結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300532(T2008−300532/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4551257号商標(以下「本件商標」という。)は、「pure style」及び「ピュアスタイル」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年3月23日に登録出願され、第20類「家具」を指定商品として同14年3月15日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第3号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)請求の理由
被請求人の所有する本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、調査したところ、権利者サンメイト有限会社は原簿記載の住所地に存在しないと思われ、また、NTT電話帳によると「サンメイト有限会社」は存在しない。
(2)弁駁の理由
(ア)被請求人は、丸田木工株式会社(以下「丸田木工」という。)に対して本件商標の商標権について使用許諾し、丸田木工が本件商標を使用していると、主張している。
しかしながら、丸田木工の使用は、「商標の使用はいえず、本件商標の登録は取り消されるべきである。
(イ)商標法は、「・・・商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的・・・」とし(第1条)、この法目的を達成するために、自他商品識別機能を備えた商標であることを登録要件として要求している(第3条)。換言すれば、商標を自他商品識別機能が発揮し得るように使用することによって、その商標に業務上の信用が蓄積するのである。すなわち、商標法上の「商標の使用」といい得るのは、自他商品識別機能を発揮し得るように商標を使用することであり、業務上の信用が蓄積するように商標を使用することである。
(ウ)被請求人は、乙第2号証を提出するが、「青い木の葉の図形を背景に『pure style』の標章を記載したラベル」は家具(たんす)の開き戸の奥に「品質表示」のラベルとともに貼付されている。通常、需要者が見ることを意識しない箇所、或いは見ることができない箇所に商標を貼付したのでは商標の本質的機能である識別機能が発揮されない。すなわち、当該ラベルは、「商標」として使用するものではない。
乙第4号証に「pure style」の標章を含むラベルの実物が提出されているが、このラベルには、「pure style」の標章とともに、「F★★★★認定塗料」、「シックハウス対策」、「塗膜は、食品衛生法基準に適合しています」、「SAFTY WALTZ」が箇条書きされている。すなわち、乙第4号証のラベルは、「シックハウス対策が施された家具であることを示すためのラベル」であり、それを表すために「青い木の葉の図形を背景に『pure style』と表した標章」が用いられているのである。これは自他商品識別機能を発揮、すなわち、自社の商品と他社の商品とを識別するために使用しているのではない。
被請求人の提出に係る乙第3号証によれば、四角の枠組みの中に「環境対応型家具」と記載し、説明文と共に乙第4号証のラベルを示していることから、「pure style」の標章を含むラベルは、「環境対応型家具」であることを示すためのものである。この点については、さらに後述する。
(エ)乙第3号証において「商標」といえるのは「LALIQUE〜ラリック〜」又は「『nn』から成り、全体としてmをイメージするマーク」であって、「環境対応型家具」でも「pure style」の標章を含むラベルでもない。
被請求人が使用許諾する丸田木工のホームページの1部のコピー及びパンフレットのコピー(甲第1ないし第3号証)を提出する。
(a)甲第1号証は、同ホームページの「製品案内1」であり、「Cecile・セシル」、「Nature・ナチュレ」、「maze・メイズ」、「Noosa・ヌーサ」等々の標章が掲載されている。「Cecile・セシル」の画面をクリックして現れた画面のコピーが甲第1号証の1であり、「Nature・ナチュレ」の画面をクリックして現れた画面のコピーが甲第1号証の2である。「Cecile・セシル」及び「Nature・ナチュレ」のいずれにも「pure style」の標章を含むラベルが掲載されているが、「環境対応型家具」であることを示すためのものとして掲載されている。かかる表示から明らかに、「Cecile・セシル」と称する商品シリーズ、及び「Nature・ナチュレ」と称する商品シリーズとして使用されていることから、「商標」といえるのは、「Cecile・セシル」及び「Nature・ナチュレ」であって、それ以外には存在しない。
(b)甲第2号証は、丸田木工のパンフレットのコピーである。かかるパンフレットにおいて、商標として機能しているのは「Nature・ナチュレ」であり、あるいは「『nn』から成り、全体としてmをイメージするマーク」である。かかるパンフレットにおいても「pure style」の標章を含むラベルが掲載されているが、「環境対応型家具」であることを示すためのものとして掲載されている。
(c)甲第3号証は、被請求人が使用許諾する対象外の株式会社河口家具製作所(以下「河口家具」という。)のカタログのコピーである。同カタログには、「ピュアースタイル」の項目に、青い木の葉の図形を背景に「pure style/ピュアースタイル」が掲載され、「シックハウス問題に係わるトルエン・キシレン・ホルムアルデヒドを含まないエコF★★★★(ウレタン)塗料です。」との記載がある。
