結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301619(T2007−301619/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4798612号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZAMBESI」の欧文字と「ザムベージ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成13年6月6日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同16年8月27日に設定登録され、その後、同19年12月27日に本件審判の予告登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品「被服」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
(1)品質表示タグ(乙第2号証)には、繊維の組成・家庭洗濯等取扱いについての記載があり、その下に「ZAMBESI」及び「0334877741」の記載が見て取れる。繊維製品品質表示規定第3条第5項には、「表示者の氏名又は名称及び住所又は電話番号を付記して、需要者の見やすい箇所に見やすいように表示すること」となっており、この「氏名又は名称」については、自然人であればその人の氏名を、法人であれば登記簿に登記された正式名称を指している。商標やブランド名の記載は、認められていない。しかしながら、被請求人の提出した品質表示タグには、本件商標である「ZAMBESI」及び商品番号と理解できる番号が記載されているにすぎず、繊維製品品質表示規定で記載が求められている「表示者の氏名又は名称」及び「住所又は電話番号」として認識できる記載は見当たらない。下げ札(乙第1号証)を見ても、イラストの描かれた表面の下に「ZAMBESI」の記載があるのみで、裏面には、何も記載されていない。
してみると、下げ札並びに品質表示タグは、実際に商品に付しているのではなく、品質表示タグのサンプルであるといわざるを得ない。
(2)「2007春夏コレクション」(乙第3号証)には、「ZAMBESI」の商標は見当たらず、これが「ZAMBESI」の商品を撮影したものであるかどうかを理解することはできない。
(3)右上に、ゴム印の印影と思しき「ZAMBESI」、「JAPAN」、「0334877741」及び住所の記載が見て取れる請求書の写し(乙第4号証)には、「ご請求書」、「御中」の文字や振り込み先などが印字されたものであるところを見ると、この請求書用紙自体には被請求人の振込先が記載されているにとどまり、注文者への請求の度に、被請求人が請求元を記載する手続をしているものと理解できる。
してみると、上述のゴム印で押された「ZAMBESI」、「JAPAN」、「0334877741」及び住所が、請求元の表記であると考えることに無理は生じないことから、この請求書記載の「ZAMBESI」は商標としてではなく「屋号」としての使用であると理解できる。
したがって、この請求書が「ZAMBESI」の商品の請求書であるとはいえない。
(4)オーダーシート(乙第5号証)は、「ZAMBESI」の文字が印刷されていることから、このオーダーシートが「ZAMBESI」に関係するものであることは認めるところであるが、その注文商品数は4点にすぎない。このことから、このオーダーシートは、サンプルについてのオーダーシートであると理解することに何ら無理は生じない。
(5)納品書(乙第6号証)は、JOHNBULL Co.,LTD.からエパネトへの納品書である。この納品書記載の品番が乙第5号証の品番と一致することから、被請求人は、本納品書が「ZAMBESI」商品の納品書であると述べているが、この納品書が被請求人からJOHNBULL Co.,LTD.への納品書ではないこと、さらに納品書に「ZAMBESI」の記載がないことから、この品番を付した商品が、被請求人の商品であると直ちに理解することはできない。
(6)乙第7号証は、被請求人の商品の納品先であるエパネトの住所及び所在地の地図であり、本件商標を付した商品が使用されていることの証拠にはなっていない。
(7)乙第8号証の1及び2では、JOHNBULL Co.,LTD.からエパネトへの納品書を提出しているが、そこには、本件商標の「ZAMBESI」の文字や被請求人の名称の記載は見当たらない。乙第6号証と同様に、この納品書は被請求人からJOHNBULL Co.,LTD.又はエパネトへの納品書ではないことから、この納品書に記載の商品が「ZAMBESI」商品であると、直ちに理解することはできない。
