結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30065号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1369604号商標(以下「本件商標」という。)は、別記に示すとおりの構成よりなり、昭和50年10月23日登録出願、第30類「菓子」を指定商品として同54年1月30日に登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は本件商標の指定商品「菓子」についての登録を取り消すとの審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証の1、2ないし同第3号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者により継続して3年以上日本国内において上記商品について使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
イ 乙第1号証は、被請求人本人の証明書であり、また通常使用権者の代表者も、乙第2号証に示すように被請求人本人であるから、被請求人と通常使用権者とは直接的な利害関係があり、通常使用権者が本件商標を使用しているとする被請求人の証明にはその証拠能力の点で疑問があること、又、この証明書には本件商標の使用態様等を示すものが何ら添付されていないので、通常使用権者が本件商標を使用しているとする証拠として認めることはできない。
ロ 乙第3号証ないし同第7号証及び同第13号証ないし同第16号証に表されている暖簾は、単に店内の装飾的効果ないし意匠的効果を目的として用いられているものであって、本件商標の「菓子」についての使用とは認められない。
ハ 乙第8号証ないし同第10号証の制服に付されている「會」の表示は、商標法に規定される標章の使用の概念に該当するものでないことは明らかである。
ニ 乙第11号証及び同第12号証の写真には本件商標が刻印された商品「最中」が写っている。しかし、その撮影年月日は平成10年9月17日で審判請求登録後のものであり、審判請求登録前3年以内の使用こついての証明にはならない。
また、被請求人は、本品は予約注文販売のため、カタログには掲載していない旨記載している。しかし、一般的にみて、たとえ予約注文の商品であっても商品カタログには掲載し、その中で例えば「要予約」等の注意書きをして消費者の予約を受付けるのが普通であり、乙第6号証のカタログ(会津葵菓譜)についてみても、例えば「麟閣」及び「麟閣セット」の商品については「要予約」の注意書きが添えてある。したがって、「最中」が予約注文販売の商品であるとの理由から商品カタログに掲載していない旨の主張は信頼するに値しないものであり、商品カタログには本件商標を付した指定商品が掲載されていないのであるから、その様な商品は存在していないとみるのが一般的通念と言えるものである。更に、被請求人は、乙第11号証及び同第12号証のような使用状態で10数年来本件商標を使用してきたと主張しているが、その客観的な証明は何もなされておらず、この主張には疑問がある。すなわち、通常使用権者から「最中のかわ」の製造を依頼されてきた「最中種業者」(会津若松市金川町14番30号在、鈴木重男)は、ここ10年ぐらい同社の「會の最中のかわ」は製造していない、と証言している(甲第2号証)
以上、乙第1号証ないし同第16号証はいずれも、本件審判請求登録前3年以内に、本件商標を指定商品「菓子」に使用した証明とはなり得ないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、要旨次のように主張し、証拠方法として乙第1号証ないし同第32号証を提出し、五十嵐大祐の証人尋問を申請した。
イ 本件商標は、出願後継続して現在迄被請求人が代表取締役として経営してきた株式会社会津葵(「以下、「通常使用権者」という。)に通常使用権を許諾して使用してきたものである。
ロ 本件商標の使用に係る商品は通常使用権者の目的である最中などの「和菓子」のすべてであって、その製造ならびに販売に際し使用してきた(乙第1号証、同第2号証)。
ハ 本件商標は、昭和54年2月頃から使用を開始し、現在まで通常使用権者の商品「最中」菓子現品の表面と裏面に刻印して使用してきた(乙第11号証、同第12号証、同第19号証)。本商品「最中」は茶会用として製造販売したため通常使用権者のカタログ会津葵菓譜(乙第6号証)には掲載せず、販売してきたものである。
また、通常使用権者は、10数年来、店舗店員、工場従業員らの制服に本件商標「會」を付して使用している(乙第8号証ないし同第10号証、同第20号証ないし同第26号証)ほか、通常使用権者の本店、中央店、シルクロード文明館店において暖簾または看板として使用してきている(乙第4号証、同第5号証、同第7号証、同第17号証、同第18号証)。
上記シルクロード文明館店は、平成4年4月18日新築の登記がなされ現在に至っているが、同館南正門入口アーチ上部に黒御影石に使用している本件商標「會」印は開館時のまま現在に至っているものである(乙第7号証、同第14号証ないし同第18号証)。
さらに、菓子「最中」が販売されており、売買の事実について立証する(乙第19号証、同第32号証)。
そこで、被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証ないし同第32号証および口頭審理による証人の証言によれば、被請求人は株式会社会津葵の代表取締役であり、同社の目的が和菓子の製造販売等であること(乙第2号証)、そして、同第1号証の「登録商標の使用証明書」と題する書面によれば、被請求人は株式会社会津葵に通常使用権を許諾していたことを認めることができる。そして、同社は本店の他、中央店、シルクロード文明店において、それぞれ菓子の製造あるいは販売をしているものと認めることができる。
乙第3号証ないし同第5号証は通常使権者に係る店舗に掲げられた暖簾の写真を掲載した雑誌又は平成8年の年賀状と認められるものであるところ、これら乙号証によれば、本件商標と社会通念上同一の範囲内にあると認められる「會」の文字が暖簾に染め抜かれていること、また、同第7号証および同第16号証ないし同第18号証によれば、平成4年8月に開店したシルクロード文明館店の入口アーチ上部に、開店以来同様の文字が刻まれていることを認めることができる。
してみると、被請求人提出の上記乙各号証に係る暖簾に表示された「會」の文字及びシルクロード文明館の入口アーチ上部に刻まれた「會」の文字は、通常使用権者である株式会社会津葵が自己の取り扱いに係る商品「菓子」について、広告として使用しているものとみることができる。
これに対して、請求人は、乙第3号証等に表されている暖簾は、単に店内の装飾的効果ないし意匠的効果を目的として用いられているものであって、本件商標の「菓子」についての使用とは認められない旨主張する。
しかしながら、「暖簾」は、元々商店の軒先や出入り口にたらし、屋号などを染め抜いてある布を、また、「看板」は、商家で、屋号・職業・売品などを人目に付くように記してかかげたものをいい、共にその表示によって、店で販売する商品等を需要者等に端的に理解させるために用いられてきたものといえる。そうとすれば、「暖簾」ないし「看板」は、商標法第2条第3項において規定する広告に当たるものといえる。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品「菓子」に使用されていたものであり、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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