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Trademark Appeal Case

商標の構成要素の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−19248(T2008−19248/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「チーズの串揚げ,肉の串揚げ,水産物の串揚げ,野菜の串揚げ,果実の串揚げ,卵の串揚げ」、第30類「もちの串揚げ,その他の穀物の串揚げ,調理済みの串揚げ ,串揚げ用のソース,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、平成19年4月18日に登録出願された。

その後、指定商品及び指定役務については、原審における、同年12月10日付け及び同20年3月13日付け手続補正書により補正され、さらに、当審において同年11月21日付け手続補正書により指定商品及び指定役務の補正が行われた結果、最終的に、第43類「串揚げ料理の提供」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定の拒絶理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(9)のとおりである。

(1)登録第332030号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和15年1月6日登録出願され、第47類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同年6月19日に設定登録され、その後、4度に亘り、商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成12年11月1日に第29類、第30類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がされたものである。

(2)登録第2053964号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、昭和59年4月9日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同63年6月24日に設定登録され、その後、平成10年5月19日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(3)登録第3238550号商標(以下、「引用商標3」という。)は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成4年9月28日に特例出願として登録出願され、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として同8年12月25日に設定登録され、その後、同18年11月28日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(4)登録第3295076号商標(以下、「引用商標4」という。)は、別掲5のとおりの構成よりなり、平成4年9月28日に特例出願として登録出願され、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として同9年4月25日に設定登録され、その後、同18年12月5日に、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(5)登録第4595576号商標(以下、「引用商標5」という。)は、「だるま」の平仮名文字と「達磨」の文字を上下二段に表してなり、平成13年11月8日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同14年8月16日に設定登録されたものである。

(6)登録第4976017号商標(以下、「引用商標6」という。)は、「ダルマ」の文字を標準文字で表してなり、平成17年11月7日に登録出願され、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同18年8月4日に設定登録されたものである。

(7)商標登録出願2006−106796号(以下、「引用商標7」という。)は、別掲6のとおりの構成よりなり、平成18年11月2日に、第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたが、同20年3月7日に拒絶査定が確定したものである。

(8)登録第5104977号商標(以下、「引用商標8」という。)は、「ダルマ」の片仮名文字を表してなり、平成19年3月17日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同20年1月18日に設定登録されたものである。

(9)登録第5104978号商標(以下、「引用商標9」という。)は、「だるま」の平仮名文字を表してなり、平成19年3月17日に登録出願され、第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同20年1月18日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標の指定商品及び指定役務が、上記1のとおり補正された結果、引用商標1、2、5、6、8及び9の指定商品とは類似しないものになったと認められる。また、引用商標7は、拒絶査定が確定したものである。

したがって、本願商標は、原査定の拒絶の理由における引用商標1、2及び5ないし9とは抵触しないものとなったため、当該引用商標についての拒絶の理由は解消した。

(2)本願商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、構成中「創業昭和四年」「大阪新世界」「元祖串かつ」の部分は、その指定役務との関係において、それぞれ「創業が昭和四年であること」、「大阪府の歓楽街として有名な新世界地域において提供していること」、「串かつの創始者である」という、役務の提供の開始時期、提供の場所、役務の質等を表したものと認識されるに止まり、自他役務の識別標識として機能し得るのは、「だるま」の平仮名文字部分とその左側に書された図形部分というべきであるところ、当該文字部分と図形部分は、常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情は有さないものである。

してみれば、「だるま」の文字部分より、「達磨」の観念及び「ダルマ」の称呼を生ずるものとするのが相当である。

引用商標3は、上記2の(3)のとおりの構成よりなるところ、構成中「しゃぶしゃぶ炉懐石」の語は「提供される役務の質」を表す語であり、また、「だる磨」の文字の左側に記された図形は「落款」をイメージした単なる装飾的・付記的図形と理解されるとみるのが妥当であるから、自他役務の識別標識として機能するのは、中央に大きく記された「だる磨」の文字部分にあり、該文字部分より、「達磨」の観念及び「ダルマ」の称呼を生ずるものとするのが相当である。

