結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30309(T2006−30309/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第861694号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和42年1月17日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品,寝具類」を指定商品として同45年6月20日に設定登録され、その後、同49年6月12日に指定商品中「寝具類」について、放棄による一部抹消の登録がされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁(上申書を含む。)を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出し、さらに、平成19年(行ケ)第10277号審決取消事件の審決取消判決が確定後、甲第18号証ないし甲第31号証を提出した。
本件商標は、その指定商品すべてについて、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、答弁書において、乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出し、また、平成18年6月5日付けの上申書において、乙第7号証(枝番号を含む。)及び乙第8号証を提出して、本件商標は、本審判請求の予告登録日前3年以内において、日本国内で、被請求人及び通常使用権者によって、本件商標の指定商品中「被服」に含まれる「ゴルフウェア」「ポロシャツ」「カシミヤセーター」「ウインドジャケット」「ティーシャツ」の商品について使用されていると主張する。
しかしながら、これら乙第1号証ないし乙第8号証は、本件審判請求予告登録前3年以内に、被請求人及び通常使用権者が上記商品について、本件商標を日本国内において使用している事実を何ら証明するものではない。以下詳述する。
(1)通常使用権者「有限会社フランタリー」の本件商標の使用(乙第3号証)について
乙第3号証の1ないし5は、いずれも通常使用権者が開催したとするバーゲンの案内状の写しであり、被請求人は、案内状の表面に本件商標が表示され、裏面に「ゴルフウェア」「ポロシャツ」「カシミヤセーター」と記載されていることから、本件商標を使用していると主張するが、これにより本件商標を使用しているとは到底認められない。
まず、請求人の社員は、平成18年6月15日に通常使用権者の事務所に行き、同年6月8日から11日まで開催されていたバーゲンの案内状(甲第2号証)を入手し、「PARIS」の文字が付されている「ポロシャツ」(甲第3号証)を購入した(甲第1号証の報告書参照)。
そこで、請求人が入手した案内状(甲第2号証)には本件商標が表示されていなく、また、通常使用権者が販売するパリス商品(甲第3号証)にも「PARIS」の文字のみが付されているだけであり、本件商標が使用されていないことが判明した。
このように、被請求人は、平成15年4月24日から同16年10月24日の間に開催されたバーゲンの案内状に本件商標を表示していると主張するが、現在では案内状に本件商標を表示していない。何時から案内状に本件商標を表示しなくなったのか不明であるが、現実の商取引の実情と、平成15年4月から同16年10月まで一年以上も本件商標を表示した案内状を送付しているという通常使用権者の業態を考えると、従来の案内状を変更して、本件商標を表示しなくするとは通常考えにくい。
そうすると、乙第3号証は、いずれも写しであって、案内状に後から本件商標を貼付するなど従来の案内状に作為的に加工したものであるとも考えられ、これら案内状の表面に本件商標が最初から付されていたものであるのか否か確認できない。しかも、乙第3号証が実際に送付されたものであるのか否かも全く不明である。
したがって、乙第3号証では、被請求人は、通常使用権者が本件商標を使用していた事実を立証できていない。
これに関し、請求人は、乙第3号証の現物を提出することを要求する。また、請求人は、その現物に対して証拠調べを申し立てる。更に、請求人は、通常使用権者の代表者及び、この案内状を作成した印刷業者に対して証人尋問を申し立てる。被請求人には、案内状を作成した印刷業者の担当者の氏名等を明らかにされたい。
なお、乙第3号証を精査してみても、乙第3号証は案内状の表面と裏面を横に並べて一体のものとしてコピーしたものであって、全体を見せて、本件商標と「ゴルフウェア」「ポロシャツ」「カシミヤセーター」の商品を関連付けようとしているが、乙第3号証はハガキであるので、仮にこの案内状に接する需要者がいたとしても、表面と裏面を一体として見ることはない。表面(裏面)を見て、裏面(表面)を見るものである。そうすると、需要者は、裏面に記載されている「PARIS」「パリス」の文字と「ゴルフウエア」「ポロシャツ」「カシミヤセーター」については、その関連性を理解することがあるとしても、表面にのみ表示されている本件商標と上記商品とを関連付けるとは考えられない。
このように、乙第3号証は、本件商標を単に表示しただけであり、しかも、通常使用権者は、商品自体に本件商標を付したものを販売していないのであるから(甲第1号証の報告書参照)、本件商標の機能を発揮させていなく、これが商標としての使用に当たるとは到底認められない(東京高裁平成14年(行ケ)第144号判決参照)。
したがって、この点からも、被請求人は、本件商標を使用していた事実を立証できていない。
(2)被請求人の本件商標の使用(乙第4号証ないし乙第6号証)について
乙第4号証ないし乙第6号証は、被請求人が株式会社大丸ピーコック武庫之荘店に販売したとする商品の写真と納品書(控)等の写しであり、被請求人は、「ウインドジャケット」「ティーシャツ」「ポロシャツ」の胸部分に本件商標が表示されていることから、本件商標を使用していると主張するが、これにより本件商標を使用しているとは到底認められない。
まず、請求人の社員は、平成18年6月12日及び14日に大丸ピーコック武庫之荘店に行き、被請求人のパリス商品(甲第5号証、甲第7号証ないし甲第11号証)を購入した(甲第1号証の報告書参照)。
請求人が入手したこれら被請求人のパリス商品(甲第5号証、甲第7号証ないし甲第11号証)には、いずれも本件商標が使用されていない。また、請求人の社員は、被請求人が提出した乙各号証の品番に基づき商品を購入したが、乙第6号証の品番「63116101」は、請求人が入手した甲第5号証の品番であり、乙第5号証の品番「63116001」は、請求人が入手した甲第7号証の品番であり、品番が同じで商品が違うことが判明し、更に、被請求人が提出した乙第6号証(品番「63116101」)の素材が「綿100%」であるのに対し、請求人が入手した甲第5号証の素材が「身生地が綿70%、ポリエステル30%、衿部が綿100%」であること、乙第5号証(品番「63116001」)の素材が「綿100%」であるのに対し、請求人が入手した甲第7号証の素材が「綿95%、ポリウレタン5%」であることが判明した。
ところで、現実の商取引の実情を考えると、品番が同じで商品そのものが違うということ、また、品番が同じで商品の素材が全く異なることは通常考えられない。
