Trademark Appeal Case
ドクターズサプリメントの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−23970(T2007−23970/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ドクターズ・サプリメント」の片仮名文字を書してなり、第44類「医業,医療情報の提供,健康診断,調剤,栄養の指導,医療用機械器具の貸与」を指定役務として、平成18年9月21日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ドクターズ・サプリメント』の文字を書してなるところ、『ドクターズ』の語は、英語の『doctor』の複数形を看取し『医者(達)』を、『サプリメント』の語は、『栄養補助食品』等を、それぞれ意味するものである。してみると、本願商標をその指定役務中、例えば、『栄養の指導』について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、『医者の健康補助食品による栄養の指導』程の意味合いを認識するにすぎず、結局、本願商標は、役務の質(内容)を表したに止まり、自他役務を区別する標識としての識別力を具有しないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し通知した内容は、以下のとおりである。
(1)「AACクリニック銀座」のホームページ(http://www.chelation-navi.com/doctorssupplement/)には、「治療メニュー」の見出しの下、「ドクターズサプリメントとは、医師が処方するサプリメントのことです。市販のサプリメントに比べて成分の容量が圧倒的に多く配合されているのが特徴です。また、ドクターが一人ひとりの状態を診て適切なものを処方しますので、結果を導きやすいのです。」との記載。
(2)「ビレッジ・ファルマ/Village Pharma」のホームページ(http://www.v-pharma.com/index.html)には、「私たちは安全性の高いドクターズ・サプリメントの開発・販売・各種セミナーやコンサルティングを通じて、安全なサプリメントと正しい医療情報を提供し、統合医療の普及と啓発に貢献していきたいと思っております。」との記載。
(3)「ドクターズサプリメント専門店/BIO LIFE STYLE」のホームページ(http://shop-biolife.com/index.html)には、「100%天然サプリメント専門で70年/アメリカで医科向けに開発された高品質サプリメント」の見出しの下、「新鮮な野菜・果物・ハーブの天然原材料だけを使用した安全・安心のドクターズサプリメントです。」との記載。
(4)サプリメントの通信販売をしている「ダグラス・ラボラトリーズ」のホームページ(http://www.navi.gs/douglas/)には、「サプリのことなら・・/サプリーNavi」の見出しの下、「ドクターズサプリメント/・・・医師が患者に出すサプリメント一筋に製造してきました。」との記載。
(5)日本食品機能研究会(JAFRA)のホームページのNEWSの頁(http://www.jafra.gr.jp/cam19.html)には、「混合医療解禁へ向け、ドクターズサプリメントに求められる安全性・有効性」の見出しの下、「2004年12月8日(水)『現状のサプリメントに欠けている要素―ドクターズサプリメントの期待性―』と題して、EBM for Natural Products推進協議会による第6回セミナーが開催された。・・・医療現場で用いられるドクターズサプリメントについては、『医者が責任を持って安全性・有効性を評価し、患者さんへの自己責任ではなく、医者が責任を負い、患者さんに処方するというのがドクターズサプリメントの本来の定義になるかと思う。』」との記載。
(6)医療法人松崎病院/銀座メディカルクリニックのホームページ(http://www.ginza.jp/g-med/supplement.html)には、「サプリメント・アドバイス」の見出しの下、「そこで当院では、少しでもお薬を減らしてゆける可能性を探ってゆく事を目的に、ご希望のある患者様には、その方の状態にあったドクターズ・サプリメント選択のアドバイスもさせて頂いております。・・・当院の医師をはじめとした各専門医の意見を取りいれて開発、製造した『銀座メディカルサロン・ドクターズサプリメント』の販売も行っております。」との記載。
(7)「有限会社 アミリ(Amili corporation)」のホームページ(http://www.amili.biz/)には、「ドクターズサプリメントは、自然療法に精通した現役の臨床医師の指揮でつくられた、今までに類を見ないスペシャルサプリメントです。現役ドクターの監修・指導で開発されたアミリのドクターズサプリメントは、・・・。」との記載。
(8)「【楽天市場】ドクターズサプリメント:ドクターズコスメ エニイ」のサイト(http://www.rakuten.co.jp/any-net/474697/)には、「ドクターズサプリメント商品」が多数掲載されている。
(9)「Hatena::Diary::Keyword」のサイト(http://d.hatena.ne.jp/keyword/%a5%c9%a5%af%a5%bf%a1%bc%a5%ba%a5%b5%a5%d7%a5%ea%a5%e1%a5%f3%a5%c8)には、ドクターズサプリメント」の見出しの下、「ドクターズサプリメント/医療に関わる専門家が開発し、責任を持って開発されたサプリメント。」との記載。
(10)Hanae Clinic/はなえクリニック」のホームページ(http://www.hanae-clinic.com/ot3.html)には、「治療科目/ドクターズサプリメント」の見出しの下、「直接的な治療とは異なり、肌質を根本から改善し治療効果を高めながら、長期間お肌の健康を持続させることを目的としますので、これらドクターズサプリメントは医師の指導に従い、用量用法を守ってご使用ください。」との記載。