引用商標4は、上記2の(4)のとおりの構成よりなるところ、図形部分と「株式会社だるま」の文字部分とは常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情は有さないものである。そして、該図形部分は黒地四角形内に「達磨」とおぼしき図形と「DARUMA」の文字が白抜きで表されたものである。また、「株式会社だるま」の部分は、その構成中、「株式会社」の文字は法人格を表す語として商号中に使用される語であるから、自他役務の識別標識として機能を果たすのは「だるま」の文字部分にある。そうとすると、当該図形、「DARUMA」及び「だるま」の文字部分より、「達磨」の観念及び「ダルマ」の称呼が生ずるものとするのが相当である。

そこで、本願商標と引用商標3及び4との類否について検討すると、本願商標と引用商標3及び4は、いずれも「達磨」の観念を生じ、「ダルマ」の称呼を生ずるものであるから、外観の違いを考慮したとしても、観念及び称呼において類似する商標といわなければならない。

そして、本願の指定役務が、引用商標3及び4の指定役務に包含されていることは明らかである。

(3)請求人の主張について

(ア)請求人は、「『だるま』が、我が国では、商売繁盛、開運出世の縁起ものとして喜ばれており、特に、飲食店(料理店)の店舗名として相当数使用され、該業界の分野では、『だるま』の語を含む商標が好んで選択、使用されているという取引の実情があるため、『だるま』の文字は、料理店・食料品の自他商品・役務の識別力が弱い」旨主張し、証拠資料として、原審における、平成20年3月14日付け手続補足書(以下、「原審資料2」という。)を援用して、甲第1号証ないし甲第16号証を提出している。

そこで、各号証をみると、甲第1号証ないし甲第10号証で示された「飲食店(料理店)」においては、「だるま」の文字、又は「達磨」を模したとおぼしき標章が使用されているという事実は認められる。

また、甲第11号証は、「だるま」及び「ダルマ」等、同意の文字を含む過去の登録例及び出願例が列挙されているが、挙げられた124例中には、例えば、「雪だるま」のように、本件にかかる、単なる「だるま」とは、全く別の観念が生じる例、及び、本願指定役務と無関係な商品又は役務を指定したものが多数含まれており、本願指定役務「串揚げ料理の提供」及びこれに類似する役務を指定し、「だるま」の称呼又は観念を生じる例は、本願を含め、わずか4件にすぎない(甲第11号証中の項番81、113、114、115)。

そうとすれば、これらの証拠をもって、直ちに、当業界において、「だるま」或いは「達磨」、「ダルマ」の文字が指定役務を提供する業界において使用された結果、自他役務の識別力が弱いと理解されるに至っているものとはいい難いというのが相当である。

してみれば、本願商標の構成中「だるま」の文字は、自他役務の識別標識として十分に機能するというべきであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

さらに、請求人は、原審資料2及び当審における同20年9月26日付け手続補足書における登録例を示して本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、これらの事例は、本願商標とは商標の具体的構成が相違し、事案を異にするものであるから、上記判断に影響を及ぼすものではない。

(イ)請求人は、原審における平成19年12月10日付け手続補足書(以下、「原審資料1」という。)として提出した甲第2号証ないし甲第13号証の援用及び当審において甲第3号証を提出し、本願商標の周知性について主張しているが、その内容の多くは、自身のインターネットホームページや新聞、雑誌等に掲載された記事であって、指定役務に関する売上高・地域等に関する、周知度を測る具体的な資料は、原審資料1の甲第3号証の記事中に、「月商1000万円を売り上げ・・・」の記載と、当審資料甲第3号証の「店舗名」(8店中、大阪市浪速区3店と大阪市中央区3店、姫路市1店であり、極狭い地域での営業地域。浜松店は平成20年2月28日閉店。)の記載のみであり、これらの証拠からは、本願商標が、使用により自他役務の識別標識として認識されるに至ったものとは認められない。

(ウ)請求人は、平成20年12月1日付け審尋に対する回答書において、原査定において拒絶の理由に引用した商標は、引用商標6のみである旨述べているが、当該審尋は、本願商標は、原審における拒絶の理由のうち、引用商標3及び4と類似し、かつ、指定役務も類似するから商標法第4条第1項第11号に該当する趣旨の拒絶の理由を再度示したものであり、本願商標が引用商標3及び4と類似し、同法同条同項に該当することは前記(2)のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。

(4)したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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