結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300451(T2008−300451/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4676362号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコリューション」の片仮名文字と「ECOLUTION」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成13年11月22日に登録出願、第11類「電球類及び照明用器具,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,便所ユニット,浴室ユニット,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,家庭用電熱用品類,浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,ごみ焼却炉,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具」を含む商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、同15年5月30日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、「第11類 浄水装置」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
被請求人は、答弁書とともに乙第1号証の1〜乙4号証の2を提出しているが、各証拠は、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、審判請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明するものではない。その理由について以下に説明する。
(1)商標の使用をする者
答弁書の第2頁第11〜13行目には、「本件商標の商標権者は、2007年10月1日に社名を『ナイス株式会社』から『すてきナイスグループ株式会社』へ変更しているため、本答弁書提出と同時に、本件商標に関する表示変更登録申請書を提出した」と主張している。
この点について、請求人は、登録名義人の表示の変更が平成20年6月13日に受け付けられ、6月26日に登録されていることを商標原簿によって確認している。しかしながら、上記社名変更が2007年(平成19年)10月1日に行われていることについては、証明がなされておらず、乙第1号証の1〜乙4号証の2による商標使用の時点において、本件商標の商標権者の名称が「ナイス株式会社」又は「すてきナイスグループ株式会社」のいずれであったのかは、明らかではない。
仮に、被請求人のいうとおり、商標権者の名称が2007年10月1日に変更されているとすれば、乙第1号証の1〜乙第4号証の2の使用時点では、商標権者の名称は変更後の「すてきナイスグループ株式会社」であったことになる。そうすると、これらの各証拠に記載されている「ナイス株式会社」は、商標権者以外の第三者を指していることになる。
この点について、被請求人は、答弁書の第2頁第14〜16行目において「本件商標の商標権者は、2007年10月より、本件商標に関し、子会社である『ナイス株式会社』へ通常実施権を許諾している」と説明している。この記述によれば、商標を使用しているナイス株式会社は、商標権者「すてきナイスグループ株式会社」とは、別の法人であって、遅くとも2007年10月までに設立されており、この別法人「ナイス株式会社」が商標権者の子会社であって、商標権者から通常使用権の許諾を受けていたことになる。しかしながら、被請求人は、何も証拠を提出しておらず、上記別法人「ナイス株式会社」が商標権者の子会社であることはもとより、実在するのか否かも明らかではない。また、実在する会社であったとしても、通常使用権の許諾を受けている者であることは、何ら証明されていない。
したがって、上記各証拠は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる商標の使用を証明するものではない。
(2)商標の使用に係る商品
被請求人が提出した証拠のうち、「エコリューション」又は「ECOLUTION」の文字が表記されているのは、乙第1号証の1、乙第2号証の1、乙第3号証の1及び乙第4号証の1である。
これらの証拠のうち、乙第4号証の1以外の各証拠は、いずれもマンション販売に関する広告であることが明らかであり、また、「エコリューション」及び「ECOLUTION」の具体的な表示態様も、マンション販売という役務に係る商標としてのものであることが明らかである。一方、乙第4号証の1については、どのような商品又は役務の提供に関するものであるのかさえも明らかでない。
