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Trademark Appeal Case

品質効能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−65138(T2006−65138/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第3類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として、2004(平成16年)年12月10日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005(平成17年)年5月13日を国際登録の日とするものである。

その後、指定商品については、原審における平成18年6月15日付手続補正書により、第3類「Cosmetics,namely moisturizing milks,lotions,creams,emulsions,oils,balms,gels and fluids for face and body care;anti−wrinkle cosmetics;cosmetics for eye and lip contour in the form of fluids,gels and balms.」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要旨

原査定は、「本願商標は、『SUPER』の文字と『AQUA−SERUM』の文字を二段に普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、その構成中『SUPER』の文字は、『超』、『上の』、『高級な』等の意味を有し、『上等の』、『飛び切りの』、『特等品の』等の意味を表すものとして、商品の品位、品質が優秀なことを誇示する語として広く使用されており、『AQUA−SERUM』の文字は、化粧品等を取り扱う業界において、保湿機能を有する美容液を称するものとして使用されているので、本願商標を補正後の指定商品に使用するときには、これに接する需要者・取引者は、『高度な保湿効果を有する美容液』を容易に認識し、単に商品の効能、品質を表したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により請求人に通知した。

1.「AQUA」(アクア)及び「SERUM」(シーラム、セラム)の語の有する意味について、辞典及びインターネット情報等によれば、以下の事実が認められる。

(1)「AQUA」の項に、「水、液、溶液。」等の記載。(株式会社小学館発行 ランダムハウス英和大辞典 第2版第7刷135頁)

(2)「アクア」の項に、「水、★通常、複合語をつくる。」の記載。(株式会社三省堂発行コンサイスカタカナ語辞典 初版第13刷13頁)

(3)「アクア」の項に、「水。」の記載。(自由国民社発行現代用語の基礎知識2007 1518頁)

(4)「serum」の項に、「血清、漿液、乳清。」等の記載。(株式会社小学館発行 ランダムハウス英和大辞典 第2版第7刷2466頁)

(5)「serum」の項に、「漿液、リンパ液」、「血清。」等の記載。(株式会社研究社発行 新英和中辞典 初版第14刷1629頁)

(6)「シーラム」の項に、「血清」等の記載。(株式会社三省堂発行コンサイスカタカナ語辞典 初版第13刷452頁)

(7)株式会社オールアバウトのウェブサイトにおいて、「コスメ・ビューティ用語集」中の「スキンケア」の「セラム」の項目に、「セラムとは、医学用語では本来『血清』を意味し、細胞培養の際に血清が重要な役割を果たすことから、『皮膚の細胞再生をうながす機能あるいは美容液』を表す。」「セラムという名称が使われている化粧品には、皮膚の新陳代謝や保水性を向上させるコラーゲン・組織成長に不可欠なプラセンタエキス・大豆抽出のイソフラボン・保湿成分のヒアルロン酸・美白成分のアルブチンなどが含まれ、美白やアンチエイジング(抗加齢)効果を前面に出している。セラムの原料は、動植物からの有効抽出成分、すなわち細胞液や細胞間液由来の天然成分が多いため、乾燥肌・敏感肌の人のケアによいといわれる。」等の記載がある。(http://allabout.co.jp/glossary/g_cosme/w002880.htm)

2.インターネット情報において、「AQUA SERUM」及び「アクアセラム」の文字が、商品「化粧品(美容液)」について使用されている事実。

(1)日興製薬株式会社の「クロロフィル」のウェブサイトにおいて、商品「AQUA SERUM(アクアセラム)」の商品紹介中に「03アクアセラムについて」として、「水溶性保湿成分で潤う美肌に」「水溶性保湿成分からなる『モイスチャライジング ネットワーク』が角質の奥深くにアプローチ。お肌にすばやく、たっぷりの潤いを与えるローション美容液です。」等の記載がある。(http://www.chloro.co.jp/labo/aquaserum/)

(2)「楽天ICHIBA」の「Enfini Beaute(アンフィニボーテ)女神(megami)」のウェブサイトにおいて、「ピーチポウ アクアセラム」の商品紹介として、「サラッとしたつけ心地なのに、うるおいとやわらかさを肌の内側に感じる透明ジェルクリームです。」等の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/megami/peche_aserum/)

(3)株式会社ドクターシーラボのウェブサイトにおいて、商品「アクアセラム エンリッチボディ」の商品紹介として、「ボディ用保湿クリーム」「みずみずしいうるおいで、身体も心も満たすボディクリーム」等の記載がある。(http://www.ci−labo.com/shopping/product/00003723/)

(4)エキサイト株式会社の「Woman.excite」のウェブサイトにおいて、フューチャーラボの「アクアセラムファンデーション」の商品説明として、「美容ゲル『アルカシーラン』から生まれた、潤う美容液ファンデーション」等の記載がある。(http://woman.excite.co.jp/beauty/cosme/pid_22418.html)

(5)株式会社アイスタイルの運営する「@cosme」のウェブサイトにおいて商品「アクアセラム」のアイテムカテゴリとして「美容液」の記載がある。(http://www.cosme.net/product/product/product_id/279911)

