結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−301636(T2007−301636/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2551141号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲の構成よりなり、平成元年2月13日に登録出願、第26類「印刷物、その他本類に属する商品」を指定商品として、同5年6月30日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がされ、同16年10月27日に指定商品を、第6類「金属製彫刻」、第9類「映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」、第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」及び第20類「額縁,石こう製彫刻,プラスチック製彫刻,木製彫刻」とする指定商品の書換登録がされたものである。
また、本件審判の請求の登録は、平成20年1月7日になされている。
請求人は、「本件商標は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求人の調査では、被請求人は、いずれの指定商品についても、過去3年以上にわたって、我国において本件商標を使用していないことが判明した。 したがって、本件商標登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人の「パンフレット」であるが、この「パンフレット」は、被請求人の活動を説明し宣伝広告するためのものである。
したがって、ここに付されている「Eye mates」、「アイメイト」、「アイメイト協会」の文字及び本件商標の図形部分(以下、「本件図形」という。)は、被請求人の提供する役務の商標として認識されることがあるとしても、独立して取引の対象となる商品「パンフレット」について商標として使用されているとは認められない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、寄付行為に関する被請求人の規約のようである。
この規約が出版物として販売されることはあり得ないであろうから、ここに付されている「アイメイト協会」の文字及び本件図形が「印刷物」の商標として使用されているとは認められない。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人の「パンフレット」であるが、乙第1号証と同様に、当該「パンフレット」は、被請求人の活動を説明し宣伝広告するためのものである。
したがって、ここに付されている「Eye mates」、「アイメイト」、「アイメイト協会」の文字及び本件図形は、被請求人の提供する役務の商標として認識されることがあるとしても、独立して取引の対象となる商品「パンフレット」について商標として使用されているとは認められない。
(4)乙第4号証について
乙第4号証は、被請求人名義の「領収書」の見本である。
しかし、これは見本であるから、当該「領収書」が使用された実績については、何ら立証されていない。
(5)乙第5号証について
乙第5号証は、被請求人の「パンフレット」であるが、乙第1号証と同様に、当該「パンフレット」は、被請求人の活動を説明し宣伝広告するためのものである。
したがって、ここに付されている「Eye Mate」、「アイメイト」、「アイメイト協会」の文字及び本件図形は、被請求人の提供する役務の商標として認識されることがあるとしても、独立して取引の対象となる商品「パンフレット」について商標として使用されているとは認められない。
(6)乙第6号証について
乙第6号証は、本件図形を中央に表した「シール」であるが、当該「シール」が使用された実績について何ら立証していない。
また、当該「シール」には、本件商標の文字部分は表されていない。
(7)乙第7号証について
乙第7号証は、被請求人の「便箋」であるが、便箋は「印刷物」に当らない。
また、当該「便箋」の使用実績も立証されていない。
さらに、当該「便箋」にある本件図形や「アイメイト協会」の文字が「便箋」の商標として認識されることもない。
(8)乙第8号証及び乙第9号証について
乙第8号証及び乙第9号証は、被請求人の「封筒」であるが、「封筒」は「印刷物」に当らない。
また、当該「封筒」の使用実績も立証されていない。
さらに、当該「封筒」にある本件図形や「アイメイト協会」の文字が、「封筒」の商標として認識されることもない。
(10)乙第10号証について
乙第10号証を見ると、「アイメイトと生きる」という書籍の題号の一部に「アイメイト」の文字は使用されているが、そもそも書籍の題号は著作物の内容を示すもので商標としては機能しないのであるから、このような書籍の題号の一部に「アイメイト」の文字が使用されていても、本件商標を商標法上の「商品」としての「印刷物」について商標として使用されているとは認められない。
(11)むすび
以上のとおり、乙第1号証ないし乙第10号証のいずれにおいても、本件商標が独立して取引の対象となる「パンフレット」及び「書籍」について商標として使用されているとは認められない。
したがって、本件商標は取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
本件商標は、乙第1号証に示すとおり、SINCE 1957よりアイメイトとは「盲導犬」と共に歩んできた協会の歴史である。
そこで、本件商標の権利者は、特定公益法人 盲人更生援護施設である財団法人アイメイト協会として現在にいたっているものである。
そして、その指定商品中「印刷物」にはとくに盛大に本件商標を必ず挿入するようにしている。
審判長は、「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、乙第10号証に係る書籍を、譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示したかどうか回答されたい。そして、上記の行為を行ったのであれば、それを証する書面(領収書、受取証等)を回答書と同時に乙号証として提出されたい。」旨の審尋を発し、被請求人に回答書の提出を求めた。
