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Trademark Appeal Case

商標不使用取消と使用態様

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300853(T2008−300853/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1341286号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1341286号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和48年1月31日に登録出願、第21類「かばん類、袋物、造花、化粧用具」を指定商品として、同53年8月25日に設定登録され、その後、同63年8月24日、平成10年7月7日及び同20年6月10日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同年7月2日に指定商品を第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(『電気式歯ブラシ』を除く。)」及び第26類「造花(『造花の花輪』を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする書換登録がされているものである。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。

被請求人は、本件商標を、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第7号証(枝番を含む。)を提出している。

1 本件商標の商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に我が国において、その請求に係る指定商品中「巾着袋,手提げかばん」について、本件商標を使用している。

2 証拠の説明

(1)商標権者は、2008(平成20)年4月9日(水)から同月11日(金)までの間、自社主催の展示会(2008 AUTUMN AND WINTER BAG COLLECTION)を、自社(本社)ビル2階の展示室において開催し、商品「巾着袋、手提げかばん」 を展示し、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ピノキオ」及び「pinocchio」を使用した。この展示会後には、実際に商取引も行われた。

(2)乙第1号証は、上記展示会の開催を示す証拠の一であり、開催前に顧客に郵送した案内状(葉書)である。

この案内状は、裏面に、「2008/AUTUMN AND WINTER/BAG COLLECTION」、「★2008 A/W 展示会のご案内★」、「date 2008.4.9(wed)〜4.11(fri)」、「time a.m.9:00〜p.m.5:00」、「place マルヨシ本社2F 展示室」の案内文及び展示会場の地図を表示してある。

(3)乙第2号証は、上記展示会(2008 AUTUMN AND WINTER BAG COLLECTION)で権利者が配布したカタログであり、商標「ピノキオ」及び「pinocchio」を商品「巾着袋、手提げかばん」に使用した事実を証明する。

上記カタログの表紙には、「2008/AUTUMN AND WINTER/BAG COLLECTION」、「date 2008.4.9(wed)〜4.11(fri)」及び「MARUYOSHI CO.,LTD」の文字を表示してある。

第21頁には、上部中央に「ピノキオコットンキルトシリーズ」の商標を、その下に一覧表で示した巾着袋、手提げかばんなどのピノキオ商品群の総称として表示してあり、「コットンキルトシリーズ」は品質表示であるので、商標は「ピノキオ」である。

「ピノキオ」は、世界的に広く知られた童話「ピノキオの冒険」の主人公ピノキオの名称であり、本件商標の上段部分からは、この主人公ピノキオの観念が直ちに生ずるものである。また、この主人公ピノキオは、人間の男の子を模した木の人形であることから、本件商標の下段部分は、主人公ピノキオそのものを表す図形であって、この主人公の観念・称呼を直ちに生じさせることは明らかである。

よって、本件商標の上段部分と下段部分は、観念・称呼において同一であって、その上段部分のみの使用は、登録商標の使用と認められる。また、本件商標の上段部分と本使用態様は書体において相違するが、これは書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標に該当するものである。

したがって、商標「ピノキオ」の使用は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたと認めることができる。

この総称表示の下の一覧表は、デザインごとに分け、各表のはじめにデザインの種類を示した「音符」及び「タータンチェック」の文字をデザインタイトルとして表示し、各表内には対応するデザインを表した巾着袋、手提げかばんなどの写真を羅列して示し、表内のはじめの枠内にこれら商品の商標「pinocchio」を表示してある。この商標「pinocchio」は観念、称呼において本件商標の上段「ピノキオ」及び下段のピノキオ図形と同一である。両表示は上記と同旨で実質的に同一性を有し、商標「pinocchio」の使用は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたと認めることができる。

第22頁には、中央上部に総称として商標「ピノキオコットンキルトシリーズ」を表示し、第21頁の続き頁の態様で、デザインタイトル「フラワー」、「ギンガムチェック」の文字の下に各一覧表を配し、各表内には巾着袋、手提げかばんなどの商品を写真で示し、表内のはじめに商標「pinocchio」の文字を表示してあり、これも前記同様に、本件商標の使用である。

(4)乙第3号証は、上記展示会において設けた「ピノキオコットンキルトシリーズ」コーナーの写真(撮影者:徳田澄恵、場所:東京都文京区千駄木在、撮影日:平成20年4月9日)であり、カタログの第21及び第22頁掲載の商品が展示されていることがわかる。

