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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30693号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2707119号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成4年3月31日に登録出願され、「PBM」の文字と「ピービーエム」の文字を併記してなり、第9類「製本機械、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成7年5月31日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は、指定商品中「風水力機械器具」について取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。

1.請求人の調査では、被請求人は、取消を求めた商品「風水力機械器具」について、過去3年以上日本国内において使用していないことが判明した。

したがって、本件商標は、上記の指定商品について、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2.答弁に対する弁駁

被請求人は、答弁書において、商品「ポンプ」及び「ブロアーモーター(送風機)」について、本件審判請求登録日前3年以内に本件商標を使用していると主張している。

(1)しかし、乙第4号証「商品区分解説」にもあるように、そもそも「ポンプ」とは液体を噴出させたり、高所へ押し上げたりする機械器具であるが、被請求人の提出する各証拠をみる限り、被請求人の取り扱う商品に、このような機械器具が使用されているとは考えられないので、被請求人が商標法上の商品「ポンプ」を取り扱っていたとは考えられない。

また、「ポンプ」に関しては、請求明細書(控)の写し(乙第5号証及び乙第6号証)と写真(乙第9号証)を提出するのみで、カタログなどを提出していないので、乙第5号証及び乙第6号証にある「ポンプ本体KRS−6」がどのような商品か不明である。

したがって、商品の用途、材質などが不明である以上、これが風水力機械器具に含まれる商品であるとはいえない。

(2)次に、「ブロアーモーター」(乙第7号証及び乙第8号証)についても、請求明細書(控)の写し(乙第7号証及び乙第8号証)と写真(乙第10号証)を提出するのみで、カタログなどを提出していないので、「ブロアーモーターN−5TL」の用途などが特定できず、したがって、この商品が風水力機械器具に含まれる商品であるとはいえない。

この商品が乙第3号証カタログ中の「ブロアーポンプ」と同様のものであるなら、これは製本機械器具の専用品であると考えられるから、風水力機械器具には属しない商品である。

(3)最後に、乙第9号証及び乙第10号証として提出された写真コピーについてであるが、通常この種の機械器具には品番、規格、仕様、製造会社名などが記入されたシールや鉄板等が貼られているが、これら証拠にはその部分の拡大写真がないので、この写真にある機械が「ポンプ本体KRS−6」若しくは「ブロアーモーターN−5TL」であるか特定できない。

また、両写真中の商標部分を詳細に見ると、商標の周りの部分だけ白く浮き上がっており、極めて不自然である。

以上より、両写真に写っている機械器具について、全体写真、品番などを表した部分の拡大写真及び商標部分の拡大写真がカラーで提出されない限り、商品を特定できないし、商標の使用も認定できない。

したがって、本件商標は指定商品中「風水力機械器具」について、商標法第50条の規定により取消されるべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び当審における審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む)、資料1及び資料2を提出した。

1.本件商標は、ピービーエム株式会社が適法な使用権者として使用している。すなわち、本件商標は、取消請求の対象とされた「風水力機械器具」に属するポンプ、送風機について通常使用権者により、本件審判の請求登録前3年以内に使用されていたことが提出の乙第1号証ないし乙第10号証(枝番を含む)により証明される。

2.弁駁に対する答弁

(1)請求人は、乙第4号証「商品区分解説」の記載を根拠として、「ポンプ」とは、「液体を噴出させたり...」というものであるから、被請求人が商標法上の商品「ポンプ」を取り扱っていたとは到底考えられない旨主張する。

しかし、乙第4号証「商品区分解説」は、「ポンプ」を定義する書ではなく、あくまで各区分の概要を例示的に説明するための解説書である。

被請求人としては、「ポンプ」といえば明解で、その語義を吟味して扱うような商品でもないものであるため、乙第5号証、乙第6号証及び乙第9号証に記載したものは、商標法上の商品「ポンプ」に相違ない。

(2)請求人は、乙第3号証カタログ中の「ブロアーポンプ」が、乙第10号証の「ブロアーモーターN5T−L」と同様のものであるならば、これは製本機械の専用品と考えられるから、風水力機械器具には属しない商品であると主張する。

確かに、乙第3号証に記載された「ブロアーポンプ」は、自動高速丁合連結機に組み込んだものを示しているが、これは乙第10号証の「ブロアーモーターN−5TL」と同じものではない。