しかるところ、被請求人は、回答書を提出し、「乙第10号証に係る書籍を譲渡した」旨述べるとともに、その証拠として、乙第10号証の1ないし3を提出した。
乙第1号証、乙第3号証及び乙第5号証は、被請求人のパンフレットと認められるところ、当該パンフレットには本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。
そして、当該パンフレットは、被請求人の活動の紹介及び被請求人の活動への協力の呼びかけを主な内容としている。
しかしながら、当該パンフレットが実際に頒布されたとする証拠は、何等示されていない。
また、仮に、当該パンフレットが配布されたとしても、当該パンフレットの主な内容が、被請求人の活動の紹介及び被請求人の活動への協力の呼びかけであること及び当該パンフレットには価格の表示がないことよりすれば、当該パンフレットは無料で配布されたと推認し得るものである。
そうとすれば、当該パンフレットは、商標上の商品とはいい難い。
したがって、乙第1号証、乙第3号証及び乙第5号証によっては、本件商標が請求にかかる指定商品について使用されたということはできない。
乙第2号証は、被請求人の寄付行為に関する規約と認められるところ、当該規約には本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。 しかしながら、乙第2号証は規約にすぎないから、乙第2号証によっては、本件商標が請求にかかる指定商品について使用されたということはできない。
乙第4号証は、被請求人名義の領収書の見本と認められるところ、当該領収書には本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。
しかしながら、当該領収書は見本にすぎないから、乙第4号証によっては、本件商標が請求にかかる指定商品について使用されたということはできない。
乙第6号証はシール、乙第7号証は便箋、乙第8号証及び乙第9号証は封筒と認められるところ、乙第6号証ないし乙第9号証のいずれにも、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。
しかしながら、シール、便箋及び封筒は、いずれも、本件審判の請求にかかる指定商品に属する商品とは認められない。
したがって、乙第6号証ないし乙第9号証によっては、本件商標が請求にかかる指定商品について使用されたということはできない。
(1)乙第10号証は、「アイメイトと生きる」を題号とする書籍(以下、乙第10号証を「当該書籍」という。)であるところ、「書籍」は、本件に係る指定商品中、第16類「印刷物」に属する商品と認められる。
(2)当該書籍の裏表紙には、定価として「本体1600円」の表示があることから、当該書籍は無料で配布されるものではなく、販売の対象となっていると推認することができる。
(3)当該書籍の著者は「塩屋賢一」であるところ、奥付には、「・・・71年、『財団法人東京盲導犬協会』を設立。同年10月10日、第一回アイメイト・デーを実施。89年、『財団法人東京盲導犬協会』を『財団法人アイメイト協会』と改称。現在、同協会理事長。・・・」と著者の経歴が記載されている。
上記経歴による当該書籍の著者「塩屋賢一」と商標権者「財団法人アイメイト協会」との関係からすれば、当該書籍の著者は、商標権者から、本件商標の使用について、少なくとも黙示の通常使用権を設定されていると推認することができる。
(4)当該書籍の奥付には、「2002年10月10日 第1刷発行」と表示されている。
乙第10号証の1は、「領収書」と認められるところ、「氏名」の欄には「直井 隆子」の記載、「請求金額」の欄には「¥1,680」の記載、「領収金額」の欄には「¥1,680」の記載、「内訳」の欄には「本代(アイメイトと生きる)」の記載及び下から二段目の欄には「平成19年12月20日」の記載がある。
乙第10号証の3は、当該書籍を販売しているウエブサイトの写しと認められるところ、「2008年11月18日」の日付け、「3点在庫在り。ご注文はお早めに」及び「1カスタマーレビュー」の表示がある。
以上の証拠より、当該書籍は「2002年(平成14年)10月10日」に第1刷が発行されていること、当該書籍は「2008年(平成20年)11月18日」においても販売されていること及び「平成19年12月20日」に、当該書籍が実際に販売されたことを認めることができる。
(5)社会通念上同一と認められる商標について
当該書籍のカバーには、本件図形と社会通念上同一と認められる商標が表示され、本件図形の下に、黄色の輪郭内に、縦書きで、右から「アイメイトは盲導犬の呼称です。」、「アイは I 私」、「アイは Eye 目」、「アイは 愛 Love」、「アイメイトは『私の愛する目の仲間』」との文字の記載がある。
しかして、上記の文字中「アイメイト」の文字部分は、本件商標中の文字部分「アイメイト」と社会通念上同一と認められるものである。
そして、本件図形及び上記の文字が当該書籍の題号でないことは、明らかである。
そうとすれば、当該書籍には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されているというべきである。
上記5の事実を総合勘案すれば、本件商標は、通常使用権者によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標に係る指定商品中、第16類「印刷物」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていたものと推認することができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によって、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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