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商標「ハチアブ」の造語の識別力と称呼の類否(第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2008−32372(T2008−32372/J1))

審判番号
不服2008−32372(T2008−32372/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ハチアブ」
争点(論点)
造語の識別力と称呼の類否
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2008−32372(T2008−32372/J1)・不服)は、本件商標「ハチアブ」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「造語の識別力と称呼の類否」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ハチアブジェット」の文字を横書きしてなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成18年12月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、以下のとおり、認定、判断し、本願を拒絶した。

(1)本願商標は、「ハチアブジェット」の文字を書してなるところ、その構成中の「ハチアブ」の文字は、商品の殺虫剤や忌避剤などとの関係から、その使用目的の対象物で昆虫の蜂や虻を容易に認識させ、「ジェット」の文字は、「孔口から流体が連続的に噴出する形態。」(「広辞苑第五版」)の意味を有し、害虫防除に用いる薬剤で噴射式のものに、「ジェット噴射殺虫スプレー」や「強力ジェット噴射方式」などの商品があることから、本願商標全体として「昆虫の蜂や虻を対象にして噴射して使用すること、若しくは昆虫の蜂や虻を対象にした噴射式であること」の意味を理解させる。そうすると、本願商標をその指定商品中、前記に照応する商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質、用途、機能を表示してなるにすぎないものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有しないとものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、「ハチアブ」の文字を標準文字で表わしてなる登録第4601254号商標(以下「引用商標」という。)と、同一又は類似する商標であって、その登録商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、「ハチアブジェット」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「ハチアブ」の文字は、昆虫の一種である蜂及び虻の字音の片仮名表記と同一であるとしても、これからは、昆虫の一種と暗示させるにとどまるというべきであり、また、たとえ、「ジェット」の文字が、原審で説示した意味を有するとしても、本願商標全体から、「昆虫の蜂や虻を対象にして噴射して使用すること、若しくは昆虫の蜂や虻を対象にした噴射式であること」の意味を理解させるとはいい難いものである。

また、「ハチアブジェット」の文字が、直ちに特定の商品の品質、用途、機能を直接的かつ具体的に表示するものとして、一般に、認識、把握されるともいい難く、さらに、当審において職権をもって調査するも、「ハチアブジェット」の文字が、その指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実も発見し得なかった。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体をもって、一体不可分の特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとみるのが相当であって、これをその指定商品について使用しても、商品の品質等を表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るというべきであり、かつ、これをその指定商品中のいずれの商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するということはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、前記1のとおり、同じ書体、同じ間隔で、外観上まとまりよく表わされており、また、その構成文字全体に相応して生じる「ハチアブジェット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、さらに、前記3(1)において認定したとおり、その構成全体をもって、一体不可分の造語と認識し、把握されることからすると、これに接する取引者、需要者等が、殊更、「ジェット」の文字部分を捨象し、「ハチアブ」の文字部分のみをもって取引に資するとはいい難いものである。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「ハチアブジェット」の称呼のみを生ずるというべきである。

してみれば、本願商標から「ハチアブ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標が称呼上類似するとした原査定の認定、判断は、妥当なものということはできない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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