結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2008−300037(T2008−300037/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4070457号商標(以下「本件商標」という。)は、「ARIA」の欧文字を横書きしてなり、1994年12月29日にアメリカ合衆国にしたパリ条約第4条に基づく優先権を主張して平成7年6月13日に登録出願、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,映画機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録、その後、同19年10月23日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
本件商標は、その指定商品のうち「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
被請求人は、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標を「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」に使用しているとしている。
しかしながら、「キーマンズネットIT単語帳」で調べると、「インターフェース」とは、「二つのものの間に立って、情報のやり取りを仲介するもの。また、その規格。」と記載されており、「ユーザーインターフェース」とは、「コンピュータがユーザに対して情報を表示する方式や、逆に、ユーザが情報を入力するための方式を定めたもの」と記載されている(甲第2号証)。
また、「IT用語辞典 e−Words」で調べると、「ユーザインターフェース」とは、「ユーザに対する情報の表示様式や、ユーザのデータ入力方式を規定する、コンピュータシステムの『操作感』。」と記載されている(甲第3号証)。
以上のとおり、被請求人が本件商標を使用していると主張する「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」の内容は、コンピュータとユーザーの間でのやり取りを仲介する方式・操作感を表す役務表示であり、審判請求に係る指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具およびその部品」ではない。
したがって、審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していることは、証明されない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
(1)本件商標の使用状態の概要
被請求人は、2000年に、アメリカ合衆国最大手の通信会社「ルーセント テクノロジーズ インコーポレーテッド」から分離独立して設立された会社であり、同国ニュージャーシィ州バスキング リッジに所在し、通信関連の製品及びサービスを広く取り扱っている会社である。
被請求人は、自ら又はその子会社である日本アバイア株式会社を通じて、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内で、本件商標「ARIA」又はこれと社会通念上同一の商標を「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」 に使用しており、その書証として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出する。
(2)乙第1号証
乙第1号証は、被請求人会社の発行に係る企業向け通信統合ソリューションを紹介するカタログの日本語版(2007年発行)である。
本カタログの第9頁、10頁及び12頁より、被請求人会社においては、企業向け通信統合ソリューションに適した「テレフォンユーザーインターフェース」に「Aria」なる商標を使用していることが認識できる。
(3)乙第2号証
乙第2号証は、被請求人会社の発行に係る「Aria」「テレフォンユーザーインターフェース」を介してモジュラーメッセージングシステムを使用する際の操作手順を示す説明書(2007年2月発行)である。
本説明書中には、被請求人会社に係るモジュラーメッセージングシステムと共に、「Aria」なる商標の下に、該システムを効率的に機能させるための「テレフォンユーザーインターフェース」に関する紹介がなされている。
なお、上記乙第1号証及び乙第2号証上で使用されている商標は、「Aria」であるが、当該商標は、本件商標「ARIA」の語頭の文字以外を小文字にして表したものであり、両者が社会通念上同一の商標と認識されるものであることは、明らかである。
したがって、乙第1号証及び第2号証からは、被請求人によって、本件審判の請求登録前3年以内に我が国において、「テレフォンユーザーインターフェース」について、本件商標と社会通念上同一の商標である「Aria」が使用されているという事実が認識されるものである。
(4)乙第3号証及び第4号証
乙第3号証は、被請求人会社の我が国における子会社である日本アバイア株式会社の2007年2月21日付プレスリリースであり、また、乙第4号証は、同社が2007年に発行した通信統合ソリューションを紹介するためのカタログである。
これらのプレスリリース及びカタログより、被請求人会社が日本アバイア株式会社を介して、我が国において企業向け通信統合ソリューションを提供しており、さらには、当該ソリューションに組み込まれるモジュラーメッセージングシステムに適した「電話ユーザー向けインターフェース」について、本件商標と社会通念上同一の商標である「Aria」を使用しているということが認識できる。
なお、日本アバイア株式会社は、被請求人会社が100%出資して2000年8月に設立された会社であり、被請求人会社との関係では、その商標の使用が認められている者である。
(5)上述の状況を総合的に勘案すると、乙第1号証ないし乙第4号証に示すとおり、商標権者及びその子会社である日本アバイア株式会社は、本件商標と社会通念上同一の商標である「Aria」を本件指定商品中の第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に属する「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」について、我が国において本件審判の請求登録前3年以内に使用していることは明らかである。
(1)乙第5号証
乙第5号証は、広辞苑(第6版)の抜粋であるが、「インターフェース」について、「機器や装置が他の機器や装置などと交信し、制御を行う接続部分。特にコンピュータと周辺機器の接続部分。」との説明がなされている。
また、請求人の提出に係る甲第2号証にあっても「インターフェイス」に関する説明として、「二つのものの間に立って、情報のやり取りを仲介するもの」との記述が見受けられる。
このような状況に鑑みると、「インターフェース」なる語は、請求人の主張する「二つのものの間に立って、情報のやり取りを仲介するものの規格」なる意味合いを以って用いられることがあるものの、このような用法は稀であり、一般的には、機器や装置の間でこれらの交信・制御を行い、情報のやり取りを仲介するために用いられる接続部分(製品)」を指すものとして認識されていると考えられるものである。