また、大丸ピーコックは一般食料品を主に取り扱うスーパーマーケットであり、衣料品がよく売れるといったことなど考えにくいことから、3月23日に納品されたとされる乙第5号証の2の1及び乙第6号証の2の商品が、6月12日及び14日にまだ残っていたとしても不自然ではない。
そうすると、被請求人は、本件商標を表示した商品を大丸ピーコック武庫之荘店に販売したと主張するが、被請求人が大丸ピーコック武庫之荘店に販売したのは、乙第4号証ないし乙第6号証の写真に示されている商品ではなく、請求人が入手した商品(甲第5号証、甲第7号証)ではないかと考えられる。
請求人は、大丸ピーコック武庫之荘店を視察した結果、本件商標が付された商品が販売された事実などないと考えている(甲第1号証の報告書参照)が、これを更に裏付けるため、第三者のブランディインターナショナル株式会社(以下「ブランディ社」という。)に調査を依頼したところ、大丸ピーコック武庫之荘店の販売店員から、「PARISのロゴの下に図柄の入った商品の販売をした記憶はない」との回答を得ており、また、同一の商品番号を使用しているのに、素材が異なることについて、被請求人に問い合わせてみたところ、「PARISシリーズで綿100%のシャツは販売していないので商品自体が存在しない」との回答も得ている(甲第13号証)。なお、乙第5号証及び乙第6号証の素材は、綿100%と表示されている。
したがって、乙第4号証ないし乙第6号証では、被請求人は、本件商標を使用していた事実を立証できていない。これに関し、乙第4号証ないし乙第6号証の下げ札には「MADE IN CHINA」と記載されていることから、これら「ウインドジャケット」「ティーシャツ」「ポロシャツ」を製作したのは中国の会社であり、当然、これら商品について、胸の部分に本件商標を表示することを指示する指図書等と、これら商品が輸入されたインボイス等があるはずであるから、被請求人にはそれらの書類を提出することを求める。また、請求人は、乙第4号証ないし乙第6号証の商品を発注した株式会社大丸ピーコックの担当者及び、乙第4号証ないし乙第6号証の下げ札を作成した業者に対して証人尋問を申し立てる。被請求人には、株式会社大丸ピーコックの担当者と、下げ札を作成した業者の担当者の氏名等を明らかにされたい。
(3)被請求人の本件商標の使用(乙第7号証及び乙第8号証)について
乙第7号証及び乙第8号証は、被請求人がブルーピーター株式会社及び株式会社マルエツに販売した商品の写真と納品書(控)等の写しであり、被請求人は、下げ札に本件商標が表示されていることから、本件商標を使用していると主張する。
しかし、被請求人が提出した乙第4号証ないし乙第6号証の下げ札には本件商標が表示されていないのに、乙第7号証及び乙第8号証の下げ札には本件商標が表示されているが、乙第5号証及び乙第6号証の商品の納品日と乙第7号証の3の1の商品の納品日が3月23日と同じであることから、現実の商取引の実情を考えると、このような違う下げ札が存在し、別々に納品されることが本当にあり得るのか理解できない。しかも、商取引の実際において、そもそも下げ札の品質表示面に商標が表示され、また、品質表示面の片隅にこのような態様で表示されることなどあり得ないのではないか。
そして、乙第7号証及び乙第8号証の下げ札の表面には違う商標(登録第4917238号)が表示されていることからも、これらの下げ札は、本件商標を後から貼付するなど従来の下げ札に作為的に加工したようにしか見えない。
そうすると、被請求人は、本件商標を表示した商品をブルーピーター株式会社及び株式会社マルエツに販売したと主張するが、被請求人が販売した商品の下げ札には本件商標は表示されていないと推定される。
なお、請求人の社員は、平成18年6月22日にマルエツのFoodexpress新大塚店及び錦糸町店に行ったが、被請求人の商品が販売されている事実は確認できず、また、東京都のマルエツで衣料の取扱いのある葛西クリーンタウン店、真中店、中里店、かまた店、新糀谷店、錦糸町店には電話で問い合わせたが、パリス商品のレディスTシャツはないとの回答を得ている(甲第1号証の報告書参照)。
したがって、乙第7号証及び乙第8号証では、被請求人は、本件商標を使用していた事実を全く立証できていない。
請求人は、乙第7号証及び乙第8号証の下げ札の現物を提出することを求める。請求人は、その現物に対して証拠調べを申し立てる。また、請求人は、乙第7号証及び乙第8号証の商品を発注したブルーピーター株式会社及び株式会社マルエツの担当者と、乙第7号証及び乙第8号証の下げ札を作成した業者に証人尋問を申し立てる。被請求人には、ブルーピーター株式会社及び株式会社マルエツの担当者と、下げ札を作成した業者の担当者の氏名等を明らかにされたい。
(4)むすび
以上のとおり、被請求人は、乙第1号証ないし乙第8号証によっては、本件指定商品について、本件商標を日本国内において使用している事実を全く証明していない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第18号証(枝番号を含む。)を提出している。
被請求人は、本件商標が、本審判請求の予告登録日(平成18年3月27日)前3年以内において、日本国内で、被請求人及び通常使用権者によって、本審判請求に係る指定商品中の商品について使用されたことを答弁する。
以下、項目別に詳しく述べる。
(1)通常使用権者
被請求人は、大阪府箕面市船場東二丁目5番47号COM3号館に所在の有限会社フランタリーに対し、平成12年より現在まで継続して、本件商標の使用を許諾している。
前記の有限会社フランタリーに関し、「財団法人民事法務協会が提供するインターネット登記情報提供サービス上の有限会社フランタリーの登記情報」の写し(乙第2号証の1)、通常使用権に関し、「商標権使用契約書」の写し(乙第2号証の2)をそれぞれ提出する。
(2)通常使用権者による本件商標の使用
(2−1)本件商標は、被請求人及び通常使用権者である有限会社フランタリーによって継続して使用されてきている。
そこで先ず、有限会社フランタリーによる、本審判請求の予告登録日前3年以内における、本件商標の使用例(衣服の販売の案内状での使用)を以下に挙げる。
ア 2003年4月24日から同年同月27日まで開催した「パリス春夏物大バーゲン」の案内状(乙第3号証の1:左半分が案内状の表面の写し、右半分が案内状の裏面の写しである。以下同じ)
この案内状では、表面に本件商標と同一の商標が表示され、裏面に「メンズ・レディースゴルフウェアが¥5,000〜!!」等と記載されている。
イ 2004年4月22日から同年同月25日まで開催した「パリスファッションフェスティバル」の案内状(乙第3号証の2)
この案内状では、表面に本件商標と同一の商標が表示され、裏面に「メンズ(半袖)ポロシャツ ¥16,000→¥4,000(限定100枚)」等と記載されている。
ウ 2004年6月24日から同年同月27日まで開催した「パリス夏物スペシャル大バーゲン」の案内状(乙第3号証の3)
この案内状では、表面に本件商標と同一の商標が表示され、裏面に「パリスポロシャツ ¥4,000(各日限定50枚)」等と記載されている。
エ 2004年8月5日から同年同月8日まで開催した「パリス夏物最終大バーゲン」の案内状(乙第3号証の4)
この案内状では、表面に本件商標と同一の商標が表示され、裏面に「パリス半袖ポロシャツ ¥4,000→3枚で¥10,000(税込)/¥5,800→2枚で¥10,000(税込)」等と記載されている。
