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Trademark Appeal Case

欧文字と片仮名の称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−35225(T2007−35225/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「Kracie」の欧文字を横書きしてなり、平成19年1月19日に登録出願された商願2007−3399号の分割出願として、第21類「電気式歯ブラシ」を指定商品とし、平成19年8月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4719444の1の1号商標は、「クラシエ」の文字を標準文字で表してなり、平成15年1月29日に登録出願、第11類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年10月17日に設定登録された登録第4719444号について、平成18年11月28日及び平成19年3月14日の二回にわたり、商標権の分割移転の登録がなされたものであり、その結果、指定商品については第11類「便所ユニット,浴室ユニット,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,牛乳殺菌機,工業用炉,原子炉,飼料乾燥装置,ボイラー,暖冷房装置,冷凍機械器具,業務用衣類乾燥機,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),業務用加熱調理機械器具,業務用食器乾燥機,業務用食器消毒器,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,ごみ焼却炉,太陽熱利用温水器,浄水装置,電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,アイスボックス,氷冷蔵庫,家庭用浄水器,浴槽類,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,化学物質を充てんした保温保冷具,火鉢類」となったものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、前記1のとおり、「Kracie」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は特定の語義を有しない造語と判断されるものであり、我が国において広く知られている英語風の読みに倣い、「クラシエ」の称呼が生じるものである。

他方、引用商標は、前記2のとおり、「クラシエ」の片仮名文字よりなるところ、当該文字は特定の語義を有しない造語と判断されるものであり、当該文字に相応して、「クラシエ」の称呼が生じるものである。

そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観が相違し、観念において比較することができないとしても、「クラシエ」の称呼を共通にする類似の商標というべきである。

(2)本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について

商標法第4条第1項第11号における商品の類否は、対比されるべき両商品に同一又は類似の商標を付して取引においた場合に、需要者をして商品について出所の混同を生ずるおそれがあるかどうかによって判断されるものであり、このことは、「指定商品が類似のものであるかどうかは、原判示のように、商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法(大正10年法律99号)2条9号にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡)との最高裁判所の判決においても示されているところである。

そして、「商標審査基準〔改訂第9版〕」では、商品の類否を判断するに際しては、対比すべき商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品との関係にあるか等について総合的に考慮するものとされている。

また、本願の指定商品は「電気式歯ブラシ」であり、引用商標の指定商品中には、「家庭用電熱用品類」が含まれるところ、「家庭用電熱用品類」は、主として家庭において使用される電気機械器具のうち、第11類に含まれる商品上位概念としての商品表示であり、省令別表によれば、「衣類乾燥器、加湿器、家庭浴槽用電気式温水浄化器、空気清浄器、除湿機、扇風機、電解水生成器、電気カーペット、電気がま、電気コーヒー沸かし、電気こたつ、電気こんろ、電気ストーブ、電気足温器、電気トースター、電気火鉢、電気布団、電気ポット、電気毛布、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気レンジ、電子レンジ、電磁調理器、布団乾燥機、ヘアドライヤー、ホットプレート、ルームクーラー、レンジフード」が例示されている。

以上を踏まえ、検討を進める。

(ア)生産部門について

電気式歯ブラシ及び家庭用電熱用品類に含まれる商品は、ともに電気を動力とするものであり、いずれも家電メーカーにより生産されるから、その生産部門(生産者)を共通にするものである。そして、家電メーカーは、単一の商品のみを取り扱うというよりは、幅広く家庭で使用される家電製品を取り扱うのが一般的である。

このことは、職権で調査したところ、「電気式歯ブラシ」は、パナソニック株式会社、三洋電機株式会社、株式会社泉精器製作所、株式会社テスコム、BRAUN(ブラウン・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング)、PHILIPS(コーニンクレッカ・フィリップス・エレクトロニクス・エヌヴィ)、株式会社オムロン等により製造されているが、これらの内のほとんどが、幅広く他の家電製品も生産していることからも明らかである。

