Trademark Appeal Case
複合商標の分離観察と類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−29392(T2008−29392/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第41類「学習塾における知識の教授,インターネットによる知識の教授,個別指導または集団指導による知識の教授,教育情報の提供,電子出版物の提供」を指定役務とし、平成19年7月24日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3007751号商標(以下、「引用商標」という。)は、別掲2のとおり、「Sky」の欧文字を横書きしてなり、平成4年4月30日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として同6年10月31日に設定登録、その後、同16年11月9日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、赤色のゴシック体で「自立学習教室」の文字を横書きし、その下に表した赤色地の横長矩形の右上部に「SKY」の欧文字を白抜きのゴシック体で大きく表し、さらに同矩形の下半分には横長に向けた桃色で表した鍵の図形中に「Seek the Key Yourself!」の白抜き文字(ただし、大文字の「S」、「K」及び「Y」は黄色で表してなるもの。)を配した態様よりなるところ、該構成文字全体よりは「ジリツガクシュウキョウシツスカイシークザキーユアセルフ」の称呼が生ずるものである。
しかしながら、本願商標は、「自立学習教室」、「SKY」及び「Seek the Key Yourself!」の文字のそれぞれが、文字の大きさ及び色、並びに商標中における配置が異なって表されていることから、視覚上分離して観察されるものであり、かつ、その全体の構成文字より生ずる「ジリツガクシュウキョウシツスカイシークザキーユアセルフ」の称呼も冗長であること、並びに、構成文字全体として既成語であるといった特定の観念が生じる等、常にこれを一体のものとして捉えなければならない特段の事情も見当たらないものである。
そうとすると、本願商標は、「自立学習教室」、「SKY」及び「Seek the Key Yourself!」の各文字部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではないから、該構成中「SKY」の文字部分についても独立して自他役務の識別機能を有するものといえ、これに接する取引者、需要者をして、比較的記憶し易い平易な英単語「sky」を大文字で表してなる「SKY」の文字部分に注目し、これより生ずる「スカイ」の称呼を以て取引に資される場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。
してみると、本願商標は、構成文字全体に相応して「ジリツガクシュウキョウシツスカイシークザキーユアセルフ」の称呼を生ずるほか、「SKY」の文字部分に相応した「スカイ」の称呼をも生ずるものであり、該「SKY」の文字部分からは「空」の観念が生じるというべきである。
他方、引用商標は、「Sky」の欧文字を筆文字調に横書きしてなるところ、これよりは「スカイ」の称呼及び「空」の観念が生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「スカイ」の称呼及び「空」の観念を同じくするものであり、また、本願商標中の「SKY」の文字部分と引用商標「Sky」の文字部分についても大文字と小文字の相違という差異にすぎないから、外観においてもある程度近似した印象を与えることから、両者は全体として相紛れるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ず、かつ、その指定役務も互いに抵触するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、請求人は、「『SKY』より、英単語の『sky』に通じる『空』を語導とする『sky』の観念を強固に否定するものではないが、出願人の意図する『SKY』の観念は、本願商標の下段に表した『Seek the Key Yourself!』の黄色で着色された頭文字の『SKY』であり、『Seek the Key Yourself!』より生じる『あなた自身で要所(要点)を探求する所(処)』或いは『貴方自身で要所(要点・キーポイント)を探求し、独立して学び習うことを教えるエス・ケイ・ワイ』ほどの観念を暗示するものである。」旨主張するが、本願商標の構成からは、横長矩形内の右上部に表された「SKY」の文字部分に注目し、取引に資される場合も少なくないこと上記のとおりであるから、該「SKY」の文字部分からは「空」の観念が生じるものであり、この点につき請求人の主張は採用することができない。
さらに、請求人は、過去の審決例及び登録例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の審決例や登録例に拘束されることなく、個々の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものであり、これらの商標と本願商標とはその構成及び指定役務等を異にする事案であって、該事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではないから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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