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Trademark Appeal Case

REALの識別力と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2008−900349(T2008−900349/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5140022号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5140022号商標(以下「本件商標」という。)は、「REAL ICE」の文字を標準文字で書してなり、平成19年11月26日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同20年6月13日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、以下のアないしエの4件である。

ア 引用商標1(登録第2288662号)

「ICE」の文字を書してなり、1987年1月21日イタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、昭和62年6月9日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成2年12月26日に設定登録され、その後、商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、同14年2月27日に第25類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。

イ 引用商標2(国際登録第832107号)

「ICE B」の文字を書してなり、2004年5月5日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同年5月27日を国際登録の日とするものであり、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成18年9月15日に設定登録されたものである。

ウ 引用商標3(国際登録第832108号)

別掲(1)の構成からなり、2004年5月5日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同年5月27日を国際登録の日とするものであり、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、平成19年4月20日に設定登録されたものである。

エ 引用商標4(国際登録第942787号)

別掲(2)の構成からなり、第16類、第24類、第25類及び第35類に属する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2007年7月31日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同年10月9日を国際登録の日とするものである。

以下、引用商標1ないし4をまとめていうときは、単に「引用商標」という。

(2)理由の要点

「REAL」の語は、本件商標の指定商品が属するファッション分野において、「REAL CLOTHES」の表示として使用されている。「REAL CLOTHES」とは、「現実の生活で着られる実質的な服」のことである(甲第6号証)。「REAL CLOTHES」に、上記のような意味合いがあることよりすれば、ファッション関連の商品の取引者、需要者が「REAL」の語に接した場合、単に「現実の生活で身につけることができる商品、実質的な商品」であることを認識するにすぎないといえる。

そうとすれば、本件商標構成中の「REAL」の文字(語)は、商品の品質・用途を表示したにすぎないものであるから、識別力が無い語であるとみるのが妥当である。

してみれば、本件商標は、その構成中「REAL」の文字部分を省略して「ICE」の文字部分のみで取引に用いられるものと考えられる。

一方、引用商標は「ICE」の文字のみ、又は「ICE」の文字が顕著に表された構成よりなるものであるから、需要者、取引者は、「ICE」として認識し、取引することは明らかである。

そうとすれば、本件商標と引用商標の要部は、いずれも「ICE」であると考えられ、「アイス」という同一の称呼を有し、「氷」という同一の観念を生ずるため、本件商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標であるというべきである。

また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが、同一又は類似であることは明らかである。

したがって、本件商標は、その指定商品全てに関して商標法第4条第1項第11号に該当するから、その登録は取り消されるべきものである。

3 当審の判断

本件商標は、「REAL ICE」の文字よりなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成全体に相応して生ずる「リアルアイス」の称呼も、格別冗長とはいえず、淀みなく一連に称呼し得るものである。

そして、本件商標構成中「REAL」の文字(語)は、「現実のこと」等を意味する英語として広く一般に親しまれているものであり、また、「ICE」の文字(語)も、「氷」を意味する英語として、「REAL」と同様に広く親しまれているものであるから、本件商標全体からは、「現実の氷」の如き意味合いを容易に想起させるものである。

さらに、本件商標を「REAL」と「ICE」とに分断して認識、把握しなければならないとする格別の事情も見いだせない。

そうとすれば、本件商標からは、その構成文字全体に相応して、「リアルアイス」の称呼のみを生ずるというのが相当である。

この点について、申立人は、「REAL CLOTHES」の語が、ファッションの分野において「現実の生活で着られる実質的な服」の意味で使用されていることを挙げ、本件商標構成中の「REAL」の文字(語)は、商品の品質・用途を表示したにすぎないから、識別力が無い語である旨主張する。

しかしながら、「REAL CLOTHES」の語が、ファッションの分野において「現実の生活で着られる実質的な服」の意味で使用されている事実があったとしても、「REAL CLOTHES」は、一連の単語として使用されているのであるから、全体を一体のものとして把握すべきであって、「REAL」の文字部分のみを抽出することは不自然である。

そして、「REAL」の語が、「REAL CLOTHES」の意味合いで使用されている事実も見いだせない。

さらに、他に、「REAL」の語が、本件商標の指定商品との関係で商品の品質・用途を表示しているとの証左もない。

したがって、この点についての請求人の主張は採用しない。

次に、引用商標についてみるに、引用商標は、いずれも顕著に表された構成文字「ICE」に相応して「アイス」の称呼及び「氷」の観念を生ずるものと認められる。

しかして、本件商標の称呼「リアルアイス」と引用商標の称呼「アイス」とを対比すると、両者は、前半部における「リアル」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、相紛れることなく区別し得るものである。

また、本件商標と引用商標の外観構成は明らかに相違しており、外観上相紛らわしいものとはいえない。

さらに、観念上で両商標が紛れることはないというべきである。

してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標に類似する商標であると判断することはできない。

加えて、引用商標4は、商標登録を受けていないので、「他人の登録商標」ではない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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