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Trademark Appeal Case

「フェイシャルバランス」の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−10021(T2008−10021/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「フェイシャルバランス」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品」及び第44類「エステティック美容,その他の美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック・整体,美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する情報の提供,美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する相談及び診断,医業,医療情報の提供,歯科医業」を指定商品及び指定役務として、平成18年12月22日に登録出願されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、当審における同20年4月21日付け提出の手続補正書により、第44類「エステティック美容,その他の美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック・整体,美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する情報の提供,美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する相談及び診断,医業,医療情報の提供,歯科医業」に補正され、さらに同年12月3日付け提出の手続補正書により、最終的に第44類「一定の計測ポイントから正面顔における目・鼻・口等の各部位の関係を計測してデータベースに基き美人度・美人顔であるかを判断する美顔に関する情報の提供及び相談」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『顔の釣り合い(バランス)』を意味する『フェイシャルバランス』の文字を標準文字で表してなるところ、1.これをその指定商品『化粧品』に使用するときは、『顔のバランスをとる化粧品』を認識させ、かつ、該意味合いを表示するものとして使用(たとえば、下記記載及び平成19年5月25日付け『刊行物提出書』参照)されているものですから、自他商品を区別するための識別標識としての機能を有せず、単に商品の品質、用途、内容を表示するにすぎないものと認められる。2.これをその指定役務中『エステティック美容,その他の美容,理容,カイロプラクティック・整体,美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する情報の提供,美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する相談及び診断』に使用するときは、『顔のバランスをとるエステティック美容・その他の美容。理容,顔のバランスをとるカイロプラクティック・整体,顔のバランスをとる美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する情報の提供,顔のバランスをとる美容・理容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する相談及び診断』を認識させるにとどまり、自他役務を区別するための識別標識としての機能を有せず、単に役務の質、内容を示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。

本願商標は、「フェイシャルバランス」の文字を標準文字で表してなるところ、これを構成する「フェイシャル」、「バランス」及び「フェイシャルバランス」の文字に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められるので、全体として「顔のバランス(均整)」程の意味合いを極めて容易に理解、認識させるものである。

そうとすれば、本願商標をその指定役務中、顔のバランスを整える役務、例えば「エステティック美容,その他の美容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック・整体,美容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する情報の提供,美容・あん摩・マッサージ及び指圧・カイロプラクティック・整体に関する相談及び診断」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質、内容を表示するにすぎないものと認識、把握するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものというべきであり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。

1 「フェイシャル」及び「バランス」の各文字が有する意味。

(1)「フェイシャル(facial)」

「顔に関するさま。美顔術。」(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典第3版)

「顔の。顔に使う。」(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典)

(2)「バランス(balance)」

「釣り合い。平衡。均衡。」(株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典第3版)

「(重さ・量などが)釣り合った状態。釣り合い。平衡。均衡。」(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典)

2 「フェイシャルバランス」の文字が、「顔のバランス(均整)。」の意味合いをもって、美容、マッサージ、整体等の役務に使用されている事実

(1)「遠藤整体療術院」のウェブサイトにおいて、「FB整体を始めました。(2007年3月より)(フェイシャルバランス整体)」の見出しの下に「お顔は普通左右対称になってないものです。でも気になる・・・目じりが下がり気味や噛み合せが今ひとつしっくりこない もう少し顔が小さく感じたいなど イロイロなお悩みがあるかと思います。一度お試ししてみては如何ですか? 1回4000円」との記載がある。(http://endoseitai.client.jp/Address/address.htm)

(2)「健心庵整体院」のウェブサイトにおいて、「B.全身&フェイシャル・バランス(美容整体)」の見出しの下に「○ボディ・バランスとともにお顔もスッキリ整えたい方に ○顔のむくみ改善、たるみ予防、美肌・小顔づくり フェイシャル・バランス矯正は、顔の筋肉をほぐした上で顔の骨格を矯正し、引き締め効果の高い美容液を使ったリフティング、リンパ・ドレナージュでスキン・ケア。」との記載がある。(http://kenshin-an.sakura.ne.jp/course.html)

(3)「Aromatherapy Relaxation CAZCO」のウェブサイトにおいて、「アロマセラピー ●フェイシャル 50min ¥6,000−」の見出しの下に「フェイシャルバランスを整え、本来の美しさを引き出し、姿勢・表情も美しくなります。デコルテ、フェイシャル、ヘッド、[顔筋・骨格調整]を含みます。」との記載がある。(http://ganesha.tea-nifty.com/salon/)

(4)「アロマテラピーサロン&スクール jasmine」のウェブサイトにおいて、「フェイシャルバランスコース 料金:¥13,000円」の見出しの下に「2.ツボや経絡に沿ってライトを照射していきます コンサルテーションによりバランスが崩れているところや不調を感じているエネルギーラインにライトを照射していきます」との記載がある。(http://jasmine7.com/aroma%20and%20Renascent%20Chromotherapy%20course.html)

(5)「みやこ和ん館伏見店」のウェブサイトにおいて、「ソフト整体コース」の見出しの下に「フェイシャルバランスコース 20分 ¥2,520 お顔のバランスが気になる方に」との記載がある。(http://www.ohnoseitai.com/wankan/fushimi_menu.html)

