Trademark Appeal Case
マイグレーションサービスの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−27777(T2006−27777/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「マイグレーションサービス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成18年3月16日に登録出願され、指定商品については、同年11月14日付け手続補正書により、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」及び第42類「気象情報の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,計測器の貸与,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,理化学機械器具の貸与,製図用具の貸与」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、プログラムやデータの移行・変換作業や企業の基幹システムなどを新しいプラットフォームに交換するという意味を認識させる『マイグレーションサービス』の文字を標準文字で書してなるものであるから、これを本願指定商品中『電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子出版物』等について使用しても、これに接する取引者、需要者は単に商品の品質(内容)を表示したにすぎないものと認め、また、本願指定役務中上記文字に照応する役務、例えば『電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供』等について使用しても、これに接する取引者、需要者はその役務が上記に関することを内容とする役務を理解するものであり、単に役務の質を表示するにすぎず、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「マイグレーションサービス」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、「マイグレーション」の文字は、コンピュータ等に関連する企業情報システムの分野において、「プログラムやデータの移行・変換作業。特に、OSなどの環境が異なるシステムへの移行を指すことが多い。企業の基幹システムなどを新しいプラットフォームに交換するという意味合いも含まれる。プログラムの場合は、例えばもともとUNIX向けに開発されたプログラムを修正し、Windows用のプログラムを作成するような移植作業をマイグレーションという。データベースのマイグレーションの場合、新たな環境で作業を開始するためには単にデータのコピーだけではなく、管理システムのセットアップや設定の引継ぎなど複雑な作業を伴う場合が多い。このため、マイグレーション作業を支援するアプリケーションや、技術者を提供するサービスを行なう会社などもある。」(「IT用語辞典e−Words」http://e-words.jp/w/E3839EE382A4E382B0E383ACE383BCE382B7E383A7E383B3.html)を意味する語であり、「サービス」は、「用役」を意味する語として、日常的に使用されている語であるから、本願商標は、その構成全体として「コンピュータプログラムやデータの移行・変換(作業)のサービス」の意味合いを容易に認識させるものである。そして、該分野において、「マイグレーションサービス」の語が上記意味合いを表す語として普通に使用されていることは、拒絶査定時に開示しているウェブサイト情報(京セラコミュニケーションシステム株式会社(http://www.kccs.co.jp/products/nd_migration/index.html)、AGS株式会社(http://www.ags.co.jp/service/migration.html)、日本ユニシス株式会社(http://www.unisys.co.jp/ntmigration))からも認められるところである。
さらに、このような移行・変換支援サービスにおいては、移行ツールを使用することは一般的であり、このことは、例えば、前記京セラコミュニケーション株式会社及び日本ユニシス株式会社のウェブサイトの他、株式会社カール(http://www.curlap.com/service/migration/flow.html)、株式会社システムズ(http://www.systems-inc.co.jp/migration/index.htm)のウェブサイトによっても窺えるところである。
そうとすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、企業情報システム分野に関連する商品又は役務と認められる「電子応用機械器具及びその部品,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」に使用するときは、「プログラムやデータの移行・変換支援サービス」の意味合いを看取し、そのための商品及び役務であると認識するにとどまり、単に商品の品質、用途、役務の質、目的を表示するにすぎないものというのが相当である。
なお、請求人は、「マイグレーション」は、商品の品質等を具体的に表示するものではなく、コンピュータを用いてコンピュータのプログラムやデータの移行とかの作業そのものを行う行為を指すものである旨主張しているが、前記のとおり、「マイグレーションサービス」がOSなどの環境が異なるシステムへのコンピュータプログラムやデータの移行・変換(作業)のサービスを表示するものとして使用され、移行、変換のために各種移行ツールが使用されていることからすれば、本願商標に接する取引者・需要者が、自他商品・役務の識別標識として認識するとはいうことができない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。