sokuhyo

Trademark Appeal Case

他人名称商標の承諾要否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−19709(T2008−19709/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「末廣精工株式会社」の文字を横書きしてなり、第7類「チェーンソー並びにその部品及び附属品,その他の製材用・木工用又は合板用の機械器具,ヘッジトリマー,ヘッジトリマー用刃その他のヘッジトリマーの部品及び附属品,芝刈機並びにその部品及び附属品,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具」を指定商品として、平成19年6月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『末廣精工株式会社』の文字を横書きしてなるところ、大阪府堺市美原町木材通4丁目14−14所在の『末廣精工株式会社』(以下「引用会社」という。)という他人と同じ名称よりなるものであり、かつ、その者の承諾を得たものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法4条1項8号は、「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称」を含む商標について、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができないとするものであるが、この規定の趣旨は、人が、自らの承諾なしに、その肖像、氏名、名称等を商標に使われることがない人格的利益を有していることを前提として、このような人格的利益を保護することにあるものと解するのが相当である(最高裁平成17年7月22日判決・集民217号595頁)。そして、同号の適用に当たり、他人の氏名、名称等を含む商標について、当該他人の人格的利益を侵害するおそれのある具体的な事情が存在することは、著名性を要する雅号、芸名、筆名及び氏名、名称、雅号、芸名、筆名の各略称に関して、著名性の有無を判断する際の1要素となり得ることは格別、同号の規定上、人格的利益の侵害のおそれそれ自体が、独立した要件とされているものではない(平成20年(行ケ)第10142号、知財高裁平成20年9月17日判決言渡)。

(2)そこで、上記観点を踏まえて、本願商標について検討するに、本願商標は、前記1のとおり、「末廣精工株式会社」の文字を横書きしてなるところ、その表示態様からして、これは法人の名称を表示したものであること明らかである。

そして、当該名称と同一の名称からなる法人は、出願人以外にも原審が拒絶の理由で通知した引用会社が実在するところであり、当該引用会社が本願の商標登録出願時に存在していたことも、請求人の提出に係る引用会社の履歴事項全部証明書(甲第44号証)によって認めることができる。

しかしながら、請求人は、当該他人である引用会社から、何ら承諾を得ていない。

したがって、本願商標は、他人の名称からなる商標であって、かつ、当該他人の承諾を得ているものとは認められないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当するものといわざるを得ない。

(3)請求人は、自己の法人名称に係る出願商標と本願出願時前よりたまたま存する他人の法人名称とが同一である場合、法文言上、出願商標が商標法第4条第1項第8号の「他人の名称を含む商標」に該当することになるとはいえ、人格権保護を保護を図る同号の規定趣旨に則し、客観的事情(例えば、請求人が本願商標を付する本願指定商品と引用会社に係る法人の業務とは、その取り扱う商品、取引の形態等、その業務内容を全く異にするものであり、本願指定商品との関係において請求人以外の他人の名称が想起されるものではなく、このため、引用商標に係る他人の人格権を毀損するものとは何ら認められない、等。)を考慮した上で、承諾を得ないことによる当該他人の人格権の毀損が認められるか否かによって、同号の適用を判断すべきである旨主張する。

しかしながら、同号の立法趣旨が、氏名、名称等を、承諾なく商標に使われることがないという人格的利益を保護することにあるものとしても、前記3(1)のとおり、同号の規定上、他人の氏名、名称等を含む商標が、当該他人の人格的利益を侵害するおそれのある具体的な事情(客観的事情)が存在することは、同号適用の要件とされているものではない。すなわち、同号は、他人の肖像、氏名、名称を含む商標、並びに他人の著名な雅号、芸名、筆名及び氏名、名称、雅号、芸名、筆名の著名な略称を含む商標については、そのこと自体によって、上記人格的利益の侵害のおそれを認め、商標登録を受けることができないとしているものと解されるのである(前掲平成20年(行ケ)第10142号判決参照)。

したがって、請求人の上記主張は失当である。

(4)以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第8号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。