Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−26712(T2008−26712/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「酵素ジューサー」の文字を標準文字で表してなり、第7類「食料加工用又は飲料加工用の機械器具,電気ミキサー,電気ジューサー」を指定商品として、平成19年11月21日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同20年7月29日付け手続補正書により、第7類「電気ジューサー」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2486538号の1商標(以下「引用商標」という。)は、「CORSO」の欧文字を横書きしてなり、平成元年11月16日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同4年12月25日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年12月18日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,家庭用食器洗浄機,直流発電機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電機ブラシ,電気ミキサー」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「回転変流機,磁心,調相機,抵抗線,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電気ブザー,電極,電子応用機械器具及びその部品,電線及びケーブル,電池,配電用又は制御用の機械器具」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同16年1月13日に指定商品中、第11類「電球類及び照明用器具」について、登録第2486538号の2商標として本権の分割移転の登録がされたもので、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「酵素ジューサー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、前半が「酵素」の漢字で表されているのに対し、後半は「ジューサー」の片仮名文字で表されていることから、文字の種類の相違により、視覚上分離して看取し得るものである。
そして、本願商標を構成する前半の「酵素」の文字は、「生体内で営まれる化学反応に触媒として作用する高分子物質。」等(株式会社岩波書店 広辞苑 第六版)の意味を有する語であるのに対し、後半の「ジューサー」の文字は、「果物・野菜などをすりつぶし、しぼってジュースを作る電気器具。」(前掲書)の意味で一般に親しまれている外来語であって、本願商標に係る補正後の指定商品を表示する普通名称である。
そうすると、本願商標は、その構成中後半の「ジューサー」の文字部分が、本願商標に係る補正後の指定商品の普通名称を表示する語として、理解、認識され、自他商品の識別標識としての機能を果たしていないものであるから、その構成中前半の「酵素」の文字部分が、自他商品の識別標識として機能を果たすものであり、該文字部分から生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、本願商標は、その構成中前半の「酵素」の文字部分に相応して、単に「コウソ」の称呼及び「生体内で営まれる化学反応に触媒として作用する高分子物質。」等の観念をも生ずるものというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2のとおり、「CORSO」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「大通り」等の意味を有し、「コルソ」と発音されるイタリア語の欧文字部分(イタリア語では第2文字目の「O」の上部に「 ́」が付されている)を表したものといえる。
しかしながら、我が国におけるイタリア語の普及度を考慮した場合、引用商標に接する一般の取引者、需要者が、これを直ちにイタリア語であると理解するとはいい難く、むしろ特定の観念を有さない一種の造語と判断するのが自然である。
そして、我が国においては、外国語のうちでは英語の普及率が圧倒的に高いものであるところ、欧文字で書された商標に接した者は、その発音を知らない場合であっても、一般には自己の有する英語の知識に従って、これを英語風に読もうとすると解される(東京高裁 平成11年(行ケ)第197号判決参照)ものである。
そうすると、引用商標の構成中前半の「COR」の文字部分は、我が国において、よく知られている英単語、例えば、「CORD」の語が「コード」、「CORNER」の語が「コーナー」、「CORN」の語が「コーン」と、それぞれ発音することから、「コー」と称呼する場合も少なくないといえるものである。
したがって、引用商標は、請求人が主張するように、「コルソ」と称呼されることがあるとしても、「コーソ」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標から生ずる「コウソ」の称呼と、引用商標から生ずる「コルソ」又は「コーソ」の称呼のうち、「コーソ」の称呼とで比較するに、これらは共に3音からなるところ、3音中、語頭の「コ」と語尾の「ソ」の2音を共通にし、中間における「ウ」の音と「コ」の母音〔o〕を長く発音する長音「ー」に差異を有するにすぎないものである。
そして、この差異音である「ウ」の音は、その前音「コ(ko)」の母音〔o〕と連母音〔ou〕となり、長音のように発音される結果、「コウ」の部分が「コー」のように聴取される場合があることから、これらを一連に称呼するときは、全体として、語調、語感が極めて近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、称呼において相紛らわしいものであるから、互いに類似の商標と認められ、かつ、指定商品も同一又は類似するものである。
(4)まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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