Trademark Appeal Case
共生発酵の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−22544(T2008−22544/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「共生発酵」の文字を横書きしてなり、第29類「ケフィア,その他の乳製品,肉製品,加工水産物,ケフィアを主原料とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,加工野菜及び加工果実,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成19年8月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『共生発酵』の文字を普通に書してなるところ、該文字は、「複数の乳酸菌に加えて酵母による発酵も伴う発酵技術」を指称する語として使用されていることから、これをその指定商品中、前記技術を利用した商品に使用するときは、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成20年12月11日付けで証拠調べの結果を通知した。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標は、「酵母菌、乳酸菌、麹菌等の微生物を複数種類組み合わせて発酵させることを表す語」又は「複数の乳酸菌に加えて酵母による発酵も伴う発酵技術」程度の意味合いを認識させる語ではなく、提示された証拠から、同様の意味する語として普通に使用されている事実を認めることできない。一方、前記意味合いを表現する普通名称「共棲培養」の語が専門家の間で使用されている事実があるため、本願商標は、自他商品の識別力を有する商標である。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「共生発酵」の文字を横書きしてなるところ、前記3の証拠調べにおいて通知したとおり、該文字は、その構成文字から、「共に同じところで生きて発酵する」程の意味を看取させると共に、本願指定商品と用途を同じくする食品の分野をはじめ、発酵技術を研究する分野においても、「酵母菌、乳酸菌、麹菌等の微生物を複数種類組み合わせて発酵させる」との意味合いを有する発酵技術の一を表す語として、広く一般に使用されている実状にあることは、証拠調べにおいて提示した証拠に加えて、以下のインターネットによる記載からも裏付けられるものである。
(1)「BuyMa」のウェブサイトにおいて、「伝統的な発酵食品『Laiticケフィア』60包」の項に、「複数の乳酸菌と酵母の共生発酵から生まれたケフィアを加熱殺菌し、粉末にて詰めたのが、『Laiticケフィア』です。」との記載(http://www.buyma.com/item/1456281/)。
(2)「ケフラン」のウェブサイトにおいて、「ロシアが認めたあの“ケフィア”がドリンクになって登場!」の項に、「ケフィアは乳酸菌と酵母の共生発酵で体内環境を整え、健康で美しい体へと導いてくれます。しかも、ロシア公団認定の正統なケフィアの種菌から作られたケフィアを使用しているから安心してお召し上がりいただけます!」との記載(http://www.kefran.com/special/moti/drink.html)。
(3)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「【お得な3個セット】ケフィアのケフィア菌を素にした本格派ケフィアヨーグルト [2g×12包]x3個」の項に、「○成分について ・ケフィア独自の約20種類の乳酸菌が発酵しています。・お肌にもよい酵母も一緒に共生発酵しています。・総菌数はヨーグルトの約24倍の多さです。」との記載(http://item.rakuten.co.jp/5959mammy/na-0001x3/)。
(4)「おはよん Oha!4『オハナのお取り寄せ』番組お取り寄せ商品を動画でもう一度!」のウェブサイトにおいて、「“ケフィアミルク”で美味しく・美しく(2008/08/26)」の項に、「ケフィアを知っていますか? 乳酸菌と酵母の共生発酵によって生まれる、飲むヨーグルトにちょっと似たアルコール発酵乳です。さて、おいしいジャージー牛乳をケフィア発酵させると...ミルク風味が濃厚になって、絶品の“ケフィアミルク”に♪『濃厚・なめらか』が特徴のケフィアミルク入りクリームをふんだんに使って作った、大人気の苺ケーキとブリュレを召し上がれ!-------- オハナのお取り寄せ 『ケフィアスイーツ』 --------」との記載(http://blog.dai2ntv.jp/ohana/2008/08/post_255.html)。
(5)「青空そら豆」のウェブサイトにおいて、「明治薬品のケフィアドリンク」の項に、「そのケフィアエキスをたっぷりつめた美味しいドリンクが明治薬品のケフィアドリンクです。ケフィアは乳酸菌と酵母の共生発酵乳です。」との記載(http://item.rakuten.co.jp/aozorasoramame/kefia/)。
そして、本願指定商品中には、発酵技術を用いた商品又は発酵した商品を原材料とする商品が含まれるものである。
してみれば、本願商標を、その指定商品中、例えば「ケフィア,その他の乳製品,ケフィアを主原料とする顆粒状・粉末状・液状・ゲル状・固形状・錠剤状・カプセル状の加工食品,ビール,清涼飲料,乳清飲料」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「前記発酵技術を用いた商品」又は「前記発酵技術により発酵した商品を原材料に使用する商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標とは認識し得ないというべきであり、かつ、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。
なお、請求人は「『共生発酵』の語からは、普通に『酵母菌、乳酸菌、麹菌等の微生物を複数種類組み合わせて発酵させること』又は、『複数の乳酸菌に加えて酵母による発酵を伴う技術』程度の意味合が生じるわけではなく、単に、そのような意味合いで使用している者がいるに過ぎない。他人の使用例があったとしても、他に当該技術を表現する言葉がある場合には、独占適応性を最大限認めるべきである。上記意味合いを表現する普通名称『共棲培養』の語も専門家の間では使用されている事実があるため、本願商標は、自他商品の識別力を有する商標である。」旨、主張する。
たしかに、請求人主張のとおり、「共生発酵」の文字が、「酵母菌、乳酸菌、麹菌等の微生物を複数種類組み合わせて発酵させる」との意味合いを有する語として、使用している者が存在していることは、証拠調べ通知から充分に窺えるところである。
そして、このように、前記意味合いをもって使用している者が多数いる事実に照らせば、これをもって、「共生発酵」の文字が、前記意味合いを有する語として、一般に広く使用されているとみて差し支えないといえる。
さらに、本願の指定商品である食料品は、需要者が日常頻繁に購入するものであり、また、その需要者は、子供からお年寄りまで、幅広い年齢層であるところ、これら一般人の消費者が、医学辞典に掲載されて、専門家の間で使用されている「共棲培養」の語の有無及びその意味を、必ずしも正確に熟知しているとは言い難く、また、そのように理解していると認め得るに足る事情も見出せず、むしろ、需要者の身近な情報源である新聞、インターネット等において、「共生発酵」の文字が、前記意味合いを有する語として、一般に広く使用されている取引の実状からすれば、これに接する取引者、需要者は、専門的な用語である「共棲培養」の語の有無にかかわらず、「共生発酵」の文字から前記意味合いを無理なく理解するとみるのが自然である。
そうとすれば、本願商標は、前記認定のとおり、自他商品を識別する機能を果たし得るとは認められないことから、請求人の主張は採用することはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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