つまり、乙第1号証の1、乙第2号証の1及び乙第3号証の1において独立して取引される対象物は、マンションであって、「蛇口一体型浄水器」、「浄水器一体型水栓」又は「ディスポーザ」は、その附属品として位置づけられているものにすぎない。このため、これらの広告を見た需要者が「蛇口一体型浄水器」、「浄水器一体型水栓」又は「ディスポーザ」が独立した取引対象であると認識する余地はない。したがって、商標「エコリューション」又は「ECOLUTION」が、マンション販売という役務について使用されているということはできるとしても、「浄水器」又は「ディスポーザ」という商品について使用されているということはできない。
さらに、被請求人は、乙第1号証の1、乙第2号証の1、乙第3号証の1及び乙第4号証の2に記載された「蛇口一体型浄水器」、「浄水器一体型水栓」又は「ディスポーザ」が、本件審判請求に係る商品「浄水装置」に含まれると主張している。しかしながら、特許庁の類似商品・役務審査基準には、第11類に属する商品として「浄水装置」(類似群09G62)及び「家庭用浄水器」(類似群19A05)が掲げられており、それぞれに異なる類似群コードが割り当てられている。浄水装置と家庭用浄水器を対比すれば、後者は、家庭用のものであって手軽で小型のものを指すと考えられる。そうすると、上記各証拠に記載されている「蛇口一体型浄水器」や「浄水器一体型水栓」は、「家庭用浄水器」に属するものであって、「浄水装置」に属する商品ではないというべきである。また、「ディスポーザ」が「浄水装置」にも「家庭用浄水器」にも該当しないことは、いうまでもない。
したがって、上記各証拠は、本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」について商標の使用を証明するものではない。
(3)商標の使用時期
被請求人は、乙第4号証の1が、アイランドグレースのマンション販売センター内において平成19年10月1日から継続して掲示されている掲示物であると言うが、このような掲示物がマンション販売センター内に掲示されている事実や掲示の開始時期が平成19年10月1日であったという事実については、何ら証明されていない。
(4)各証拠について
ア 乙第1号証の1、乙第1号証の2、乙第2号証の1及び乙第2号証の2について
被請求人は、乙第1号証の1はマンション「ナイスエスアリーナ横濱上大岡」の物件チラシ(以下「物件チラシ1」という。)であり、乙第1号証の2により平成20年3月12日に新聞へ折り込まれたものであると主張し、また、乙第2号証の1はマンション「ナイスシティアリーナ横濱弘明寺」の物件チラシ(以下「物件チラシ2」という。)であり、乙第2号証の2により平成20年1月18日に新聞へ折り込まれたものであると主張している。
しかしながら、以下に述べる理由により、これらの物件チラシ1及び物件チラシ2を頒布する行為は、商標法第2条第3項第8号に規定された商標の使用には該当しない。
広告に登録商標を付してこれを頒布する行為が商標法第2条第3項に規定する登録商標の使用に該当するためには、それが「商品についての広告」であり、かつ、そこで登録商標が自他商品識別標識として使用されていなければならない。
さらに、商標法第2条第3項第8号における「商品又は役務に関する広告」とは、需要者・取引者に提供されることが具体的に予定されている商品又は役務に関する広告をいう。したがって、広告に商標が付されている場合には、その広告が特定の指定商品についての広告でなければ、商標法第2条第3項第8号に規定する商標の使用には、該当しない。
一般に、商標が使用されていると認定されるためには、当該商標が、必ずしも、指定商品そのものに付せられて使用されていることは必要でないが、その商品との具体的関係において使用されていることが必要とされている。 そこで、物件チラシ1について検討すれば、マンションを販売することが記載された第一面の左下端に「ECOLUTION」及び「エコリューション」が二段書きされ、別の面の左下方に、マンションに供え付けられる設備の説明として「蛇口一体型浄水器」の記載がある。
また、当該広告中には、本件商標の近くに商標「NICEナイス」が記載され、さらに、本件商標の近くには、売主の会社名である「すてきナイスグループ」、会社の住所、問い合わせの電話番号、「強耐震マンション・耐震強度1.25倍」が記載されている。
また、物件チラシ2を検討すると、マンションを販売することが記載された第一面の右下方に「ECOLUTION」及び「エコリューション」が二段書きされ、他の面の下方に、マンションに供え付けられる設備の説明として「浄水器一体型水栓」の記載がある。さらに、当該広告中には、本件商標の下方に商標「NICEナイス」が記載されると共に、売主の会社名である「すてきナイスグループ」、会社の住所、問い合わせの電話番号が記載されている。
このように、物件チラシ1及び物件チラシ2によれば、本件商標がマンション販売について使用されており、「家庭用浄水器」は、単にマンションに供え付けられた設備にすぎないので、本件商標が「家庭用浄水器」について使用されているとはいえない。
