、外観、称呼、観念において共通する。また、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品は、同一又は類似の商品である。
(2)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標1及び2の類否
引用商標1は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「trang」の文字部分と「world」の文字部分との間に配された円図形は、橙色で塗りつぶされた大きな円図形とその右上に配された小さな黒塗り円図形からなるものであり、これが直ちにアルファベットの「o」を図案化したものと理解されるものとは認め難いところである。
また、「trango」の単語ないし「trangoworld」の熟語が我が国において、親しまれている語でないことを併せ考慮すると、該円図形がアルファベットの「o」を図案化したものであって、これが前半部分の「trang」の文字と結合して「trango」の文字を形成するものとみることはできない。
そして、引用商標1は、その構成中の「trang」の文字部分と「world」の文字部分とが色彩を異にし、かつ、上記円図形を挟んで書されているものであるとしても、これらの文字は、円図形とまとまりよく一体的に表されているばかりでなく、「world」の語は、他の語と結合して「〜の世界」なる意味をもって熟語的に用いられる場合が多いことから、構成する文字全体をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して、「トラングワールド」の一連の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。
また、引用商標2は、前記2のとおり、同一の書体をもって、同一の大きさ・間隔で「TRANGOWORLD」と横書きしてなるものであるから、これを殊更「TRANGO」の文字部分と「WORLD」の文字部分とに分離して、「TRANGO」の文字部分のみを抽出して観察しなければならない特段の理由は見出せない。
そうすると、引用商標2は、構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと理解されるとみるのが相当であるから、これより「トランゴワールド」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。
してみれば、引用商標1より「trang」の文字部分及び円図形のみを、また、引用商標2より「TRANGO」の文字部分のみを、分離・抽出して、本件商標と引用商標1及び2とが称呼及び外観において類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあり、採用することができない。
他に、本件商標と引用商標1及び2とが類似するとみるべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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