結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300851(T2008−300851/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1040205号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピノキオ」の片仮名文字を書してなり、昭和45年2月6日に登録出願、第21類「かばん類、袋物」を指定商品として、昭和48年10月25日に設定登録され、その後3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成15年10月18日に指定商品を、第14類「貴金属製のがま口及び財布」及び第18類「かばん類,袋物」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
また、本件審判の請求の登録日は、平成20年7月31日である。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由として、被請求人は、本件商標を、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標の登録原簿(甲第1号証)に示すとおり、本件商標の指定商品についての専用使用権者は存在せず、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである旨主張している。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標の商標権者は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「巾着袋,手提げかばん」について、本件商標を使用している。
商標権者は、2008(平成20)年4月9日(水)から同月11日(金)までの間、自社主催の展示会(2008 AUTUMN AND WINTER BAG COLLECTION)を、自社(本社)ビル2階の展示室において開催した。この展示会において、商品「巾着袋、手提げかばん」を展示し、これに商標「ピノキオ」を使用した。この展示会後には、実際に商取引も行われた。
(1)乙第1号証は、上記展示会の開催を示す証拠の一であり、開催前に顧客に郵送した案内状(葉書)である。
案内状は裏面に、「2008/AUTUMN AND WINTER/BAG COLLECTION」「★2008A/W 展示会のご案内★」「date 2008.4.9(wed)〜4.11(fri)」「time a.m.9:00〜p.m.5:00」「place マルヨシ本社2F 展示室」の案内文及び展示会場の地図を表示してある。
(2)乙第2号証は、上記展示会(2008 AUTUMN AND WINTER BAG COLLECTION)で権利者が配布したカタログであり、商標「ピノキオ」及び「pinocchio」を商品「巾着袋、手提げかばん」に使用した事実を証明する。
本カタログは全28頁からなるため、その一部(表紙、第1頁、第21ないし24頁、第28頁)の写しを添付する。
本カタログの表紙には「2008/AUTUMN AND WINTER/BAG COLLECTION」「date 2008.4.9(wed)〜4.11(fri)」「MARUYOSHI CO.,LTD」の文字を表示してある。第21頁には、上部中央に「ピノキオコットンキルトシリーズ」の商標を、その下に一覧表で示した巾着袋、手提げかばんなどのピノキオ商品群の総称として表示してある。「コットンキルトシリーズ」は品質表示であるので、商標は「ピノキオ」である。
この総称表示の下の一覧表はデザインごとに分け、各表のはじめにデザインの種類を示した「音符」「タータンチェック」の文字をデザインタイトルとして表示し、各表内には対応するデザインを表した巾着袋、手提げかばんなどの写真を羅列して示し、表内のはじめの枠内にこれら商品の商標「pinocchio」を表示してある。この商標「pinocchio」は称呼、観念において「ピノキオ」と同一であり、カタカナの「ピノキオ」をローマ字で表記すれば「pinocchio」であり、ローマ字「pinocchio」は「ピノキオ」そのものを示す以外の表示はないのであるから、両表示は実質的に同一性を有し、社会通念上同一と認められるものであり、商標「pinocchio」の使用は、商標「ピノキオ」の使用であると認められるものである。
第22頁には、中央上部に総称として商標「ピノキオコットンキルトシリーズ」を表示し、第21頁の続き頁の態様で、デザインタイトル「フラワー」、「ギンガムチェック」の文字の下に各一覧表を配し、各表内には巾着袋、手提げかばんなどの商品を写真で示し、表内のはじめに商標「pinocchio」の文字を表示してある。これも前記同様に、本件商標の使用である。
(3)乙第3号証は、(1)記載の展示会において設けた「ピノキオコットンキルトシリーズ」コーナーの写真(撮影者:TS 住所 東京都文京区千駄木3丁目48番5号株式会社マルヨシ内/撮影日 平成20年4月9日)である。乙第2号証カタログの第21、22頁掲載の商品が展示されている。
(4)乙第4号証の1及び2は、2008(平成20)年6月18日付で、斉藤サンエス株式会社(東京都台東区浅草橋1−4−4)が権利者に対してファクシミリで発注した商品発注書である。本件商標に係る商品が実際に商取引された事実を証明する。
発注書の斉藤サンエス株式会社名の下方に「発行者O」とあるのは、担当発行者が斉藤サンエス株式会社営業課長OHであることを示している。Oは本展示会に出席している(乙第6号証)。
