Trademark Appeal Case
NPHの識別力と記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−10923(T2008−10923/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「NPH」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年5月18日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、原審において、同年10月11日付け提出の手続補正書により、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,乳児用粉乳,乳糖」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、中間型インスリン製剤(neutral protamine Hagedorn)を意味する『NPH』の文字を標準文字で表してなるものであるから、これをその指定商品中の『薬剤』に使用しても『中間型インスリン製剤』を認識させるにとどまるものであって、単に商品の品質、内容を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年11月18日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の対応
前記「証拠調べ通知」に対して、所定の期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは何らの意見もない。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「NPH」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
そして、前記3で示したとおり、糖尿病の治療薬として一般に使用されている「インスリン製剤」は、その病の症状により、投与する製剤の種類が異なり、効能の作用時間によって速効型、中間型、持続型等に分類されているものである。
さらに、作用時間が中間型のインスリン製剤は、医薬関係の書籍において、「中性インスリン、NPHインスリン、中間型インスリン」と表示され、それらは「NPH insulin」として掲載されており、また、新聞記事及びインターネット上のウェブサイトにおいては、「中間型(NPH製剤)」、「中間型インスリン(NPH)」、「中間型(NPH)インスリン」、「中間型インスリン(NPHインスリン)」、「ヒトインスリン中間型製剤(NPH)」、「NPH(中間型)インスリン」、「NPHインスリン(中間型インスリン)」等のように表記されている実情にある。
そうすると、「NPH」の文字は、インスリン製剤との関係において、その製剤の作用時間が「中間型」であることを、表す文字として用いられているということができる。
してみれば、本願商標を構成する「NPH」の欧文字を、その指定商品中、薬剤の一である「インスリン製剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、その製剤の作用時間が中間型であることを理解させるに止まり、単に商品の品質、効能を表示してなるにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないというべきであって、かつ、前記商品以外の「薬剤」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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