なお、この「乙第3号証の4」の案内状は、「枚方市長尾西町の個人」に送付されたが、枚方東郵便局(担当者「鈴木」氏)から「転送期間経過のためお返しします」として、通常使用権者に返送されたものである。
オ 2004年10月22日から同年同月24日まで開催した「パリス秋冬ファッションフェスティバル」の案内状(乙第3号証の5)
この案内状では、表面に本件商標と同一の商標が表示され、裏面に「パリスカシミヤセーター MENS 38,000円→18,000円/LADIES 28,000円→14,000円」等と記載されている。
(2−2)上記アないしオの案内状に表示された商標は、例えば「乙第3号証の5」のとおりであり、本件商標と同一である。
(2−3)上記アないしオの案内状に記載された商品は、例えば「乙第3号証の5」のとおり「カシミヤセーター」であり、この催し物におけるこれらの販売商品「ゴルフウェア、ポロシャツ、カシミヤセーター」はすべて、本件商標の指定商品中の「被服」に属する商品である。
(2−4)そして、上記アないしオの催し物は、通常使用権者によって、平成15年4月24日から同16年10月24日の間に開催されたもので、そのアないしオの案内状は、それぞれの催し物の開催日の少し前に発送されたものであって、これら催し物の開催日及び案内状の発送日は、本審判請求の予告登録日前3年以内の日である。
(3)被請求人による本件商標の使用
(3−1)次に、被請求人による、本審判請求の予告登録日前3年以内における、本件商標の使用例は膨大な数に上る。そこで、本件商標が付された商品のうちの数種について、それぞれその販売例の一例を以下に挙げる。なお、アないしウの各商品に付されている下げ札の裏面に記載されている「パリス事業部/TEL072−728−1651」は、被請求人の事業部の名称とその電話番号である。
ア 商品「ウインドジャケット」(商品番号:68135001)(乙第4号証の1)に関し、
・2005年(平成17年)11月14日、株式会社大丸ピーコック(武庫之荘店:兵庫県尼崎市南武庫之荘)に対し、6枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:327692)(乙第4号証の2の1)、佐川急便株式会社が前記伝票番号の物品を配達した際に配達先の受領印を受けた到着原票(以下、「佐川急便の受領書」という)の写し(乙第4号証の2の2)を提出する。
イ 商品「ティーシャツ(長袖、黒)」(商品番号:63116001)(乙第5号証の1)に関し、
・2006年(平成18年)3月23日、株式会社大丸ピーコック(武庫之荘店:兵庫県尼崎市南武庫之荘)に対し、8枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:335546)(乙第5号証の2の1)、佐川急便の受領書の写し(乙第5号証の2の2)を提出する。
ウ 商品「ポロシャツ(半袖、ピンク)」(商品番号:63116101)(乙第6号証の1)に関し、
・2006年(平成18年)3月23日、株式会社大丸ピーコック(武庫之荘店:兵庫県尼崎市南武庫之荘)に対し、10枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:335549)(乙第6号証の2)、佐川急便の受領書の写し(前出の乙第5号証の2の2)を提出する。
(3−2)上記アないしウの商品に表示された商標は、例えば「乙第4号証の1」のとおりであり、本件商標と社会通念上同一である。
(3−3)上記アないしウの販売商品の「ウインドジャケット、ティーシャツ、ポロシャツ」はすべて、本件商標の指定商品中の「被服」に属する商品である。
(3−4)そして、上記アないしウの販売日は、アが平成17年11月14日、イが同18年3月23日、ウが同18年3月23日であり、これらの商品の販売日は、本審判請求の予告登録日前3年以内の日である。
(4)結論
以上に記載のとおり、本件商標と同一の商標が、通常使用権者によって、本審判請求の予告登録日の前3年以内において、日本国内で、本審判請求に係る指定商品「被服」に含まれる商品「ゴルフウェア、ポロシャツ、カシミヤセーター」について使用され、並びに、本件商標と社会通念上同一の商標が、被請求人によって、本審判請求の予告登録日前3年以内において、日本国内で、本審判請求に係る指定商品「被服」に含まれる商品「ウインドジャケット、ティーシャツ、ポロシャツ」について使用された。
(1)被請求人による本件商標の使用
答弁書で既に提出した乙第3号証の1ないし乙第6号証の2以外にも、以下のとおり、本件商標を、本審判請求の予告登録日前3年以内において、日本国内で、本審判請求に係る指定商品中の商品について使用した。
ア 商品「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号:63116006)(乙第7号証の1)に関し、
・2006年(平成18年)2月24日、株式会社マルエツ(東京都豊島区東池袋)に対し、5枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:012571)(乙第7号証の2の1)、佐川急便の受領書の写し(乙第7号証の2の2)を提出する。
・2006年(平成18年)3月23日、ブルーピーター株式会社(大阪市西淀川区出来島)に対し、4枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:012784)(乙第7号証の3の1)、佐川急便の受領書の写し(乙第7号証の3の2)を提出する。
イ 商品「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号:63116007)(乙第8号証)に関し、
・2006年(平成18年)2月24日、株式会社マルエツ(東京都豊島区東池袋)に対し、5枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:012571)(前出の乙第7号証の2の1)、佐川急便の受領書の写し(前出の乙第7号証の2の2)を提出する。
・2006年(平成18年)3月23日、ブルーピーター株式会社(大阪市西淀川区出来島)に対し、4枚を販売した。
納品書(控)(伝票番号:012784)(前出の乙第7号証の3の1)、佐川急便の受領書の写し(前出の乙第7号証の3の2)を提出する。
なお、株式会社マルエツに対する納品書(控)(乙第7号証の2の1)には同社の住所が記載されていないが、同社のような量販店に対する場合には、納品書(控)には住所を記載していない。
ウ 上記ア及びイの商品の下げ札に表示された商標は、本件商標と同一である。
なお、乙第4号証の1、乙第5号証の1及び乙第6号証の1と同様に、これらの下げ札の裏面に記載されている「パリス事業部/TEL072−728−1651」は、被請求人の事業部の名称とその電話番号である。
上記ア及びイの販売商品の「ティーシャツ」は、本件商標の指定商品中の「被服」に属する商品である。
そして、上記ア及びイの販売日は、ともに、平成18年2月24日及び同年3月23日であり、これらの商品の販売日は、本審判請求の予告登録日前3年以内の日である。
(2)結論
以上の乙第7号証(枝番号を含む。)及び乙第8号証が示す取引においても、本件商標と同一の商標が、被請求人によって、本審判請求の予告登録日の前3年以内において、日本国内で、本審判請求に係る指定商品「被服」に含まれる商品「ティーシャツ」について使用された。
