Trademark Appeal Case
エレミ油と品質誤認
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成7年審判第20382号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ELEMIS」の欧文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類(エレミ油を用いたものを除く。)、バスソルト、香水類、スキンクリーム、ボディーオイル、ローション、頭髪用化粧品、バスオイル、防臭用化粧品、日焼け用・日焼け止め用化粧品、その他の化粧品(エレミ油を用いたものを除く。)、芳香剤、その他の香料類(エレミ油を用いたものを除く。)、つけまつ毛、歯磨き、つや出し剤」を指定商品として、平成5年2月25日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、熱帯産のカンラン科、Canariumの木から採れる芳香性樹脂として知られている仏語「elemi」を複数形とした「elemis」を普通に用いられる域を脱しない程度をもって表してなるから、これを、エレミ油等を配合してなる商品、例えば「せっけん類、化粧品、香料類」に使用するときは、単に商品の原材料を表示するにすぎないものと認める。」旨認定、判断し、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
原査定に対して請求人は、本願商標は自他商品の識別機能を有している旨主張し、その理由として、本願商標「ELEMTS」の単数形として原査定において挙げた「elemi」はフランス語であって、しかも本願商標「ELEMIS」はその複数形であるから需要者、取引者は「エレミ油」を想起しないし、また現在では「エレミ油」は天然香料として石鹸、化粧品の原料としては使用されておらず、最近の文献にも掲載されていない旨主張し、証拠として甲第1号証(化学大辞典)を提出して、また、指定商品を前掲1のように補正した。
よって検討するに、本願商標は「ELEMIS」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、我が国の指定商品に関係する
して「Elemi」、「elemi」等の各語が「エレミ」又は「エレミ油、エレミオイル」を意味し、石鹸、香水の香料として使用される旨掲載されていることが認められる(日本香料協会「香りの百科」(株)朝倉書店89年53頁以下、藤巻正生外「香料の辞典」(株)朝倉書店80年353頁、黒澤路可「香りの事典 改訂版」フレグランスジャーナル社平成7年264頁)。また、英語としては、「elemi」がその複数形「elemis」としても使用されていることが認められ、そこには「香料に用いる」と解説されている(小学館発行「SHOGAKUKAN RANDAM HOUSE ENGLISH JAPANESE DICTIONARY」Vol.1昭和60年 812頁)。
本願に係る指定商品分野においては、フランス語が商標として採択、使用されていることはよく知られたことであり、加えて本願商標を構成する「ELEMIS」が英語としても使用されるに至っていることは前記のとおりであり、また、指定商品の取引者の中には石鹸、香料の原材料に係わる専門家も含まれること明らかである。
してみれば、本願商標は、これを補正後の指定商品に使用する場合には、「ELEMIS」文字から「エレミ油」を認識させ、そのため該商品には香料としてエレミ油が含まれているものの如くその品質について誤認を生ずる虞れがあるときも少なくないとみるのが相当である。
請求人は、現在では「エレミ油」は天然香料として石鹸、化粧品の原料としては使用されていないなどと主張、立証するところがあるが、出願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するには「品質の誤認の虞れ」があれば足り、また、現在では香料として全く使用されていないとの証拠もない。
請求人は、その他述べるところがあるが前記の認定、判断に影響を及ぼすものとは認められない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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