(5)乙第4号証の1及び2は、2008(平成20)年6月18日付で、東京都台東区浅草橋在の斉藤サンエス株式会社(以下「斉藤サンエス」という。)が権利者に対してファクシミリで発注した商品発注書であり、本件商標に係る商品が実際に商取引された事実を証明する。

発注書の斉藤サンエス名の下方に「発行者 奥山」とあるのは、担当発行者が斉藤サンエスの営業課長奥山博であることを示しており、奥山は、本展示会に出席している(乙第6号証)。

乙第4号証の1は、発注書2部の内の1部であり、左端に発信日時と発信元が印字されているとおり、「2008年6月18日7時24分 斎藤サンエス 本社」の発注を示す。「ピノキオコットンキルトシリーズ」の「ギンガムチェック」4種類(品番OP5−500[数量400]、OP5−750[数量200]、OP5−1200[数量200]、OP5−1700[数量200])が発注された。

乙第4号証の2は、同様に左端に発信日時と発信元が印字されているとおり、「2008年6月18日7時29分 斎藤サンエス 本社」からの再ファクシミリによる発注書であり、同シリーズ「音符(ブラック)」5種類(品番OP−400[数量600]、OP−600[数量300]、OP−1000[数量300]、OP−1300[数量200]、OP−1500[数量300])が発注された。

(6)乙第5号証は、東京都中央区日本橋小伝馬町在の産業通信株式会社が毎月2回(1日・15日)発行している新聞「Bagazine」であって、平成20年5月1日発行のものである。原本全14頁のものの第1、第8及び第14頁の写しを添付した。これをもって、上記展示会が開催された事実を立証し、商品「巾着袋、手提げかばん」に商標「ピノキオ」が使用された事実を立証する。

上記新聞の第8頁の右過半部に上記展示会の記事が掲載されている。また、第6欄第2段落に、「マルヨシオリジナルの商材としてコットンキルトの『ピノキオ』シリーズも発表。音符やフラワー、チェックといった柄の巾着やシューズ入れ、レッスンバッグを展開している。」と記載されており、商標「ピノキオ」を商品「巾着袋、手提げかばん」に使用していることが示されている。その右側にこれらの商品が展示されている写真も掲載されており、これにより、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「ピノキオ」を使用していると認めることができる。

(7)乙第6号証は、斉藤サンエスの営業課長奥山博による証明書であって、商標権者が乙第1号証の案内状を郵送して上記展示会を案内したこと、上記展示会に平成20年4月11日に実際に出席したこと、その際に乙第2号証の営業用カタログを受領したこと、上記展示会において乙第3号証の写真のように「ピノキオコットンキルトシリーズ」の各商品が展示されていたこと、その後、乙第4号証により商品を注文したこと、を証明したものである。

(8)乙第7号証の1及び2は、上記展示会に出席した顧客株式会社松野営業部長渡辺純一及びタニイ株式会社専務取締役谷井匡孝による証明書であり、商標権者が乙第1号証の案内状を郵送して上記展示会を案内したこと、上記展示会に出席したこと、その際に乙第2号証の営業用カタログを受領したこと、上記展示会において乙第3号証の写真のように「ピノキオコットンキルトシリーズ」の各商品が展示されていたこと、を証明したものである。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により、その指定商品中の「巾着袋,手提げかばん」について使用されていることが明らかである。

よって、本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、被請求人による「2008 A/W 展示会」(以下「本件展示会」という。)の案内状の写しと認められるところ、該案内状には、「2008 AUTUMN AND WINTER BAG COLLECTION」として、本件展示会についての日付、時間、場所が記載されると共に会場の場所を示す地図が掲載されている。

(2)乙第2号証は、被請求人の発行に係る「2008 AUTUMN AND WINTER BAG COLLECTION」と題する商品カタログの写しと認められるところ、表紙に上記表題の下に「date 2008.4.9(wed)〜4.11(fri)」と記載されていることから、上記カタログは、本件展示会において頒布されたものと推認される。

そして、その第21及び第22頁には、「ピノキオコットンキルトシルーズ」の表題の下に、「音符」、「タータンチェック」、「フラワー」及び「ギンガムチェック」の各項が設けられ、「pinocchio」として各種「巾着袋」及び「手提げかばん」の写真が掲載され、それぞれに対応した品番、価格、サイズ、色等が記載されている。

(3)乙第3号証は、本件展示会における「ピノキオコットンキルトシルーズ」コーナーを撮影した写真と認められるところ、該写真によれば、上記(2)のカタログに掲載された商品と同様の商品が展示されていることが判る。

