Trademark Appeal Case
果実名の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900067(T2008−900067/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5092238号商標(以下「本件商標」という。)は、「ドラゴンフルーツ」の文字を標準文字で表してなり、平成19年5月10日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、同年10月26日に登録査定、同年11月16日に設定登録されたものである。
2 本件商標に対する取消理由の要旨
本件商標を構成する「ドラゴンフルーツ」の文字について、登録異議申立人の提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
(1)フリー百科事典「ウィキペディア」の「ドラゴンフルーツ」の項には、「ドラゴンフルーツ(dragon fruit)またはピタヤ(pitaya)は、サボテン科ヒモサボテン属のサンカクサボテンの果実を指す」とあり、果実の特徴として、「果実はアボカド程度の大きさと形をしており、表面にサボテン科果実特有の葉のような緑色の突起物がある。果皮は光沢のある鮮やかな赤色が代表的だが黄色のものもある。果肉は白もしくは赤いゼリー状で豊富な果汁を含んでおり、一面に胡麻粒のような黒い種子がある。・・・赤肉種に含まれる色素は強烈で、天然色素として染料や口紅などに使われる程なので衣服などに付着すると洗っても取れなくなる。栄養素は、アルブミン、アントシアニン、ブドウ糖、リン酸、ポリフェノール、食物繊維、カロチン、カルシウム、鉄、ビタミンB1・B2・B3、ビタミンCなどが含まれており、健康食品として注目されている。」と記載されている。
また、「世の中庸」と題するウェブサイトにも、ドラゴンフルーツの赤肉種について、「香りがある。ホワイトに比べ水分が多い。赤色色素はテーブルビートなどにも含まれるbetalainsで、天然色素としてジュースやシャーベット、口紅などの原料にもなりうる。」とあり、更に、日経テレコン21の新聞記事検索においても、「美容と健康にも良い、美容効果がある、健康や美容に良いとして人気が高い」等と記載されている(2006/09/17日本農業新聞、2006/08/26西日本新聞、2006/08/18南日本新聞 等)。
(2)そして、具体的な商品についての使用の事実としては、以下のような使用例のあることを認めることができる。
ア 株式会社ライズウェーブが販売しているクレンジングジェル「ルビーフルーツ ドラゴン」の商品説明として、「ピーリングも兼ねたクレンジング・・・肌の引き締め成分として”ドラゴンフルーツ(ビタヤ果汁エキス)”など・・を配合した。ゲルタイプだが、マッサージすると古い角質がポロポロと取れる。香りはドラゴンフルーツ。」と記載されている。
イ エリザベスアーデンが販売しているオードトワレの商品紹介として、その香りの一つとして「ドラゴンフルーツ」が記載されている。
ウ フレグランス フリークが販売しているオードトワレの商品紹介として、その香りの一つとして「イエロードラゴンフルーツ」が記載されている。
エ フィッツコーポレーションが販売しているリップグロスの商品紹介として、その色彩表示の一つとして「ドラゴンフルーツ」が記載されている。
オ エスティローダーが販売しているグロスの商品紹介として、その色彩表示の一つとして「ドラゴンフルーツ」が記載されている。
カ 手作り石けん工房みなしょうが販売している手作り石けんの原材料の一つとして「ドラゴンフルーツ」が記載されている。
キ 日本グランド・シャンパーニュが販売している石鹸の香りとして「ドラゴンフルーツ」が記載されている。
(3)以上の事実に照らしてみれば、「ドラゴンフルーツ」の語(文字)は、クレンジングや石鹸等の商品の原材料の一つとして用いられているばかりでなく、オードトワレや石鹸等の商品の香りを表すものとしても用いられており、更には、リップグロス等の商品の色彩を表すものとしても用いられていることを認めることができる。
そうとすれば、「ドラゴンフルーツ」の語(文字)は、この種商品の取引者・需要者の間においては、商品の香りや色調あるいは原材料を表すものとして理解・認識されているものということができる。
してみれば、本件商標をその指定商品中、「ドラゴンフルーツの香りや色調を有するオードトワレやリップグロス等の商品またはドラゴンフルーツを原材料としたクレンジングや石鹸等の商品」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、これを商品の原材料・品質を表示したものとして把握・認識するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきであり、また、本件商標をその指定商品中、上記以外の「せっけん類,化粧品」に使用するときには、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから取消を免れない。
3 商標権者の意見
商標権者は、前記2の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。
4 当審の判断
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成20年11月21日付けで、前記2の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もなかった。
そして、前記2の取消理由は、妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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