ピービーエム株式会社は、製本機械のメーカーであるが、製本機械以外にも「ポンプ」、「ブロアー」を独立して販売しており、顧客から「ポンプ」や「ブロアー」の注文を受けた場合には、その商品を仕入企業から納入し、これに本件商標「PBM」を付して乙第9号証及び乙第10号証に示すように顧客先へ納品している。この納品時の取引書類が請求明細書(写)(乙第5号証ないし乙第8号証)であるが、仕入企業及びポンプ、ブロアーについてのその具体的な商品を明らかにするため、乙第11号証及び乙第12号証を新たに提出する。

(3)乙第11号証は、ピービーエム株式会社の仕入先企業である淀川電動送風機のカタログであり、乙第12号証は、同じくオリオン機械株式会社のカタログである。乙第11号証の第6頁には、送風機の型式「N5T」が掲載されており、型式記号末尾のLは、第7頁上段に記載されるように、左回転仕様を表示したものである。すなわち、被請求人が提出した請求明細書(乙第7号証及び乙第8号証)に記載されている「ブロアーモーターN−5TL」とは、この左回転仕様の送風機N5Tを単独で客先へ納品したことを示している。

また、乙第12号証の第6頁には、ポンプの型式「KRS6−SS」が掲載されており、被請求人が提出した請求明細書(乙第5号証及び乙第6号証)に記載されている「ポンプ本体KRS−6」とは、このポンプKRS6−SSを単独で客先へ納品したことを表したものである。

なお、取引記載上の慣行から請求明細書にはSSを省略して記載している。

また、乙第11号証によれば、その第7頁上段には、送風機は、印刷機械以外の集塵機、粉砕機・・・などにも用いられることが明示されているので、乙第7号証及び乙第8号証に記載されている「ブロアーモーターN−5TL」が製本機械の専用品ではないことも理解されるはずである。

(4)上述のように、被請求人の使用権者たるピービーエム株式会社が販売する「ポンプ」、「ブロアーモーター」には、本件商標「PBM」が付され、また、その取引書類である請求明細書(控)中には「ポンプ本体」「ブロアーモーター」の記載とともに本件商標「PBM」が付されていることは明らかであり、商標法上における登録商標の使用に該当する事も明白である。

3.審尋に対する回答

被請求人は、当庁より発した平成11年6月18日付審尋書に対する回答として、以下の資料を補足提出する。

(1)資料1は、乙第5号証及び乙第6号証(ポンプ)に対応(年月日を含め)する上記機械の仕入伝票(写し)及び関連書類である。乙第5号証及び乙第6号証に示した株式会社南鵬社、有限会社太田製本紙工業からの注文依頼を受けて、PBM株式会社が、その取引代理店である株式会社ナカタニに対して発注し、これをPBM株式会社が購入し、上記株式会社南鵬社、有限会社太田製本紙工業に納品するまでの一連の流れを示す書類である。

乙第5号証については、PBM株式会社が、株式会社南鵬社から「ポンプ」の注文依頼を受け、その依頼内容を判断したうえで「ポンプ」をKRS−6に特定し、この販売代理店である株式会社ナカタニに発注し、これを1998年1月28日付でPBM株式会社が購入した。そして、PBM株式会社がその製品を保管、検査したうえで、乙第5号証に示したように株式会社南鵬社に1998年4月20日付で納品したものである。

乙第6号証については、PBM株式会社が、有限会社太田製本紙工業から「ポンプ」の注文依頼を受け、その依頼内容を判断したうえで「ポンプ」をKRS−6に特定し、この販売代理店である株式会社ナカタニに発注し、これを1998年5月8日付でPBM株式会社が購入した。そして、PBM株式会社がその製品を保管、検査したうえで、乙第5号証に示したように有限会社太田製本紙工業に1998年6月18日付で納品したものである。

なお、KRX6は、KRS6がマイナーチェンジされたもので、実質的には同じものである。

(2)資料2は、乙第7号証及び乙第8号証(ブロアー)に対応(年月日を含め)する上記機械の仕入伝票(写し)及び関連書類である。乙第7号証及び乙第8号証に示した一倉製本所、有限会社ニセコ製本からの注文依頼を受けて、PBM株式会社が、その取引代理店である東海商事株式会社に対して発注し、これをPBM株式会社が購入し、上記一倉製本所、有限会社ニセコ製本に納品するまでの一連の流れを示す書類である。

乙第7号証については、PBM株式会社が、一倉製本所から「ブロアー」の注文依頼を受け、その依頼内容を判断したうえで「ブロアー」をN−5TLに特定し、この販売代理店である東海商事株式会社に平成10年2月16日付で発注し、これを1998年3月2日付でPBM株式会社が購入した。そして、PBM株式会社がその製品を保管、検査したうえで、乙第7号証に示したように一倉製本所に1998年6月19日付で納品したものである。

