Trademark Appeal Case
図形商標の類否と著名商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2008−900224(T2008−900224/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5114908号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示したとおりの構成よりなり、平成19年4月27日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」、第25類「ズボン」及び第28類「運動用具,釣り具」を指定商品として、同20年2月29日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(1)登録第2160091号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示したとおりの構成よりなり、昭和61年4月1日に登録出願、第21類「かばん類、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年8月31日に設定登録、その後、同11年6月29日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第3368897号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示したとおりの構成よりなり、平成7年3月31日に登録出願、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具」を指定商品として、同10年2月13日に設定登録、その後、同20年1月22日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第1688700号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)に示したとおりの構成よりなり、昭和45年6月4日に登録出願された昭和45年商標登録願第57375号の変更出願として、昭和55年8月4日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同59年5月29日に設定登録、その後、2回にわたり更新登録がなされ、さらに、指定商品については、平成17年10月5日に第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。),加工野菜及び加工果実,加工卵」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」、第31類「野菜(「茶の葉」を除く。),茶の葉,果実」及び第32類「飲料用野菜ジュース」に書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 本件登録異議の申立ての理由(要旨)
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標1及び2と商標が外観上類似し、指定商品が「かばん類」及び「運動用具」において抵触しているから、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、ハンバーガーのマクドナルドとして知られるマクドナルドビジネスに使用される商標を管理する法人である。引用商標3は、日本において1971年から日本マクドナルド株式会社により、その販売するハンバーガー等に関して一貫して使用・宣伝されてきており、当該商標が日本において最も著名な商標の一つとなっていることは、公知の事実である。そして、引用商標3と本件商標の要部とは外観上類似するものである。そうとすれば、極めて高い著名性を有する引用商標3と類似する本件商標がハンバーガー以外の商品に使用された場合、あたかも申立人と何らかの関係のある商標であるとの誤認混同が生じるおそれが大きいから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
(3)結び
したがって、本件商標は、同法第43条の2及び第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、ズボンの後ろ側を描いたと思しき図形(以下「ズボン図形」という。)上に、該ズボン図形の臀部中央より左右対称に、まずやや上方に弧を描き、その後下方に向けてヒザ裏部辺りまで大きく垂れ下がるごとく伸びた、徐々に幅を広げつつ丸味を帯びた太線模様(以下「太線模様」という。)を付した一体的な図形よりなるものであるところ、これよりは特定の称呼、観念は生じないものである。
これに対し、引用商標1及び2は、別掲(2)及び(3)に示したとおり、アルファベットの13番目の文字「M」を上方から下方にかけて僅かに幅を広げて籠文字風に表してなるものであるところ、これよりは特定の称呼又は観念は生じないものである。
そこで、まず、本件商標と引用商標1及び2とを外観の点からみるに、両者は、本件商標がその構成中にズボン図形を有してなる点において、明らかに相違するものである。
さらに、仮に、本件商標の構成中、太線模様を、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとして引用商標1及び2と比較してみても、前者の太線模様は、中央谷部の長さが左右の太線の長さと比べて極端に短い(約1/5程度)のに対し、後者は、中央谷部が左右の線とほぼ同じ位置まで長く伸びている点、及び前者の中央谷部が鋭角状に尖り、かつ、左右の太線の先端部分が大きく丸味を帯びているのに対し、後者の中央谷部及び左右の線の先端部分が、一様に角張った形状をしている点において、両者には顕著な差異があり、かかる点において、前者がそもそも「M」の文字を想起し得ないのに対し、後者が「M」の文字を図案化したものであると認識し得ることから、両者はその印象を著しく異にするものである。
また、両者は、称呼及び観念において、比較し得ないものである。
したがって、本件商標と引用商標1及び2とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人が述べるように、引用商標3がハンバーガーに使用され、ハンバーガーについて著名であるとしても、引用商標3は、別掲(4)に示したとおり、引用商標1及び2とほぼ同一のものであって、本件商標とは、前記(1)のとおり、何ら相紛れるところのない別異の構成よりなるものであり、加えて、引用商標3に係る使用商品「ハンバーガー」と本件商標に係る指定商品とは、産業分野を明らかに異にするものであることからすれば、本件商標をその指定商品について使用しても、申立人又は申立人と組織的、経済的に何らかの関係にある者の商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものでもない。
(3)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲(1)本件商標(色彩については原本参照)
別掲(2)引用商標1
別掲(3)引用商標2
別掲(4)引用商標3
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