Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−7764(T2008−7764/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「パーフェクトサンバーンブロック」の文字を標準文字で表してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年6月20日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、当審において、同20年10月27日付け提出の手続補正書により、第3類「日焼け止め用化粧品」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『パーフェクトサンバーンブロック』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『パーフェクト』の文字は『完璧なこと。完全であること。』の意味を、『サンバーン』の文字は『日焼け。日焼けによる炎症。』の意味を、そして『ブロック』の文字は『妨害すること。』などの意味を有するものであるから、全体として『完全に日焼けを防ぐ』という程の意味合いを理解させるものである。そして、肌や皮膚用の化粧品の中には日焼け用及び日焼け止め用の商品などが販売されていることから、本願商標をその指定商品中例えば『日焼け止め用の化粧品』について使用しても、取引者、需要者は『完全に日焼けを防ぐことができる商品』であることを容易に理解するにとどまるものであって、単に商品の品質、効能、用途を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標の文字に相応する前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年9月10日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標中「ブロック」の語は、「防ぐ」の意味を有しておらず、また、インターネット上のウェブサイトにおいて、「日焼けをブロック」、「日焼けのブロック」及び「日焼けブロック」の使用例が見受けられるものの、いずれも誤用である。また、商標法第3条第1項第3号が適用されるのは、商標が、一般に使用されている等の理由によって、取引者、需要者等に商品の品質を表示するものとして広く認識されている場合、及び、一般に使用されていなくても、将来そのように認識される可能性があり特定人に独占使用させることが公益上不適当である場合であるから、本願商標に、同号を適用するのは、誤りである。
5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、これをその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはなくなったものと認められる。
したがって、原審における拒絶の理由のうち、商標法第4条第1項第16号に該当するとした拒絶の理由は解消した。
(2)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「パーフェクトサンバーンブロック」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして、前記3で示した証拠調べ通知に記載のとおり、「パーフェクト」の文字は、「完璧。完全なさま、申し分のないさま。」等の意味を有し、本願指定商品中「化粧品」との関係において、「パーフェクト○○」のように、日焼け止め用の化粧品名の一部に採択され、「(効能が)強力、最も高い」程の意味合いをもって使用されている文字であり、また、「サンバーン」の文字は、「日焼け」の意味を有し、その意味をもって一般に使用されているものである。
さらに、「ブロック」の文字は、「妨げる。妨害する。」等の意味を有し、本願指定商品中「化粧品」との関係において、「○○ブロック」のように、日焼け止め用の化粧品名の一部に採択、使用されると共に、「紫外線をブロックする」又は「日焼けをブロックする」等のように、「妨げる。防ぐ。」程の意味合いをもって普通に使用されている実情にあるものである。
そうすると、「パーフェクト」、「サンバーン」及び「ブロック」の文字を結合させた本願商標「パーフェクトサンバーンブロック」の文字から、「強力に日焼けを防ぐ」との意味合いを、容易に理解させるというのが相当である。
してみれば、本願商標「パーフェクトサンバーンブロック」を、その指定商品「日焼け止め用化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「強力に日焼けを防ぐ商品」であると理解し、単に商品の品質、効能を表示したものと認識し、把握するにとどまるというべきであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは、認識し得ないというべきである。
(3)請求人の主張について
請求人は「各文字が軽重の差がなく、特定の意味合いを有しない一体不可分の造語であり、一連に称呼し得る。仮に、各語に分断されたとしても、『ブロック』の語が多義語であるから、一義的に『妨害』の意を認識させることはなく、また、『ブロック』の語に『防ぐ』という意味はない。インターネットの検索において『日焼けをブロック』、『日焼けのブロック』及び『日焼けブロック』の使用例は見受けられるものの、いずれも誤用である。」旨主張している。
たしかに、本願商標「パーフェクトサンバーンブロック」の文字は、同じ書体、同じ間隔で表されているものの、それを構成する、「パーフェクト」、「サンバーン」及び「ブロック」の各文字が有する意味、及び、商取引の場において、各文字が商品の品質等を表す文字として使用されていることからすれば、本願商標「パーフェクトサンバーンブロック」から、「強力に日焼けを防ぐ」との意味合いを容易に理解させ、商品の品質等を表示するにすぎない商標であること前記認定のとおりである。
そして、「ブロック」の文字が有する意味として、辞書に「防ぐ」の記載が見当たらないとしても、取引者、需要者等が、商標に接したときに、それを構成する文字が有する正確な意味や、適切な文法に基づいて、商標全体が有する意味合いを認識、把握するというより、むしろ、簡易迅速を尊ぶ取引の場においては、商標を構成する文字の市場における使用状況から、該文字が表す意味合いや、表現内容を類推し、商標全体の意味を理解しようとするのが自然である。
そうすると、請求人も意見書で認めているように、「化粧品」を取り扱う業界において、「日差しをブロック」及び「紫外線をブロック」等の使用が、インターネット検索によれば多数確認され、それらは「日差しを防ぐ」、「紫外線を防ぐ」のように、「ブロック」の文字が「防ぐ」の意味をもって用いられていることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者等は、「ブロック」の文字が有する正確な意味や、その使用が文法的に正しいか否かを確認することなく、「日差しをブロック」及び「紫外線をブロック」の場合と同様に、本願商標構成中の「ブロック」の文字からも「防ぐ」の意味を類推するというべきであるから、本願商標「パーフェクトサンバーンブロック」の文字から、「強力に日焼けを防ぐ」との意味合いを理解すると判断するのが相当であり、さらに、このように理解することが、商取引上不自然といえるほどの事情は見出せないものである。
また、請求人は、平成18年(行ケ)第10545号判決(知的財産高等裁判所平成19年6月28日判決言渡)を引用して、「出願された商標が、一般に使用されている等の理由によって、取引者、需要者等に商品の品質を表示するものとして広く認識されている場合、及び、一般に使用されていなくても、将来そのように認識される可能性があり特定人に独占使用させることが公益上不適当である場合に、商標法第3条第1項第3号が適用されるべきであり、本願商標がいずれにも該当しない以上、本願商標は同号に該当しない。また、請求人以外に『パーフェクトサンバーンブロック』の使用は見当たらない。」旨主張している。
たしかに、引用した判決が説示する内容は、そのとおりである。
しかしながら、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)とも、判示されているところである。
これを踏まえて、本願についてみるに、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、本願指定商品の取引者、需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられるかによって判断されなければならないところ、本願商標を構成する「パーフェクト」、「サンバーン」及び「ブロック」の各文字が有する意味や、該各文字が、その指定商品「日焼け止め用化粧品」との関係において、商品の説明、広告又は宣伝の文中に、商品の品質等を表示する文字として使用されていることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は「パーフェクトサンバーンブロック」の文字から、「強力に日焼けを防ぐ」程の意味合いを容易に理解し、商品の品質、効能を表したものと認識すると判断するのが相当であるから、たとえ、請求人以外に、「パーフェクトサンバーンブロック」一連の使用が見当たらないことや、請求人引用判決の判示内容に本願商標が合致しないとしても、このことを理由に同号の適用を免れるということにならないというべきである。
さらに、請求人は、過去の登録例を引用して、本願商標も、自他商品の識別標識としての機能を有する旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、当該商標の構成態様及び指定商品との関係に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、また、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録例の存在によって、その認定は左右されないというべきである。
そうとすれば、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
(4)むすび
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
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