(d)この事実から判断して、「青い木の葉の図形を背景に『pure style』と表した標章」は、被請求人が使用許諾する丸田木工のみが用いているのではなく、複数の企業が「シックハウス問題に係わるトルエン・キシレン・ホルムアルデヒドを含まないF★★★★(ウレタン)塗料を用いて製造した家具であることを示す標章」として用いている。以上の使用の態様から判断して、「pure style」は、被請求人あるいは当該被請求人から使用許諾を受けた丸田木工が自己の商品と他人の商品とを識別するための標識として用いているものではなく、商標法上の「商標」あるいは「商標の使用」に該当しない。
(オ)したがって、被請求人及び当該被請求人から使用許諾を受けた丸田木工による使用は、「登録商標の使用」に該当するものではなく、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証を提出している。
(1)本件商標は、以下に証明するとおり、継続して3年以上、商品「家具」について使用しており、また、本件商標の権利者「サンメイト有限会社」は実在する会社である。
(2)本件商標の使用の事実の証明
(ア)被請求人は、平成14年3月15日付けで、福岡県大川市大字小保所在の丸田木工に対して、本件商標の使用を許諾し(乙第1号証)、丸田木工は、乙第2及び第3号証によって証明されるように、同社のショールーム等にて、本件商標が印刷されたラベルをその指定商品「家具」に貼付して使用している。
具体的な製品やショールーム等の情報は、丸田木工のホームページを参照されたい(http://maruta-m.co.jp/)。
なお、ラベルの現物を、乙第4号証として提出する。
(イ)乙第2ないし第4号証で確認できる商標は、英文字の「pure style」のみであるが、これは社会通念上、上記本件商標の使用の範疇に属する使用態様である。
乙第2号証に添付されている2枚の写真(乙第2号証の1及び2)に見られるように、本件商標が印刷されたラベルは、商品「家具」の内側に直接貼付されてあり、商品は当該ラベルを貼付した状態で流通されている。これにより、本件商標は指定商品「家具」について確かに使用されている事実を証明することができる。
(ウ)上記写真を参照するに、当該ラベルと共に貼付されているもう一枚のラベルに印刷されている文字は「桐」であり、これは家具の品質を表示しているに過ぎないから識別力はない。よって、これら2枚のラベルのうち、自他商品識別力を有するのは、本件商標が印刷されたラベルだけである。
(エ)なお、このラベルは、上記丸田木工のホームページの「製品案内」から開くことのできる各家具の紹介ページの下端右側に表示されているように、a)構造上必要な部分には低ホルムアルデヒド素材が使用され、b)接着剤にはノンホルマリンのボンドが使用され、c)塗料はトルエン、キシレン、ホルマリンを含まないセーフティウレタン塗料で、塗膜は食品衛生基準に適合していることを特徴とする「環境対応型家具」であることを保障するものであることが理解できる。すなわち、このラベルが貼付されている家具は、されていない家具と区別されて需要者に認識される。
よって、上記ラベルに記載されている本件商標は、商品識別機能を有する商標として機能しているといえる。
(オ)以上のとおり、被請求人が本件商標の使用を許諾した丸田木工は、本件商標を指定商品「家具」について使用していることは明らかである。
(3)本件商標の権利者について
請求人は、本件商標の権利者であるサンメイト有限会社は存在しないと主張されているが、同社の登記簿謄本を乙第5号証として提出することにより、上記権利者が実在する会社であることを証明する。
同謄本の「目的」の欄に、「家具の販売」は明記されていないが、これは、「10.前各号に附帯又は関連する一切の業務」に含まれるものと理解することができる。すなわち、上記「目的」の欄の「3.塗料及び塗料原料の販売」に附帯する業務として、「トルエン、キシレン、ホルマリンを含まないセーフティウレタン塗料であって、塗膜は食品衛生基準に適合する塗料を塗布した家具の販売業務」として理解するのが相当と考える。
(4)結論
以上のとおり、本件商標の権利者が本件商標の使用を許諾した丸田木工は、本件審判の請求前3年以内はもとより、平成14年3月15日より継続して、本件商標をその指定商品について使用している。また、本件商標の権利者であるサンメイト有限会社は登記簿謄本に示すとおり実在する会社である。
したがって、本件審判の請求は成り立たない。
(1)被請求人及び請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第2号証の1及び2は、本件商標の使用権者と認められる丸田木工の取扱いに係る商品「家具」の一部を撮影した写真(その撮影日、撮影場所及び撮影者は不明)と認められるところ、該写真によれば、上記家具の扉を開いた内部の右側上部に大小3枚のラベルが貼付されていることが認められる。すなわち、その内の大きな1枚は、「たんす類の品質表示」の文字の下に、商品の寸法・外形、表面材、表面加工、取扱い上の注意等が記載されているものであり、その下部に並べて貼付された2枚の小さなラベルは、後掲の乙第4号証のラベルと同一のもの、及び「桐」の文字と図形を記載したもの(後掲「桐ラベル」)である。