また、物件チラシ1及び物件チラシ2において、マンションに供え付けられた設備として記載されているのは、「家庭用浄水器」を含む本件商標に係る多数の指定商品のうちの一部であって、これらの設備の製品については、製品の型番や商品説明あるいは製品の写真等、具体的に製品を紹介するような表示は、全く掲載されていない。
しかも、物件チラシ1及び物件チラシ2は、一方の面にのみ本件商標が記載され、他方の面には、多数の附属品の一つとして「家庭用浄水器」が記載されているだけであり、本件商標が商品「家庭用浄水器」に用いられているということはできない。
以上のことから、本件商標が家庭用浄水器との間で具体的関係をもって使用されているという事実は認められず、上記物件チラシ1及び物件チラシ2は、マンション販売の宣伝を行うことを主たる目的とする広告とみるのが相当であり、本件商標を付した商品「家庭用浄水器」の販売を目的とする広告とみるのは相当でない。したがって、上記各物件チラシをもって、本件商標が商品「家庭用浄水器」について使用されているということはできない。
しかも、「家庭用浄水器」は、本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」ではないことから、上記物件チラシ1及び本件チラシ2により、本件商標をその指定商品「浄水装置」について使用していた事実が証明されたということはできない。
イ 乙第3号証の1及び乙第3号証の2について
被請求人は、乙第3号証の1はマンション「ノブレス新百合ヶ丘」の物件チラシ(以下「物件チラシ3」という。)であり、乙第3号証の2により平成20年3月14日に新聞へ折り込まれたものであると主張している。
しかしながら、上記物件チラシ1及び物件チラシ2と同様、物件チラシ3を頒布する行為は、商標法第2条第3項第8号に規定された商標の使用には該当しない。
物件チラシ3について検討すると、マンションを販売することが記載された第一面の左上及び第二面の右上に「ECOLUTION」及び「エコリューション」が二段書きされ、第二面の右上及び第三面の左上に、マンションに供え付けられる設備の説明として「ディスポーザ」の記載がある。
物件チラシ3も、本件商標がマンション販売について使用されており、「ディスポーザ」は、単にマンションに供え付けられた設備にすぎないので、本件商標が「ディスポーザ」について使用されているとはいえない。
また、物件チラシ3においても、マンションに供え付けられた設備として記載されているのは、「ディスポーザ(家庭用電熱用品類)」を含む本件商標に係る多数の指定商品のうちの一部であって、これらの設備の製品については、製品の型番や商品説明あるいは製品の写真等、具体的に製品を紹介するような表示は、全く掲載されていない。
しかも、上記において認定したように、物件チラシ3も、本件商標が一方の面にのみ記載され、他方の面には多数の附属品の一つとして「ディスポーザ」の説明が記載されているのみであって、本件商標が商品「ディスポーザ」に用いられているということはできない。
以上のことから、本件商標がディスポーザとの間で具体的関係をもって使用されているという事実は認められず、上記物件チラシ3は、マンション販売の宣伝を行うことを主たる目的とする広告とみるのが相当であり、商品「ディスポーザ」の販売を目的とする広告とみるのは相当でない。したがって、上記物件チラシ3をもって、本件商標を商品「ディスポーザ」について使用しているということはできない。
しかも、「ディスポーザ」は、家庭用電熱用品類であって、本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」ではないことから、上記本件物件チラシ3により、本件商標をその指定商品「浄水装置」について使用していた事実が証明されたということはできない。
ウ 乙第3号証の3について
乙第3号証の3は、被請求人が掲載したマンション「ノブレス新百合丘」に備え付けられる設備の説明書であり、本件商標は、全く記載されていない。したがって、乙第3号証の3によって、本件商標を本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」について使用していた事実を証明したということはできない。
エ 乙第3号証の4について
乙第3号証の4は、被請求人が掲載したマンション「ノブレス新百合丘」に備え付けられる処理槽の出荷を単に証明する書類であり、本件商標は記載されていない。したがって、乙第3号証の4により、本件商標を本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」について使用していた事実を証明したということはできない。
オ 乙第4号証の1について
乙第4号証の1は、「ナイス株式会社」がマンション販売センターに掲示している展示写真であり、この展示写真には、本件商標が記載されている。 しかしながら、本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」については、何も記載されておらず、本件商標を商品「浄水装置」について使用していることを立証するものではない。また、マンション販売センター内に掲示されていることは、証明されておらず、当該掲示場所が需要者の目に触れるような場所であったのかについても明らかではない。さらに、掲示の開始時期も証明されていない。