(6)滝川株式会社のウェブサイトにおいて、「FIOLE(フィヨーレコスメティクス)」の商品「アクアセラム」の商品紹介として、「髪には髪のぜいたくな美容液」「スーパーヒアルロン酸を配合した髪の美容液。」等の記載がある。(http://fiole.jp/products/aquaserum.html)

(7)グローバルシュガー有限会社のウェブサイトにおいて、商品「リセット アクアセラム(美容液)」の商品紹介として「新鮮な天然由来成分でふっくら よろこぶお肌の贅沢トリートメント美容液」等の記載がある。(http://global−sugar.com/beauty_2.html)

(8)新日本製薬株式会社のONLINESTOREのウェブサイトにおいて、商品「アルファリポア アクアセラム」の商品紹介として「アクアセラムは、毛穴が気になるあなたのための新シリーズ、『アルファリポアシリーズ』の部分用美容液。」等の記載がある。(http://www.shinnihonseiyaku.co.jp/beauty/aquaserum.html)

(9)株式会社iDNAの運営するTalentのウェブサイトにおいて、商品「ENPRANI SUPER AQUA SERUM」の商品紹介として、「集中的な水分補給力! 柔らかく豊かな感触の水分セラム。」の記載がある。(http://talent−co.net/?pid=6329369)

第4 職権証拠調べに対する請求人の意見の要旨

前記、証拠調べ通知に対して、請求人は概ね以下のように意見を述べている。

1.「AQUA」又は「アクア」及び「SERUM」又は「シーラム」若しくは「セラム」の語について、それぞれ「水、液、溶液」及び「血清、漿液、乳清、リンパ液」といった意味を有する辞書及びウエブサイトが存在することは認められるが、「AQUA SERUM」の文字から「美容液」という意味が生ずることは考えられないので、該文字が商品の品質を表示するものではない。

2.通知書に記載されたインターネット情報については、「AQUA SERAUM」又は「アクアセラム」の文字が商品の名称として使用されていることがあっても、商品の品質を表示するものとして使用されているとは言えないばかりでなく、「美容液」について使用されていないもの含まれており、本願商標が直ちに商品の品質を表示すると結論づける根拠とはなり得ないものである。

第5 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり「SUPER」の欧文字と「AQAU−SERUM」の欧文字とを、それぞれ普通に用いられる方法の域を脱しない程度の書体をもって、二段に横書きした構成からなるものである。

また、上段に表された「SUPER」の文字は、「上等の、特等の」等の意味を有する語として、広く一般に親しまれているばかりでなく、商品の品質を誇称する表示として普通に使用されているものである。

そして、下段に表された「AQAU−SERUM」の欧文字については、前記第3の証拠調べで通知したとおり、本願の指定商品との関係においては「化粧品(美容液:保湿成分や美白成分が濃縮して配合されている液状の化粧品の一つ)」等を表示する語として、当該商品を取り扱う業界で一般的に使用されている状況にあるものと判断して差し支えないものであって、該文字の上部に商品を誇称する「SUPER」の文字を表した本願商標の構成全体からは、商品(化粧品、特に保湿効果を有する美容液)の品質を表したものと容易に認識、理解させるものといわなければならない。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、上記品質の商品に使用するときには、単に商品の品質を表示したものにすぎず、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品について使用するときには、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので同法第4条第1項16号に該当するといわざるを得ない。

なお、請求人は、前記第4の意見書において、「AQUA SERUM」の文字から「美容液」という意味が生ずることは考えられないので、該文字が商品の品質を表示するものではない旨を主張するが、該文字が実際に商品の品質等を表すものとして他人によっても普通に使用されていること前記のとおりであり、本願商標に接する需要者は、該文字を請求人が製造又は販売する商品の出所を表すものとは認識し得ず、その商品の品質等を表すもの、すなわち、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、「AQUA SERAUM」又は「アクアセラム」の文字が商品の名称として使用されていることがあっても、商品の品質を表示するものとして使用されているとは言えないし、「美容液」以外の商品にも使用されていることから、本願商標が直ちに商品の品質を表示するものではない旨を主張するが、請求人も自認するとおり、証拠調べ通知に記載されたインターネット情報のうち、少なくとも(1)、(5)、(6)及び(8)については、商品「美容液」に関する情報であり、(4)及び(7)についても「ファンデーション」及び「トリートメント」の語がそれぞれ付加されているものの、これらはいずれも保湿や美白等の効果を謳ったものであり、「美容液」と同様の効果を有する商品に関する情報であることには変わりはない。

さらに、(2)、(3)及び(9)についても、「AQUA SERAUM」又は「アクアセラム」の文字が「保湿効果を有する商品」であることを認識させる事例として記載したものであり、そのことによって、該文字が「化粧品、特に美容液」について使用されているとの事実が否定されるとはいえないばかりでなく、本願商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないことは前記認定のとおりであるから、この点にかかる請求人の主張も採用できない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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