(4)乙第4号証の1及び2は、斉藤サンエスから被請求人宛の2008年6月18付け「商品発注書」の写しと認められるところ、その品番欄には「OP5−500」、「OP5−750」、「OP−400」、「OP−600」等と記載され、品名欄に「ギンガムチェック」又は「音符」と記載されているほか、サイズ・カラー、単価、数量の各欄にも記載がある。こららの品番及び品名は、上記(2)のカタログに掲載されたものと一致する。

(5)乙第5号証は、産業通信株式会社に係る2008年5月1日発行の新聞「Bagazine」の抜粋写しと認められるところ、その第8頁には、「来春の新作ランドセルを発表」、「オリジナルのシリーズも好評」、「マルヨシ 2008A/W展示会」の見出しの下に、被請求人が4月9〜11日の3日間、自社2階展示室において本件展示会を開催したことが報じられ、「・・・この他にも、マルヨシオリジナルの商材としてコットンキルトの『ピノキオ』シリーズも発表。音符やフラワー、チェックといった柄の巾着やシューズ入れ、レッスンバッグを展開している。」との記述があるほか、「マルヨシオリジナルの商材」として乙第3号証の写真と同様の写真が掲載されている。

(6)乙第6号証は、斉藤サンエスの担当課長による証明書の写しと認められるところ、その内容は、証明者が本件展示会に出席し、上記(2)のカタログを受領したこと、本件展示会では「ピノキオコットンキルトシルーズ」コーナーで商品が展示されていたこと、後日商品を発注したこと等を証明するものである。

(7)乙第7号証の1及び2は、本件展示会への出席者による証明書の写しと認められるところ、その内容は、証明者が本件展示会に出席し、上記(2)のカタログを受領したこと、本件展示会では「ピノキオコットンキルトシルーズ」コーナーで商品が展示されていたこと等を証明するものである。

2 上記1の認定事実によれば、被請求人は、2008年4月9日から同月11日までの間、自社ビル2階の展示室において本件展示会を開催し、商品カタログを頒布したこと、本件展示会では「ピノキオコットンキルトシルーズ」コーナーを設け、該商品カタログに掲載された商品を展示したこと、該商品カタログに掲載された商品が実際に頒布されたことが認められる。また、上記商品カタログには、商品「巾着袋、手提げかばん」が掲載され、それらについて「ピノキオコットンキルトシルーズ」及び「pinocchio」の文字が使用されていることが認められるところ、これらの文字は、被請求人の業務に係る商品「巾着袋、手提げかばん」を表示する商標といい得るものである。

そして、「ピノキオコットンキルトシルーズ」の文字については、「コットンキルトシリーズ」の文字部分が、「綿布」を意味する「コットン」の文字と、「さまざまな小布をあるデザインのもとに1枚の布に縫い合わせる手芸」を意味する「キルト」の文字に、「連続性を持つ一連の商品」の意味合いを認識させる「シリーズ」の文字とを結合したものであって、商品の品質、内容等を表示するものとして認識し把握されるというべきであるから、自他商品の識別標識としての要部は「ピノキオ」の文字部分ということができる。

3 ところで、本件商標は、別掲のとおり、文字及び図形から構成されるものであるところ、文字部分は、広く知られた童話「ピノキオの冒険」の主人公「ピノキオ」を意味する語として知られているとしても、図形部分は、一見して直ちに特定の名称を有する事物を表したものと認識し理解することができないものであり、一般世人がこれから上記童話の「ピノキオ」を常に想起、連想するものとはいい難く、親しまれた既成の観念を生ずるものとはいえない。

そうすると、本件商標における上記図形部分と文字部分とは、別異のものであって、常に同一の称呼及び観念を生ずるものとはいえず、両者が分離して表示された場合に、一方から他方を直ちに想起、連想するようなことはないというべきであり、両者を社会通念上同一のものとみることはできない。

4 しかるに、前示のとおり、被請求人の提出に係る証拠を精査しても、商品「巾着袋、手提げかばん」について使用されている商標は、「ピノキオコットンキルトシルーズ」又は「pinocchio」の文字のみであり、本件商標を構成する図形は何処にも見当たらない。

そして、「ピノキオ」と「pinocchio」が社会通念上同一といい得るとしても、本件商標の構成中の図形と「ピノキオ」の文字とは、上記3のとおり、社会通念上同一とはいえないものである。

そうすると、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標がその指定商品中「巾着袋、手提げかばん」について使用されているものと認めることはできない。

その他、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標がその指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。

5 以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ず、また、その使用がされていなかったことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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