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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300017(T2008−300017/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4230401号商標(以下「本件商標」という。)は、「PLUTOcen」の文字を標準文字で表示してなり、平成9年11月18日に登録出願、第1類「化学品」を指定商品として、平成11年1月14日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

(1)請求の理由

被請求人は、本件商標を、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、本件商標の登録原簿(甲第1号証)に示すとおり、本件商標の指定商品についての専用使用権者は存在せず、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出した。

(1)被請求人は、本件商標を化学品「フェロセン」の梱包袋に付し、これを東京都千代田区大手町1−2−1所在の三井物産株式会社(以下「三井物産」という。)を介して、東京都千代田区丸の内1−6−2所在の日本ゼオン株式会社(以下「日本ゼオン」という。)に継続的に販売している。

(2)乙第1号証は、本件商標の使用態様を示すものである。梱包袋に、本件商標と社会通念上同一の商標が付されている。

(3)乙第2号証は、2005年11月15日付の英文インボイス(写)、乙第3号証は、2005年11月3日付の船荷証券(写)である。本件商標と商品名「Ferrocene」が記載されており、ドイツ国から出荷された本件商標を付した商品フェロセンが日本国に輸入されたことを示している。

(4)乙第4号証は2007年5月1日付の請求書控え(写)であり、乙第5号証は2007年2月26日付の分析証明書(写)である。乙第4号証には商品名「Ferrocene」の記載があり、本件商標は直接記載されていないものの、本件商標を付した商品フェロセンが日本ゼオンに販売されたことを示している。この事実は乙第5号証との関係から推認されるので、以下説明する。

乙第5号証は、被請求人から三井物産を介して日本ゼオンに送付された分析証明書である。

分析証明書は、販売対象となった化学品の分析試験の成績を当該化学品の製造元が証明するものである。この証明書の発行は、法的に義務付けられているものではないが、商品の品質を保証するものとして販売先から要求されるのが通例である。

乙第5号証は、乙第4号証における請求の対象となった商品の分析証明書である。このことは、乙第5号証で記載された製造日(Date of Manufacture)、分析証明書の発行日(Date of Issue)、乙第4号証にある出荷/納入日等の日付の関係から、容易に推認し得るものである。すなわち、商品は、2007年1月30日に製造され(乙第5号証)、同年2月26日に分析証明書が発行され(乙第5号証)、同年4月26日に出荷または納入され(乙第4号証)、請求書が同年5月1日に発行されている(乙第4号証)。同様に、2007年12月31日付請求書控え(写)(乙第6号証)と2007年11月5日付分析証明書(写)(乙第7号証)も、相互に対応する関係にあり、本件商標を付して販売されたフェロセンの取引書類である。

(5)以上、乙各号証を総合的に勘案すれば、被請求人は、本件審判請求の登録(平成20年1月29日)前3年以内に、我が国において取消請求に係る指定商品中の商品「フェロセン」について、本件商標を使用していることは明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人の主張及び提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア 写真(乙第1号証)には、袋詰めの物品に「PLUTOcen」の文字が表示されているのが認められる。そして、その収容籠には「MOL PARAMOUNT」「横浜」等の文字が記載された紙が貼付されている。

イ 2005年11月15日付の三井物産に係る英文インボイス(乙第2号証)には、物品欄に「PLUTOcen Ferrocene FC」及び「Ferrocene」、数量欄に「1,500KG」の各記載と、ドイツのハンブルグから横浜への船荷で、その到達予定が2005年12月3日である旨の記載があることが認められる。

ウ 2005年11月3日発行の船荷証券(乙第3号証)には、「marks and numbers」の欄に、三井物産に係る「PLUTOCEN FC(FERROCENE)」である旨の記載、「no.and kind of pkgs or shipping units description of goods & pkgs」の欄に「3パレット 60紙袋」の「PLUTOCEN F−C(FERROCENE)」である旨の記載、荷積港「ハンブルグ」及び送付場所「横浜」である旨の記載がある。