したがって、乙第4号証の1により、本件商標を本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」について使用していた事実を証明したということはできない。
カ 乙第4号証の2について
乙第4号証の2は、マンションのパンフレットに、マンションに備え付けられた「家庭用浄水器」と「ディスポーザ」の説明が記載されているだけであり、本件商標は、記載されていない。したがって、乙第4号証の2により、本件商標を本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」について使用していた事実を証明したということはできない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した乙第1号証の1〜乙第4号証の2は、いずれも、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが商品「浄水装置」について本件商標の使用をしていることを証明するものではない。
したがって、本件商標が本件審判請求に係る指定商品「浄水装置」について使用されている事実は、立証されておらず、本件商標は、その一部取消しがなされるべきものである。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用状況
本件商標に関しては、乙第1号証〜乙第4号証の2から明らかなように、商標権者から通常使用権を許諾された「ナイス株式会社」が、商標「ECOLUTION」を商品「浄水装置」「ディスポーザ排水用浄化装置」に継続して使用しているものである。
ア 本件商標の使用者
商標権者は、2007年10月1日に社名を「ナイス株式会社」から「すてきナイスグループ株式会社」へ変更しているため、本答弁書提出と同時に、本件商標に関する表示変更登録申請書を提出した。また、商標権者は、2007年10月より、本件商標に関し、子会社である「ナイス株式会社」へ通常使用権を許諾しているため、本件商標の使用者は、「ナイス株式会社」である。
イ 使用商標
本件商標は、欧文字の「ECOLUTION」を左横書きし、その上段に片仮名文字の「エコリューション」を併記するものである。
通常使用権者であるナイス株式会社は、乙第1号証〜乙第4号証から明らかなように、別掲に表示するとおりの商標(以下「使用商標」という。)を使用している。この表示は、欧文字の「ECOLUTION」と片仮名文字の「エコリューション」とを大きさを異にするものの、本件商標の使用に該当するものである。
ウ 使用商品
通常使用権者である「ナイス株式会社」は、本件商標について、マンションの販売に関する商標として使用するとともに、商品「浄水装置」についての商標としても使用しているものである。
「ナイス株式会社」は、マンションの販売を主たる業務とするもので、販売するマンションのうち、特に環境に配慮したもの、すなわち、請求に係る商品である「浄水装置」に包含される商品のうち、具体的に、「浄水器」「ディスポーザ排水用浄化装置」を有するマンション物件の販売に際して、本件商標を付して使用しているものである。提出した証拠のうち、乙第1号証;ナイスエスアリーナ横濱上大岡、乙第2号証;ナイスシティアリーナ横濱弘明寺については、各戸に浄水器を標準装備として販売するものである。
また、乙第3号証;ノブレス新百合ヶ丘、乙第4号証;アイランドグレースについては、浄水器とディスポーザ排水用浄化装置の双方について販売するものである。
上記商品のうち、「浄水器」は、流し台へのビルトイン方式として設置し、フィルターによるろ過を行うものであるため、特許庁の商品・役務名リスト中、「飲料用ろ過器」第11類 類似群コード;19A05,09G62(商品・サービス国際分類表に記載の指定商品表示)あるいは「浄水装置」第11類 類似群コード;09G62(審査基準、三庁リストにて認定済の指定商品表示)に該当するものである。
また、本件商標の通常使用権者は、上記「飲料用ろ過器」のフィルターについて、マンション入居者の希望があれば販売しているものである。さらに、「ディスポーザ排水用浄化装置」については、マンション各戸のディスポーザ用排水管からマンションに全体に一つ設置されたディスポーザ用処理槽へ集められ、処理槽内にてバイオの力で分解し、ある程度を浄化した後に下水管へ流すためのものである。そのため、「ディスポーザ排水用浄化装置」は、特許庁の商品・役務名リスト中には、記載されていないものの、「河川・池等の水を浄化する浄水装置」第11類 類似群コード;09G62(2000−009202、審査採用)に相当する商品と考えられる。
してみれば、本件商標を使用する商品「浄水器」及び「ディスポーザ排水用浄化装置」は、本審判請求に係る指定商品「浄水装置」に該当する。