乙第8号証については、PBM株式会社が、有限会社ニセコ製本から「ブロアー」の注文依頼を受け、その依頼内容を判断したうえで「ブロアー」をN−5TLに特定し、この販売代理店である東海商事株式会社に平成10年2月17日付で発注し、これを1998年3月2日付でPBM株式会社が購入した。そして、PBM株式会社がその製品を保管、検査したうえで、乙第8号証に示したように有限会社ニセコ製本に1998年6月1日付で納品したものである。

(3)上記資料1、2からも明らかなように、PBM株式会社は、顧客からの注文依頼により、「ポンプ」 や「ブロアー」を顧客に対して直接、その販売等を長年行っている。また、これら顧客に対する上記「ポンプ」や「ブロアー」を販売等する際には、乙第9号証及び乙第10号証に示すように、「PBM」のシールを適宜貼りつけて、顧客へ納品している。

これは、PBM株式会社が、たとえ仕入れた他社メーカーの製品あっても、顧客へ納品する前には、これを最終的に確認、検査したうえで、顧客へ直接販売等を行うという企業努力の現れであり、その企業責任と、品質保証等を行っていることを顧客に表示するためにも、上記「PBM」のシールを貼着して納品等を行っているのである。

かかる理由から、乙第9号証及び乙第10号証のような商標の使用方法は、PBM株式会社の顧客に対する企業努力の成果であり、何ら不自然な商標の使用態様といえるものではない。

上述のとおり、被請求人の使用権者たるピービーエム株式会社が販売する「ポンプ」、「ブロアーモーター」には、登録商標「PBM」が付され(乙第9号証及び乙第10号証)、また、その取引書類である請求明細書(控)中には「ポンプ本体」、「ブロアーモーター」の記載とともに登録商標「PBM」が付されており(乙第5号証ないし乙第8号証)、商標法上における登録商標の使用に該当する事も明白である。

以上のとおり、被請求人の登録商標は、その使用権者であるピービーエム株式会社が、本件審判請求登録日前の3年間に本件商標を、その指定商品「風水力機械器具」について使用していたことは明らかであるので、請求人の主張は棄却されるべきであり、よって答弁の趣旨どおりの審決を求める次第である。

第4 当審の判断

本件商標は、「PBM」、「ピービーエム」の文字を併記してなり、第9類「製本機械、その他本類に属する商品」を指定商品とすること前記のとおりである。

被請求人は、本件商標の取消に係る指定商品「風水力機械器具」に包含される「ポンプ、送風機」について、本件商標の使用権者であるピービーエム株式会社が本件審判請求登録日前の3年以内に本件商標を使用しているとして、乙第1号証ないし同第12号証(枝番を含む)及び資料1及び資料2を提出しているので、以下、これを検討する。

1.乙第1号証の1として提出された「通常使用権許諾書」は、通常使用権者の名称が「株式会社ピービーエム」であり、法人組織表示が前後するものの、商標公告公報、商標登録原簿(乙第1号証の2、同3)及びピービーエム株式会社の登記簿謄本(乙第2号証)からは、その本店所在地及び商標権者と該会社の代表取締役が同一人であることが認められ、ピービーエム株式会社(以下、「通常使用権者」という。)は、本件商標の通常使用権者とみて差支えないものと認められる。

2.乙第5号証及び乙第6号証として提出された「請求明細書(控)」は、取引先名、商品の納品日とみられる日付04/20及び06/18、品名・規格として「ポンプ本体KRS−6」、入金の締切日98年04月30日及び98年06月30日、そして、右上に通常使用権者の名称とともに欧文字「PBM」の各表示が認められる。

これについて、請求人は、請求明細書(控)の写し(乙第5号証及び乙第6号証)と写真(乙第9号証)を提出するのみで、「ポンプ本体KRS−6」がどのような商品かその用途、材質などが不明である以上、これが風水力機械器具に含まれる商品であるとはいえない旨の主張をしているが、被請求人により補足提出された乙第12号証は、オリオン機械株式会社の作成に係る「無給油式回転真空ポンプ」に関する製品カタログであって、同カタログ中の仕様書の型式欄に「KRS 6−SS」と記載されており、また、通常使用権者の販売に係るポンプとして提出された写真(乙第9号証)とその外観が酷似した写真が掲載がされていて、これらの点よりして、乙第5号証及び乙第6号証に示された「ポンプ本体KRS−6」は、風水力機械器具に含まれる真空ポンプの一つと容易に認め得るものであるから、「ポンプ本体KRS−6」についての疑義を述べる請求人の主張は採用の限りでない。

