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Trademark Appeal Case

結合商標の分離観察

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−18529(T2008−18529/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年5月17日に登録出願、その後、指定役務については、当審における同20年7月22日日付け手続補正書により、第35類「広告、トレーディングスタンプの発行、フランチャイズ事業に関する経営の診断又は経営に関する助言、その他の経営の診断又は経営に関する助言、市場調査、商品の販売に関する情報の提供、ホテルの事業の管理、輸出入に関する事務の代理又は代行、菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、以下の1及び2のとおり認定、判断し本願を拒絶したものである。

1 商標登録を受けることができる商標は、現在使用をしているもの又は近い将来使用をするものと解されるところ、この商標登録出願において指定する商品及び役務について、本願商標を使用しているか又は近い将来使用することについて疑義があるものである。

したがって、この商標登録出願は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しない。

2 本願商標は、登録第486032号商標(以下「引用商標1」という。)及び、登録第732079号の1商標、登録第732079号の2商標、登録第1459161号商標、登録第1459162号商標、登録第1974312号商標、登録第2039329号の1商標、登録第2039329号の2商標、登録第2329914号商標、登録第2329915号商標、登録第2565429号商標、登録第2673032号商標、登録第4055167号商標、登録第4317672号の1の1商標、登録第4317672号の1の2商標、登録第4317672号の2商標、登録第4317673号の1の1商標、登録第4317673号の1の2商標、登録第4317673号の2商標、登録第4384652号商標、登録第4556560号商標、登録第4565466号商標、登録第4748461号商標、登録第5044217号商標及び登録第5082350号商標(以下これらをまとめて「引用商標2」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

そして、引用商標1は、「ボンジュール」の片仮名文字と「Bonjour」の欧文字を上下二段に書してなり、昭和30年12月16日に登録出願、第43類「菓子及び麺ぽうの類」を指定商品として、昭和31年8月10日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録が4回なされ、さらに、指定商品については、平成19年3月28日に、第30類「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)、パン」に書換登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項柱書について

本願商標は、その指定役務について前記第1のとおり補正された結果、本願商標は、使用しているか又は近い将来使用することについての疑義はなくなったとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の規定の要件を具備するものとなった。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項柱書の規定の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)本願商標と引用商標2について

本願商標は、その指定役務について前記第1のとおり補正された結果、本願商標の指定役務は、引用商標2のいずれの指定商品とも類似しない役務となった。

したがって、本願商標が引用商標2と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の理由は解消した。

(2)本願商標と引用商標1について

本願商標は、別掲のとおり、「HAYAMA」の文字の下に、「HAYAMA」の文字の約2倍程の大きさで、手書き風に「BoNJoUR」の欧文字を書してなるものである。

そして、本願商標の構成中「HAYAMA」の文字は、「神奈川県三浦半島の北西にある町。海岸保養地として知られ、夏季、海水浴場としてにぎわう。御用邸がある。」(広辞苑第五版)を意味する地名「葉山」に通じるものであり、また、構成中の「BoNJoUR」の欧文字は、「おはよう、こんにちわ」(小学館ロベール仏和大辞典)等の挨拶語を意味するフランス語としてよく知られているものである。

しかして、「HAYAMA」の文字と「BoNJoUR」の文字とは、文字の大きさに顕著な差異を有し、かつ、その書体を異にするものであるから、視覚上分離して看取されるとみるのが自然である。

また、本願商標全体から生ずると認められる「ハヤマボンジュール」の称呼もやや冗長であり、さらに、「HAYAMA」の文字と「BoNJoUR」の文字部分とが、全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められない。

さらに、前述のとおり、「HAYAMA」の文字は、地名「葉山」に通じ、本願商標の指定役務との関係において、単に役務の提供場所を表示するものとして認識され取引されることも少なくないところから、自他役務の識別力がないか、自他役務の識別力があるとしても極めて弱いものと認識されるとみるのが相当である。

してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本願商標に接する取引者、需要者は、顕著に表された「BoNJoUR」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼及び観念をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。

したがって、本願商標は、構成文字全体に相応した「ハヤマボンジュール」の一連の称呼の他、「BoNJoUR」の文字部分に相応した「ボンジュール」の称呼をも生じ、かつ、「おはよう、こんにちわ」等の観念を生ずるものである。

他方、引用商標1は、「ボンジュール」の片仮名文字と「Bonjour」の欧文字を上下二段に書してなるものであり、その構成文字に相応した「ボンジュール」の称呼を生じ、かつ、前述のとおり、「おはよう、こんにちわ」等の観念を生ずるものである。

してみれば、本願商標と引用商標1は、外観において、相違する点があるとしても、「ボンジュール」の称呼及び「おはよう、こんにちわ」等の観念を共通にする類似の商標と認められる。