(イ)乙第3号証及び甲第2号証は、丸田木工の商品カタログの写しと認められ、甲第1号証、甲第1号証の1及び2は、丸田木工のインターネットホームページの写しと認められるところ、上記商品カタログには、「LALIQUE〜ラリック〜」又は「Nature/ナチュレ」の表題の下に、たんす類の商品の写真が掲載され、各商品の大きさ、価格、構造、品質等が記載されているほか、商品とは別に表された四角枠内に「環境対応型家具」の表題の下に「1・当社の製品は構造上に必要な部品には低ホルムアルデヒドの素材を使用しています。(合板、パーティクルボードは『F☆☆☆』のものを使用しています。)2・接着剤にはノンホルマリンのボンドを使用しています。3・塗料は『F☆☆☆☆認定塗料』を使用しています。この塗料はシックハウスに係るホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の有機化学物質を配合せず、塗膜が食品衛生法、食品添加物の基準に適合するセーフティワルツ(安全型塗料)を使用しています。」(乙第3号証によれば。以下、同じ。)と記述されると共に後掲第4号証のラベルが掲載されている。また、上記(ア)の「桐」の文字と図形を記載したラベルと同様のラベルの写真が掲載され、「桐ラベル」として「桐材をふんだんに使用している家具だけに貼ってあります。(桐材は通気性が良く、湿気が含まれると気密性が高くなり、衣類をカビや害虫から守ります。」との説明文が掲載されている。
そして、上記ホームページには、シリーズ商品毎の写真と各商品に対応した「Cecile・セシル」、「Nature・ナチュレ」、「maze・メイズ」、「Noosa・ヌーザ」、「LINK・リンク」、「Plum・プラム」等の表示がされており、さらに、「Cecile/セシル」の表題又は「Nature/ナチュレ」の表題の下には、それぞれに属する一群の商品の写真、価格、構造、品質等が掲載され、末尾部分の「環境対応型家具」の項に、上記と同内容の文章が記載されると共に後掲乙第4号証のラベルの写真が掲載されている。
(ウ)乙第4号証は、上記(ア)の写真並びに上記(イ)の商品カタログ及びホームページに掲載されたラベルの実物と認められるところ、該ラベルは、全体が楕円形であって、その上部3分の2程は緑色の輪郭線で表され、下部3分の1程は緑色で塗り潰されており、その中に、緑色の木の葉図形に重ねて表した「pure style」の文字をはじめ、「F★★★★認定塗料」、「シックハウス対策」、「塗膜は、食品衛生法基準に適合しています」及び「SAFTY WALTZ」の各文字が上方から順次数行にわたって表示されている。
(エ)甲第3号証は、河口家具の商品カタログの写しと認められるところ、商品の特長等を記載した各項目と並べて「ピュアースタイル」の項目が掲げられ、そこには、緑色の木の葉の図形に重ねて「pure style/ピュアースタイル」の文字を表わした構成からなる標章が表示されると共に「シックハウス問題に係わるトルエン・キシレン・ホルムアルデヒドを含まないエコF★★★★(ウレタン)塗料です。」との記述がされている。
(2)上記(1)の認定事実によれば、乙第4号証のラベルは、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の人体に有害な物質を含まない、いわゆるシックハウス対策の施された塗料を用いた商品であること、つまり、商品「家具」の品質を示すものであって、商品「家具」の自他商品識別のための標識とはいい難く、このラベルに表わされた「pure style」の文字は、「F★★★★認定塗料」、「塗膜は、食品衛生法基準に適合しています」の表示と相俟って、商品「塗料」の商標といえる余地があるとしても、家具について使用される商標ということはできない。
このことは、乙第2号証の1及び2の写真に見られるように、上記ラベルは、家具の通常見えない位置に、しかも品質表示ラベル及び商品の原材料を示すラベル(桐ラベル)と共に貼付されていること、被請求人の商品カタログ及びホームページには、「LALIQUE〜ラリック〜」、「Nature/ナチュレ」、「Cecile・セシル」、「maze・メイズ」、「Noosa・ヌーザ」、「LINK・リンク」、「Plum・プラム」等の表示が掲載されており、これらは家具の自他商品識別のための標識として機能しているといえるのに対し、上記ラベルは環境対応型家具であることの説明中に掲示されていること、被請求人とは無関係の他人である河口家具の商品カタログ(甲第3号証)においても「pure style/ピュアースタイル」の文字が用いられ、上記ラベルにおけると同様の説明がされていること、からも首肯し得るものである。
もとより、商標法第50条の適用上、指定商品について商標が使用されているというためには、自他商品の識別標識たる商標として使用されている必要があるものと解される。しかるに、乙第4号証のラベルは、上記のとおり、商品「家具」の自他商品識別標識として機能を果たし得ないものであるから、商品「家具」について商標として使用されているものとは認められない。
そして、本件商標と社会通念上同一といい得る標章は、乙第4号証のラベルに表示されたもの以外には一切見当たらない。
(3)以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人は、本件審判請求の登録の3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標をその指定商品について使用していることを証明したものとは認められない。また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められない。
その他、本件審判請求の登録の3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって、本件商標がその指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
(4)したがって、本件商標は、本件審判請求の登録の3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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