Trademark Appeal Case
商標の要部と著名性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900115(T2008−900115/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5099094号商標(以下「本件商標」という。)は、「DRX」の文字を標準文字で書してなり、平成19年3月30日に登録出願、第5類、第29類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年12月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、商品「コンドーム」について使用している「DUREX」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、各国の需要者、最終消費者のみならず、一般世人にとって著名である。また、外国において著名な標章である引用商標が、本件商標の登録出願時に、我が国の需要者にも認識されていることは明らかである。
そして、本件商標と引用商標は、同一ではないが、要部のほとんどを共通にしているため類似する。また、本件商標からは著名商標である引用商標及びその製品の観念が生ずるものであるから、両商標は観念を共通にする類似の商標である。
そうすると、本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)本件商標の商標権者の行為は、著名商標である引用商標の顧客吸引力にただ乗りし不正に利益を得る目的でされたものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、前記のとおりの「DRX」の文字からなるものであるから、該文字に相応して「ディーアールエックス」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、前記のとおり「DUREX」の文字よりなるところ、該「DUREX」の文字が、申立人の主張するように、「D」「R」「X」を要部とするものとの理由を見出すことはできないから、引用商標は、その構成文字全体をもって認識し把握されるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、該文字に相応して「デュレックス」の称呼を生ずるものというのが自然である。
しかして、本件商標より生ずる「ディーアールエックス」の称呼と、引用商標より生ずる「デュレックス」の称呼とは、それぞれ構成音数、構成音が明らかに異なるものであるから、本件商標と引用商標とは、称呼上類似しない商標というべきである。
また、両商標は、特定の観念を有しない造語よりなるものであるから、観念上比較すべくもない。
さらに、両商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観上十分に区別し得るものである。
そして、引用商標が申立人の業務に係る商品「コンドーム」について使用する商標として、主として欧州における取引者、需要者の間に広く認識され、2002年に「DUREX」のテレビ広告が賞を受賞したり、本件商標の出願時に「DUREX」ブランドが世界のトップシェアを占めていることが我が国の研究者に認識されていたとしても、そのことから、直ちに我が国における取引者、需要者の間にも広く認識されているということはできない。
してみれば、本件商標は、前記のとおり、引用商標とは外観、称呼、観念のいずれの点においても紛れるおそれのない別異のものであって、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品「コンドーム」とは、用途等を異にするといえるものであり、かつ、引用商標は我が国において著名ということはできないから、本件商標をその指定商品に使用しても、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
(2)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記のとおり、引用商標とは別異のものであり、かつ、本件商標をその指定商品について使用することが、引用商標の顧客吸引力にただ乗りし不正に利益を得る目的で使用するものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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