(8)答弁書において、被請求人は、乙第3号証で提出した写真により営業活動を行い、受注生産での商品販売を行っている旨述べているが、同号証の写真を見る限り、この商品が本件商標を付した商品であるかどうか判別できない。また、写真からでは商品のディテールが明確に伝わってこないことから、卸売業者や販売店が被請求人から商品を仕入れるに当たっては、その色合い・材質・軽さ・縫製などを実物によって直接確認することが必要となってくる。大量生産ではなく、受注生産での商品販売をしている被請求人が「買い取り」を条件に見本品を納品することの可能性は否定できない。してみると、乙第4号証の請求書、また、同第5号証のオーダーシートが見本品についてのものであると解することに無理は生じない。
「市場において商品が流通している」と判断できるためには、見本品ではない商品の流通が必要であり、また、商品を販売することを「業」として成り立たせるためには、それ相当の数での販売が必要になってくる。被請求人が提示した資料を見る限り、本件商標を付した商品の納品書であるとする納品書の合計納品数は15点にすぎない。その15点のうち、品番が異なるものが5点、品番が共通するものの色或いは模様が異なるものが10点であることを考えると、事実上、すべて1点ずつの注文であることがわかる。見本品は1点ずつの生産であること、また納品先がエパネト1店舗であることを考えると、納品された商品は見本品であって「市場で流通を目的とする商品」ではないことが理解できる。
(9)したがって、乙各号証は、本件商標の使用の事実を立証するものではないことは明らかであることから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
弁駁の理由中、上記平成20年5月30日付け弁駁の理由と重複して記載されているのものは、これを省略する。
(1)乙第4号証と同様の右上にゴム印の印影と思しき「ZAMBESI」、「JAPAN」、「0334877741」並びに住所の記載が見て取れる請求書の写し(同第9号証)において、上述のゴム印で押された「ZAMBESI」、「JAPAN」、「0334877741」並びに住所が、請求元の表記であると考えることに無理は生じないことから、この請求書記載の「ZAMBESI」は、商標としてではなく「屋号」としての使用であると理解でき、「ZAMBESI」商品の請求書であるとはいえない。
(2)株式会社ジョンブルが展開する衣料品店エパネトの店長による本件商標を付した商品の取引に関する証明書(乙第10号証)については、被請求人とエパネトとの間において商取引があったことについて異議はないが、証明書に添付された株式会社ジョンブル作成の納品書には、商品に付された商標が記載されていないことから、この納品書に記載された商品が「ZAMBESI」を付した商品であるかどうか不明である。したがって、この証明書は、あくまでも、エパネトと被請求人との間に商取引があったことを証明するにとどまり、本件商標の使用を証明するものではないといわざるを得ない。
(3)株式会社ルック並びに株式会社ルックが運営するDESPERADOについての資料(乙第11号証及び同第12号証)は、どちらにも本件商標を付した商品についての記載は、見当たらない。
(4)仕入伝票の写し(乙第13号証)について、被請求人は、摘要の欄に「2005S/SZAMBESI」、発行者の欄に「栗原」の記載があること、また、その仕入伝票の伝票番号が同第14号証として提出された支払明細書に記載された伝票番号の一つと一致することをもって、被請求人が「ZAMBESI」商品を株式会社ルックへ納入していると主張しているが、同第14号証に記載された「ZAMBESI」の上部には、「目黒区中町2−41−14」という住所の記載があり、「ZAMBESI」の右側に「殿」の記載があることから、この「ZAMBESI」は、屋号として記載されたものであって、商標として記載されたものでないことが分かる。一方、乙第13号証には、摘要欄に記載された「2005S/SZAMBESI」以外に、仕入れ元が「目黒区中町2−41−14」の「ZAMBESI」であることを特定できる名称・数字などの記載がないことから、この摘要欄に記載された「ZAMBESI」が仕入れ元の名称を記載したものであると理解することに無理は生じない。したがって、乙第13号証及び同第14号証における「ZAMBESI」は、屋号であって商標ではない。