そして、本願商標の指定役務中「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標1の指定商品「菓子(甘栗・甘酒・氷砂糖・みつまめ・ゆであずきを除く。)、パン」は、商品の製造と役務の提供が同一事業者によって行われることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、類似するものとみるのが相当である。

そうとすれば、本願商標をその指定役務中「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められることから、本願商標と引用商標1とは類似の商標といわざるを得ない。

3 請求人(出願人)の主張

請求人(出願人)(以下「請求人」という。)は、甲第1号証ないし甲第5号証を提出し、以下のとおり主張する。

(1)本願商標は、「HAYAMA」と「BONJOUR」を結合した構成であり、商標全体から認識されるのは請求人商号の略称「葉山ボンジュール」であるから、本願商標は、請求人の商品主体及び営業主体を表示する記載として認識されるものである。

さらに、請求人は、「葉山ボンジュール」の名称の店舗(葉山店、鎌倉山店、一色店、鎌倉西口店、逗子店)を運営し、その全てに本願商標に係る「HAYAMA BONJOUR」のロゴや「葉山ボンジュール」の名称を使用しており、その店舗は、高い人気を博し、葉山や鎌倉を特集したウェブサイトやブログでも、「葉山ボンジュール」のベーカリーショップが紹介され、その知名度もかなり高いものとなっている。

よって、本願商標は、常に一連一体として認識されるべきものである。(甲第1号証ないし甲第4号証)

(2)過去の登録例からすれば、本願商標の登録は認められるべきである。(甲第5号証)

4 請求人の主張についての反論

(1)請求人の主張(1)について

請求人提出による甲第1号証ないし甲第4号証について検討する。

甲第1号証は、請求人である「株式会社葉山ボンジュール」の経営理念、会社概要等が記載されたものであり、事業内容として、「パンの製造・販売、レストラン及び喫茶店の経営、食料品などの販売」とある。

また、会社の略歴の項目には、「平成2年10月19日 株式会社葉山ボンジュール設立」と記載され、また、「平成11年4月26日 ボンジュール鎌倉駅前店オープン」、「平成19年4月1日 ボンジュール鎌倉西口店オープン」等の記載があり、そして、事業所一覧表には、「ボンジュール葉山店」「ボンジュール鎌倉店」「ボンジュール一色店」「ボンジュール鎌倉西店」の表示が認められ、それぞれの店舗の所在地、電話番号、営業時間等が記載されている。

甲第2号証は、「相鉄ローゼン株式会社」の会社概要であり、「関連会社紹介」の欄に「株式会社葉山ボンジュール」についての記載が認められる。

甲第3号証は、本願商標が使用された店舗外壁及び看板の写真である。

甲第4号証は、「わんだふるはうす」なるウェブサイトに掲載された本願商標が使用された店舗の写真、店舗内のパンの陳列写真等が掲載されている。

以上の資料を総合判断すると、本願商標を使用している店舗は、神奈川県内の一部地域に存在するにすぎず、「葉山店、鎌倉山店、一色店、鎌倉西口店」の4店舗のみ存在が認められるにすぎない(甲第1号証)。

なお、請求人は「葉山店、鎌倉山店、一色店、鎌倉西口店、逗子店」の5店舗と主張するが、その事実は、請求人の証拠資料からは、認められない。 また、本願商標が実際に使用され、他人のウェブサイトに本願商標が使用された写真が掲載さている事実は認められる(甲第3号証及び甲第4号証)ものの、甲第1号証中の「会社の略歴」及び「事業所一覧表」の記載を見るに、その店舗名の表示は、「ボンジュール鎌倉店」、「ボンジュール一色店」及び「ボンジュール鎌倉西店」と記されており、本願商標や請求人商号の略称である「葉山ボンジュール」の文字が、その店舗名を表示するものとして、必ず使用されているとは認めることができない。

さらに、請求人の「『葉山ボンジュール』の名称の店舗の知名度もかなり高いものであるから、本願商標は、常に一連一体として認識されるべきものである。」とする主張も、前述のとおり、本願商標の使用の事実についても、疑義があり、請求人の提出した資料によっては、その事実を立証することはできない。

また、本願商標の知名度が高いことについて客観的に判断するに足りる証拠は見当たらない。

してみると、本願商標は、常に一連一体のものとしてのみ捉えなければならない特段の事情があるとはいえないものであり、本願商標と引用商標1が類似するものであることは、前記第3の2(2)の認定のとおりであるから、請求人のこの主張は採用することができない。

(2)請求人の主張(2)について

請求人が、過去の登録例として提出した登録第4785175号商標は、「ボンジュール神戸」の文字を標準文字で表してなるもので、本願商標とは構成態様が全く異なるものである。

してみれば、この登録例は、本願とは事案を異にするものであり、この登録例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえず、請求人のこの主張も、採用することができない。

(3)その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。

5 結論

以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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