エ 使用時期
本件商標は、乙第4号証に添付する「アイランドグレース」モデルルームでの平成19年10月1日からの使用を皮切りに、現在に至るまで「浄水器」及び「ディスポーザ排水用浄化装置」について使用している。
(2)証拠の説明(実際の使用状況)
乙第1号証の1(ナイスエスアリーナ横濱上大岡の物件チラシ)では、本件商標について、商品「浄水器」に使用されていることを立証する。
このチラシに関する見積伝票(乙第1号証の2)の日付は、平成20年3月12日と記載されているが、見積もり内容を修正したために再発行したものであって、実際の新聞への折込日は、平成20年3月12日である。
乙第2号証の1(ナイスシティアリーナ横濱弘明寺の物件チラシ)では、本件商標について、商品「浄水器」に使用されていることを立証する。
このチラシには、「平成20年1月19/20日」の日付が入っているもので、新聞折込日は、その前日の平成20年1月18日である。本チラシの見積書を乙第2号証の2に添付する。
乙第3号証の1(ノブレス新百合ヶ丘の物件チラシ)では、本件商標について、商品「浄水器」及び「ディスポーザ排水用浄化装置」に使用されていることを立証する。
このチラシには、「平成20年3月15・16日」の日付が入っているもので、新聞折込日は、その前日の平成20年3月14日である。本チラシの見積書を乙第3号証の2に添付する。
また、本物件の全体プラン集(乙第3号証の3)から、本物件について「浄水器」及び「ディスポーザ排水用浄化装置」が存在していることを立証する。
なお、本物件に設置されているディスポーザ排水用浄化装置は、乙第3号証の4として添付した「商品出荷証明書」に示すとおり、AD−NY180F(北街区) 出荷日 平成19年12月12日、AD−NY120F(南街区) 出荷日 平成20年2月7日(いずれも松下電工株式会社製)である。上記の商品出荷証明書中、宛先の「木内建設株式会社」は、この物件の施工業者名であり、また現場名が「JV万福寺北(南)街区」とされているが、該名称は、マンションの正式名称「ノブレス新百合ヶ丘」を決定する前の仮称である。
乙第4号証の1(アイランドグレースの販売センター内展示写真)では、本件商標について、マンション販売センター内に掲示し使用するものである。この使用は、平成19年10月1日から現在までの間、継続して行われている。
また、乙第4号証の2(本物件パンフレット)では、この物件に浄水器とディスポーザ排水用浄水器が存在していることを立証する。
よって、本件商標は、実際に本件審判請求の予告登録前から3年以内の間に、通常使用権者により、商品「浄水器」「ディスポーザ排水用浄化装置」について実際に使用されているものである。
(3)まとめ
以上述べたように、本件商標は、本件商標の通常使用権者により、商標「ECOLUTION/エコリューション」を審判請求に係る商品「浄水装置」に包含される「浄水器」「ディスポーザ排水用浄化装置」について本審判の予告登録日前より、継続して使用するものであるため、本件審判請求は、成り立たないものである。
乙第1号証の1は、被請求人の通常使用権者であるとする「ナイス株式会社」の販売するマンション「ナイスエスアリーナ横濱上大岡」の物件チラシであり、その表面には、使用商標が示されており、また、「4月上旬 インフォメーションセンターオープン予定」と記載されている。その裏面に「暮らしをサポートする設備仕様の数々。」として、「キッチンの蛇口一体型浄水器」の文字が記載されている。
乙第1証の2は、ナイス株式会社宛の2008年3月12日付けの「ナイスエスアリーナ横濱上大岡」のチラシの見積書である。
乙第2号証の1は、ナイス株式会社の販売するマンション「ナイスシティアリーナ横濱弘明寺」の物件チラシであり、その表面には、使用商標が示されており、また、「1/19[土]20[日]提携銀行による住宅ローン個別相談会開催!」と記載されている。その裏面に「先進の設備・仕様が快適な暮らしをサポートします。」として、「清潔な水に配慮した浄水器一体型水栓」の文字が記載されている。
乙第2号証の2は、ナイス株式会社宛の平成19年2月18日付けの「ナイスシティアリーナ横濱弘明寺」のチラシ見積書であり、1月19日付けのチラシ作成費と折込費等が記載されている。
乙第3号証の1は、ナイス株式会社が平成20年8月完成予定で販売するマンション「ノブレス新百合ヶ丘」の物件チラシであり、その表面には、使用商標が示されており、また、「3/15[土]16[日][第2期]登録直前説明会開催」と記載されている。裏面にキッチン設備の一つとして、「ディスポーザ」の文字の記載されている。なお、「浄水器」に関する記載はない。
乙第3号証の2は、ナイス株式会社宛の平成20年3月12日付けの「ノブレス新百合ヶ丘」のチラシ見積書であり、チラシ作成代と3月14日付けの折込み料等が記載されている。