乙第4号証の1は発注書2部の内の1部であり、左端に発信日時と発信元が印字されているとおり、「2008年6月18日 7時24分 斎藤サンエス 本社」の発注を示す。「ピノキオコットンキルトシリーズ」の「ギンガムチェック」4種類(品番OP5−500[数量400],OP5−750[数量200],OP5−1200[数量200],OP5−1700[数量200])が発注された。
乙第4号証の2は、同様に左端に発信日時と発信元が印字されているとおり、「2008年6月18日 7時29分 斎藤サンエス 本社」からの再FAXによる発注書であり、同シリーズ「音符(ブラック)」5種類(品番OP−400[数量600],OP−600[数量300],OP−1000[数量300],OP−1300[数量200],OP−1500[数量300])が発注された。
(5)乙第5号証は、産業通信株式会社(東京都中央区日本橋小伝馬町18−1)が毎月2回(1日・15日)発行している新聞「Bagazine」であって、平成20年5月1日発行のものである。原本全14頁のものの第1頁、第8頁、第14頁の写しを添付した。上記展示会が開催された事実を立証し、商品「巾着袋、手提げかばん」に商標「ピノキオ」が使用された事実を立証する。
上記新聞の第8頁の右過半部に前記展示会の記事が掲載されている。また、第6欄第2段落に「マルヨシオリジナルの商材としてコットンキルトの「ピノキオ」シリーズも発表。音符やフラワー、チェックといった柄の巾着やシューズ入れ、レッスンバッグを展開している。」ことが示されており、本件商標を商品「巾着袋、手提げかばん」に使用していることが示されている。その右側にこれらの商品が展示されている写真も掲載されている。
(6)乙第6号証は、斉藤サンエス株式会社営業課長OHによる証明書である。商標権者が乙第1号証の案内状を郵送して本展示会を案内したこと、本展示会に平成20年4月11日に実際に出席したこと、その際に乙第2号証の営業用カタログを受領したこと、本展示会において乙第3号証の写真のように「ピノキオコットンキルトシリーズ」の各商品が展示されていたこと、その後乙第4号証により商品を注文したことを証明したものである。
(7)乙第7号証の1ないし2は、上記展示会に出席した顧客株式会社松野営業部長WJ及びタニイ株式会社専務取締役TTによる証明書であり、商標権者が乙第1号証の案内状を郵送して本展示会を案内したこと、本展示会に出席したこと、その際に乙第2号証の営業用カタログを受領したこと、本展示会において乙第3号証の写真のように「ピノキオコットンキルトシリーズ」の各商品が展示されていたことを証明したものである。
以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品中「巾着袋,手提げかばん」について使用していることが明らかである。
請求人は、被請求人の答弁に対し弁駁していない。
(1)乙第2号証は、商標権者が発行した営業用カタログの写しと認められるところ、第21頁には、「ピノキオコットンシリーズ」の文字、「音符」の文字、「pinocchio」の文字、表面に音符がデザインされている商品「巾着袋」の写真、その品番として「OP−400」及び「OP−600」の文字並びに同じデザインの商品「手提げかばん」の写真、その品番として「OP−1000」、「OP−1300」及び「OP−1500」の文字が記載されている。また、第21頁には、「上代」、「サイズ」、「JANコード」等も記載されている。
(2)乙第4号証の2は、斉藤サンエス(株)から商標権者への商品発注書の写しと認められるところ、「発注日08年6月18日」、品番「OP−400」は数量が600であること、品番「OP−600」は数量が300であること、品番「OP−1000」は数量が300であること、品番「OP−1300」は数量が200であること、品番「OP−1500」は数量が200であること、品名「音符」及びファクシミリの発信日時及び発信元として「2008年6月18日 7時29分 斎藤サンエス 本社」の文字が記載されている。
(1)乙第2号証の第21頁及び乙第4号証の2によれば、斉藤サンエス(株)は、2008年6月18日に商標権者に対し、表面に音符がデザインされている品番が「OP−400」及び「OP−600」の「巾着袋」を発注したものと認めることができる。また、斉藤サンエス(株)は、同日に商標権者に対し、表面に音符と鍵盤がデザインされている品番が「OP−1000」、「OP−1300」及び「OP−1500」の「手提げかばん」を発注したものと認めることができる。
(2)乙第2号証の第21頁に記載されている「ピノキオコットンキルトシリーズ」の文字中の「コットンキルトシリーズ」の文字は、商品の原材料、品質等を表す語であるから、該文字中、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、「ピノキオ」の文字部分にあるものとみるのが相当であり、「ピノキオ」の文字部分は、本件商標と同一の文字からなるものと認められる。
また、株式会社岩波書店が発行した広辞苑第五版によれば、乙第2号証の第21頁に記載されている「pinocchio」の文字は、「ピノキオ」の称呼及び「童話『ピノッキオの冒険』の主人公」の観念を生ずる。
そうとすれば、本件商標と「pinocchio」の文字とは、片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標であり、社会通念上同一の商標と認められる。
乙第2号証及び乙第4号証の2によれば、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者が指定商品中「かばん類,袋物」に属する「手提げかばん,巾着袋」について、本件商標を使用していたものと認めることができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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