エ 三井物産から日本ゼオンに宛てた2007年5月1日付の請求書(控え)(乙第4号証)には、品名/規格/サイズ・寸法欄に「FERROCEN(DICYLYOPENTADIENYL IRON)」の記載、数量欄に「3,000 KG」の記載があり、「出荷/納入日等2007/04/26」の記載がある。

オ 被請求人の発行に係る分析証明書(乙第5号証)は、「PLUTOcen図(円輪郭内にRを配した構成。)F−C(Crystals)」に関するものと認められるところ、その記載から、製造日が2007年1月30日であること、当該証明書が2007年2月26日に発行されたと認められる。そして、製造日等の日付からみても、被請求人の主張のとおり、これが前記エの請求書に記載の販売対象に対応する書類とみて自然なものといえる。

カ 三井物産から日本ゼオンに宛てた請求書(控え)(乙第6号証)には、品名/規格/サイズ・寸法欄に「FERROCEN(DICYLYOPENTADIENYL IRON)」の記載、数量欄に「1,000 KG」の記載があり、「出荷/納入日等2007/12/21」の記載がある。そして、輸送方法に関する欄に「本船名 MOL PARAMOUNT」の記載がある。

キ 被請求人の発行に係る分析証明書(乙第7号証)も、「PLUTOcen図(円輪郭内にRを配した構成。)F−C(Crystals)」に関するものと認められるところ、製造日が2007年10月31日であること、当該証明書が2007年11月5日に発行されたと認められる。そして、前記オ同様、これが前記カの請求書に記載の販売対象に対応する書類とみて自然なものといえる。

ク 以上を総合すれば、「PLUTOcen」の文字を表示した被請求人に係る商品「フェロセン」が、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)に三井物産を介して日本に輸入されたこと、及び、その後本件期間内に、同商品は三井物産を介して日本ゼオンに販売されたことが推認される。

(2)本件商標は、「PLUTOcen」の文字を横書きにしてなるものであるところ、前記(1)における使用商標は、本件商標と、一部文字の大きさに違いはあるものの、同じ構成欧文字を横書きしてなるものであり、「プルトセン」の称呼を共通にするうえ、観念上の変動も認められないから、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。

してみると、本件商標と社会通念上同一の商標が付された商品「フェロセン」が、本件期間内に我が国に輸入され、譲渡されたと認めることができる。

そして、「フェロセン」は、有機鉄化合物であり、「化学品」の一に該当するものであることが明らかである(共立出版株式会社発行・化学大辞典参照)から、本件商標の指定商品に包含されるものである。

(3)ところで、東京高裁・平成15年7月14日・平成14年(行ケ)第346号によると、「我が国で商標登録を有する外国法人との関係についてみれば、商標権は、属地主義の原則に支配され、その効力は当該国の領域内においてのみ認められるところから、当該外国法人が商標を付した商品が国外において流通している限りは、我が国の商標法の効力が及ばない結果、我が国の商標法上の『使用』として認めることはできないものの、その商品がいったん日本に輸入された場合には、当該輸入行為をとらえ、当該外国法人による同法2条3項2号にいう『商品に標章を付したものを輸入する行為』に当たる『輸入』行為として、同法上の『使用』として認めるのが相当である。」旨判示している。

これを本件についてみると、前記(1)のとおり、ドイツ法人である被請求人によって本件商標と社会通念上同一の商標を付された商品「フェロセン」が、三井物産を介して輸入された事実を認定できるから、これをもって商標権者による本件商標の「使用」があったものと認め得るというべきである。

なお、その後、当該商品が我が国において流通したと推認し得ることは、前記(1)認定のとおりである。

(4)以上のとおり、本件商標は、本件期間内に商標権者によって指定商品について使用をされたと認められるから、商標法第50条第1項をもって、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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