Trademark Appeal Case
「深呼吸」の称呼・観念類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−28750(T2008−28750/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「深呼吸シート」の文字を標準文字で書してなり、第5類「医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,生理用パンティライナー,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,失禁用ナプキン,失禁用パッド,失禁用ライナー」を指定商品とし、平成20年2月4日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4509392号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年10月18日に登録出願、第5類「衛生マスク」を指定商品として同13年9月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、「深呼吸シート」の文字を標準文字で書してなるところ、該構成中の「深呼吸」の漢字と「シート」の片仮名文字は、文字の種類の違いにより、視覚上、分離して把握、認識されるばかりでなく、「深呼吸」の文字部分と「シート」の文字部分とを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情についても見いだし得ないものである。
さらに、「シート」の片仮名文字部分は、本願の指定商品との関係において、「商品がシート状の形状であること」を理解、認識させるにとどまるものであり、自他商品を区別するための識別標識としての機能がきわめて弱いものということができるから、本願商標に接する取引者、需要者は、該「シート」の文字部分を省略し、「肺臓内の空気をできるだけ多く出入させる深い呼吸。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第6版」)の意味を有する語として一般に知られている、前半の「深呼吸」の文字部分を自他商品の識別標識として捉らえ、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、構成全体から「シンコキュウシート」の称呼を生ずるほか、「深呼吸」の文字部分に相応した「シンコキュウ」の称呼をも生ずるものというべきである。
他方、引用商標は、別掲のとおり、白と黒線で縁取られた「深呼」の漢字と、「深」の文字にかかり「呼」の文字を囲むように、ややデザインされているとはいえ欧文字1字と認識、理解される「Q」の欧文字を配してなる構成からなるものである。
そして、引用商標は、その構成中「深呼」の漢字部分から「シンコ」の称呼が生じること、否定するものではないが、上記のとおり、「深呼」の漢字部分と、ややデザインされているとはいえ「キュウ」の称呼が生じると認められる「Q」の欧文字部分とを外観上まとまりよく表してなるものであること、並びに、「深呼吸」の文字が一般に知られた既成語であることから、引用商標の構成中「深呼」の文字より「深呼吸」を連想させることもあいまって、その構成全体に相応した「シンコキュウ」の自然な称呼をも生じるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観において相違する点があるとしても、引用商標より「深呼吸」を連想する観念上近似した印象を与え、それぞれ「シンコキュウ」の称呼を共通にする類似の商標と認められ、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。
なお、請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げて本願商標も登録されるべきであると主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の登録例及び審決例の判断に拘束されることなく、個々の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、また、いずれも本願商標とは商標の構成を異にする事案であって、必ずしも本件に適切なものとはいえない。
したがって、請求人のこの主張も採用することができない。
以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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