Trademark Appeal Case
挽き割りの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−6973(T2008−6973/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「挽き割り」の文字を横書きしてなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年6月5日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定商品については、当審において、同20年10月20日付け提出の手続補正書により、第30類「即席そばのめん,即席中華そばのめん,そばのめん,中華そばのめん」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『穀物などを乾燥させてから挽いたもの』の意味を有する『挽き割り』の文字を書してなるから、これをその指定商品に使用するときは、『挽いた穀物を使用した商品』を認識、理解させるに止まり、単に該商品の原材料の加工状態、品質を表示するにすぎないので、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められるしたがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年9月8日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標「挽き割り」を、補正後の指定商品「即席そばのめん,即席中華そばのめん,そばのめん,中華そばのめん」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「臼やその他の道具で、あらく砕いた原材料を使用した商品」であると理解することはなく、自他商品の識別標識としての機能を有する商標であり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しないことは明らかである。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「挽き割り」の文字を横書きしてなるものである。
そして、前記3の証拠調べにおいて通知したとおり、「挽き割り」の文字は、辞書等において、「穀物を臼でひいて、あらく砕いたもの」等の意味を有する、「碾き割り(ひきわり)」の文字と表音を同じにし、また、「挽き割り」の文字は、本願の指定商品と用途を同じくする食品の分野において、「臼やその他の道具で、あらく砕いたもの」如き意味合いをもって、広く使用されている実状にあって、特に、証拠調べ通知中、5(1)ないし(4)、(7)及び(8)においては、本願の補正後の指定商品である「即席そばのめん,即席中華そばのめん,そばのめん,中華そばのめん」の原材料であるそばの実を、あらく砕いた状態を「挽き割り」と称していることや、外国のそば料理に「挽き割りそば」の表示が用いられていることが確認できることからすれば、「挽き割り」の文字から、「臼やその他の道具で、あらく砕いたもの」の意味を認識させるというべきである。
してみれば、本願商標を、補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「臼やその他の道具で、あらく砕いたそばの実(原材料)を使用した商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないと判断するのが相当である。
なお、請求人は、「補正後の指定商品『即席そばのめん,即席中華そばのめん,そばのめん,中華そばのめん』においては、あらく砕いた原材料を使用することはなく、証拠調べ通知においても、『挽き割り』の文字が、補正後の指定商品に使用されている例はない。」旨、主張する。
しかしながら、補正後の指定商品の原材料は、請求人も述べているように、そば粉及び小麦粉等であるところ、例えば、そば粉の原材料はそばの実であって、それをあらく砕いた状態を「挽き割り」と称していることは前記のとおりである。
そして、「挽き割り」にしたそばの実を用いて、そば粉にし、その後、そば粉に他の材料等も加えて、「即席そばのめん,そばのめん」等を製造することからすれば、そば粉と同様にそばの実も前記指定商品の原材料ということができる。
そうすると、本願商標を構成する「挽き割り」の文字を、補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「臼やその他の道具で、あらく砕いたそばの実(原材料)を使用した商品」であることを認識、把握するにすぎないことから、本願商標は単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
そうとすれば、証拠調べ通知において、本願商標「挽き割り」の文字が、補正後の指定商品に使用している例が見当たらないとしても、本願商標が、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないこと、前記のとおりであるから、請求人のこの主張は採用することはできない。
また、その他の請求人の主張をもってしても、拒絶査定の理由を覆すに足りない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。