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Trademark Appeal Case

商標使用の客観的立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2008−300246(T2008−300246/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4207576号商標(以下「本件商標」という。)は、「柿太郎」の文字を横書きしてなり、平成9年6月25日に登録出願、第1類「肥料,土壌改良剤,その他の植物成長調整剤類」を指定商品として、同10年11月6日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録が平成20年9月24日にされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品「肥料,土壌改良剤,その他の植物成長調整剤類」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用された事実はない。

よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消すことについて請求の趣旨のとおりの審決を求める。

(2)答弁に対する弁駁

ア 被請求人は本件商標が使用されていることの証拠として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出しているが、これらの証拠だけで本件商標がその指定商品に実際に使用されているのか甚だ疑問である。

イ すなわち、乙第1号証は、単なる平成11年7月26日付けの「指定配合肥料生産業者届出書」であって、これをもって平成11年7月26日以降本取消審判請求時までに、本件商標をその指定商品「肥料」について被請求人が使用していたことの直接的な証拠とはならない。生産業者の届出と使用の実態とは全く別のものであり、同届出が即商標の使用となるものではないことは明らかである。

ウ 乙第2号証も、単なる「包装資材」を示すのみであって、本取消審判請求日前に本件商標をその指定商品「肥料」について使用していることの直接的(客観的)な証拠とはならない。

エ 乙第3号証及び乙第4号証も、被請求人と取引関係のある、いわば身内ともいうべき関係先との取引書類であって、その証拠能力は極めて乏しいといわざるを得ない。すなわち、これらの証拠も、前記同様本件商標の使用を客観的に立証するものではない。

オ 乙第5号証も、本件商標「柿太郎」の入った商品カタログではあるが、これをもって本取消審判の請求前3年以内に本件商標をその指定商品「肥料」について被請求人が使用していたことの客観的な証拠とはならない。

カ 以上詳述したように、本件商標は、指定商品「肥料」について過去3年以内に商標権者によって使用された実績はなく、また、それを立証する充分な証拠の提示もないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

(1)乙第1号証にて明らかなように、本件商標「柿太郎」は指定商品「肥料」に使用する為、肥料取締法第16条の2第1項規定により農林水産省(独立行政法人肥飼料検査所大阪事務所)に指定配合肥料として生産を届出し届出受理後生産を開始し現在に至っている。

(2)乙第2号証にて明らかなように、包装資材(写真版)上面及び両側に本件商標を登録商標として、裏面(1色刷り)説明文内及び前項(1)既述の肥料取締法にて規定された生産業者保証票内に肥料名称として明記する事により、本件商標「柿太郎」を指定商品「肥料」に使用している。

(3)乙第3号証にて明らかなように、乙第2号証を包装資材として利用する製品を取引先三菱商事アグリサービス株式会社の特約店である株式会社サンセイの指図により岐阜県永田肥料店に平成19年12月7日に出荷し、平成20年1月16日に納品書を発行(請求)しており、審判請求が受理された平成20年2月28日より少なくとも2か月前には当該商標を使用している。

(4)乙第4号証にて明らかなように、被請求人の和歌山工場に平成18年3月4日出荷にて乙第2号証の包装資材の納品を受けており、審判請求受理された平成20年2月28日より少なくとも1年11か月前には当該商標を使用している。

(5)乙第5号証にて明らかなように、本件商標は、平成10年11月6日に登録手続し以後自社製品として流通させる為、本件商標を登録明記のカタログとして作成し配布等継続して使用している。

4 当審の判断

(1)乙1号証ないし乙第5号証によれば以下の事実が認められる。

乙第1号証は、指定配合肥料生産業者届出書であり、被請求人が平成11年7月26日に肥料の名称を「柿太郎」とし、農林水産省に指定配合肥料を生産したいとして届け出ていることが認められる。

乙第2号証は、肥料の包装資材と認められるところ、該包装資材には、肥料の名称として、「柿太郎」が記載され、製造元として「清和肥料工業株式会社」が記載されている。

乙第3号証は、被請求人の三菱商事アグリサービス株式会社宛の納品書(控)と認められるところ、特約店として「(株)サンセイ」、荷受先名欄に「永田肥料店」、品名欄に「柿太郎」、数量欄に「30.」と記載されており、商標「柿太郎」を付した商品が2008年1月16日に被請求人より永田肥料店に30袋納品されたことが認められる。

乙第4号証は、シコー株式会社から被請求人宛の2006年3月付け(なお、日にち部分は、伝票保管用のパンチ穴のために確認できない。)の出荷案内書であるが、「シコー株式会社」のキャッチフレーズとして「包むカタチを創造する」との記載があり、商品名に「柿太郎」、数量「2,230 スペア1」の記載があることから、2006年3月に商品「柿太郎」に係る包装資材が納品されたものと認め得るものである。

乙第5号証は、商標「柿太郎」を付した肥料のカタログと認められる。なお、該カタログの作成日等の記載はない。

(2)前記(1)で認定した事実を総合すると、被請求人は、2008年1月16日に本件商標と社会通念上同一と認められる「柿太郎」を付した肥料を三菱商事アグリサービス株式会社に、納入先を永田肥料店として30袋販売したことが認められる。

(3)請求人は、「乙第3号証及び乙第4号証も、被請求人と取引関係のある、いわば身内ともいうべき関係先との取引書類であって、その証拠能力は極めて乏しいといわざるを得ない。すなわち、これらの証拠も、本件商標の使用を客観的に立証するものではない。」旨主張しているが、乙第3号証及び乙第4号証は、商品肥料又はその包装資材の取引書類として何ら不自然なところはなく、また、請求人は、疑うに足りる具体的事情については何ら主張立証していないから、請求人の主張は採用できない。

(4)結び

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成20年3月14日)前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品中の「肥料」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したと認め得るところである。

(5)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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