Trademark Appeal Case
POLOの著名性と出所混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第13402号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「POLO CLASSIC CUP」の欧文字を書してなり、第18類「かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金、傘、ステッキ、つえ、つえ金具、つえの柄」を指定商品とし、平成6年7年19日に商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、その構成中に、アメリカ合衆国ニューヨーク州に所在する『ザ ポロ/ローレン コンパニー』が本願登録出願前より商品『被服、眼鏡』に使用して世界的に著名となっている商標『POLO』の文字を含むものであるから、これを本願の指定商品に使用するときには、これが恰も上記会社、又は同会社と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 請求人の主張
(1)本願商標からは「ポロクラシックカップ」の称呼のみが生じるものである。本願商標の一部を構成する「POLO」の文字のみが突出して認識され、拒絶理由にある著名商標と出所の混同を生じるものではない。
(2)「POLO CLASSIC CUP」のなかで、「POLO」は「ポロ競技」、「CLASSIC」は「伝統的な」の意味であり、「CUP」は「優勝杯」のことであり、これから「ポロ競技の伝統的大試合の優勝杯」若しくは「そのカップ選手権」の観念が生じるものである。「POLO」の部分のみが格別強く認識されたり、また印象に残るものではない。さらに、「POLO」は、馬上からスティックを用いて相手のゴールに球を入れるヨーロッパの伝統競技であり、スポーツ競技の一つである。他のスポーツ競技名と同様に商標の一部として普通に採択され、いろいろな言葉として一つの語を形成してその結果一連一体の一つの商標として広く使用されている。
(3)「POLO」の文字を含む商標であっても本願商標の指定商品である「かばん類」や「ベルト」等について、取引の実際において使用がされ、しかも出所の混同を生じていない。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号には該当するおそれはない。
4 当審の判断
(1)「POLO」の周知性について検討する。
(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポ口」と略称されている。
そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB 1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑′80版」、「ファッション・ブランド年鑑’80版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。
他にこれを覆すに足りる証拠はない。なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くても昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需用者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2)本願商標は、「POLO CLASSIC CUP」の文字よりなるものであるが、構成中の「POLO」の文字よりは、ポロ競技(馬に乗ったプレーヤーによる2チームが互いにマレットで1個のボールを奪いあい、ゴールに打ちこむことを競う球技)の意味合いを、また、「CLASSIC CUP」の文字よりは、一競技形式をそれぞれ認識させるものであり、全体として「ポロ」(競技)の観念、「ポロ」の称呼が生ずるものと認められる。
他方、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標は「ポロ」(競技)の観念、「ポロ」の称呼が生ずることは前記したとおりである。
そうすると、本願商標は、その指定商品に接する取引者、需要者は、前記した実情からラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標を連想、想起し、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
5 むすび
以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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