(1)バーゲンの案内状に関する弁駁に対する答弁
バーゲンの案内状に関しては、表示商標と商品とが近接していないため両者の関連性が明確であるとはいえず、また通常使用権者は商品自体に本件商標を付して販売したことはないとのことであるので、上記の東京高裁の判決〔平成4年(行ケ)第144号〕の判旨をも参酌した結果、被請求人は、平成18年5月15日付けの答弁書中のバーゲンの案内状に関する、「(5)通常使用権者による本件商標の使用(4頁1行ないし6頁下から11行)」部分及び「(7)結論のア)(8頁10行ないし14行)」部分の主張を取り下げる。
(2)胸部分に本件商標を表示した衣服の販売例(乙第4号証の1ないし乙第6号証の2)に関する弁駁に対する答弁
被請求人は、販売量が僅かな場合や、追加注文がくることがないような季節ものやバーゲン品の場合においては、固有の品番をとることはなく、品番を転用することがある。大丸ピーコックに対しても、販売量がごく僅かなためその様な転用があり、時期をずらしてではあるが、同一品番で素材が異なる商品が納品されることはあり得る。なお、上記のような販売量が僅かな売り先においてクレームが発生したときは、クレームを受けている商品の現品を被請求人に返送してもらって対処している。
この点に関して、株式会社大丸ピーコックの関西仕入営業部の衣料品部バイヤーである「浦浜和美」の被請求人に対する平成18年2月度の商品発注書の写し(乙第9号証)、及び、同人の同年9月4日付の被請求人宛ての書面の写し(乙第10号証)を提出する。この書面で、同氏は、「貴社から当社への仕入時、商品によってアソート(たとえば取扱品番が同じで商品又は材質が異なるものの納品)で納品してもらうことがある」旨述べている。
以上のことよりして、「品番が同じで商品やその素材が異なることは通常考えられない」との主張をもって、被請求人の大丸ピーコック武庫之荘店への商品「乙第4号証の1、乙第5号証の1、乙第6号証の1」の販売を否定する根拠とはなり得ない。
(3)請求人が依頼したブランディ社の調査報告(甲第13号証)について
ア 大丸ピーコック武庫之荘店では、「(パリスのT)シャツ3種類(ピンク、ブルー、ホワイト)のみ販売しているとのことだった。ブラックの取扱の有無を質問したが、販売店員2名ともブラックを販売した記憶がないとの回答であった」、また、「PARISのロゴの下に図柄の入った商品の販売をした記憶はないとの回答であった」と記載されている。
しかし、大丸ピーコックの被請求人に対する上記発注書(乙第9号証)では、「パリスTシャツ」は4色が発注されているし、そもそも、請求人が、平成18年6月14日に大丸ピーコック武庫之荘店で購入したとしてその写真を提出しているティーシャツ(品番:63116001)(甲第7号証)の色は、その下げ札に表示してあるとおり「ブラック」である。
請求人が主張するように大丸ピーコックは一般食料品を主に取り扱うスーパーマーケットであるので、衣料品を担当する販売店員も限られていると推測され、そのような同武庫之荘店での、請求人自身による前記ティーシャツ(色:ブラック)の購入日が平成18年6月14日で、上記報告書の日付が同年同月26日(該調査員が同店を訪れた日はこの日より前)であり、両日は近接している(10日前後)ことからすれば、同報告書で「販売店員2名ともブラックを販売した記憶がないとの回答であった」旨の上記報告は信用できるものではない。
また、上記報告書における「PARISのロゴの下に図柄の入った商品の販売をした記憶はないとの回答を得た」とも記載されているが、はたしてどのような質問をしたのか、質問を受けた店員は遅くとも被請求人の商品「乙第4号証の1」が同武庫之荘店に納品された日(平成17年11月16日)(乙第4号証の2の2)当時とそれ以降継続して同店の衣料販売担当であったのか等が全く判らず、その回答内容の真偽を検証するすべがなく、かつ、その回答が仮に事実としても「記憶がない」という程度のものに過ぎない。
イ また、「被請求人に問い合わせてみたところ、PARISシリーズで綿100%のシャツは販売していないので商品自体が存在しないとの回答であった」と記載されている。
しかし、ブランディ社はどのような手段で被請求人に問い合わせ、どのような質問をしたのか、応対した被請求人の従業員等は誰で、どのように答えたのか等が全く判らない。
そして、実際は、上記の報告書の内容とは反対に、被請求人は、「PARIS シリーズ」で綿100%のシャツ(ワイシャツ、ティーシャツ等)を販売しているのである(乙第5号証の1、乙第6号証の1)。
以上のことよりして、ブランディ社の調査報告書の記載内容をもって、被請求人の大丸ピーコック武庫之荘店への商品の販売を否定する根拠とはなり得ない。
(4)下げ札に本件商標を表示した衣服の販売例(乙第7号証の1ないし乙第8号証)に関する弁駁に対する答弁
ア 被請求人は、平成17年12月21日に、中国の上海に所在する「上海山悠制衣有限公司」に対して、裏面の右肩に本件商標を表示した下げ札(5100枚)の製作を発注した。そして、同下げ札は、平成18年2月17日付けで被請求人に納品された。
この点に関し、平成17年12月21日付けの被請求人から上海山悠制衣有限公司に対する発注書の写し(乙第11号証の1)、平成18年2月17日付けの上海山悠制衣有限公司から被請求人に対するコマーシャルインボイスの写し(乙第11号証の2)、平成18年2月17日付けの航空貨物会社(ASIA−EX)の上海山悠制衣有限公司から被請求人に対する輸送状の写し(乙第11号証の3)、上海山悠制衣有限公司の代金の領収書の写し(乙第11号証の4)を提出する。
そして、上記発注書の送付後の平成18年1月項の被請求人から上海山悠制衣有限公司に対する指示によって、上記下げ札の 5100枚中、2300枚には、裏面の下部に「MADE IN CHINA」の文字が印字されている。
裏面の右肩に本件商標を表示した下げ札で、「MADE IN CHINA」の印字のあるものとないものの2種の現物(前者が乙第12号証の1、後者が乙第12号証の2)を提出する(前者の下げ札は、乙第7号証の1のティーシャツに付されていたものの現物である。)。
なお、現在も、上記の面下げ札と同じ下げ札がそれぞれ付された衣服が販売されている。例えば、平成18年9月5日において、上記の前者(「MADE IN CHINA」の印字がある)と同じ下げ札が付されたティーシャツ(乙第13号証の1)がイオンマルシェ株式会社のカルフール箕面店で販売されている。この商品を購入した際の領収証の写し(乙第13号証の2)を提出する。また、上記の後者(「MADE IN CHINA」の印字がない)と同じ下げ札が付されたフィットネスズボン(乙第14号証の1)が株式会社マイカルの新金岡サテイで販売されている。この商品を購入した際の領収証の写し(ただし、この領収書は、ティーシャツ(1980円)とフィットネスズボン(3980円)の合計額に対するものである)(乙第14号証の2)を提出する。
以上のとおり、ティーシャツ(乙第7号証の1、乙第8号証)に付されていた下げ札(乙第12号証の1)は、遅くとも平成18年2月24日以降現在においてティーシャツに付されていて、該商品は一般需要者へ販売されているのである。