3.乙第7号証及び乙第8号証として提出された「請求明細書(控)」は、品名・規格として「ブロアーモーターN5T−L」との記載の他、取引先名、商品の納品日とみられる日付06/19及び06/01、入金の締切日98年06月30日等の記載等、その他、上記請求明細書(控)と同様の表記が認められる。

これについて、請求人は、上記同様に「ブロアーモーターN−5TL」の用途などが特定できず、この商品が風水力機械器具に含まれる商品であるとはいえない旨の主張をしているが、被請求人が同じく提出した乙第11号証は、淀川電機製作所の作成に係る「電動送風機」に関する製品カタログであって、その製品案内には仕様の型式として「N5[T]」、「L」記号の表示、通常使用権者の販売に係る送風機として提出された写真(乙第10号証)とその外観が酷似した写真の掲載及び、主用途を集塵機、木工機械等とする記載が認められ、これらの点よりして当該送風機は単体として取引されるものであって汎用性を有するものであり、単に製本機械の専用品(部品、付属品)とはいえないものであるから、乙第7号証及び乙第8号証に示された「ブロアーモーターN−5TL」は、風水力機械器具に含まれる送風機(ブロアーモーター)の一つとみるのが相当であり、したがって、「ブロアーモーターN−5TL」の商品の独立性について疑義を述べる請求人の主張は採用することができない。

4.当庁の行った求釈明(審尋)に対する回答として被請求人が提出した資料1は、当該乙第5号証及び乙第6号証に示された株式会社南鵬社及び有限会社太田製本紙工業宛、通常使用権者の納品に係る「ポンプ本体KRS−6」の取引(仕入れ)書類とするもので、(a)真空ポンプ製造メーカー,オリオン機械株式会社の販売代理店である株式会社ナカタニの作成に係る真空ポンプの納入取引開始を説明した書面、(b)同請求書(控)、(c)同請求明細書及び納品書から構成される資料であって、これによれば、必ずしも個々の当該取引状況を充分に明らかにしたものとはいえないまでも、上記(a)の書面よりして、平成10年当時、通常使用権者と販売代理店株式会社ナカタニとの間において、請求明細書(控)の写し(乙第5号証及び乙第6号証)に示された「ポンプ本体KRS−6」と実質的に同型式の真空ポンプの取引があったことを充分推認させるものである。

また、同資料2は、当該乙第7号証及び乙第8号証に示された一倉製本所及び有限会社ニセコ製本宛、通常使用権者の納品に係る「ブロアーモーターN−5TL」の取引(仕入れ)書類とするもので、(a)送風機製造メーカー,淀川電気製作所株式会社の販売代理店である東海商事株式会社の作成の平成10年3月2日付納品書、(b)同納入取引開始及び納入実績を説明した書面から構成される資料であって、これによれば、必ずしも個々の当該取引状況を充分に明らかにしたものとはいえないまでも、上記(a)及び(b)の書面よりして、平成10年当時、通常使用権者と販売代理店東海商事株式会社との間において、型式「N−5TL」とする送風機の取引があったことが充分窺われる。

5.以上の乙各号証及び各資料によれば、本件商標の使用に係る「ポンプ」はもとより、同じく「ブロアーモーター(送風機)」はそれ自体、単体の商品として、例えば、製本機械とは別個、独立して流通に供される商品とみるのが相当であるから、これら商品は、いずれも本件商標の指定商品中の「風水力機械器具」に所属するものといわなければならない。そして、本件商標は、我が国において、その通常使用権者であるピービーエム株式会社により、本件審判請求の登録日(平成10年8月5日)前3年以内に、取消請求に係る指定商品「風水力機械器具」に包含される「ポンプ、送風機」について、使用されているものといわざるを得ない。

してみると、被請求人は、本件商標を本件審判の取消対象商品について所定の時期において使用していたことを主張、立証し得たものというべきである。

請求人は、被請求人の平成11年3月8日付第2回答弁書並びに当庁より発した平成11年6月18日付審尋書写し、同11年8月11日付回答書に対し、何ら弁駁又は意見を述べていない。

してみれば、本件商標は、商標法第50条の規定により、本件取消請求に係る指定商品について、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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