Trademark Appeal Case
地域団体商標の周知性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−14424(T2008−14424/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「京料理」の文字を標準文字で表してなり、第43類「京都における日本料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成18年4月1日に地域団体商標として登録出願されたものである。
第2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「地域団体商標は、その商標が使用された結果、自己又はその構成員の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものでなければならないところ、出願人又はその構成員以外の者が日本各地において『京料理』の文字を使用して飲食物の提供を行っているから、本願商標が、出願人又はその構成員によって使用された結果、自己又はその構成員の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。したがって、本願商標は、商標法第7条の2第1項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 請求人(出願人)は、「本願商標は、商標法第7条の2第1項の規定に該当しない。」旨主張し、証拠方法として、原審において平成19年3月27日付け提出の手続補足書で京都府料理生活衛生同業組合 組合員名簿(平成17年度)及び京都料理組合員名簿及び同組合規約並びに資料2ないし資料20を提出し、さらに、当審において甲第1号証ないし甲第24号証を提出した(なお、原審の証拠(「資料」)と当審の証拠が重複しているものは、以下当審の証拠番号(「甲第号証」)で証拠を特定する。)。
そこで、本願商標が、商標法第7条の2第1項に規定する、使用をされた結果自己(京都府料理生活衛生同業組合(甲第1号証))又はその構成員(甲第2号証)(以下「自己等」という。)の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている(例えば、京都府及びその隣接都道府県に及ぶ程度)か否か(いわゆる「周知性」の獲得の有無)を、例えば、実際に使用している商標及び役務、使用開始時期、使用期間、使用地域、当該営業の規模(店舗数、営業地域、売上高等)、並びに広告宣伝の方法及び回数についての事実の有無を下記の(1)ないし(4)の証拠によって判断する。
(1)イベント「京料理展示大会」(甲第6号証及び甲第15号証ないし甲第24号証)について
甲第6号証及び甲第15号証ないし甲第24号証は、「京料理展示大会」の行事内容、案内はがき、報告書、出品献立表等であり、これらの証拠によれば、「京料理展示大会」は、「京都料理組合」が主催し、請求人及び京都府寿司環境衛生同業組合が協賛し、京都府、京都観光連盟、京都市及び京都市観光協会等が後援していることが認められる。
してみると、イベント「京料理展示大会」に参加した取引者、需要者は、当該会が「京都料理組合」の名の下に、主にその構成員によって開催された京料理の展示大会であると認識するにすぎない。
(2)書籍等刊行物(甲第5号証及び甲第7号証)について
甲第5号証及び甲第7号証は、市販されている書籍であり、これらの証拠によれば、これらの書籍には請求人の構成員の店が紹介されているが、甲第2号証の組合員名簿に掲載のない事業者も多数紹介されていることが認められる。
(3)新聞(甲第14号証)について
甲第14号証は、京都府料理生活衛生同業組合及び京都料理組合の新年の挨拶、上記(1)の「京料理展示大会」のイベントに関する紹介記事、京都府料理生活衛生同業組合理事会の定例理事会開催の記事等が掲載されている新聞記事であるが、そのうちの「京料理展示大会」のイベントに関する紹介記事には、「京都料理組合」によって開催される旨掲載されていることが認められる。
(4)その他の証拠について
前記(1)ないし(3)以外の証拠は、平成17年度の調理師認定者(23名)一覧表、平成18年度認定要綱、感謝状の写し、「京都料飲大観」、「京都府料飲組合員名簿」等である。
以上、請求人(出願人)が提出した前記(1)ないし(4)の証拠を総合勘案して判断するに、京都府料理生活衛生同業組合の他、京都料理組合、京都府寿司環境衛生同業組合、京都府、京都観光連盟、京都市及び京都市観光協会等が「京料理展示大会」を開催し京料理等を展示して京料理を広めようとしていることが認められる。しかしながら、主催者が請求人と異なる「京都料理組合」とするものであって、かつ複数の組合及び団体が協賛して行っているものである。加えて、当該大会に料理を展示している者には、甲第2号証の組合員名簿に掲載のない事業者も多数含まれている。
そうとすると、当該「京料理展示大会」をもって、自己等によって使用をされた結果、自己等に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めことはできない。
また、請求人(出願人)は、自己等が本願商標「京料理」を指定役務「京都における日本料理を主とする飲食物の提供」について実際に使用している商標及び役務、使用開始時期、使用期間、使用地域、当該営業の規模(店舗数、営業地域、売上高等)、並びに広告宣伝の方法及び回数の事実の有無を判断する証拠を提出していない。