イ 請求人は、同人の社員の報告書(甲第1号証)を基に、「平成18年6月22日に、マルエツのFoodexpress新大塚店及び錦糸町店に行ったが、被請求人の商品が販売されている事実は確認できず、また、東京都のマルエツで衣料を取り扱っている葛西クリーンタウン店、真中店、中里店、かまた店、新糀谷店、錦糸町店では、電話の問い合わせで、『パリス商品のレディスTシャツはない』との回答を得た」と主張している。
しかし、まず、マルエツの店舗は、首都圏を中心に193店舗(平成18年10月1日現在)あり(乙第15号証)、東京都以外でも140店舗があって(同前)、上記報告書に記載されている平成18年6月22日の時点でも、前記店舗数に近い店舗が存在したことは容易に推測できる。したがって、上記報告書に記載の東京都の8店舗のみの、かつ、調査当時の販売状況を調べた結果で、ティーシャツ(乙第7号証の1、乙第8号証)が販売されたことを否定することができないことはもちろんであり、また、上記報告書の「東京都のマルエツで衣料の取り扱いのある葛西クリーンタウン店、〜、錦糸町店」への電話での問い合わせに対する回答の「パリス商品のレディスTシャツはない」は、問い合わせ当時のことを言っているに過ぎず、過去に販売されたことがあるかどうかの認識は表明されていない。
したがって、請求人の社員の報告書(甲第1号証)をもって、被請求人の商品「乙第7号証、乙第8号証」によって本件商標が使用されたことを否定する根拠とはなり得ない。
(5)他の通常使用権者による本件商標の使用
最後に、被請求人は、本件商標が上記の通常使用権者(有限会社フランタリー)とは別の通常使用権者によって、商品「ネクタイ」において使用されたことを以下のとおり証明する。
被請求人は、平成17年9月20日に、大阪市淀川区木川東4丁目11−13(現在の営業地は、大阪市北区大淀中1丁目15−5)の「はかりや」こと計谷洋行に対し本件商標の使用を許諾した。
この点に関し商標使用許諾契約書の写し(乙第16号証)を提出する。
そして、「はかりや」は、平成17年11月頃に、本件商標をカラーで印刷したシールを貼付した商品「ネクタイ」のサンプル品(100本)の製造を韓国の業者に注文し、平成17年11月28日に、同ネクタイは中国の製造業者から被請求人へ直接納品された。そして、「はかりや」は、同ネクタイを、例えば平成18年1月26日に「ネックファッション アオイケ」こと青池隆広へ50本を販売した。
この点に関し、計谷洋行の「陳述書」(乙第17号証)を提出する。
以上によると、本件商標は、本審判の予告登録日前3年以内において、審判請求に係る商品「被服」に含まれる「ネクタイ」において、通常使用権者によって使用されたことが明らかである。
(6)以上述べたとおり、本件商標は、本審判請求の予告登録日前3年以内において、日本国内で、本審判請求に係る指定商品「被服」に含まれる「ウインドジャケット、ティーシャツ、ポロシャツ」及び「ネクタイ」について、被請求人又は通常使用権者によって使用されたものである。
よって、答弁の趣旨に記載のとおりの審決を求めるものである。
提出された証拠及び当事者の主張によれば以下の事実が認められる。
(1)被請求人は、本件審判請求に対し、平成18年5月15日付け答弁書において、a)被請求人から本件商標の通常使用権の設定を受けた有限会社フランタリーが、衣服の販売(バーゲン)の案内状を発送することにより本件商標を使用しているとして、乙第2号証の1ないし乙第3号証の5を提出し、b)被請求人自身による本件商標の使用例の一例として、大丸ピーコック武庫之荘店に対し平成17年11月14日ないし平成18年3月23日に「ウインドジャケット」(商品番号68135001)・「ティーシャツ(長袖、黒)」(商品番号63116001 )・「ポロシャツ(半袖、ピンク)」(商品番号63116101)を販売したとして、乙第4号証の1ないし乙第6号証の2を提出した。
その後、請求人は、平成18年6月5日付け上申書で、c)「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号63116006)に関し、平成18年2月24日に株式会社マルエツに対し5枚、「ティーシャツ (半袖、黒 )」(商品番号63116007)5枚をそれぞれ販売したと主張して、乙第7号証の1ないし乙第7号証の2の2を提出し、また、平成18年3月23日にブルーピーター株式会社に対し、「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号63116006)を4枚、「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号63116007 ) を4枚それぞれ販売したと主張して、乙第7号証の3の1及び2を提出した。
ところが、被請求人は、請求人の弁駁及び後記甲第1号証(請求人会社社員 伴井教子の報告書)の提出を受け、上記a)の通常使用権者有限会社フランタリーによる本件商標の使用に関しては、本件商標と商品との関連性が明確とはいえず、また通常使用権者も商品自体に本件商標を付して、販売したことはない等として通常使用権者による使用の主張を撤回した。
(2)上記甲第1号証の報告書及びこれと関連する甲第13号証(ブランディ社の商標調査報告書)の内容は概ね下記のとおりである。
ア 甲第1号証(平成18年7月5日付け「報告書」)
「取消2006−30309に関し、被請求人から提出された証拠に基づいて、本件商標が付された商品が現実に販売されていたか否かの確認等を行ったので、ここに報告致します。
1.6月12日(月)12時〜13時 大丸ピーコック武庫之荘店を視察
・ ICCのパリス商品が陳列されているのを確認する(ポロシャツ、ウインドブレーカー、ベスト、ゴルフシャツ、Tシャツ)。
・ パリス商品を1点購入(品番63116101)...したが、答弁書にある同品番の写真の商品...と異なる。
・ 本件商標の表示は見当たらず、店員に聞いてみたところ、『図柄を付した商品はあまり記憶にない』とのこと。
2.6月13日(火)PM 大丸ピーコックに電話
・ 大丸ピーコックのホームページにおける店舗リストをもとに、まず、千里大丸プラザ店に電話で問い合わせたところ、パリス商品の取り扱いはないとのこと。
・ その後、数店舗に電話するがいずれも衣料品の取り扱いがなかった。
・ 大阪、兵庫の店舗で衣料の取り扱いがあるのは、千里大丸プラザ店、香里店、名舞店、武庫之荘店の4店舗のみということが確認できた。
・ 武庫之荘店を除く残りの3店舗に電話したが、パリス商品の取り扱いはないとのこと。
3.6月14日(水)11時半〜12時半 再度、大丸ピーコック武庫之荘店を視察
・ メンズ、レディス商品を合計5点購入...したが、品番63116001...は、答弁書にある同品番の写真の商品...と異なる。
4.6月15日(木)11時〜12時 箕面にある(有)フランタリーを視察
・ 当社の久野基寛とともに、通常使用権者である大阪府箕面市船場東に存する(有)フランタリーの事務所に行く。
・ 室内ではパリス商品であるスラックスが多数陳列されていたが、本件商標を付したものは見られなかった。
・ スラックス以外の商品はあるかと聞いたところ、隣の部屋からポロシャツを数点出してきてくれた。いずれも2万円前後のさげ札に半額以下の赤札をつけてセールで販売している様子。ポロシャツ及びスラックスに使用している表示は本件商標ではない。
5.6月22日(木)マルエツ(東京都豊島区東池袋)の視察等
・ 当社の東京店勤務の原田匡にマルエツの視察を依頼。