(5)乙第15号証については、同第13号証ないし同第14号証で「ZAMBESI」が屋号として使用されていることから、同第15号証の左上の「ZAMBESI2005S/S」が屋号を指し、この写真が「ZAMBESI」社の衣服であることは、理解できる。しかしながら、写真の商品に「ZAMBESI」商標が付されていることは、判読できない。被請求人は、乙第16号証で提出された雑誌に掲載された商品と同じものであるとしているが、この写真は不鮮明で、雑誌掲載商品と類似する印象を持つことはあっても、同一であるとは判断できない。
乙第16号証の雑誌が株式会社ニューズ出版によって現在も発行されていることについて異議はなく、また、「ZAMBESI」という商品がDESPERADO(審決注:「DESPERADE」とあるのは誤記と認める。)で取り扱われているのであろうことについて異議はない。しかしながら、DESPERADO(審決注:「DESPERADE」とあるのは誤記と認める。)が被請求人と取引のある株式会社ルックの運営するセレクトショップであること、この雑誌掲載商品が乙第15号証の写真の商品と類似することを根拠に、被請求人の「ZAMBESI」商品であると理解することはできない。
(6)乙第1号証及び同第2号証の検証物として、検乙第1号証及び同第2号証を提出しているが、これらはともに、乙第4号証の請求書に記載された品番及び上代が裏面に記載された下げ札並びに品質タグを付けた商品の写真であるが、この商品は交換を要求されたときのための予備として保管されていたものであることから、検乙第1号証及び同第2号証として提出された下げ札が実際に納品された商品に添付されているとはいえない。商標やブランド名の記載が認められていない品質表示タグには、屋号としての「ZAMBESI」が記載されているにすぎず、さらに、検乙第2号証の写真では、そのタグが商品に縫い付けられているかどうかも判然としない。
また、検乙第1号証及び同第2号証で提示された商品本体の写真を見ると、商品そのものに「ZAMBESI」の商標は、見当たらない。商標の使用とは「商品又は商品の包装に標章を付する行為」である。下げ札のように、取り外しが自由に行えるものを商品に添えることではなく、ネームタグなど商品本体に縫い付け、商品の譲渡時において簡単に取り外されることのない状態で付する行為が「使用」として認められるべきものである。被請求人の提出した資料では、本件商標が実際に商品に付されて譲渡されていることを証明していない。
(7)上述のとおり、乙第1号証及び同第2号証並びに検乙第1号証及び同第2号証はタグの見本であり、乙第3号証は被請求人がデザインした商品の写真にすぎない。また、乙第4号証及び同第5号証はサンプルの納品に関する資料である。乙第6号証ないし同第8号証の2は、エパネトという衣料品店についての資料であって本件商標の使用を示す資料ではない。乙第9号証は「屋号」としての使用に関する資料である。乙第10号証は、エパネトと被請求人の間で取引が行われていたことを示すにとどまり、本件商標の使用の証明になっていない。乙第11号証及び同第12号証は、株式会社ルック並びに株式会社ルックが運営するDESPERADO(審決注:「DESPARADO」とあるのは誤記と認める。)についての資料であり、どちらにも本件商標の使用についての資料ではない。乙第13号証は、同第9号証と同様に、屋号としての「ZAMBESI」の使用を示す資料である。乙第15号証は、「ZAMBESI」製の衣服の写真であることが理解できるだけであって、この商品が「ZAMBESI」という商標を付した商品であるかどうかについては判断できない。乙第16号証では、「ZAMBESI」という商品がDESPERADO(審決注:「DESPARADO」とあるのは誤記と認める。)で取り扱われていたことを示しているにすぎず、被請求人の商品であるかどうかについて納得できるものではない。
被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第16号証(枝番号を含む。)並びに検乙第1号証及び同第2号証を提出した。
答弁の理由
本件商標は、平成20年3月19日提出の答弁書及び同20年4月1日提出の審理再開申立書において主張したように、被請求人により使用されているものであるが、今般、更に証拠を追加しつつ使用の事実について、整理して以下のとおり主張する。
よって、本件商標は、被請求人により本件審判の請求の登録前3年以内に使用されているものであるから、本件審判請求は、理由がなく、却下されるべきものである。
(1)エパネトとの取引による使用