(イ)販売部門について

電気式歯ブラシ及び家庭用電熱用品類に含まれる商品は、デパートなどの総合小売店においては主に家電フロアなどの同一エリアで取り扱われ、家電量販店などの小売店においては同一店舗で取り扱われることが多いことから、販売部門の共通性があるというべきである。

更に、請求人説示の、家電量販店において電気式歯ブラシは理美容・健康家電コーナーで販売されているという点から検討しても、同コーナーでは、家庭用電熱用品類に含まれる、ヘアドライヤーや家庭用蒸気式美顔器なども販売されているから、両者の販売部門は共通性が認められるものである。

(ウ)用途について

電気式歯ブラシと家庭用電熱用品類に含まれる商品は、ともに、日常的に使用される民生用・家庭用の電化製品であり、その用途を共通にするものである。

また、電気歯ブラシの使用目的を、歯の健康維持や、容貌を美しく見せる一要素として歯をきれいにするためのものであり、日常的に使用される健康、美容用の電化製品といえるとしても、家庭用電熱用品類に含まれる商品中にも、前記(イ)のように、健康、美容を使用目的とするものが含まれていることから、その点から見ても、共通性があるといえるものである。

(エ)需要者の範囲について

電気式歯ブラシは、主に日常生活において普通に使用されるものであるから、民生用或いは家庭用の商品であり、その需要者も、老若男女を問わない、多くの一般消費者であるといえる。

他方、家庭用電熱用品類に含まれる商品は、主に家庭用で使用されるものであり、その需要者も、老若男女を問わない、多くの一般消費者であるといえる。

してみれば、両商品の需要者の範囲は、共通していると判断するのが相当である。

(オ)小括

前記(ア)ないし(エ)からすれば、「電気式歯ブラシ」と「家庭用電熱用品類」は、生産部門(生産者)、販売部門、用途、需要者の範囲において共通性があることから、当該両商品に同一又は類似の商標を使用した場合、これに接する需要者等は、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると判断するのが相当である。

したがって、「電気式歯ブラシ」と「家庭用電熱用品類」は類似の商品であるというべきである。

(3)請求人(出願人)の主張について

請求人は、生産部門、販売部門及び需要者、用途、原材料等、それぞれの点から「電気式歯ブラシ」と「家庭用電熱用品類」が類似する商品ではない旨、主張しているが、前記(2)からすれば、「電気式歯ブラシ」と「家庭用電熱用品類」は類似の商品であると判断するのが相当である。

また、請求人は、「引用商標1の商標権者から引用商標2の商標権を譲り受けた。引用商標1の商標権者も請求人同様に指定商品『電気式歯ブラシ』と『家庭用電熱用品類』が取引上、出所混同せず、非類似であると判断しているので、引用商標2の商標権を請求人に譲り渡して頂けたものと思料する。」と述べているが、上記譲渡がなされたとしても、引用商標権者の経営戦略としてなされたものであって、上記それぞれの商品に本願商標及び引用商標が使用された場合に、出所の混同を生ずるおそれがないとはいうことができないし、そもそも商品の類否は、取引者、需要者において普通に払われる注意力を基準に判断すべきであるから、請求人の当該主張を採用することはできない。

更に、請求人は、「関連会社で、本願商標を使用許諾予定のクラシエホームプロダクツ株式会社は類似とされる『家庭用電熱用品類』を取り扱う小売店ではなく、主に薬局・薬店・ドラッグストア等の日用雑貨を取り扱う陳列棚で、本願商標を付した電気式歯ブラシを販売しているが、引用商標の商標権者や需要者からは何ら誤認混同する旨の問合せを受けたことがないので本願商標が登録されても問題ない」旨主張しているが、商標の登録要件を判断する際に商標の類否判断において考慮される取引の実情とは、主に当該指定商品の取引分野における一般的、恒常的な取引事情であると解されるものであるから、請求人主張の個別の事情によって、『電気式歯ブラシ』と『家庭用電熱用品類』の類似性を否定することはできない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標と引用商標は、「クラシエ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する商品である。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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