・ 原田が14時20分、豊島区東池袋5−51−12に所在するFoodexpress新大塚店を訪問。この店舗は、一階が食品専門の店舗で2階以上がマルエツの本部になっている模様。店内には衣料品はなく、念のためレジで衣料品の取り扱いの有無を尋ねるが、扱っていないとの回答を得る(略)。
・ 伴井が16時半〜17時にかけて、マルエツのホームページにある店舗リストをもとに、電話で問い合わせをする。
・ 東京都で衣料の取り扱いがある店舗を尋ねると、葛西クリーンタウン店、真中店、中里店、かまた店、新糀谷店、錦糸町店の6店舗があげられた。
・ その後、上記の6店舗に電話で問い合わせると、確かに衣料の取り扱いはあるが、パリス商品であるレディスTシャツはないとのこと。
以上」
イ 甲第13号証(ブランディ社の商標調査報告書 平成18年6月26日作成)
「1.調査判明事項
a) 株式会社大丸ピーコック武庫之荘店に来店し、パリスのTシャツの購入の旨を伝えたところ、シャツ3種類(ピンク、ブルー、ホワイト)のみ販売しているとのことだった。ブラックの取扱の有無を質問したが、販売店員2名ともブラックを販売した記憶がないとの回答であった。また、PARISのロゴの下に図柄の入った商品を販売した記憶はないとの回答であった。
b) (略)
c) さらに、株式会社アイ・シー・シーは、大丸ピーコック千里中央店に対しても同様の商品を卸しており、念のために確認したところ、同様の商品は存在したが、胸のところにPARISと記載されているだけで、図柄の入った商品は存在しなかった。
d) (略)」
(3)一方、被請求人が提出した浦浜和美名義の署名のある書面(乙第10号証 )の内容は、以下のとおりである。
株式会社大丸ピーコック関西仕入営業部衣料品部バイヤーである浦浜和美は、平成18年9月4日付けの「株式会社アイ・シー・シー殿」と題する書面で「a)当社の衣料品取り扱い店舗はつぎの通りになっています。千里中央店、香里店、明舞店、松丘店、塚原店、武庫之荘店 b)貴社から当社への仕入時、商品によってアソートで(たとえば取扱品番が同じで商品又は材質が異なるものの納品)で納品してもらうことがあります。」として、署名をしている(押印はない)。
(4)また、請求人が提出した陳述書(甲第19号証)(訴訟において提出された甲第38号証ないし甲第40号証。以下本件審決においては、該甲第38号証は甲第19号証の2、該甲第39号証は甲第19号証の3、該甲第40号証は甲第19号証の4とする。)の内容は以下のとおりである。
ア 株式会社リオンドール取締役三木久志
「...当社は、...数々の衣料品のブランド品を扱っていますが、品番を転用することはしません。また、品番が同じで、商品又は材質が異なる商品を納品してもらうこと(アソート)はありません。...品番が同じで商品又は材質が異なる商品で納品すること(アソート)をすれば、販売数量や在庫数が全く掴めなくなりますが、どのようにして管理するのか、ノーブランドの商品であれ、ブランド品であれ、全く想像できません。
イ オクイ株式会社代表取締役奥井敬之
「...商品の品番は、下げ札の発注者が直接印字することが多いですが、私は、長年、数々の服飾メーカーと接してきましたが、商品が違うのに、同じ品番を付けるということを今まで聞き及んだことがありません。品番が同じで商品が異なる商品で納品するようなこと(アソート)は、商品の管理上、問題があると思います。... 」。
ウ サン・グリーン・リバー株式会社代表取締役堀本元哉
「...テレビキャラクター子供服の販売に従事してきました...。...品番が同じでグラフィックデザイン又は材質が異なる商品を納品した事はございません。又、通常の衣料品製造販売会社ならこのような事はしないと思います。当社の販売先である量販店も当然このような仕入をしていません。グラフィックデザイン又は材質が異なる場合は、別品番を使用します。特にブランド商品に関しましては、ブランド版権元への詳細な売上報告(デザイン毎の販売数量、在庫数量等)が義務付けられていますので、品番が同じで材質が異なるような事は考えられません。」
(5)被請求人と「はかりや」こと計谷洋行との関係
ア 被請求人と「はかりや」こと計谷洋行との間の平成17年9月20日付け商標使用許諾契約書(乙第16号証)には以下の記載がある。
「 商標使用許諾契約書
株式会社アイ、シー、シー(以下甲という。)とネックファッションはかりや(以下乙という。)とは、次の通り商標使用許諾契約を締結する。
第1条(趣旨)
a) 甲は、乙に対し、甲の管理運用する下記商標(以下本商標という。)を下記商品(以下本商品という。)に使用し全世界において製造し、日本国内において販売することを許諾する。
記
商標:861694号、4741695号、4756860号
商品:紳士ネクタイ、紳士サイフ、紳士ベルト(スラックス用)
b) 甲は、本契約期間中に、乙の事前の同意なしに第三者に本商品と同一の商品については、本商標の使用を許諾しない。この為、甲と乙は、本契約において本商標及び本ノウハウの使用権並びに本商品の製造販売に関する諸条件を取り決めることとした。
第2条(譲渡禁止)
乙は、本契約に基づく権利を第三者に譲渡、貸与または担保に供してはならない。尚、再許諾を行う場合は事前に書面による申し入れを行い、甲の承認を得るものとする。
第3条(対価)
本商標の使用料(ロイヤルティ)及び年間保証額は下記のとおりとする。
a) 本商標の使用料:年間...万円(...万円×3)
b) 年間保証額:
初年度:...円(2006年1月1日〜2006年12月31日)
2年度:...円(2007年1月1日〜2007年12月31日)
3年度:...円(2008年1月1日〜2008年12月31日)
乙は甲に対し本件商標使用の対価のロイヤリティとして、上記の初年度のロイヤリティを契約調印後1ヶ月以内に支払うものとする。またこれをもって契約成立とする。
2年度からは年度の始まる2ヶ月前までに支払うこととする。
本契約書に従って支払われたロイヤリティは、いかなる事由が発生しようと返還されないものとする。
c) 乙は、6カ月毎に販売した本商品の売上報告を甲の所定の用紙に記載し、乙の役員の1人が証明の上、提出日に提出するものとする。
報告書提出日期日 報告対象期間
毎年7月15日 1月〜6月
毎年1月15日 7月〜12月
d) 乙は、本契約に基づく使用料を支払う都度、各支払額に消費税法で定められた税率を乗じて得た金額の消費税を上乗せして甲に支払うものとする。
(以下略)」
(イ) また、計谷洋行の陳述書(乙第17号証 。平成18年10月6日付け)には以下の内容が記載されている。
「1.当社の履歴
私は、昭和60年頃より今日において、『はかりや』の屋号、でネクタイ及びワイシャツの製造販売を行っています。そして、その営業地は、平成17年9月30日までは大阪市淀川区...で、同年10月1日以降は現在の大阪市北区...です。
2.当社と株式会社アイ、シー、シーとの関係
株式会社アイ、シー、シー(以下「アイ、シー、シー」といいます)の水谷欣二氏とは3年か4年前に知り合い、現在も仕事上の付き合いがあります。
3.本件商標の使用許諾を得た経緯
(1) 私は、アイ、シー、シーが『PARIS』の文字の入った商標を所有していることを以前から聞いて知っていました。私は、その商標をネクタイに使いたいと思い、平成17年9月頃に箕面市にあるアイ、シー、シーの本社に出向き、パネルに入った商標を見せてもらいました。...