乙第3号証の3は、上記マンション「ノブレス新百合ヶ丘」の全体プラン集と題するパンフレットである。売主に「ナイス株式会社」とあり、第1頁の「設備・仕様」の項には、「浄水器(蛇口一体型) キッチンに浄水器を設置。」の記載及び「生ゴミを即座に処理する ディスポーザシステム 生ゴミをシンク下に設置したでディスポーザで粉砕して、キッチン排水とともに処理層に送り、バイオの力で分解処理し、下水道に流します。」として、ディスポーザシステム概念図に「ディスポーザ用処理漕」が図示され、また、建設地が川崎市麻生区万福寺(8街区)であることが認められる。
乙第3号証の4は、松下電工株式会社による上記マンションの施工業者と認められる木内建設株式会社宛の平成20年6月11日付けの商品出荷証明書2通であり、1通は、平成20年2月7日に「処理漕 AD−NY120F 1台」が、もう1通は、平成19年12月12日に「処理漕 AD−NY180F 1台」が、ともに川崎市麻生区万福寺8街区−3,4」に出荷されたことを証明するものである。
乙第4号証の1は、被請求人が、「アイランドグレース」販売センター内の展示写真とするものであり、展示している様子を示す写真と展示しているるポスターである。ポスターの左下に使用商標とほぼ同一の商標が付されているが、ポスター中に「『木』をルーツとする、すてきナイスグループ株式会社は利益の一部を山林に還元し、・・・地球環境保護の取り組みを進めていきます。」等の記載があるものの、商品に関する事項の記載はなく、また、展示写真の撮影日は不明である。
乙第4号証の2は、ナイス株式会社の建設予定のマンション「アイランドグレース」のパンフレットである。第37頁に「ディスポーザ標準装備」として、乙第3号証の3とほぼ同様の「ディスポーザ用処理施設」を含む「ディスポーザシステムの概念図が図示され、また、「ハンドルシャワー付キッチン水栓」について「浄水器一体型」の文字の記載が認められる。なお、該パンフレットには、使用商標の記載は見当たらない。
そして、これ以外に証拠は、提出されていない。
また、「ナイス株式会社」が販売するマンション「ノブレス新百合ヶ丘」について、ディスポーザの設備があるマンションとして、使用商標が表示されたチラシが平成20年3月頃に折込み広告として使用されたことが認められ、当該マンションには、各戸のディスポーザからの排水を処理する「ディスポーザ排水用の処理層(浄化装置)」が設置されていることが認められる。
被請求人は、2007年10月1日に社名を「ナイス株式会社」から、「すてきナイス株式会社」へ変更し、2007年10月より本件商標に関し、子会社である「ナイス株式会社」に通常使用権を許諾していると主張しているところ、乙2号証の1、乙3号証の1及び乙第3号証の3には、「ナイス株式会社」の表示のほか、「すてきナイスグループ」と記載され、これらに記載されている住所は、いずれも商標登録原簿に記載の住所であることからすると、2007年10月以降は、「ナイス株式会社」に通常使用権を許諾したものと見て差し支えない。
したがって、乙各号証における「ナイス株式会社」については、2007年9月以前は、商標権者であり、同年10月以降は、通常使用権者であると認められる。
本件商標は、前記第1に示したとおり、「エコリューション」の片仮名文字と「ECOLUTION」の欧文字よりなるものであるのに対し、使用商標は、その構成中に「ECOLUTION」の欧文字と「エコリューション」の片仮名文字とを顕著に表してなるものであるから、かかる使用は、社会通念上同一の商標の使用といい得るものである。
前記2の認定によれば、使用商標は、被請求人(商標権者)又は通常使用権者によりマンションの販売に関して使用されているものというべきである
。
この点について、被請求人は、マンション販売に際して当該マンションに装備されている浄水器及びディスポーザ排水用浄化装置を販売するものである、旨主張しているが、当該設備は、マンションの附属品(設備)というべきであって、使用商標の使用は、当該設備を有するマンション販売に係るものというべきであるし、マンションを購入する需要者も、同様に認識するというべきであるから、マンションの設備として設置されている浄水器及びディスポーザ排水用浄化装置は、独立して商取引の対象となるものということはできない。
なお、本件取消しに係る指定商品、第11類「浄水装置」は、商標法施行規則第6条別表にもあるとおり、その下位概念は、「工業用水用浄水装置」「上水用浄水装置」であるところ、その使用しているとする蛇口一体型の浄水器は、マンションの台所の水道の蛇口に一体的に取り付けて使用する「(家庭用)浄水器」であって、かかる「浄水器」は、第11類「浄水装置」とは、使用目的が明らかに異なり、各々の商品の流通系統等を異にし、該「浄水装置」の範ちゅうに属しないものというべきであるから、この点においても、本件審判請求に係る指定商品に使用しているものとはいうことができない。
以上のとおり、乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
したがって、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
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