(ア)被請求人は、遅くとも本件商標を商標登録出願した平成13年6月頃から現在まで引き続いて、自己がデザインし、試作した衣服を写真(乙第3号証)に撮り、その写真を用いて衣服卸売業者や小売店に営業活動を行い、注文を受けて製造し、販売している。そのような取引先の一つが、岡山県倉敷市児島に本店を有する株式会社ジョンブルが直営する衣服販売小売店エパネトである。エパネトは、東京都新宿区新宿3−32−10に店舗を有しており、被請求人がデザインした衣服を同人が作成したデザイン写真や同人との打合せに基づいて発注し、同店舗にて販売してきている。そして、被請求人とエパネトとの間における衣服の取引には、商標「ZAMBESI」が用いられてきた。
(イ)乙第3号証は、被請求人(審決注:「請求人」とあるのは誤記と認める。)がデザインした2007年春夏コレクションのデザイン写真である。被請求人は、これらの衣服を2006年秋にデザインし、試作品を製造した後、当該デザイン写真を作成してエパネトに対して営業活動を行い、2006年12月にエパネトから注文を受け、2007年2月から4月にかけてエパネトに納品した。
(ウ)乙第5号証は、エパネトからの2006年12月10日付けの発注伝票であり、同第4号証及び同第9号証は、商品納入後、被請求人からエパネトヘの販売代金の2007年5月3日付け及び2007年2月28日付けの請求書である。また、乙第6号証及び同第8号証は、2007年4月6日付け、同年2月17日付け及び同年3月21日付けのエパネトヘの納品書控である。エパネトからの発注伝票(乙第5号証)は、FAX通信であり、同第5号証の1の左端に「2006 12/10 21:25」が、また、同第5号証の2及び3の右端には「2006 12/10 21:30」 がそれぞれ記述されており、これらの記述により、同第5号証が2006年12月10日にエパネトから被請求人に送信されたものであることが理解できる。また、乙第4号証及び同第9号証は、被請求人からエパネトに送付された請求書の写しであり、エパネトから受領したものである。
発注伝票(乙第5号証)には、被請求人への注文であることを示すために本件商標「ZAMBESI」が表記されている。また、請求書(乙第4号証及び同第9号証)の右上には、本件商標「ZAMBESI」の表示がなされており、左下には、振込先として銀行口座名と被請求人の氏名「栗原有紀」が表記されている。請求書(乙第4号証)には、商品名として「コーヒー豆Tシャツ、コーヒー豆タンク、ボーダーカットソー、ウデ付カットソー、ウデ付ワンピース、エリ付カットソー、ポンチョ」等の表示があり、これらと共に品番、上代単価が記載されている。そして、この品番及び上代単価は、発注伝票(乙第5号証)及び納品書控(乙第6号証及び同第8号証)の品番及びPRICE欄の価格と一致している。
すなわち、請求書(乙第4号証)の第1欄の品番「ZBC−J−8」と上代単価9000円は、発注伝票(同第5号証の2)の右端の商品の表示と一致しており、納品書(同第6号証)の第1欄の品番「ZBC−J−1」及び上代単価「9800」は、請求書(同第4号証)の第7欄の品番及び上代単価と一致するものである。他の商品についても、同様に品番により照合が可能である。なお、乙第5号証の1の発注伝票は、商品「Tシャツ」についてのものであり、これに関する請求書が同第9号証である。乙第5号証の1の発注伝票では、4枚のTシャツが発注されており、プリント名と色及び単価により相互の照合が可能である。例えば、請求書(乙第9号証)の第1欄「カラー『ベージュ(ウマ)』 、商品名『パフスリーブカットソー』 、上代単価『9800』」は、発注伝票(同第5号証の1)の第8欄「ITEM『PUFF SLEEVE L/S TEE』 、PRINT『ウマ、BEIGE』、PRICE『9800』」と対応している。また、乙第8号証の1の納品書控は、同第5号証の1の発注伝票に係る商品の納品に関するものであり、納品書控(同第8号証の2)は、発注伝票(同第5号証の2及び3)に関するものであり、納品書控(同第6号証)と併せて、3枚の発注伝票(同第5号証の1ないし3)の全商品の納品が示されている。
(エ)エパネトに納品された商品、衣服には、下げ札(乙第1号証)が紐で吊下げられ、品質表示タグ(同第2号証)が縫い付けられている。その状態は、提出する衣服の実物(検乙第1号証及び同第2号証)により確認できる。検乙第1号証及び同第2号証は、商品の不具合や品質不良により交換を要求されたときのために、被請求人が余分に製造し、保管していたものである。下げ札(乙第1号証)及び品質表示タグ(同第2号証)には、商標「ZAMBESI」が表記されており、また、下げ札(同第1号証)の裏面には、前記発注伝票、納品書、請求書等に表記された品番が記載されている。検乙第1号証は、品番ZBC−J−6の「ポンチョ」であり、同第2号証は、品番ZBC−J−7の「コーヒー豆タンクトップ」 であり、下げ札の裏面には、店頭での販売価格(上代単価に消費税を加算した額)が表記されている。すなわち、商品は、下げ札(乙第1号証)及び品質表示タグ(同第2号証)を付した状態で店頭に陳列されている。