(6)「エステティックサロンゴールド」のウェブサイトにおいて、「フェイシャルバランスケア ¥15,000」の見出しの下に「ホルモンバランスを整え、若返り。むくみ・タルミ解消!アイケアで目の周りのシワ・むくみを解消。視力回復も!!新技術!今までトリートメントできなかった眼球の上(上まぶた)から高周波をかけます。目の機能回復、まぶたのタルミの変化が1回でもわかります」との記載がある。(http://www.esthe-gold.co.jp/anti%20ageing.htm)

(7)「ジャパン美健協会」のウェブサイトにおいて、「美健とは・・・」の見出しの下に「従来のエステティックとは差別化し、理論に基づいた手技で全てのポイントを指先でくまなく網羅します。これらの施術により、気になるところを目立たなくします。フェイシャルバランスマッサージ 30分 5,250円」との記載がある。(http://www.biken-shi.jp/whats/index.htm)

第4 職権証拠調べに対する意見の要点

請求人は、「本願の指定役務を『美容に関する情報の提供、美容に関する相談及び診断』の下位概念である『一定の計測ポイントから正面顔における目・鼻・口等の各部位の関係を計測してデータベースに基き美人度・美人顔であるかを判断する美顔に関する情報の提供及び相談』に減縮する補正を行った。当該補正後の指定役務は、昨今、広島大学での研究に基き、請求人が提供しているものである。すなわち、顔の目等の各部位の関係を、独自の基準により測定し顔の各部分の均衡関係を割り出し、顔の美人度又は美人顔であるかどうかを判断するものである。本願の指定役務は美顔に関する情報の提供及び相談にとどまり、整体、顔筋・骨格調整、あるいは矯正などを行うものではない。したがって、本願商標は、その指定役務に使用しても、顔のバランスを整える役務を直感させることはなく、自他役務識別標識としての機能を十分に有するものである。「フェイシャルバランス」の文字は、当該役務の分野において一般に採択されたことはない。また、これを、顔のバランスを整える役務以外の『一定の計測ポイントから正面顔における目・鼻・口等の各部位の関係を計測してデータベースに基き美人度・美人顔であるかを判断する美顔に関する情報の提供及び相談』に使用しても、役務の質の誤認を生じさせるおそれがないことが明らかである。」旨述べている。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第16号について

本願商標は、その指定役務について前記第1のとおり補正された結果、これをその指定役務に使用しても役務の質について誤認を生ずるおそれはなくなった。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

2 商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、前記第1のとおり、「フェイシャルバランス」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「フェイシャル」の文字は、「顔に関するさま。美顔術。」の意味を有し、また、「バランス」の文字は、「釣り合い。平衡。均衡。」等の意味を有する語(いずれも「株式会社三省堂 コンサイスカタカナ語辞典第3版」)として、広く一般に使用されているものである。

そうすると、「フェイシャルバランス」の文字よりなる本願商標は、全体として「顔のバランス(均整)」程の意味合いを極めて容易に理解、認識させるものである。

ところで、本願の指定役務と関連して、顔が左右対称になっていない等、顔のバランスが気になる方に顔のバランスに関する美容、マッサージ、整体等の役務が提供されていることは、前記第3の証拠調べ通知に記載の事実より窺い知ることができる。

そして、本願の指定役務「一定の計測ポイントから正面顔における目・鼻・口等の各部位の関係を計測してデータベースに基き美人度・美人顔であるかを判断する美顔に関する情報の提供及び相談」は、補正前の「美容に関する情報の提供,美容に関する相談及び診断」の下位概念であり、前記の証拠調べ通知に記載した使用例の役務とは、共に美容に関する役務であり、密接な関連性があるものというべきである。

また、本願の指定役務は、平成20年12月3日付け提出の意見書の説明及び資料によれば、「目・鼻・口等の位置の顔のバランス(上顔面、中顔面、下顔面、下顔面上部、下顔面下部、顔面縦横比率)を計測してデータベースに基づき美人度・美人顔であるかを判断する美顔に関する情報の提供及び相談」であると理解される。「美人顔」であるかは、上記、顔のバランスのポイントである6つの指標において、正六角形に近ければ近いほど「美人顔」であるとコンピューターで判定するものである。

してみれば、これを補正後の指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「一定の計測ポイントから正面顔における目・鼻・口等の各部位の顔のバランス(均整)を計測してデータベースに基づき美人度・美人顔であるかを判断する美顔に関する情報の提供及び相談」であること、すなわち、役務の質、内容を表示したものと理解するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

なお、請求人は、前記第4のとおり、本願商標は、当該役務の分野において一般に採択されたことはなく、自他役務の識別標識としての機能を十分に有する旨主張しているが、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁 平成12年9月4日判決言渡 平成12年(行ケ)第76号参照)。さらに、上記と同旨の判示をした判決がある(東京高裁 平成13年12月26日判決言渡 平成13年(行ケ)第207号参照)から、たとえ、「フェイシャルバランス」の文字が、その指定役務を取り扱う業界において、役務の質等を表示するものとして使用されている事実が存在しなくとも、役務の質、内容を表示するものとして理解されることは前記認定のとおりであるから、本願商標が役務の質、内容を表示するものであるとすることの妨げにはならないものである。

また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張するが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本願については前記のとおり判断するのが相当であるから、この点についての請求人の主張も採用することができない。

(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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