そして、私は、水谷欣二氏に本件商標他2件の「PARIS」文字の入った商標の使用の許諾を申し入れ、同氏と交渉した結果、平成17年9月20日付で、別紙2の商標使用許諾契約が成立しました。
(2) 現在は、本件商標をネクタイについて使用しています。
また、前記の契約の交渉過程で、本件商標の使用の仕方は、ネクタイ業者が普通に行っている、ネクタイの裏側にその商標を表したシールを貼る方法でよいということで合意しています。また、ネクタイ等の生産数量に制限がないことも合意しています。
4.本件商標を付したネクタイのサンプル品の製造
(1) 私は、平成17年11月頃に、本件商標を付したネクタイ(以下「本件ネクタイ」といいます)のサンプル品を、ストライプ、チェック、小紋の3種類の柄で100本製造することを、韓国の「YU MYUNG CO.」 に注文しました。そして、これらのサンプル品は平成17年11月28日に、中国の業者の「ZHEJIANG SHENGZHOU ATCHIM TIE&FASHION CO.,LTD」から当社へ納品されました(このときの書類が別紙3...別紙6です。)
(2) そして、これらのサンプル品には、本件商標をカラーで印刷したシール(...)を、それぞれの裏側に貼付しました。
なお、ネクタイに貼るシールの大きさや形はほぼ決まっていますので、前記のシールは、私がアイ、シー、シーから受け取った本件商標の見本に基づいて商標の態様のみをネクタイの製造業者に指示し、その指示に基づいて同製造業者が中国において作成したものです。そして、私の指示に基づいて、同製造業者が前記シールをそれぞれのネクタイに貼付しました。
5.本件ネクタイのサンプル品の販売
(1) 前記サンプル品は、サンプル品として提示したり、通常の商品として販売して、今は手元に残っていません。通常の商品として販売したなかで、記憶に残っているものは比較的多数を販売した、『アオイケ』への販売です。今般、過去の伝票等を探しましたところ、その販売の明細は下記のとおりであることが確認できました。
記
平成18年1月26日に、三重県...の「ネックファッション アオイケ」こと青池隆広氏へ、50本を販売した(...がそのときの納品伝票の写しです)。
(2) 上記の「アオイケ」への販売は、青池氏が当方の店舗に来たときの口頭での注文に対するものです。
6.本件ネクタイのその後の製造販売
前記サンプル品の製造販売の後、本年春の本格的な販売のために、本件ネクタイの7,000本の製造を上記の韓国の「YU MYUNG CO.」に注文し、平成18年4月にそれらが上記の中国の業者から当社に納品されました。しかし、これらネクタイの「品質ネーム」の表示が間違っていたので、現在当方で「品質ネーム」の取替えを行っていて、その取替えを終わったものから本年の秋以降に販売することにしています。
これらのネクタイには、上記のサンプル品に貼付したシールと同じシールを、...ネクタイの裏側に貼付しています。 以上」
なお、乙第17号証添付の別紙3は、2005年(平成17年)11月23日付け中国の「ZHEJIANG SHENGZHOU ATCHIM TIE&FASHION CO.,LTD」から韓国ソウルの「YU MYUNG CO.」への「INVOICE」(請求書)と題する書面であり、「100%シルク製プリントストール 2,300ケ」、「100%シルク織ネクタイ 100ケ」、「100%シルク製プリントネクタイ 240ケ」(いずれも抄訳による)に関するものであり、同別紙4は、2005年〔平成17年〕11月23日付け「YU MYUNG CO.」から「はかりやネクタイファッション」に宛てた上記ストール、ネクタイについての「COMMERCIAL INVOICE (商業請求書)」、同別紙5は「ZHEJIANG SHENGZHOU ATCHIM TIE&FASHION CO.,LTD」から「はかりやネクタイファッション」へ発送した際の2005年(平成17年)11月23日付け原産地証明書、同別紙6は、2005年〔平成17年〕11月26日積荷証書である。
また、別紙7は、平成18年1月26日付けの「納品書(控)」と題する書面であり、「取引先名 Neck Fashon はかりや」「社店名 アオイケ様」、品名に「シルクブランドタイ」、数量に「50」との記載があり、原単価、原価金額等は炭塗りされている。
ウ 計谷洋行は被請求人に対し、「パリスブランド代」ないし「パリスロイヤリティ」として、平成17年10月2日、平成19年5月16日に、それぞれ52万5000円を支払った(甲第26号証に添付の訴訟において提出された乙第8号証、乙第9号証の1及び2)。
エ 青池隆広の陳述書(平成18年10月(日付は空白)。乙第18号証)には、以下の内容が記載され、別紙として添付された写真には、本件商標がネクタイの小剣部分にシールにより貼付されている。
「1.私は『ネックファッション アオイケ』の屋号で、平成9年5月より今日まで継続してネクタイの販売を行っています。
2.私は、平成18年1月26日付で、『はかりや』さんから、シルクのネクタイを50本購入しました。そして、前記のネクタイは、現在までに全て販売しました。
3.前記のネクタイには、添付の写真に写っているシールと同じものが貼られていたと記憶しています。」
オ 訴訟において平成20年3月12日に行われた証人尋問における計谷洋行証人の証言の概要は、以下のとおりである(甲第31号証 尋問調書)。
・ 被請求人との商標使用許諾契約では、ネクタイの作成数量に限定はなく、作り放題であり、ライセンス料は一定額である(尋問調書2頁)。
・ 商標使用許諾契約第3条c)に定められた売上げの報告については全くしておらず、被請求人からこれについての督促などもない(同3頁。)
・ ネクタイの小剣の裏側に本件商標のシールを貼付したが、シールを貼るよう指示したのは被請求人であり、小剣の裏側に貼ることとしたのは自分の考えである(同3頁ないし4頁)。
・ 被請求人と商標使用許諾契約を締結した後、被請求人から本件商標等に関し、データ、カラーコピー、シール等を受け取った(同4頁ないし5頁)。
・ 韓国のYU MYUNG商事に発注する際に、本件商標のカラーコピーを必要な分だけ送り、これをネクタイ100本に付けてくれと頼んだ(同5頁)。
・ 初めて輸入したシルクプリンテッドストールと一緒にPARISのネクタイのサンプル品を100本を入れれば分かるのでストールと一緒にYU MYUNG商事に注文した(同5頁ないし7頁)。
・ 乙第17号証の別紙7の納品書にあるシルクブランドネクタイ50本がそれである(同7頁)。
・ サンプル品として輸入した他に、7,000本くらい発注したが、ネームの間違いに気付き、途中で販売をストップした(同8頁)。
・ サンプル品のネクタイの小剣の裏側に本件商標のシールを貼ったが、これが「ネクタイ屋」の常識であり、特に意味はない。ついていればブランド品であることが示され、客が喜ぶのではないかという程度の意味である(同8頁〜9頁)。
・ 本件商標のシールについては、購入後客に取ってもらうことを予定している。洋服でMとかLとか書いてあるシールを買った後取るのと同じ感覚である(同12頁)。
・ サンプル品として作成した分のうちアオイケに販売した後の残り50本のネクタイもどこかに販売されたと思うが、自分の他に社員もおり、分からない(同13頁)。
・ その後7,000本発注した分は問屋に卸したが、そこから取引先のどこに売ったかは分からない(同19頁)。