(オ)以上のとおり、被請求人は、上記商品「衣服」をエパネトヘ納品したこと及び当該納品した商品に商標「ZAMBESI」が付されていたこと、そして、商標「ZAMBESI」により、被請求人とエパネトとの間で商品の特定、発注、納品がなされていたことが理解できると思料するが、これらの取引が事実であることについては、エパネトの証明書(乙第10号証)により補強して証明する。
(2)DESPERADO(デスペラード)との取引による使用
(ア)被請求人は、株式会社ルック(乙第11号証:東京都目黒区中目黒2丁目7番7号)の直営小売店DESPERADO(同第12号証:東京都渋谷区桜丘町4−23渋谷桜丘ビル1F)と自らがデザインした衣服を取引している。
被請求人が自らデザインした2005年春夏コレクション「2005s/s ZAMBESI」について、DESPERADOと行った取引は、商標「ZAMBESI」を使用して行われており、株式会社ルックの2005年2月21日付け仕入伝票(仕入先控)(乙第13号証)には、伝票番号「No.92301」のほか、摘要欄に「2005s/s ZAMBESI」、発行者欄に「栗原」の記載がある。また、株式会社ルックが発行した支払い明細書(乙第14号証)には、当時の被請求人の住所、目黒区中町2−41−14の表記と共に「ZAMBESI」の記載があり、第2欄の伝票番号「92301」と仕入金額「109,450」は、同第13号証の伝票番号及び合計金額と一致している。すなわち、被請求人は、商標「ZAMBESI」を使用して、商品を株式会社ルックに納品していたことが理解できる。
(イ)そして、当該取引の対象であった商品の一つが、被請求人作成の「ZAMBESI 2005s/s」と題されたデザイン写真(乙第15号証)に表された衣服「カットソー」であり、該衣服「カットソー」は、雑誌「FUDGE(ファッジ)」第039頁にDESPERADOの広告として掲載されている(乙第16号証)。当該広告には、乙第15号証の写真と同じデザインのカットソーが商標「ZAMBESI」と共に掲載されている。雑誌「FUDGE」(乙第16号証)は、2005年5月1日に株式会社ニューズ出版が発行したものである。
DESPERADOと被請求人との間の商標「ZAMBESI」を使用した商品、衣服の取引は、2005年2月から5月にかけてのことであり、本件審判の請求の登録前3年以内には、本件商標は被請求人により使用されていたものであるから、本件請求は、成り立たないものである。
(3)被請求人の住所、居所の変更について
被請求人は、本件商標出願当初の住所、福岡県北九州市八幡西区里中2−10−21から、現在の住所、東京都目黒区三田2−10−18−401に移転するまでの間、以下のように居所を変更している。
1)平成13年10月から平成17年2月
東京都目黒区中町2丁目41−14
2)平成17年2月から平成19年10月
東京都世田谷区若林4−14−27−204
3)平成19年11月から
東京都目黒区三田2−10−18−401(現住所)
(4)結び
以上のとおり、被請求人は、本件商標を使用して、商品衣服をエパネト及びDESPERADOと取引していたものであるから、本件審判の請求は、成り立たないものである。
(1)乙第1号証は、下げ札の現物とみられるところ、表面下方に「ZAMBESI」の横書き文字を白抜きで表している。
(2)乙第2号証は、品質表示タグの現物とみられるところ、該品質表示タグには、繊維の組成・家庭洗濯等取扱いについての記載があり、その下に「ZAMBESI」及び「0334877741」並びに最下段に「PRODUCED BY ZAMBESI」の各記載がある。
(3)乙第3号証は、「2007春夏コレクションのデザイン写真」であるが、本件商標に関する表示は、見当たらない。
(4)乙第4号証は、「請求書の写し」であり、中央上に「ご請求書」、左上に「エパネト御中」、右上に、ゴム印の印影と思しき「ZAMBESI」、「JAPAN」、「0334877741」の各文字及び住所、並びにゴム印の下に「DATE(2007/5/3)」の各記載が認められる。そして、品番、カラー、商品名、上代単価及び数量の各欄には、「ZBC−J−7 WHITE/R コーヒー豆タンク 8000 1」、「ZBC−J−6 TRICO ポンチョ 23000 1」、「ZBC−J−1 BLACK ウデ付カットソー 9800 1」、「ZBC−J−2 BLACK ウデ付ワンピース 12800 1」等の各記載が認められる。