(11)AKAIKEスキンケアーセンターグループの「ASC」のホームページ(http://www.akaikeskincare.com/supple/main.htm)には、「ASCドクターズサプリメント」の見出しの下、「ドクターがセレクトした健康や美容効果のある内服薬とサプリメント」との記載。
(12)「エムズスクエア」のホームページの診断結果表サンプル(http://mzsquare.drcheck.jp/kekka/sample_3.htm)の頁には、「ドクターズサプリメント/あなたに合った医師推薦サプリメント」との記載。
(13)Anti-Aging Doctors株式会社のホームページ(http://www.aad-i.com/news/article/000004/index.html)には、「AADドクターズサプリメントを6月より医療機関にて販売開始 (News Release)」の見出しの下、「いつまでもイキイキと若々しくあるための、アンチエイジング医療を目指すAnti-Aging Doctors株式会社(=AAD:東京都港区麻布台 取締役会長兼社長 大森 康彦)は、ドクターズサプリメント4種を2006年6月1日より『サプリメントドック』及び『ビタミンドック』取扱いのクリニックを中心とした、全国医療機関で発売いたします。」との記載。
(14)岩崎アンチエイジングクリニックのホームページ(http://www.iwasaki-cl.jp/antiage/06.html#top)には、「ドクターズサプリメント」の見出しの下、「ドクターズサプリメント・コスメ/ドクターズサプリメントがなぜ必要か。」との記載がある。
(15)「アプトケア」のホームページの@Pressの頁(http://www.atpress.ne.jp/view/2172)には、「プレスリリース一覧」の見出しの下、「医師が開発した健康食品『ドクターズサプリメント』/10月1日より、リニューアル発売」との記載。
(16)YAHOO!JAPANショッピングのサイト(http://store.shopping.yahoo.co.jp/faunaflora/103.html)には、「フォーナ&フローラ/■有機JAS認定オーガニックエキス&オーガニックサプリ販売」の見出しの下、「米国のドクター達と共につくりあげた配合。脳はもちろん全身の健康に不可欠なビタミン・ミネラルに、イチョウ葉やフォスファティディルコリン、S.O.Dなど注目の成分を加えました。自然素材を使った信頼のドクターズサプリメントです。」との記載。
以上よりすると、「ドクターズ・サプリメント」の文字が、「医療関係者が研究・開発し、製造(処方)されたサプリメント」程の意味合いを有し、商品として普通に販売されている事実が認められ、また、「栄養の指導」との関係においては、「医師(ドクター)が一人ひとりの状態を診て処方したサプリメントによる栄養の指導」等が普通に行われている事実が認められる。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要点
請求人は、平成20年5月27日付け意見書において「『ドクターズ・サプリメント』の語は、商品の広告宣伝効果を高めるための説明書きとして使用しているだけで、商標として使用しているものではない。また、該文字は極めて広範で漠然とした意味しか有しないから、直接的に商品・役務の品質・質を表示したものとはいい難く、商品・役務の出所表示力を欠くものとはいえないこと、さらに、商標法第3条第2項に該当する旨の主張を行う予定である」旨主張している。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ドクターズ・サプリメント」の文字よりなるところ、その構成中の「ドクターズ」の語は、「医者」を意味する英語の「doctor」の複数形であり、「サプリメント」の語は、「栄養補助食品」を意味するものであるが、いずれも、広く親しまれた語として普通に使用されているものである。
また、「ドクターズ」の語と「サプリメント」の語の間にある中点「・」は、2つの語を並列的に結びつける効果があるとしても、それ自体においては、何ら意味を有しないものである。
そして、前記3のとおり、「ドクターズサプリメント」の文字は、「医者の指導のもとに開発、製造(処方)されたサプリメント」程の意味合いを容易に想起させるものであり、かつ、該商品が、普通に製造(処方)され、販売されている実情からすれば、これを本願指定役務中の「栄養の指導」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、例えば「医者(ドクター)が処方したサプリメントによる栄養の指導」を理解するに止まり、単に役務の質(提供の用に供する物)を表示したにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当であり、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「ドクターズ」の後に「サプリメント」という名詞が続く用法は一般的でないことから、本願指定役務との関係において、「医者が提供する健康補助食品」ほどの意味合いを想起することが一般的であるとは言い難く、また、前記3の証拠調べ通知に対しては、意見書において、「商標として使用されているものはない。」旨主張している。
しかしながら、「ドクターズ・サプリメント」の文字が、例えば、「医師(ドクター)が処方したサプリメントによる栄養の指導」を意味するものとして普通に使用されていることは、先に述べたとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
さらに、請求人は、商標法第3条第2項に該当する旨の主張を行う予定であると主張しているが、相当の期間を経過するも何ら提出していないから、これ以上、本件の審理を遅滞させるべき事由はないものと判断し、審理を進めることとした。
よって、結論のとおり審決する。
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