なお、請求人は、「京都料理組合」と「京都府料理生活衛生同業組合」とは、構成組合員の大半を一にし共同して京料理に関する事業を推進する一身同体の組合であるから、「京都料理組合」の本件商標の使用も自己等の業務に係る役務の使用である旨主張するが、「京都料理組合」と「京都府料理生活衛生同業組合」とは、甲第1号証及び甲第4号証のとおり、別の組織であるから、「京都料理組合」の使用をもって自己等によって使用をされたと認めることはできない。
2 「京料理」の文字は、自己等に限らず、自己等以外の者によっても、飲食物の提供について、京都府及びそれ以外の地域において使用されていることは、次のとおり、原審において平成19年1月29日付け拒絶理由通知書の〔参考〕で示した京都府以外の地における使用例及び平成20年5月20日付け拒絶査定の「理由」中の「例」から明らかである。
(1)「京料理・仕出し かつらぎ」(東京都足立区伊興本町1−15−21)(http://www.katuragi1.com/)。
(2)「京料理 たか木」(兵庫県芦屋市東山町25の30 ベルエール芦屋106)(http://books.bunka.ac.jp/np/restaurant/rec/20051003/)。
(3)「鮨・懐石・京料理 卓楽」(愛知県名古屋市中区東桜2−22−33 第一照運寺ビル1F)(http://www.takuraku.co.jp/)。
(4)「京料理と焼酎 みなせ」(東京都港区南青山5−9−8 青山五番館3F)(http://r.gnavi.co.jp/a048700/)。
(5)「京料理 松亀」(愛知県一宮市花池)(http://www.matuki.com/)。
(6)「京料理 寿司 黒龍」(埼玉県さいたま市南区文蔵1−17−2)(http://r.gnavi.co.jp/a069700/)。
(7)「居酒屋・京料理 義経」(大阪府堺市堺区栄橋町1−10−1)
(http://www.yoshitsune.kansai.walkerplus.com/)。
(8)「[食べる]京料理『八誇(はっこ)』/東京・文京区」の見出しのもと「・・・魚介を中心とした京料理を落ち着いた雰囲気で気軽に楽し
める店。・・・」(1987.02.25 読売新聞 東京夕刊 11頁)。
(9)「ぐるなび 東京版」の見出しのもと「京料理 福ろく寿・・・住所 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 高島屋タイムズスクエアレストランズパー
ク14F・・・」(http://r.gnavi.co.jp/g203828/)。
(10)「グルメGYAG」の見出しのもと「・・・店名 京料理江森 住所 東京都台東区 浅草3−9−10 キャピタルプラザ ・・・」(http://gourmet.gyao.jp/0004009776/)。
(11)「@nifty 電話帳」の見出しのもと「・・・愛知県・・・京料理河合・・・住所: 愛知県海部郡七宝町大字下田字江西94−2・・・」(htp://nifty-tel.goo.ne.jp/SearchKihon.php?keyword=&jobcode=Z150900&jobname=%B5%FE%CE%C1%CD%FD%C5%B9&gyonext=1&prefcode=23&prefname=%B0%A6%C3%CE%B8%A9)。
(12)「京料理の真髄を探る!」の見出しのもと「・・・日本全国いろいろな所で、看板やのれんに『京料理』の文字が見受けられます。・・・」
(http://www.tsuji.ac.jp/hp/jpn/kyoto/home.html)。
(13)「いったい、京料理って何??」の見出しのもと「・・・京都以外の土地で『京料理』や『京料理専門』『京会席』などの看板を目にする事があります。・・・」(http://allabout.co.jp/travel/travelkyoto/closeup/CU20080124A/)。
なお、請求人は、前記(1)から(13)の例の多数の者の「京料理」の使用は、無断使用者の使用である旨主張するが、「京料理」の文字を規制する法律等もないことから、これらを請求人以外の者によって使用していると判断するのが相当であり、請求人の当該主張は根拠を欠くものである。
3 以上の1及び2を総合して判断すると、請求人(出願人)は、自己等によって、本願商標「京料理」を指定役務「京都における日本料理を主とする飲食物の提供」について、使用をされた結果、自己等に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認め得る証拠を提出していないこと、及び「京料理」の文字は自己等以外の多数の者によって全国各地において「飲食物の提供」について使用されていることから、自己等によって、本願商標「京料理」を指定役務「京都における日本料理を主とする飲食物の提供」について、使用をされた結果、自己等に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
4 したがって、本願商標は、商標法第7条の2第1項の要件を具備しないものであるから、これと同旨の理由で、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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