(5)乙第5号証の1ないし3は、エパネトから被請求人にファクシミリによって送信された「2007初夏コレクションの発注伝票写し」であり、同号証の1には「2006 12/10 21:25」、同号証の2及び3には「2006 12/10 21:30」の記載が認められ、これらは、ファクシミリの送信日時と解されるものである。そして、同号証の1には、左上部に「ZAMBESI」の欧文字、右上部に「SHOP NAME」として「エパネト」、「ADDRESS」として「新宿区新宿3の32の10」の各文字が記載されている。同号証の2及び3には、「ZBC−J−6 PRICE:¥23000 トリコロール 1」、「ZBC−J−7 PRICE:¥8000 WHITER(「R」の文字は○内に表されている。以下、「(R)」という。) 1」、「ZBC−J−1 PRICE:¥9800 BLACK 1」及び「ZBC−J−2 PRICE:¥12800 BLACK 1」等の各記載が認められ、これらは、上記(4)のとおり、同第4号証の品番等の欄の記載と符合するものであり、同第5号証の2及び3の上部には、「ZAMBESI」の欧文字が記載されている。
(6)乙第6号証並びに乙第8号証の1及び2は、JOHNBULL Co.,LTD.からエパネトへの納品書控の写しであるが、被請求人及び本件商標に関する表示は、見当たらない。
(7)乙第9号証は、「請求書の写し」であり、同第4号証と同様に、中央上に「ご請求書」、左上に「エパネト御中」、右上に、ゴム印の印影と思しき「ZAMBESI」、「JAPAN」、「0334877741」の各文字及び住所、並びにゴム印の下に「DATE(2007/2/28)」、の各記載が認められる。
(8)乙第10号証は、被請求人が内容を記載する形で株式会社ジョンブルが展開する衣料品店エパネトの店長に求めた「証明願」に対し、該店長が署名、押印した「証明書」であるが、その日付けは、本件審判の請求の登録後である平成20年5月15日である。
(9)乙第13号証は、株式会社ルック宛の「仕入伝票(仕入先控)の写し」であり、「No.92301」、「発行日05’年2月21日」、金額合計欄に「109,450」、摘要の欄に「2005s/s ZAMBESI」、及び発行者の欄に「栗原」の各記載が認められる。
(10)乙第14号証は、株式会社ルックによる「東京都目黒区中町2−41−14 ZAMBESI」宛の「支払明細書の写し」であり、計上年月日の欄中に「05−02−28」、伝票番号及び仕入金額の各欄に同第13号証に符合する「92301」、「109,450」の各記載が認められる。
(11)乙第15号証は、「カットソーの着衣姿の写真」であり、左上に「ZAMBESI 2005s/s」の記載が認められる。そして、この写真の撮影日、撮影者等を示すものはない。
(12)乙第16号証は、平成17年(2005年)5月1日に株式会社ニューズ出版によって発行された雑誌「FUDGE」であり、その39頁にカットソーの写真とともに「ZAMBESI」及び「(DESPERADO)」の各文字が記載されている。
(13)検乙第1号証は、赤色、青色及びクリーム色の3色からなるポンチョの現品であり、スライドファスナーに紐で吊された下げ札(乙第1号証)の裏面には、「ZBC−J−6」及び「¥24150」の各記載が認められ、かつ、現品の内側に、縫いつけられた品質表示タグが認められる。
なお、該品質表示タグは、乙第2号証のものとその表記が相違している。
(14)検乙第2号証は、白地にコーヒー豆と思しき図柄を描いたタンクトップの現品であり、襟吊りに紐で吊された下げ札(乙第1号証)の裏面には、「ZBC−J−7」及び「¥8400」の各記載が認められ、かつ、現品の内側に、縫いつけられた品質表示タグが認められる。
なお、該品質表示タグは、乙第2号証のものとその表記が相違している。
(15)乙第7号証、同第11号証及び同第12号証は、エパネトの住所及び所在地の地図、株式会社ルック並びに株式会社ルックが運営するDESPERADOについてのウェブページを印刷したものであり、いずれにも本件商標に関する表示は、見当たらない。
