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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第477号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別紙に表示するとおり「St,Georg

「エプロン えり巻き 靴下 ゲートル 毛皮製ストール ショール スカーフ 足袋 足袋カバー 手袋 布製幼児用おしめ ネクタイ ネッカチーフ マフラー 耳覆い ガーター 靴下止め ズボンつり バンド ベルト 運動用特殊衣服 運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品とし、平成7年3月22日登録出願されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由

本願について平成8年8月7日付で「本願商標は、ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ(アメリカ合衆国ニューヨーク市マディソンアベニュー650所在)がラルフローレンのデザインによる紳士スーツ、ポロシャツ、ネクタイ等に使用して本願出願前よりく需要者に認識されていた商標「Polo」の文字を含むものであるから、これを出願人が指定商品に使用するときは、需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の拒絶の査定がされた。

第3 請求人の主張

1 請求の趣旨

「原査定を取り消す。この出願の商標は登録をすべきものとする」との審決

2 請求の理由

(1)本願商標について

の造語であり、それから生ずる称呼は、「セントジョージズポロ」のみである。本願商標から「Polo」の部分のみが抽出され、「ポロ」の称呼でのみ取引することは、社会通念上あり得ない。

(2)ラルフ・ローレンのデザインによるマークについて

ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド4パートナーシップが使用しているラルフ・ローレンのデザインによるマーク(本願出願前より広く需要者に認識されている周知商標であることは認める。)は、マレットを振り上げているポロ競技者を表した図柄、「Ralph Lauren」の文字、「Polo by Ralph Lauren」の文字、「Polo」の文字の組み合わせによるものであり、「Polo」の文字単独での使用は見あたらない。

我が国において「POLO」単独及びそれを含む商標が多数登録されている事実から、本願の拒絶査定は、特許庁の判断基準に矛盾する。

たとえ、ラルフ・ローレンの周知商標が「ポロ」と称呼されて流通される場合があったとしても、本願商標の称呼は「セントジョージズポロ」であるから、両者は、混同することはない。

以上より、本願商標とラルフ・ローレンのマークとは、取引上彼此混同するおそれはない。

第4 当審の判断

(1)「POLO」の周知性について検討する。

(株)講談社 昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッテング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各標章(以下、一括して「引用標章」という。)が用いられ、これらの標章は「ポロ」と略称されている。

そして、(株)洋品界昭和55年3月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・パイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け;同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和55年11月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’SCLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年5月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の標章の下に紹介されていることが認められる。

他にこれを覆すに足りる証拠はない。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の標章について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)第183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、我が国においては、遅くとも昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品被服類等を表示するものとして引用標章が取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、「St,George s Polo」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中の「St,George」の文字部分は、「イングランドの守護神」をまた、「St,Georges」の文字部分は、「西インド諸島南東部Grenada島南西部の港市」を意味する英語(株式会社小学館昭和50年12月1日発行「小学館ランダムハウス英和大辞典」参照)であり、「Polo」の文字部分は、ポロ競技(馬に乗ったプレーヤーによる2チームが互いにマレットで1個のボールを奪いあい、ゴールに打ちこむことを競う球技)を意味するものと認められる。

(3)他方、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知となっている引用標章は「ポロ」(競技)の観念、「ポロ」の称呼が生ずることは前記したとおりである。そして、ポロ社は「Polo」の文字を代表的出所標識としてその取り扱いに係る商品に使用し、我が国において取引者、需要者の間に広く認識されていたことは前記のとおりである。

(4)そうすると、前記認定のとおり我が国において、遅くとも本願商標登録出願(平成7年3月22日)前である昭和55年までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品被服類等を表示するものとして引用標章が取引者、需要者の間に広く認識されていたという取引の実情を考慮すると、本願商標は、その指定商品、とりわけ、えり巻き、靴下、毛皮製ストール、ショール、スカーフ、手袋、ネクタイ、ネッカチーフ、マフラー、バンド、ベルトに使用する場合には、引用標章と構成上相違があるものではあっても、その構成文字「St,G

記した意味において観念上何の関係もなく、全体としても特定の意味合いを生ずる語として知られているという事実もないことよりして、時と処を異にしてこれに接する取引者・需要者においては、著名な「Polo」の文字に着目し、「ポロ」(競技)の観念及び「ポロ」の称呼において、引用標章を連想、想起するものと認めるのが相当である。

したがって、本願商標は、ラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係・がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

ついて、不可分一体の造語であり、それから生ずる称呼は、「セントジョージズポロ」のみであり、本願商標から「Polo」の部分のみが抽出され、「ポロ」の称呼でのみ取引することは、社会通念上あり得ない旨主張するが、かかる主張は、前記認定判断に照らし、失当であり、採用することはできない。

また、請求人は当庁における審査例を挙げて種々主張するところあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、具体的事案の判断においては、過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきものであるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。

第5 むすび

以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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