・ アオイケこと青池隆広は、会社や警察の休み時間に行ってそこで展示して販売したりといった行商を営んでいる(同23頁)。
・ 本件商標のシールは、被請求人から渡されたは1枚の紙で10枚か20枚であったが、これをサンプルとして中国に送り、100本のネクタイに貼られていた。足りない分のシールはYU MYUNG商事が中国のどこかの外注で作ったと思う(同27頁)。
・ 被請求人のPARISのブランドも、たいしたブランドではない。あってもなくてもいいものである。年間50万円の使用料では高く、2、30万円くらいのものと思う(同30頁)。
・ 被請求人がなぜ本件商標のシールを貼ってくれという希望を出したのかは分からない(同31頁)。
商標権者たる被請求人が審判及び本件訴訟を通じて維持している本件商標の使用に関する事実主張は、平成15年3月27日から平成18年3月27日までの3年の間に、a)本件商標の商標権者たる被請求人は株式会社ピーコックへの販売において本件商標を使用した、b)同じく被請求人は株式会社マルエツ、ブルーピーター株式会社への販売において本件商標を使用した、c)被請求人から本件商標について通常使用権の設定を受けた「はかりや」こと計谷洋行において本件商標を使用した、というものである。
ア まず、上記a)の株式会社大丸ピーコックへの販売による本件商標の使用の点に関し、被請求人は大丸ピーコック武庫之荘店に対し、品番68135001のウインドジャケット6枚を平成17年11月14日に販売し(乙第4号証の2の1及び2)、この品番68135001のウインドジャケットの胸には本件商標が刺繍されていた(乙第4号証の1)とし、また同じく大丸ピーコック武庫之荘店に対し、平成18年3月23日、品番63116001のVネックの長袖ティーシャツ8枚を(乙第5号証の2の1及び2)、品番63116101のポロシャツ10枚を(乙第6号証の2)それぞれ販売したとし、品番63116001のティーシャツの胸(乙第5号証の1)、品番63116101〔品番の記載された下げ札には綿100%の記載がある〕のポロシャツの胸(乙第6号証の1)にはそれぞれ本件商標の刺繍がされていたとする。
しかし、甲第5号証は上記甲第1号証記載のとおり、請求人の社員でライセンス部所属の伴井教子が平成18年6月12日に大丸ピーコック武庫之荘店で購入した青色の半袖ポロシャツの写真であるところ、下げ札には、乙第6号証の1と同じ商品番号「63116101」の記載があるが、胸には「PARIS」の文字の刺繍があるのみで本件商標の刺繍はなく、また下げ札に記載された素材も「身生地綿70%、ポリエステル30%、衿部綿100%」と記載されている。
さらに、甲第7号証は同じく伴井が、平成18年6月14日に大丸ピーコック武庫之荘店で購入した黒色のティーシャツの写真であり、下げ札には乙第5号証の1と同じ商品番号「63116001」の記載があるが、乙第5号証の1のものは長袖、Vネック、模様は胸の刺繍のみであるのに対し、甲第7号証のものは半袖、丸首であり、胸に本件商標の刺繍はなく、「PARIS」「SPORT」の文字の他、花の図柄4点の模様があるなど、外観が全く異なる。
この点につき、株式会社大丸ピーコック関西仕入営業部衣料品部バイヤー浦浜和美は、上記のとおり平成18年9月4日の「株式会社アイ・シー・シー殿」と題する書面(乙第10号証)で、被請求人からの仕入時に、商品によって取扱品番が同じで商品又は材質が異なるものを納品してもらうことがあるとするが、そうすると被請求人の主張するとおりの品番の商品が販売されたとして、これと被請求人主張の本件商標の刺繍等が付された商品との同一性についても疑問が生じるというべきである。
請求人は、同一の品番で商品ないし品質が異なる商品を納入することが業界慣行としてありえないとし、これに沿う証拠として上記甲第19号証の2ないし4の陳述書を提出している。
上記によれば、被請求人による株式会社大丸ピーコックに対する販売について、本件商標が使用されたとする事実については、これを認めるに足りないというべきである(「PARIS」とする部分については、使用されたと認める余地があるが、これだけでは本件商標が使用されたということはできない。)
イ 次に、株式会社マルエツ、株式会社ブルーピーターに対する販売について検討する。
被請求人は「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号63116006、63116007)をそれぞれ平成18年2月24日に株式会社マルエツに対し販売し、また平成18年3月23日にブルーピーター株式会社に対し「ティーシャツ(半袖、黒)」(商品番号63116006、63116007)をそれぞれ販売したとし、その商品に付された下げ札の裏面に本件商標を表示したとする。
しかし、上記甲第1号証によれば、マルエツに対し請求人の社員らが訪問、問い合わせを行った範囲では被請求人が販売したとする女性用ティーシャツの取扱いの事実が確認できず、さらに請求人が被請求人に対し、株式会社マルエツ、ブルーピーター株式会社の担当者を明らかにし立証するよう求めたにもかかわらず、被請求人は更なる主張立証を行わない。
なお、被請求人は裏面に本件商標を印刷した商品下げ札を中国の業者に発注し、その納入を受けたとし、乙第11号証の1ないし乙第12号証の2を提出する。なるほど平成17年12月21日付け「下記下げ札発注お願いします。」と記載された書面(乙第11号証の1)の下げ札の裏面右上には本件商標が印刷され、平成18年2月14日付け出荷表(乙第11号証の4)では「PARIS商標」として中国から5100枚が出荷されているものの、この下げ札が実際に使用されたか否かは不明といわざるを得ない。
上記によれば、株式会社マルエツ、株式会社ブルーピーターに対する販売において、本件商標が使用されたとは認めるに足りないというべきである。
ウ 次に、通常使用権者である「はかりや」こと計谷洋行による本件商標の有無について検討する。
「はかりや」こと計谷洋行は、証人尋問において、平成18年1月26日に、「ネックファッション アオイケ」こと青池隆広に対しネクタイ50本を販売したところ、そのネクタイの小剣の裏側に本件商標のシールを貼付したとする。
しかし、計谷洋行証人の証言は、本件商標のシールに関し、被請求人から渡されたは1枚の紙に10枚か20枚であったところ、これを計谷洋行がサンプルとして中国に送り、納品された100本のネクタイに貼られていた、足りない分のシールはYU MYUNG商事が中国のどこかの外注で作ったと思う(尋問調書27頁)などとするが、この足りない分のシールの作成、貼付等に関しては乙第17号証の別紙3ないし6の請求書等には全く記載がなく、その他これを裏付ける証拠も提出されていない。また、青池隆広に対する50本の販売のほか、残った50本に関しては全く分からない、その後の何千本かの販売に関してもどこに販売したかは分からないとするなど、客観証拠との整合に疑問がある上に重要な内容につき曖昧な点があり、措信することができない。同人作成の陳述書(乙第17号証)の記載内容のうち本件商標のシールをネクタイに貼付したことに関する部分についても同様である。
そうすると、通常使用権者である「はかりや」こと計谷洋行が本件商標を使用した事実についてもこれを認めることができない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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