(1)本件商標と被請求人の使用に係る商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「ZAMBESI」の欧文字と「ザムベージ」の片仮名文字とを横書きしてなるところ、その構成中の「ZAMBESI」の欧文字部分は、特定の意味合いを有しない造語であり、これよりは英語読み風の「ザムベージ」の称呼を生ずるものと無理なく認められものであるから、該「ザムベージ」の片仮名文字部分は、該欧文字部分から生ずる読みを特定したものとみるのが相当である。
そして、被請求人が使用する「ZAMBESI」の欧文字は、本件商標の欧文字部分と、その綴り字を同じくするものであり、特異な態様からなるものでもないから、本件商標と社会通念上同一のものということができる。
(2)本件商標の使用について
エパネトから被請求人宛にファクシミリによって送信された「2007初夏コレクションの発注伝票写し」(乙第5号証の1ないし3)は、「2006 12/10 21:25」及び「2006 12/10 21:30」の記載から、その発信日が平成18年(2006年)12月10日と認められるところ、同号証の1をみると、左上部の「ZAMBESI」の欧文字、右上部の「SHOP NAME」及び「ADDRESS」の各文字が予め印刷されたと認められる用紙に手書きで「エパネト」及び「新宿区新宿3の32の10」の各文字等が記載されていることから、被請求人が用意した発注伝票を用いてエパネトが被請求人に商品の発注をしたものと認められる。
乙第5号証の2には、その上部中央に前記(1)のとおり、本件商標と社会通念上同一と認められる「ZAMBESI」の欧文字が記載され、「ZBC−J−6 PRICE:¥23000 トリコロール 1」、「ZBC−J−7 PRICE:¥8000 WHITE(R) 1」の各記載とともに、ポンチョと思しき図及びタンクトップと思しき図がそれぞれの上部に手書きによって描かれているものであり、該「ZBC−J−6 ¥23000」及び「ZBC−J−7 ¥8000」の記号及び金額は、平成19年(2007年)5月3日付けと認められる「請求書の写し」(乙第4号証)に記載された品番、上代単価と符合するものである。
また、ポンチョ(検乙第1号証)の外観と、それに吊された下げ札の表面に白抜きの「ZAMBESI」の欧文字が表され、裏面に「ZBC−J−6」の記号と「¥24150」の各記載があることからみると、検乙第1号証のポンチョは乙第5号証の2に記載された「ZBC−J−6 PRICE:¥23000 トリコロール 1」の現品と認められるものである。
同様に、タンクトップ(検乙第2号証)の外観と、それに吊された下げ札の表面に白抜きの「ZAMBESI」の欧文字が表され、裏面に「ZBC−J−7」の記号と「¥8400」の各記載があることからみると、検乙第2号証のタンクトップは乙第5号証の2に記載された「ZBC−J−7 PRICE:¥8000 WHITE(R) 1」の現品と認められるものである。
なお、上記乙第5号証の2の金額「¥23000」及び「¥8000」は、検乙第1号証及び同第2号証の下げ札の金額と相違するものであるが、前者の金額に消費税(5%)を加えた額が該下げ札の金額と一致すると認められる。
以上を総合して勘案すると、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において、被請求人によってその指定商品中の衣服「ポンチョ、タンクトップ」について使用されたものと優に推認することができる。
請求人は、乙第5号証は、注文商品数が4点にすぎず、サンプルについてのオーダーシートであり、検乙第1号証及び同第2号証は商品交換用の予備であるから、実際に納品された商品に下げ札(乙第1号証)が添付されているとはいえないと主張している。
しかし、乙第5号証1ないし3は、注文する商品数が少ないからといって、直ちにサンプル(見本品)の注文であると断定することができないばかりでなく、同号証の2及び3の上部に記載された該「ZAMBESI」の欧文字が発注先を特定する表示と直ちに断定することもできないから、たとえ、これがサンプル(見本品)の発注伝票であり、下げ札(乙第1号証)が取引された商品に添付されていなかったとしても、少なくとも「ZAMBESI」の欧文字が記載された同号証の2及び3は、商標法第2条第3項第8号で定める「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当するというのが相当である。
よって、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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