(2)乙第6号証
乙第6号証は、特許庁の特許電子図書館(IPDL)にある商品・役務名リストの写しであるが、「コンピュータ用インターフェース」「電力線通信用インターフェース」なる表示が「電気通信機械器具,電子応用機械器具およびその部品」のカテゴリーにおいて適切な指定商品の表示として認められているものである。
したがって、御庁における商標実務においては、「インターフェース」を請求人の主張するような役務の一種としてではなく、上記商品カテゴリーに属する一商品として捉えていることは明らかである。
(3)上述の諸点、さらには、通信関連分野の実際の商取引において、「インターフェース」なる製品名が一般的に用いられ、そのような製品が広く流通していることは顕著な事実であることに鑑みると、「インターフェース」の一種である、本件商標が使用されている「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」は、審判請求に係る「電気通信機械器具,電子応用機械器具およびその部品」のカテゴリーに属する商品の一つと判断されて然るべきものである。
(4)具体的視点に立った場合、すなわち、本件商標の現実の使用状況を示す乙第1号証ないし乙第4号証においても、「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」について、「『Aria』等を使用して他のメッセージング・システムとネットワーキングが可能」(乙第1号証)の記載や「『電話機のダイヤルパッドからの操作インターフェースに、Aria』等3つの選択肢を提供」(乙第3号証)等の記載があり、本件商標が、「コンピュータとユーザーの間でのやり取りを仲介する方式・操作感を表す役務」を表示するために使用されているものではなく、「通信統合ソリューション中に組み込まれるインターフェース」の一種の商品に付されているという事実は、容易に窺い知れるものである。
(5)上述の状況を総合的に勘案すると、乙第1号証ないし乙第6号証に示されるとおり、被請求人及びその通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を使用している「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」は、請求人の主張するような「コンピュータとユーザーの間でのやり取りを仲介する方式・操作感を表す役務」を指すものでは到底あり得ず、審判請求に係る指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」のカテゴリーに属する商品であることは明らかである。
商標法第50条に規定する商標登録の取消の審判にあっては、その第2項において、その審判の請求の登録(本件の場合、平成20〔2008〕年1月30日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
被請求人の提出に係る乙各号証を見るに、乙第1号証は、被請求人の発行に係る企業向け通信統合ソリューションを紹介するカタログの日本語版(2007年発行)であるが、本カタログの第9頁、10頁及び12頁より、被請求人会社においては、企業向け通信統合ソリューションに適した「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」に「Aria」なる商標を使用していることが示されている。
乙第2号証は、被請求人の発行に係る「Aria」テレフォンユーザーインターフェースを介してモジュラーメッセージングシステムを使用する際の操作手順を示す説明書(2007年2月発行)であるが、本説明書中には、被請求人に係るモジュラーメッセージングシステムと共に、「Aria」なる商標の下に、該システムを効率的に機能させるための「テレフォンユーザーインターフェース」に関する紹介がなされている。
乙第3号証は、被請求人の我が国における子会社である請求外「日本アバイア株式会社」の2007年2月21日付プレスリリースであり、また、乙第4号証は、同社が2007年に発行した通信統合ソリューションを紹介するためのカタログであるが、これらのプレスリリース及びカタログには、被請求人が「日本アバイア株式会社」を介して、我が国に企業向け通信統合ソリューションを提供しており、さらには、当該ソリューションに組み込まれるモジュラーメッセージングシステムに適した「電話ユーザー向けインターフェース」について、「Aria」を使用していることが示されている。
甲第3号証によれば、「ユーザーインターフェース」とは、「ユーザに対する情報の表示様式や、ユーザのデータ入力方式を規定する、コンピュータシステムの『操作感』。」であることが認められる。
そうとすれば、被請求人が本件商標を使用しているとする「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」は、「テレフォン(電話)ユーザに対する情報の表示様式や、テレフォン(電話)ユーザのデータ入力方式を規定する、コンピュータシステムの『操作感』。」であると推認することができる。
してみれば、「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」の語は、「操作感」であるから、商標法の商品であるとはいえない。
したがって、「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」は、「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」ではない。
また、仮に、「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」が「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」であるとしても、「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」に本件商標が使用されている写真、チラシ等、「テレフォンユーザーインターフェース(電話ユーザー向けインターフェース)」の販売に関する、広告書類、取引書類等は何ら提出されていないから、本件取消に係る指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、登録商標又は登録商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したことを被請求人が証明したということはできない。
以上のとおりであるから、本件取消しに係る指定商品「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」のいずれかについて、登録商標又は登録商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを被請求人が証明したものということができず、また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る結論掲記の指定商品について、その登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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